『アルマース…そなたを…そなたを…』
とある王家、とある城の、とある姫様の寝室でのこと。
部屋の作りは壮麗であり、その中心に置かれたベッドも大きく立派なものである。
ただ、所かまわず大量に飾られた、部屋の主言うところの「カワユイもの」達が
その場をかなり奇妙な事としていたので、全体の雰囲気は一概に壮麗とは言い辛いものであった。
そして今、その部屋のベッドの上には、一組の男女が身を寄せ合っている。
互いに身を隠すものは無く、男は女に覆いかぶさり、女は切なそうに上気した顔でそれを受け入れている。
男のそれは、もう待ちきれぬとそそり立ってその中心から涙を流し、
女のそれは、そんな男を受け入れるため、しとどに濡れそぼっていた。
『ひめ…さま…っ』
『ひゃあぁ…アルマース…アルマースぅ…』
剛直が女の卑部を擦る。それだけの刺激ですら、せつなそうに耐える女を見、
男ももう辛抱できなくなったようであった。
『ひめさま…いい、でしょうか』
『…よいっ…よいぞっ。はよう…はよう来てくれ…』
『…ひめさま…愛しています…』
『アルマース…わしも……あ、あああああっ、ひっ!ひうぅ…っ!』
二度と離すまいと誓うように、二人は固く抱きしめあい、結ばれた。
繋がりからわずかにこぼれる赤い純潔の証が、女の顔を苦痛にゆがませる。
柔らかく包み込まれた男はもうすぐにでも果ててしまいそうで、しかし相手を気遣い、懸命に耐える。
『…っっ!…ひめさま…辛くはないですか…』
『…へい…き、じゃ。こんなもの、魔界での戦いに、比べれば……っっ!いた…っ』
『ひ、ひめさまっ…』
『だいじょうぶ、じゃ……それにな、アルマースが、おる。こんなにも近くにおる。
それだけでわしは大丈夫じゃ。痛いことなんかより…
そなたと一つになれた事の嬉しさのほうが、つよいぞっ』
『……っ!』
『ああっ!ひゃっ!アル、んむぅっ!?』
感極まった男が、優しく、だが強引に女の唇を奪う。上も下も深く深く二人は重なり合った。
お互いの頭をかき抱き合い、舌と舌とを絡める。薄い水音とくぐもった二人の声が部屋に響く。
『もう…動いても、よいぞ、あるまーす…』
長い間重ねていた唇を離し、蕩けきった顔で女は告げる。
これまでに無いほど昂ぶっていた男は、自分のそれが気を抜けば
すぐにでも果ててしまいそうな事など、お構い無しに動き出した。
『ひめさま…ひめさまっ!』
『ひゃあっっ!!ああああっ!んうっ!』
『ああっ…ひめさま…っ…ごめんなさいっ。もう、僕…!』
『ひうっ、ひうう!あ、あ、でる、のか?…だ、だすの、だなっ?よいぞっ!よいぞっ!
