煩雑な書類仕事を終え寝所に戻ると、既に先客が居た。
故あってそれまでの棺型の寝台から大型のダブルベッドへと買い換える事になった、
その"故"の片方が、シッポをぱたぱたさせながら寝台に腰掛け、少し所在なげに主の帰りを待っていた
のだった。
ちらりと視線が絡み合うも、お互い一瞬で顔が紅潮するのを感じ、また視線が逸れる。
ラハールはわざと足音を立てて寝台に歩み寄り、靴を脱ぎ捨て、これまたわざと乱暴にエトナと少し間
を空けてきちんとならされたシーツの上に横になる。
それでも頬の紅潮はまだ退かない。こっ恥ずかしさからムっと憮然の表情で天井を睨む。
すす、とシーツの擦れる音と、すぐ傍まで擦り寄る感覚。
しかし触れはせず、ただじっと寄り添うだけ。
しばしそのままでいると、何かがラハールの腕に触れる。見れば、エトナがシッポをのばして腕をつつ
いていた。
憮然と−−まだ頬が赤いまま憮然と見ると、彼女もようやくこちらに向き直り、目を細めてにへらと笑
う。
「でーんか」
「・・・なんだ」
シッポが、つ、と腕に絡みつく。
そう言ったまま固まるエトナ、見る見る内に顔が紅潮し、耳が垂れて赤く染まって俯く。
そんな様子に笑みを浮かべ、ラハールはそっと手を伸ばす。
俯いたまま、エトナも手を伸ばす。
指先が触れ合い
絡み合い
掌が合い
ラハールが身を起こし
エトナが上体を倒し
唇がそっと触れ合い
離れる
恥ずかしさからエトナの身体が一瞬強ばり、目尻に小さな涙の滴が浮かぶ
それを見なかった事にして、ラハールは再びエトナに−−堕天した脳天気な元天使と共に妻に迎える事
を正式に発表した彼女に顔を近づける
また、触れる
指は絡まり合ったまま
空いた一方の腕で抱き寄せ、口づける。
エトナが唇を緩く開き、招く。
それに応え、舌が触れ合う。躊躇いがちに、おずおずと。触れ、離れ、まどろっこしい動きを繰り返す
内に接触は大きくなり出し、次第に激しく、絡み合うようになる。互いに息は荒くなり、夢中で柔らか
な舌を舐り合い、唾液を啜り合う。
離れる。名残惜しげに。唾液が互いの唇から糸を引く。
既に顔と言わず全身が火照り汗ばんでいた。
まだ照れ隠しで憮然としているラハールに、エトナはとろんと潤んだ瞳で恥ずかしげに微笑みかける。
「殿下・・・・・・」
それに押され、また唇が触れ舌が絡み、今度は早々に離れ、そのままエトナの頬を舐めて耳に至った。
うん、とエトナが微かに震える。ラハールはエトナの尖った耳に息を吹きかけ、甘噛みし、愛撫し、一
方で彼女へ手を伸ばしてブラジャー部分の肩紐を下ろす。胸元のジッパーを下ろしそのささやかな膨ら
みが露わになる。
「相変わらず薄いな」
優しく、さわさわと触れながら耳元に囁くと熱に潤んだ目で不機嫌な表情を作って見せ、反撃。
「でもいつも夢中になるじゃないですか」
「・・・・・・文句あるか」
「あ、開き直って」
「ふふふふふふふ」
「もう・・・」
耳攻めの姿勢からそっと力を加えてエトナを横たえ、耳からチョーカーを外した首筋、鎖骨から胸元へ
と舌を這わせる。
「ん・・・」
微かな膨らみの頂部に位置する乳首は既に硬くなりかけていた。指摘して言葉責めにしてみようかとも
一瞬考えるが、それはやり過ぎと判断して止める。そして、舌が乳首に達した。
「きゅ」
エトナが妙な声を出して身じろぎする。それに構わず、淡い色の乳輪と乳首を舐め回し、前歯で優しく
ひっかく。
見る見る内に乳輪が膨らみ乳首がピンと立つと、攻撃を指に切り替え舌はもう一方に走らせる。唾液で
滑りやすくなった
乳首を指で転がし、つまみ、緩急を付けて刺激して行く。掌はその薄い胸を揉みしだく。次第にエトナ
の息は荒くなり、ん、んんといった噛み殺した喘ぎが漏れるようになっていた。
