「んッ……ん」  
 とある遊園地らしき娯楽施設の、ある一角の建物内にて、一人の女が  
 男の前に跪き、ズボンから生えたモノをくわえて、ジュル、と  
滴る音を響かせて、無心にしゃぶっていた。  
 「もっと早く!喉の奥まで、飲み込む様にしゃぶるんだよ、この下手くそ!」   
 苛ついた口調で男は女を罵倒し、その頭を両手で掴んで、  
 強引にピストンを早めた。  
 「んぼッ!……ごほッ!」 リズムを狂わされた女が、苦しそうに咳き込む。  
 だが、男は構わずに女にひたすらフェラを強制した。  
 「この程度で何をヘマってやがる!仮にも元はレディナイト様なんだろ?  
 もっと、コッチの方面のご奉仕も精進してたんだろ?  
 さあ、もっと旨そうに、余裕の顔を見せてくれよ」  
 (…レディナイトだった頃は、こんな事、した事ないわよ……)  
 女はかつて、傭兵の様な職を生業とし活躍していた、レディナイトだった。  
 しかし今は、その面影は僅かも見当たらず、目の前の男の  
 為すがまま、命令に従い、身体を玩ばれる雌奴隷に過ぎなかった。  
 「お、お許しください…ご主人様……」  
 元レディナイトは、笑顔でフェラを再開した。  
 
 「いい顔する様になったな、フュート…」  
 元レディナイトだった頃の彼女の名前だったが、今はただ、  
男がこの雌奴隷を精神的に追い詰めて責める為の、  
キーワードに過ぎない意味しか無かった。  
 (もう、そんな名前で私を呼ばないで……)  
 雌奴隷は、男に懇願するが如く、フェラをしながら男を見上げる。  
 「物欲しそうな顔も、中々堂に入ってきたな。この変態女め!」  
 (そうよ…私はもう尋常な女じゃないのよ…もっともっと―)  
 男が逞しくなったペニスをフュートの口から引き抜き、次の段階の行為を軽く顎で示した。  
 フュートは、四つん這いになり、男の前に尻を突き上げて見せた。  
 「…ご、ご主人様ぁ…  
お、お願いします…この、卑猥な雌穴に  
素晴らしいご褒美を入れて…くださいいッ!」  
 既にその穴は、誰の目にも明白に潤っていた。  
 「くっくっく!大分素直になったな!そろそろ自分の本性が分かったか!この淫乱がッ!」  
 男は躊躇い無くペニスをフュートの中に差し込む。  
 「んはあ!」  
 建物内に、フュートの快楽に溺れた喘ぎが響く。  
 (そう、コレで…いいのぉ……)  
 その笑顔は、快楽に全てを委ね堕ちた、雌奴隷のものだった。  
 
 パン、パン、パン―  
 尻と太股が、互いに叩きつけ合う音が甲高く響く。  
 頭の後ろの上でまとめたフュートの長い髪が乱れ、顔に赤みがさしていく。  
 口の端からは、糸をひく様に唾液が滴り落ちていた。  
 「んッ!あ!はぁッ!…」  
 「どうした?もう感じまくってるのか?相変わらずの敏感っぷりだな!」  
 「はいッ!あ!…あ!私はッ!敏感で変態でッ!…  
救いが無い淫乱な!雌でッ!……あ!いいッ!」  
 フュートは、リズムよくピストン運動に応えながら、  
男の卑猥な言葉の投げ掛けに服従しつつ、自らの身体に渦巻く快感に翻弄されていた。  
 「う、お…  
そろそろ出すぞ!中でッ!いいな!」  
 「んあんッ!…はいッ!…だ、出してッ!出してくださいッ!」  
 フュート自身、会話など頭に無く、ただ快楽の絶頂に至る合図だとは理解して、  
反射的にただ叫んでいた。  
 「ご主人様あッ!アタシのッ…お、オマ●コにッ!…出してえぇッ!」  
 パンパンパンパン!―  
 男はフュートの腰を持ち固定し、ピストンを早め、その最後、  
大きな波を一つ打ってから、ズップリ挿入したペニスの先から、精液を注いだ。  
 「んッ、う……」  
 