あん、ああっ、あ、だせっ!だせっ!だして、だしてぇ!わしの…だいじな…ある、まーすぅ!!』
きゅっ、きゅっと甘く男を抱きしめる膣の感触に、もう男は耐えられなかった。
剛直を一番奥深く突き入れ、強く抱きしめあいながら、本当にどく、どく、と音がするのでは
無いかと思うほどに大量に熱い欲望を彼女の一番大切なところに注ぎ込む。
『ひうっ!ひ!ひゃああああああ!!あ、あ、あ、ひ、ひぃ…ひぃぃ…っ、れてる、れてるぅ…
だいじな…あるまーすの…だいじな…せー、えき…いっぱ、い………あつい…よぉ…っ』
『はあっ…!はあっ…!ひめさま…ひめさまぁ…』
『ひ、あ、あぁ…、……あるまーす…あるまーすぅ…かお……みせて……きす……したい……』
『ひめさま、ん、むぅ…』
欲望を放ってもなお繋がり続ける二人。こうして、魔界を舞台として、今や真の勇者となった男、
アルマース・フォン・アルマディン・アダマントと、その憧れであり、愛情の対象であった姫、
サファイア・ロードナイトの新婚初夜は、さらに深く深くなっていくのであった。
『アルマース…』
『ひめさま…』
…ということがあってから、その後色々あって、時は後日談。
「アルマース」
「ひめさま…」
「おいアルマース」
「ふふ、なんですかぁ、ひめさまぁ」
「ひめさまぁ、じゃ無い!!貴様、魔王である我を無視するとは良い度胸ではないか!!」
「うえっ!?マオ!?」
所変わって此処は魔界。魔立邪悪学園の一号生校舎、その数多ある凶室の中の一室である。
生屠会で中々自分の意見が通らなかったせいか、不満をアルマースにぶつけようとしていた
マオは、机にひじを突いたままぼーっとして自分の事を気にしないアルマースに更に
不機嫌な気持ちを募らせているようだった。
「ご、ごめんマオ!…ええと、なんだったっけ?」
「く、この、やはり聞いていなかったか!むむむぅ…、もうよい!別の者に話して来る!」
あの騒動以来、なんだかんだでアルマースにとても大きな信頼を置いているマオである。
相手にされなければそれ相応にへそを曲げてしまっても仕方の無いことであった。
ふん、とふてくされた風に別の生徒の席へ向かって行くマオ。
「あっちゃあ…悪い事しちゃったなあ…」
「そうじゃぞアルマース。どうしたのじゃ、話を無視するなど、そなたらしくも無い」
そう言ってアルマースの隣の席から話しかけてきたのは、彼の婚約者サファイア。
ちょうど今しがた魔ビリティー屋から帰って来たところで、二人の事も見ていたらしい。
「姫様っ!あ、ああ、いえその…ちょっと考え事をしてて…」
「何?考え事とな?…ふむ。夫の悩みを聞いてやる事も妻の役目ぞ。どれ、話してみよ」
アルマースはドキッとした。姫様との新婚初夜の思い出で悦に浸っていました、等とは言えようはずも無い。
「い、いえその…大した事じゃないんです。ホントに気にしないでください」
「…そうか?そなたは色々抱え込む癖があるからのう。…あの時だって…」
あの時。サファイアを庇って受けた、あの死の呪いのことを言っているのだろう。
サファイアの顔が、あの時一時的にでも死んでしまったアルマースを思い出し、悲しげな表情を浮かべる。
「あ、いや、全然そんな事じゃないんです!ホントです!姫様を悲しませるようなマネ、
僕に二度も出来るはずないじゃないですか!!」
「…ホント、じゃな?」
「はい。本当ですっ!」
「ふふ、ならば良いのじゃ。…それにもうそなたは完全にわしのものなのじゃから、
勝手に死ぬことなど、絶対、ぜ〜ったい、あってはならぬのだぞ?」
「はいっ、もちろんですよ。僕はずっと、姫様と一緒にいます」
「うむ♪それでこそわしの夫じゃ」
お互いに顔を見合わせ笑いあう。これ見よがしのバカップルである。
周りにはピンク色のオーラさえありそうな気がするほどだ。
遠巻きにラズベリルとその子分である明日禍、狂子がその様子を観察している。
「お姉さまお姉さまっ!アレが48の愛情表現技の一つ、『二人の世界』ですのね!」
「ああ、あいつ等が居るあそこだけ明らかに他と空気が違う…!とんでもない技だね…!」
「別名『BCF』(バカップルフィールド)とも言うらしいですわ!なんでも本気になれば、
魔王ですら二人の中には介入できないとか…」
「なんてこった…。愛ってのはやっぱりすげえな…!!」