ラハールが両乳への愛撫を止め、涙さえ浮かべて堪えていたエトナと目を合わせる。そのまま指を胸椎
の上からゆっくりと下に進めて行く。細いお腹を経、ヘソを避け、ベルトで止めた短い丈のスカートの
上を滑り・・・
エトナはきゅっと目を閉じ、微かに頷くと、ベルトを外し、腰をすっと浮かせる。ラハールがスカート
を取り払うと、そこを守るのは薄い布きれ一枚になった。
この為に選んだらしい、特に薄い上等な生地が使われたそれに再び指を這わせ、両サイドの結び目を解
き、一旦動きを止める。
ぎゅっと目を閉じたエトナがさっきよりも微かに・・・頷く。
そしてエトナのそこが露わにされた。
一本の毛も無くするりとした美しい下腹部のさらに下、まさに割れ目という呼び方に相応しく合わさっ
た秘部。そっと口づけると、エトナは観念の表情でゆっくりと、しずしずと脚を開いた。
その表情に期待が秘められている事を知っているラハールはさらに口づけを重ねる。
「ん」「ふ」「く」
とエトナの短い喘ぎが漏れる。
そっと、舌を出し、割れ目の上を這わせる。ゆっくりと、割れ目の周辺を撫でるような円運動から、序
々に割れ目をなぞるように加速させると、その喘ぎが次第にうわずり、強くなる。
また動きを緩め、今度は割れ目を上下に辿る。喘ぎがさらに強くなり、エトナの内股に震えが走る。
もう頃合いか。それまで両股に添えていた手をずらし、くっ、と押し広げ、そこを晒す。淡いピンクの
その部分は既に濡れ燭台の灯りを返し仄かに光り、有るか無しかの牝の香りが感じられた。
視線を感じ目を向けると、彼女はぷいと目を逸らし、シーツを握りしめる。
何も言わず広げたそこに接吻し、舌を走らせた。
途端、腰が浮くが逃がさない。ぴちゃぴちゃと音を立てて膣口をなめ回し、蹂躙して行く。
「で、殿下!あっ!!」
エトナの手がラハールの頭を捉えるが、押す腕に力は無い。絶え間ない攻撃が包皮に守られたクリトリ
スに及ぶと、もう悲鳴に近い喘ぎが混ざるようになり、愛液は止まるところを知らず次から次へと染み
出し溢れた。
「んっんーッ!」
声を抑えたエトナがきゅーっと弓なりに反る。ぶるぶると身体が震え、脱力し、荒い息を吐く。
「なんだ、もうイったのか」
「・・・殿下の意地悪」
シーツを握りしめた手を緩め、ぽそりと呟く。
「くくくくく」
けだるげにのそのそと身体を動かしたエトナがほくそ笑むラハールの隙を衝き、体当たりを食らわして
押し倒す。
「なっ!」
「しかえし♪」
にひーと笑むエトナ。ラハールが反応するより早く、瞬く間にラハールのズボンを下着ごと剥ぎ取り投
げ捨ててしまう。
「わぁ」
「・・・・・・」
体格に似合わぬ大きさのペニスは既に隆々とそびえ立ち、エラを張り出していた。
「エトナ!」
「観念してくださいよ殿下〜」
これまた手早く長手袋を脱ぎ捨てて、エトナは殿下のそれに触れる。それだけでラハールの反抗は抑え
られてしまった。
にゅふふふふふふふと妖しい笑みを浮かべながら手を添えやわやわと刺激しているペニスとラハールの
顔を交互に眺める。
ラハールはまた恥ずかしさを堪える顔でそっぽを向いてしまうと、エラを張り出した亀頭を口に含む。
「くっ」
ラハールが声を漏らす。エトナはそのまま口を進め−−長すぎて完全には口に収めきれず−−戻し、ぷ
はぁと息を継ぐ。
てらてらと唾液が先端から肉竿をつたい落ちていくのを追うように、今度は舌を上から根本まで走らせ、
また戻り、裏スジを辿るとぴちゃぴちゃと亀頭を舐め回し、エラをなぞる。再び亀頭を口に収めきゅう
っと吸い、唇でエラを挟んで擦り上げる。
離れ、尿道口に舌を這わせる一方で、右手は肉棒をしごき、左手ではやわやわと玉袋を揉む。そうかと
