魔立邪悪学園。その廊下を3人の少女が歩いている。3人とも左手にはゴミの詰  
まったゴミ袋、右手にはゴミを拾うのに使う鉄製のトングを持っており、どうや  
ら校内のゴミ拾いをしているようである。  
 
「ふふん。廊下はだいぶ綺麗になったね。」  
と、先頭を歩く小さな悪魔、ラズベリルは誇らしげに胸を張って言った。  
「さすがですわお姉様! 教室に続いて廊下までお掃除しなさるなんて!」  
その後に廊下のゴミをチェックしながらリリアンの狂子、折り鶴の明日禍が続く  
。2人はラズベリルの子分であり、3人は邪悪学園きっての不良達である。  
その時狂子の目が廊下の上に落ちているあるものを捕らえた。なにやら薄い直方  
体である。  
「お姉様、あれを見てくださいまし!」  
「……あれかい。まかせな、アタイがすぐにこの“カッキン”で拾ってやるさ。  
」  
そうしてラズベリルはそれを掴もうとするが、いかんせん薄いので“カッキン”  
ではなかなか掴めない。  
「ん、この、それ!」  
すると明日禍が前に出てきて、  
「お姉様、慌てないでくださいな。わざわざ“カッキン”を使うことはありませ  
んわ。」  
そう言って親指と人差し指でそれをつまんで持ち上げた。  
「たしかにね……。それで、それはいったいなんなんだい?」  
「ええと……」  
明日禍がその直方体の側面にある窪みに指をかけると、直方体は2つに別れて中  
から穴の開いた円盤が出てきた。  
「これは……DVD?」  
狂子の言うとおり、DVDである。明日禍はそのままゴミ袋に入れようとしたが  
、ラズベリルの、誰かの落とし物かもしれないという意見から、一度中身を見て  
見ることとなった。中身を見れば持ち主がわかるかもしれないからである(勇者  
関係のアニメなら十中八九マオかアルマースのものだろう)。  
 
ところ変わってラズベリルの部屋。  
「でもやっぱり人様のDVDを勝手に見る、なんてのは気がすすまないね。」  
「仕方ありませんわ、お姉様。何もなしで落とし主が見つかる程、邪悪学園は狭  
くありませんもの。」  
狂子がリモコンの再生ボタンを押すと、テレビ画面に映像が写しだされた。一糸  
纏わぬ1組の男女である。  
 
――よし、これくらいの角度じゃの。  
――ひ、姫様〜。本当に撮影するんですか?  
――なんじゃ、嫌なのか、アルマース。  
――だって恥ずかしいですよ。  
――何を言っておる。これはわしとアルマースの愛の記録ではないか。そうじゃ  
ろ?  
――それは…そうですけど、でも……って姫様!? そんなところ口で、汚いで  
すよ!?  
――はむ……そんなことはないのじゃ。アルマースのモノ、とおっても愛おしい  
ぞ。  
――そんな……姫さ…んんっ……  
 
 
3人とも顔をトマトのように真っ赤にして画面に見入っていた。不良として他人  
のプライベートな映像を見るべきではない、とわかってはいても“愛の最終奥義  
・性交”から目が離せないのである。  
 
しばらくして、画面の中の二人の行為が終わると、脚をもじもじとさせながら狂  
子はラズベリルの前に膝立ちになった。ラズベリルはもともと背が低いうえにソ  
ファーに座っているのでちょうど顔が同じ高さになる。狂子は震える声で言う。  
「お姉様……好きです……不良としてではなくて、女として……大好きですわっ  
!」  
ラズベリルは何か言おうとしたが、言葉にならなかった。狂子が口付けたのであ  
る。始めは驚いた様子のラズベリルだったが、狂子が舌を入れると目がトロンと  
してきた。  
「あら狂子さん。お姉様を想う気持ちならワタクシも負けていませんわ。」  
明日禍がラズベリルの尻尾をつかむと、魔族の少女は悲鳴にも近い嬌声をあげた  
。  
「んんんんっ!!」  
もちろん狂子が口付けたままである。  
明日禍は左手で尻尾の付け根をしごき、右手で先端をさすり、狂子は舌を絡ませ  
続け、ラズベリルは快楽の呻きをもらし続けている。  
そして申し合わせたように狂子と明日禍が動きを激しくすると、  
「んんんんんっ!!」  
ラズベリルは一際大きな声をだし、絶頂を経験した。  
 