あーだこーだと議論を交わすラズベリルたちには二人は気付かないまま、その日のホームルームは終了した。
というか、いつものごとくマオの「もう帰る」で強制的に終わったのだが。
見ての通り、アルマースとサファイア、二人の仲は非常に良好で、非の付け所の無い
バカップルなのであった。それにしてもなぜアルマースは仮にも凶室でのホームルーム中に、
あのような思い出に駆られてしまったのだろうか。いくらバカップルとはいえ、
根が真面目なアルマース。所かまわず淫らな思いに浸るような人間ではないのである。
邪念を振り払うため、一人鍛錬を行っていたアルマースは、帰り道の廊下を歩きながらため息を尽いていた。
「はあ…、こんな思いが強くなっちゃったのって、やっぱり…してないのが、原因なんだろうなあ…」
して、ない。そう、アルマースとサファイアは初夜の後、そういった行為を殆ど交えていないのである。
初夜の翌日、すぐに新婚旅行で魔界へと来てしまい、それからというもの、マオ達に振り回され、
戦いだか小競り合いだかの騒々しい日々が続いていた。
アルマースが、夜中でもかまわずマオに連行されたりするのは日常茶飯事で、
お互いの時間が合わず、もうすでに眠ってしまっているサファイアを起こすのは忍びないという、
優しいのだか意気地が無いのだかよく分からないアルマースの性格もあって、
ここ最近は彼にとってとんでもない生殺しの日々となっていたのである。
「…今日も、ダメなのかなあ…。姫様は、そういうの全然気にしてないみたいだし…。
…はっ!思えば、あんな淫らな姫様を想像して、悦に浸るなんて…勇者の考えじゃないよね…
しょぼーん……」
酷かったマイナス思考も、最近はめっきり無くなって来たアルマースだが、
サファイアのことになると、やはり彼もついつい弱気になってしまう。
だが、そのとき。彼のココロの中に聞き覚えのある声が高々と響いた。
『喝ァァーーーーッ!!!!』
「うわあ!!し、師匠!?」
『いかにも!チャンプル先生ぞなもし!』
「ま、また僕のココロの中に登場ですか…」
『こうでもしなければ、出番が無いからな!』
「ぶ、ぶっちゃけてますね…」
そう、この男はあの騒動を供に戦い抜いた仲間、家諦科凶師チャンプルである。
こうしてアルマースのココロの中に出てくるのは二回目だが、
なぜ出てこれるのかは聴いてはならないお約束だ。
『聞けばアルマース!お前はなんと意気地の無い男だ!
今のお前は、ごま油も入っておらず、べちゃべちゃと火加減の悪いもやし炒めのような男ぞなもし!』
「で、でも、姫様は疲れて眠っておられるのだし、其処を邪魔するだなんて…」
『甘い!愛し合う男と女とは、溶け合い交じり合うことによって初めて旨みを出す調味料の如きもの!
お互いの絡ませ方が悪くては、折角の料理も場所によってしょっぱいすっぱいの変化が出てしまうぞな!』
「要するに、僕たちの仲が悪くなるって事…?」
『うむ!カレーは何度も火にくべて煮込んでこそ真の旨みが出てくるもの!愛もそれにしかりぞな!』
「む、むむ…。僕のほうから、積極的に行かなきゃ、ダメ、ってことですね…
分かりました!師匠!僕、がんばってみます!」
『よし!それでよいぞな!旨い料理が出来上がることを楽しみにしているぞ!』
チャンプルに励まされたアルマースは、今日こそは…!と決意を硬くし、自室のドアをノックした。
「ひ、姫様ー。入ってもよろしいでしょうか?」
「おお、アルマースか?よいぞ。
…というか、ノックなどせず勝手に入ってきて良いといつも言うておるのに…」
自室であるのにサファイアのことを考えてわざわざノックしてしまうアルマース。
へたれである。決意した矢先にこれでは不安が募ってしまうが、果たして。
しかし、ドアを開けた先でアルマースの見た光景は、先ほどの決意を忘却の彼方に
送ってしまう程のインパクトを含んでいた。
「ひ、ひめさま!?…そ、その格好…!!」
「おお、これか?城から出るとき、御付の者から貰ったのじゃ。どうじゃ、似合っておるか?」
アルマースとサファイアの自室で、サファイアが着ていたものは、彼女の実家である王家、
その城の御付のメイドたちが身につける服装一式。要するにメイド服であった。
黒を基調としたデザインが全体に施され、フリフリのロングスカートに、エプロン装備、