思うと肉棒を横くわえにして甘噛みしつつ行き来し、玉袋を口に含み転がしさえする。
走る快感にラハールも息が荒くなる。腰が震え、括約筋が締まり背が反る。天井を向き目を瞑り歯を食
いしばりエトナの攻撃に耐える。舌が触れる度、指先が走る度、ぎりと奥歯が軋む。激しくペニスが脈
打ち、痙攣する。
と、エトナの身体が離れた。
目が合う。
「殿下・・・」
「・・・む」
エトナがふわりと仰向けになり、膝を立てた格好で脚を開いた。
汗だくの身体を重ね、躊躇う事無く、つい今まで己の肉棒をくわえ舐め回していた唇と口づける。そし
て右手で位置を合わせ、ゆっくりとエトナの中に挿入して行った。
充分に濡れていたとはいえ、そこはきつく、きゅうきゅうとラハールのペニスを締め付けるが、一番奥
に達するまで進める。
ぎゅっと目を閉じ、エトナは頭の両脇でシーツに爪を立ててその感覚を享受する。彼女の処女を捧げら
れて以来−−熟女好みのマデラスは記憶を奪うのみで手を付けていなかった−−幾度も繰り返した行為。
エトナの曲げた両足を抱え上げる。視線が絡み、互いに微かに頷く。
ゆっくり、ラハールが腰を動かす。
「あ、ふぁっ!」
もうエトナも喘ぎ声を隠さなかった。ラハールが動く度に白い喉を反らして喘ぎ、自らも腰を動かし焼
けるように熱い男根に応え、迎え入れる。ラハールは前後運動に円運動も加え攻める。幾度もエトナの
細い身体が弓なりに反って痙攣し絶頂に達するが、動きを止めずさらに高みへ高みへと追い上げて行く。
髪を振り乱し、涙を零し、口の端から涎さえ漏らしながらよがり狂う。隙を見て腰を抱き上げ、エトナ
を自分の上に跨らせる格好へと導く。自分の体重も加わりさらに奥までペニスが達し、また何度目かも
定かでない絶頂に達した彼女は、その体勢に気付きうっとりと笑みを浮かべる。
「エトナ・・・」
「・・・殿下」
すっと互いに伸ばした手と手が合わさる。指を組んで、固く握りしめ、腰が動き出す。
「あふっ!ふぁああっ!ひあんっ!」
眉根を寄せ、形のいい細い眉を歪め喘ぐ。蝋燭の光に浮かぶ肢体から汗が飛び散り、ほつれた髪が頬に
張り付く。ペニスが抜けんばかりにまで腰を浮かせ、一気に奥まで勢いよく挿入する。2人の腰の動き
が同調し、エトナはさらに絶頂に達する
幾度もエトナをラハールに限界が近付いて来ていた。亀頭から肉棒から、柔らかくもきゅうきゅうと締
め付けるエトナの膣内も、接合部から響く濡れた衝突音も、よがり喘ぐ表情も、虚ろで、喜悦に満ちた
その瞳も、微かに揺れる乳房も、その喘ぎ声も、全身に響き渡り染み渡り、鳥肌が立ち視界がぼやける
程の快感に震える。
エトナももう限界か。奥歯を噛み締めながら決める。
「も、アはッ!も、もう!ふわぁッ!!ひっ!れ、れんか!!あたひ、も、もう!!」
「くっ!エトナ、行くぞ!!」
「き、来へっ!!あたひのなかに!!きゅっ!はぁッ!!」
一際大きく、エラが露出する程に腰を引き一気に突き込む。
「ひあぁぁぁぁぁァァッッ!!」
高圧電流が走るかのような凄まじい快感と共に精液が迸るのと、エトナの絶叫は同時だった。ぎゅうっ
と膣が収縮し、その奥深くに焼けるように熱い精液が止まるところを知らぬかのように勢いよく噴出す
る。
天井に顔を向け、背を反らし虚ろに口を開き荒々しく喘ぎながら2人はその感覚に酔い痴れる。
長い長い射精が終わり、ふらりと倒れかかるエトナをラハールは抱き止めた。全身で息をし、前髪は残
らず汗で額に張り付き、口角には幾筋も涎の跡が付いている。とろんとした目を開き、喜悦さめやらぬ
瞳が向けられ、そっと、また口づけを交わす。
「殿下、気持ち良かったれふ・・・」