 男との絡みを終えると、フュートはその場に倒れ、暫く  
そのまま横たわったままでいた。  
 既に男はこの場を去り、フュート一人が残されていた。  
 鎖や手錠で繋がれいる訳でもなかった。  
 (…逃げて……無駄ね)  
 フュートは少し思案し、逃げる事を諦めた。何故なら、自分がこの建物から逃走した場合―  
 「あッ!はいッ!…」  
 「あひいいッ!」  
 自分と同じ境遇にある、他の女達も、巻き添え処分されるとわかっていたから。  
 逃げるなら全員、或いは、最低でも5〜6人くらいは連れて逃げない事には、結局また、  
この建物へUターンは目に見えている。  
 (それに…)  
 フュート自身が、何かと身体を弄られており、既に、半日と男と絡まないままだと、  
逆に禁断症状を起こす様な有り様な身体になっていた。  
 (あ…あ…もう、来てる) 身体の中が火照り、発作が始まる。  
 誰でもいい―  
 アタシの胸を揉んで。  
 アタシの舌を塞いで。  
 アタシの中に入れて。  
   
 その妖艶にして無様な姿は、かつて、レディナイトとして  
戦ってきた女戦士の、些細な出来心が招いた末路でもあった。  
 「ほう…まだ足りなかったか」  
 男が帰ってきた。  
 
 男は、早い話が人買い、人身売買をする闇の業者の一員だった。  
 「あ!あッ!ああん!」  
 「そらそらッ!もっと激しく腰を振れッ!このスキモノめッ!」  
 「あいッ!いひッ―!」  
 フュートは、そんな男に騙され、雌奴隷にまで身を堕とす羽目に至っていた。  
 切っ掛けは単純だった。  
 「もう少し稼ぎたいな」  
   
 フュートはある日、通常の日々の依頼をこなし続け、その金額に僅かな不満を感じた。  
 (買いたい服とか、結構あったしなぁ…  
何とか後1〜2万ボルドー位は…)  
 転落の始まり。  
 破滅への入口。  
 そこで目についた字―  
 「♀短時間高額」  
 (……それは)  
 フュートは。  
 この手の広告が、いかがわしい系な仕事だとは理解していたが―  
 出来心。  
 一回くらい、見知らぬ男と裸を交わすくらい…なら…  
 (処女…じゃないし…)  
 フュートは、広告にある仕事場へと足を運んだ。  
   
 それがこの建物だった―  
 「いッ!あッ!…」  
 「初めてお前がこの建物で暴れた時は、流石の俺も死ぬかと思ったぜ!」  
 「あ!いッ!もう!…しませんッ!お、お許しッ、おうッ!」  
 「はッ!特殊媚薬が効いてるとはいえ、ザマぁねえなあ!」  
 
 
 最初に来た時は、当然、フュートはこの建物の意味を理解し、他の女達を解放するべく戦った。  
 だが、あくまで自分自身も、特に悪質だと思わなかったら、  
普通にその身を男に売ろうとしていた分際だったワケで―  
 そんな気後れもあって、フュートは容易く不意討ちをくらい、  
 後は建物にいた男どもに良いように扱われていった。  
 初めは当然、鎖や手錠をされ「調教」が行われた。  
 暴行の類いも含まれるが、何よりもフュートが堕ちる切っ掛けは、まず媚薬だった。  
 しかも特殊な媚薬で麻薬と同じ様な中毒性があり、本人が  
少しでも精神的興奮状態にあれば、絶大な効果を得るシロモノだった。  
 
 「さあ、俺のポコ●ンを気持ちよくしゃぶってみろよ!」  
 「誰がッ!」  
 「お〜お怖ッ!」  
 「アンタ達…こんな事して…事が公になったら、傭兵団や  
セレスト以上の連中から、袋叩きじゃ済まないわ!」  
 「ご高説、痛み入るね」  
 「アンタは…」  
 「しかし、心配ご無用」  
 涼しい顔の人買いの男は、フュートを一瞥し、親指で  
後ろの人物を差した。  
 「我々にも後ろ楯はある、てワケさ」  
 フュートはその人物が、シシカバブ商事の重鎮である事を知っていた。  
 