その要所要所にはフリルが惜しげもなく縫い付けられている。カチューシャからエナメルの靴まで
装備しており、その姿はまさしくメイドさんそのものである。
しかしその顔は姫としての気品に溢れた凛々しさを持っており、とてもアンバランスな魅力を
アルマースに与えていた。突然目の前に現れた信じがたい光景に、呆然としてしまうアルマース。
「ど、ど、どうしてそんな格好をなさってるんです…?」
「…ふむ……その、な」
「…ひめさま?」
不意にアルマースの背後に回り、ドアを閉めてしまうサファイア。
アルマースと対峙し、その格好のままもじもじと指を合わせる。
「最近…な?というより、こっちに来てからじゃ」
「…はい」
「わしら、き、キスは、何回か、その、したが、…ええと、その…」
「ひ、ひめさま…」
「…して、おらぬだろう?」
ふわっ。そういった表現がしっくり来る動作で、サファイアはアルマースの胸に顔をうずめる。
様々なことが起こり、半ばパニックになっていたアルマースだが、その感触で男としての本能が目を覚ました。
「ひ、姫様っ」
「きゃっ」
ぼふっ。城のベッドとは明らかに違う硬いベッドに、アルマースはサファイアを押し倒した。
サファイアは不意を突かれて一瞬驚いた顔をしたが、すぐに顔をほころばせた。
「…なんじゃ。したいのは、わしだけではなかったのだな…」
「す、すみません。姫様」
「なぜあやまる?夫婦の営みじゃ。当然のこと、だぞ?」
「いえ、その…こんなふうに、乱暴にしてしまったことと、姫様のお気持ちに気付かなかったこと、
両方に申し訳が無くって…」
どこまでも律儀なことを言うアルマースに、サファイアはクスリと笑ってその頬に、ちゅ、
と軽い口付けを交わす。その次にはアルマースの首に両手を回し、ちゅ、ちゅ。と顔中にキスを降らした。
「ん、うあ、ひめ、さま…」
「ちゅ、ちゅ、ん…。アルマース。あるまーす。好きじゃ。大好きじゃ。じゃから…ん?…んぅっ」
だから、して?
最愛のものにそこまでは言わせられなかったのであろう。アルマースはサファイアの口を塞ぎ、
深く口付けを交わした。サファイアと恋人つなぎに繋いだ右手が、ぎゅっと握られた後、くたりと
力が緩む。唇を離せば、サファイアは初夜の時と同じ、いや、それ以上に魅惑的な顔になっていた。
アルマースはゆっくりとメイド服の上のボタンを空けていく。褐色の肌、
まずは綺麗な曲線を帯びた鎖骨が現れ、そして服の上からでもその存在を大きく主張していた
乳房が、下着に包まれまろびでた。
「あ…っ…はあ…っ…あるまーす…」
サファイアはアルマースの成すがままであった。目を合わせれば、いいよ、というかのように
にっこりと微笑んだ。たまらなくなったアルマースは、乳房を包んでいた下着を脱がし、
その先端に吸い付いた。
「ひゃん、や、あ、んんぅ!…ふ、ふふ、あるまーす、よいぞ、よいのだ。たくさん…んっ、吸えっ。
もっと…わしを…もとめて…っひゃあっ、あ、あああっ」
「んむ…っ…はあっ…はあっ…ひめさま…っ!」
「あ、今度はん、んうッ!違う…方か…?わしの…おっぱい…そんなにおいしいか?あんっ!」
「ん、ちゅっ、ぷあっ。…姫様の体に…おいしくない場所なんてないです」
「ああ…あるまーす…あるまーす……ひゃああっ!そ、そこっ…そこ、さわる、のか?んああ!」
アルマースは手を下へと持って行き、サファイアのロングスカートをたくし上げ、
細かい細工の施された真っ白ショーツに隠された秘部をその上からラインに沿って優しく撫でた。
すでにショーツはびしょびしょに濡れ、その中心にはぴょこん、と彼女の一番キモチイイ所が
可愛らしく覗いている。下着の上からでも分かるほど、そこは紅く興奮していた。
「…姫様のここ、もうこんなになってます」
「ああ…、やあ…っ…み、みるなぁ……い、いや、みてよい、よ、よいが…その…うううっ」
「姫様…っ、可愛い、可愛いです、姫様…っ!」
「あ、ひゃああああ!!あ、だめ、だめええ!あるまーす!そ、そこ、きもちよすぎる、からあっ!」
ショーツの上からでも敏感に反応するサファイア。アルマースは、そのショーツさえ取り払い、
半ば抱きつくようにそこに顔をうずめる。
「んゃぁ!ひゃああ!あ、あ、だめ、そこ、そんな、だめ、だめ、なんか、でちゃう、からぁっ
だめ、だめじゃ、やあっ、ちゅ、ちゅ、しちゃ、やあーーっっ!」
ぶしゅっ!!