だが、ラハールの股間のモノは勢い衰えていなかった。自分の中に入った物がまだ固いままなのにエト
ナが気付き、視線を落とす。
「あー、その、なんだ」
「にゅふふふ」
張り付いた前髪をかきあげ、エトナがうっとりと微笑む。
「いいですよ、で・ん・か」
腰を浮かせぢゅぷりと音を立ててそれを抜く。たっぷり注がれた精液と愛液の混合液が溢れ、股を伝う
のを一筋指先ですくい、如何にも美味そうにその指をしゃぶる。そうしながらゆるゆると仰向けになっ
て、ラハールの目の前できゅっと丸いお尻を高く上げ、シッポをピンと伸ばし脚を大きく開いた。
「次は・・・バックから、来て♪」
「・・・よし」
股を伝うどころか液がしたたり落ちるエトナの秘部に亀頭の先端をあてがうと、エトナが上体をよじり
腕を伸ばして肉棒に手を添え、膣孔へと導く。腰のくびれに手を添え、ゆっくりと腰を進める。
「きゅっ」
また妙な声を上げ、その感覚を味わうエトナ。のびをするように背を反らせ、シッポがジグザグに曲が
る。
じゅぷじゅぷと液を押し出しつつ、再び一番奥を小突く。
「殿下・・・来て、どーぶつみたいに・・・思いっきり」
荒い息を吐き、身体を震わせながらの懇願にラハールは従った。叩き付けるように尻と腰が音を立て、
たちまちエトナの喘ぎ声が絶叫に近付く、抉り、擦り、珠のような汗が浮いたエトナの背が何度も何度
も反り返り、シッポとハネが痙攣し、絶頂に達する。背に密着して手を伸ばし、胸を揉み乳首を転がす、
あるいはシッポの根本をしごき、アヌスに指を這わせ、悶え狂わせる。再び幾度も幾度も失神寸前まで
追い込み、上体の力が抜けへたり込んでも腰を突き込み、射精しながらもその動きを止めなかった。
一体どれぐらい交わり続けたのか、ラハールが気付くと隣に汗まみれ汁まみれになったエトナが寝息を
立てていた。
すぅすぅと安らかなその寝息に思わず微笑みが零れ、うっすらと微笑む形を浮かべた唇にそっと口づけ
る。
酷く腰が痛くギシギシ音を立て、痺れたように下半身の感覚が薄いが、エトナの表情を眺めているとそ
れは全く苦では無かった。
さて、カゼをひかせてもまずい。毛布はどこへ蹴りやったかとだだっ広いベッドを見回したラハールは
ベッドの端から覗く、赤い物体に目を奪われた。ウサギの耳を模したように弧を描き立つ赤いリボン
それだけではない、その下には金色の髪と、リボンに負けず真っ赤に染まった顔と、赤い瞳。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
しばしの静寂。
「・・・あー、フロン?いつからそこに居たのだ?」
このベッドを買う事になった理由のもう片方、もう一人の妻におそるおそる声を掛ける。
「・・・・・・うらやましいです」
「・・・・・・へ?」
「ラハールさん!」
拳を握りしめ仁王立ちになるフロン。
まずい、その瞳が炎を宿している。
「わ、私も!」
「待て、落ち着け!!昨夜はエトナの番だった筈だぞ!!」
「私も後からして欲しいんです!そ、それに、私だってラハールさんの、その、お・・・お、チンチンを!」
「わー、待て、待て、落ち着け!」
「善は急げです!!観念しなさいラハールさん!!」
「く、ならば観念するのはそっちだ、覚悟しろ!」
しばらく後エトナが目を覚ましてこれに加わり、さらに覗き見していた配下の女性軍団(魔法剣士、女僧
侶、女剣士、女格闘家、アーチャー、侍、天使兵、魔法使い各種)の重みにドアが倒壊、イきまくって暴
走したエトナ&フロンによりこれらも参加。
ラハール陛下の執務が一週間に渡りストップするという事態となったのは周知の通りである。
以上、書記プリニー第148号が記・・・あ、殿下、キャー投げないd