 「そもそも、だいたい君は何だってこの建物に来たんだい?」  
 「ぐッ!…」  
 正に返す言葉もない。  
 人買いの男は、態度だけは極めて優しくフュートに迫る。  
 言葉の端々に、毒や棘を含ませ、次第にフュートの精神を追い込む。  
 「まあ、この建物の事を知ってしまったからには、今更只では帰せないが」  
 「…私をどうするの?」  
 人買いの男は、首を切るジェスチャーをした。  
 あっさりと。  
 「そ、それ…は」  
 「秘密を知られたからには、当然の成り行きだが?特殊媚薬で雌奴隷になった女どもを、  
各地に配送、又は処分請け負い等々…」  
 フュートの頭は、瞬間、真っ白になった。  
 人買いの男は、この瞬間の機会を逃さなかった。  
 「生き延びる手ならある」 「え?…」  
 フュートの目の前に、男のペニスが垂れ下がる。  
 「しゃぶれ」  
 有無を言わせぬ響き。  
 戸惑うフュートは既に、人買いの男に呑まれていた。  
 「今すぐ死にたくなかったら、歯を立てず、コレをしゃぶってみろ」  
 「で、でも…!」  
 ザクッ!……ドサ。  
 躊躇うフュートの後ろで、一人の女が剣で刺されて死んだ。  
 「!」  
 「時間が経つ程、犠牲者が増えるよ〜」  
 
 フュートは慌てて、男のペニスをしゃぶり始めた。形振り構わず、  
髪を振り乱し、稚拙ながらも、舌を使って、男を満足させるべく。  
 「おほ!いいね!」  
 この建物内の女達が人質となった状況で、フュートに他の選択肢は無かった。  
 「お願いです!もう殺さないで!」  
 しゃぶりながらフュートは人買いの男に懇願する。  
 「じゃあ…」  
 人買いの男は、ニヤニヤと悪意ある笑みを浮かべて、  
近くにあった鏡台を指差した。  
 「あの前に行って、四つん這いになれ」  
 「え?」  
 瞬間意図を理解しかね、フュートは怪訝に思ったが、躊躇うと  
また誰が犠牲になるかもと、足早に鏡台の前に行き、望み通りの姿勢をとる。  
 
 「そのまま自分の顔が見えるだろ?」  
 「それは…」  
 当たり前だ、と言おうとした次の瞬間―  
 人買いの男の指が、フュートのお尻の穴を貫く。  
 やがてその指が動きだし、フュートは自身の歪んだ顔を鏡で見る羽目になる。 (ああ…そう…か)  
 フュートは理解した。  
人買いの男は、フュートにより恥辱を感じさせる為、鏡台の前に呼んだのだ、と。  
 「金で身を売った雌の顔は、実にいい卑猥な歪み方をするわ」  
 「うあ……うん」  
 
 媚薬は、確実にフュートの身体を蝕んで来ていた。  
 鏡台の前に映る、金銭の為に身体を男に委ねて快楽に溺れてみようと、出来心で股を開いた雌の顔。  
 「いいアへ顔を晒せる様になるぜ、この反応の敏感さならな」  
 後ろから頭を鷲掴みされ、引きあげられた顔は、人買いの男に言われるまでもなく、  
 女としての尊厳や誇りを失い、快楽を求める事のみに堕落した、  
 歪に染まった笑顔だった。  
 (もう……何も考えられない…)  
 やがて。  
 人買いの男のペニスが、フュートのお尻の穴の中に、ゆっくり挿入される。  
 「んああ…あッ」  
 「あんまり締め付けるな、出ちまうじゃね〜か」  
 「そんな、事、言ったって…私、よ、よく分からな…い…」  
 しかし、最初に挿入されてから5分。  
 もう激しいピストン運動が始まっていた。  
 「いい!すごいッ!これッ!」  
 「やっと媚薬が本格的に効いてきたようだなあ!」  
 「凄いのッ!スゴくイイいぃッ!あ!は!もっと!アタシ、突いてえぇ!」  
 鏡台には、腰をガクガク激しく動かして昂る雌の、  
性の歓喜に満ち溢れたアへ顔が映っていた。  
 そこにもはや、かつての戦士だったレディナイトの面影は全く無かった。  
 
         END.  
 
 

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