「ひううううううっっ!!」
「え、?ん、んぷっ!?」
サファイアの露がアルマースの口元に降りかかる。舐められただけでサファイアは達してしまったようだ。
「…はあっ、…はあっ…、す、すまぬアルマース。先に気を…やってしもうた…」
「い、いえ、姫様が気持ちよかったなら…十分ですっ」
「いいわけあるか…いっしょが、よかったのじゃ…」
言ってサファイアはまだ開けられていなかったアルマースのズボンのチャックに手をかけた。
大きくそそり立っているであろう怒張は、美しい姫を目の前にして、
狭いところから出るに出られず、苦しんでいる。
「ひ、姫様っ。なにを…?」
「…思えば、わしは今、メイドの格好をしておるのじゃ。な、ならば、
それ相応のやり方というものも、その、あろう」
かちゃかちゃ、ぶるん!そんな擬音と共に出てきたそれをサファイアは息がかかるほど近くで見つめる。
そして、おもむろに先端にちゅ、ちゅと吸い付いたのである。
「うあっ、あ、ひ、ひめさまっ」
「ん、ちゅ、ちゅ、ふ、んん……ぷあっ!、ど、どうじゃ?気持ち…よいか…?」
気持ちよくできてるかな?痛いようにはしていないかな?そんなココロ細い目で
見上げられ、アルマースの昂ぶりは急上昇した。
「は、はい。きもちいい…ですっ」
「そ、そうかっ。よ、よしっこんどはもっとふかくしてみような?痛かったらいうのだぞ?んあむ…っ」
「はあ…っ!あ、ああ!」
ぐちゅ、ぐちゅ、ぢゅ、ぢゅぢゅ。
一国のお姫様が、それも自らの最愛とする者が、端女の着るメイド服を身にまとい、
自らの醜い欲望に奉仕している。アルマースの脳味噌は多幸感で焼ききれそうだった。
それにともない、熱い塊が彼の中からせり上がってくる。
「あ、ああっ、ひめさまっ!も…っ出ます…!」
「んっんっんっ…んむ?よいろ、らせっ、あるまーふの、のまへて…っ」
思わず腰を引こうとするアルマースを逃がすまいと、がっしり腰に手を回し、
サファイアは口の動きを一生懸命に早めた。じゅぶ、じゅぶ、とよだれがのどを伝い、
喉を突きそうになる怒張にむせかけたが、愛するもののためならば気にならなかった。
「あ、あ、あ、ひめさまっっホントに、僕もう…」
「んう!ちゅ!ぢゅ!らすのひゃ!らしへ!!ぢゅうう!!」
どくっ、どくどくっ!
「んむうう!?んんんっっ!!!」
深く怒張をくわえ込んだその最奥で、熱い塊がはじける。
その量と熱さにサファイアは目を白黒させたが、気丈にも口から離したりはせず、
ゆっくりとそれを飲み干してゆく。
「ん…っ、んくっ、んくっ…」
「あ、ああ…ひめ、さまぁ…」
アルマースはサファイアの頬を両手で包み、こちらに向けさせた。
サファイアは怒張をくわえたまま、時折ちゅうちゅうと赤ん坊のように吸い付きながら、
アルマースを見上げている。二人とも夢の中に居るようにトロンと融けた目をしていた。
腰にまわされた腕が解けた所で、アルマースは怒張をようやくサファイアの口から引き抜く。
どろっ、と、彼女の潤んだ唇と、自らの醜いものとの間で白濁した橋が架かる。
「ん…ふっ…はあ…っ……おおい…な…。こんなになるまで我慢するのは、つらかったろう…
すまぬな、アルマース…」
「姫様…っ、僕、まだ…もっと…!」
「うん…うん…っ!きて、くる、のじゃぁ!アルマースぅっ!」
ずぶぅ!