ラズベリルの身体から力が抜け、崩れ落ちた。狂子の口との間に唾液の橋がかか  
る。  
「ハァ……ハァ……」  
息を荒くしているラズベリルをよそに狂子と明日禍は同時に立ち上がり、服を脱  
ぎ始めた。  
口元を隠しているマフラー(?)をとり、袴の紐を緩める。  
上着を脱ぎ捨て、さらしを解いていく。  
そんな二人に囲まれて、ラズベリルは悩んでいた。狂子と明日禍のことは好きだ  
が、恋愛対象としてはとなると首をかしげる。女同士が悪いとは思わないが、自  
分にそのケはあるようなないような。というかそもそも三人で“する”なんての  
は優等生的ではないか。  
そこまで考えたところで思考は中断された。狂子がついにラズベリルの大切なと  
ころに触れたのである。  
「ちょ、ちょっと待……んんっ!」  
今度は明日禍の唇が口を塞ぐ。  
そうしている間に狂子はラズベリルの下着を脱がしにかかっていた。蜜壷から溢  
れた愛液を吸って既に下着としての役割を果たしていないそれを剥ぎ取ると、愛  
液でテラテラと艶かしく光るラズベリルの秘所が姿を現した。  
そこに口をつけて、狂子が強く吸うと、  
「んむむむむむ―――っ!!」  
ずぞぞぞ、と、淫猥な音が部屋中に響き、ラズベリルは身体を弓なりにしならせ  
た。  
「ああ! 狂子さん! ずるいですわ!」  
そう言って詰めよった明日禍に狂子は熱にうかされたように口付け、口の中の愛  
液を半分ほど明日禍に流しこむ。そうしながらラズベリルと脚を組み合わせ、秘  
所と秘所とを触れ合わせた。  
「んっ……。」  
その時、明日禍の脚に挟まれたラズベリルの頭が上がり、明日禍自身へと舌を這  
わせた。  
「お、お姉様!?」  
もはや自分が何をしているのかわかっていないのであろうラズベリルの舌技をよ  
って明日禍に送り込まれる快楽の波。同時にラズベリルと狂子もお互いの秘所を  
絡ませ、絶頂を迎えようとしていた。  
「お、お姉様あああああっ!!」  
「んああああっ!!」  
「ん……んむっ!!」  
そのまま三人は快楽の底へと落ちていき、そして意識を失った。  
 
 
しばらくして、ラズベリルの部屋に客が一人来た。  
「おーい! ワシのDVDしらんかのー!?」  
バタン!、と音をたて、ノックもせずに入ってきたサファイアが見たのは裸体を  
絡ませあう三人の少女。  
「ん〜、なんだい、騒がし…………!?」  
その音で目を覚ましたラズベリルとサファイアの目があい、ラズベリルは絶句す  
る。沈黙の中、最初に口を開いたのは、いつの間に寝覚めたのか、明日禍であっ  
た。  
「DVDならデッキに入っていますわ。それから、マナーとしてノックはするべ  
きですわよ。」  
「ん。悪かったの。次からはそうするぞ。」  
デッキからDVDを取り出し、出ていくサファイア。ドアを閉める前に一言。  
「今度“する”ときはワシらも誘って欲しいのじゃ。」  
そんなサファイアに明日禍とやはりいつの間にか目を覚ましていた狂子は口を揃  
えて答える。  
「ダメです! お姉様はワタクシ達のものですわ!!」  
両側から抱きつかれながら、ラズベリルは思っていた。こういうのも悪くないな  
、と。甘口学園生活は始まったばかりである。  
 
 

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