魔立邪悪学園内の一室、マオの部屋にも夕日が差し込む時間になった。
そこのベッドの上で布団の中に身を横たえていたラズベリルは、ゆっくりと起き上がると、その一糸纏わぬ体に身に付けるための衣服を探す。
脱ぎ散らかされた(脱がし散らかされた)いつものベリルの服は、あるものは床に落ちていたり、椅子に引っ掛かっていたりと、随分な散らかり様だ。
(まったく、アタイならちゃんと畳んで枕元に揃えておくのに)
そう思いながら、下着を拾おうとベッドから身を乗り出そうとすると反対側からふいに肩に手を置かれた。「帰るのか…?」
「あぁ、起きてたのかい、マオ。」
さっきまで、ベリルと同じように裸で隣で眠っていたマオは、体を半分起こして声をかけてきたものの、まだ寝起きで頭がはっきりしないという様子だ。
ぼんやりとした表情、口調で続ける。
「…たまには泊まっていけ。」
(ふぅ…。)
ベリルは溜め息をついた。「アンタがそんなこと言うなんてね、まだ寝呆けてるんじゃないのかい?」
「我は寝呆けてなどいないそ、ベリルよ。毎度毎度、お前は帰宅時刻が早すぎるのだ。その分、お前が帰ったあと我が長く暇になるだろうが。」 少し意識がはっきりしてきたらしいマオがさらに続ける。
「大体、お前は自室にこもりきりの幼馴染み放っておけないから、たまに我を訪ねていると、その様に言っていただろう?」
「た、確かに言ったけど…。」
「なら、こんな中途半端な時間に帰らずに、我の気が済むまでここにいるべきではないのか?」
(マオ…。)
甘えているのか何なのか。引き止められているらしいこと自体は嬉しい。だが…
「マオ、アンタにとっちゃ早すぎる時間でもね、アタイには門限があるんだ。不良として、それは譲れない。朝帰りは優等生のすることだよ…!」
「不良、か…。」
下を向いてつぶやくマオ。肩に置かれていた手が放される。
(わかってくれた…!)
ベリルがホッと胸を撫で下ろした次の瞬間、にやりと笑みを浮かべたマオが顔をあげ、今度は両肩を捕まえた。
「わかったぞ、ベリルよ!お前が不良の道を突き進む決意なら、我も優等生らしく、無理矢理にでもお前を帰さないことにした。」
「えぇぇぇぇっっっ!!!」
そのままマオはベリルの華奢な体をベッドに押しつけると、彼女の上におおいかぶさった。
身をよじって抵抗しようとするベリルの顔を手のひらで押さえ、強引に唇をあわせる。
唇をこじ開けて舌をからめとりながら様子をうかがうと、ベリルは苦しい様な切ない様な表情で目をぎゅっと瞑っていた。
たっぷりと唾液が交ざりあう感触を堪能したマオは、次に耳たぶに、首筋に鎖骨に次々舌を這わせ、吸い付いてベリルの性感を煽る。
「ぁっっ…!だ、だめだって…、まお!アタイ…、もう…かえらないと!」
すぐにベリルの呼吸は乱れはじめた。
さらにマオは口での愛撫を進め、ベリルの未成熟な乳房やその頂点に丹念にざらざらと舌を押し当てそうしながら脚のあいだを指で探ると、そこはもう既にマオを迎え入れる準備が出来始めていた。
これまで何度もマオを受け入れてきた体は、拒もうと頭で考えてはいても、彼に少し触れられるだけで、すぐに溶かされてしまうのだ。
「…あ、…はぁんっ………アタイ、もんげんが」
抵抗を続けようとするベリルだが、もはや体に全く力が入らず、その言葉にも説得力が無い。
「あ、ぁぅん!ま、まぉっっ!!」
マオは刺激を与えるたびに、びくびくと跳ねる腰に頭を押しつけて軽く押さえ、中指と人差し指に愛液をからめてクリトリスを撫でた。
もう片方の手の指をその潤った秘部に、一本二本とさし入れて刺激を与えていく。 「ぁ!…や、やだぁ!ヘンになるっ…!」
「いいぞ、ベリルよ!そのまま我が与える快楽に溺れよ!」
指での愛撫を続けつつ、次第に激しさを増していくと、ベリルの体の痙攣もビクンビクンと激しさを増していった。
「はぁぁんっっ!!も、もうっ!ホントに、だ、だめぇ!イッちゃうっ!イッちゃうマオぉっっ!!」
「そうだ!そのまま達っするがいい!」
「あぁぁぁぁぁっっっ!!!」
悲鳴をあげる様に、ベリルは背中を仰け反らせると絶頂を迎えた。