深く深く、アルマースの剛直がサファイアを貫く。
まだ実質二度目であるものの、大きな痛みなど殆ど無く、代わりにとても大きな快感がサファイアを襲う。
「ひああっ!!あ、あああ!さい、しょ、とぜん、ぜ、ちがうぅ…っっ!」
「気持ち、いいですか?ひめさまっ!」
「うんっ!うんっ!ひ、あ、あ、きっ、きもちい!きもちいよう!あるまーすぅ!」
出したばかりだというのにもうすでに込みあがってくる欲望をなんとかせきとどめ、
アルマースはずんずんとサファイアの膣をかき回す。そのたびにサファイアは嬌声をあげ、
星を称える瞳に涙を貯めて愛しい者から与えられる快感を喜んだ。
「ひ!ああ、あ、あ、も、も、だめ、じゃっ、あるまーすっ!あるま−すぅ!も、だめ、だめえっっ!」
「姫…様っ!ああ、涙が…」
「ひ、く、うああっ!そうじゃっ!そなたに、泣かされて、おる!うれしくって…ないておる…っ、ああ!」
「きれい、です…っ、姫様の、涙っ!」
「あ、ああああああ!あるまーす!すき!すきじゃ!あいして、ひう!あ、も、だめ、だめ、だめぇ!
イクっ!イクの、じゃ、らして!あるまーすも、らして!らせえ!ぴゅ、ぴゅ、し、てぇ!!」
「姫様…っ!」
「ひ!あ、いく、いくっ、あ、あああーーーーーーーーっっ!!」
どくん!どくん!
感極まり、流れぬといわれた涙まで流して絶頂を迎えたサファイアの膣に、これまででも一番
多いのではないかと思うほどの欲望が注がれる。
「ふあ、あ…あ…、ある、まーすの、いっぱい…ぴゅ、ぴゅ、って…」
満ち足りた顔で微笑んだサファイアは、快感で荒い息をしているアルマースの頬にキスをすると、
体をベットへと本格的に沈めた。すこしこちらにもたれているアルマースの重みも、彼女にとっては
心地のよいものだった。
しばらくそのまま抱き合っていた二人だったが、アルマースがサファイアの上に
体重をかけてに乗っていることに気付き、あわてて離れてしまった。
そのせいで繋がりが解かれてしまった事を彼女は少し名残惜しく思ったが、一つ思い直し、
アルマースのものと自分のものとで汚れた彼のそれを、優しく口に含んだ。
「ひ、姫様っ!?そ、そこまでしていただかなくてもっ!」
「ちゅ…、ん、なにを言うか。妻として当然のことじゃ。第一、そなたもそろそろわしを名前で
呼んだらどうなのじゃ。妻に姫様、なんていう夫はあまり聞かぬぞ?…はぷっ」
「う、うあ…。す、すみません…。まだ慣れなくって…」
「ん…まあ、よい。ならば力づくで言わせるまでのこと。言ってくれるまでするぞ!」
「え、ええええ!?」
「言わねば何度でもじゃ!ちなみに言ってもじゃ!次はわしが攻めてみるのもよかろう!
それとも本格的にめいどぷれいとやらをしてみるか!?どっちにしても、今夜は寝かせぬぞ♪」
「そ、それ男がいう台詞ですよ…っ!ん、んむぅ!!」
無理やり唇を奪われたアルマースが、再びベッドに沈む。
その晩、二人の部屋から悲鳴ともなんともいえぬ声がずっとしていて不気味だったということが、
マオのクラスでの話題になった事は、まあ余計な話である。
『レシピがだいぶ狂ってしまったようだが、旨く出来上がってよかったぞな!アルマース!』
「…最後の締めにまででてこないでくださいよ…」
終