あの勇者騒動が終結してから数ヶ月の凶室…
わいわいとにぎやかな喋り声とたまに紙ヒコーキや魔法が飛び交う教室でアタシ、ミリィは一組のカップルをうらやましく眺めていたアル。
相手は…
「夕べはお楽しみでしたね」
「な!ななななな!?そ、そんな事は僕と姫様はまだやってませんよ!!」
「そんな事?そんな事とはどんな事じゃ?アルマースよ」
そこらの生屠にからかわれて顔を真っ赤にしているのは新婚カップルのサファイア王女とアルマース。
いったんは人間界に帰っていたけど新婚旅行とかで帰ってきたらしいネ。
新婚旅行が魔界と言うのもなかなか思い切ったことするアル。人間はもっと常夏のビーチとか聞いてたんだけど…
「ミリィ、どうしたの?」
ぼんやりしてたら後ろから声をかけられた。この声は…
「…ぅお、クレアか。どうしたアル?」
後ろの席のカーディナルのクレアから声をかけられた。
「どうしたじゃないわよ。何ボーっとしてるの?さっきから…」
「…あの二人アル」
アタシは少し間をおいて答えたよ。目線を二人に向けながら。
「ああ、サファイア姫とアルマース君がどうかした?」
「なんか、幸せそうアルね」
アルマースは姫からの質問にしどろもどろになりながら必死に言葉を捜してる。
一方の姫は心の底からアルマースの質問を心待ちにしているみたい。
なんかこう…ほのぼのオーラみたいのを感じるのは気のせいアルか?
右拳が知らず知らずのうちに硬く握られていく…
「まったくアルマース君も初心ねぇ…さっさと「ヤる事」って言えばいいのに」
「いや、それはストレートすぎると思うアルよ」
「あらそう?じゃあ、「僕の男根を姫様の秘所にぶち込んであなたを孕ませることです」とか?」
「なんか生々しすぎるのは気のせいアルか?」
一応あなたはヒーラーよ?と内心で突っ込んだ。この子、かわいい顔してなかなかの優等生ネ…
「で…。何で見つめてたのかしら?」
「ん〜」
少し天井を見て考える。ワオ、汚く無い場所がない天井…誰かは知らないけどいい仕事してるネ。
「よく分からんアル。ただなんとなく…」
「なんとなく?」
拳をグッと握って一言。
「あの二人を見てたら殺したくなったアル」
数時間後…
机の配置が変わってホームルームの形。
これから「練武の館のゲート」を開く議題の採決が始まるアル。
ちなみにアタシは選鬼世管理委員会だから出席してる。
まぁいつもは仲間の議題だから賛成するケド、今回は話が違うよ。
「今回の議題の提案者は…アイツアルか」
真ん中の壇上に立ってるのはうちの部隊の男トップエース。LV5000越え男戦士のリュウキね。
賄賂は既に送り済みでほかの議員は全員「賛成」みたいだけど…
「それでは採決をとります!!」
賛成賛成賛成にゃー賛成…凶室の中に賛成の声が響き、みんなが意見を出していく。
真ん中のリュウキも勝ち誇ったかのような顔で周りを見つめてる。
…うっとおしいアルね。
「さんせ…ギャーッ!!」
隣で賛成と言おうとした議員を吹き飛ばしてアタシは一人立ち上がる。
「反ッ対!!」
右足を机の上にダンッと置き、真ん中の彼をにらみつけながらそう叫んでたアル。
それでアタシが吹き飛ばした分と私の分が入らず…
『否決』
集計していたプリニーが採決を言い渡す。
当然リュウキは納得いかずにキッと私をにらむ。
「お前何やってんだよ!!」
「うるっさいアル!!お前の無茶に付き合うこっちの身にもなれアルよ!!」
この男はアタシたちのLVと関係なしにいろんな所に挑む迷惑野郎よ!!ほかの生屠はまだLV三桁すら行ってないのにこいつはお構いなしに学級界やアイテム界や裏面…
「別に良いだろ!ボーナス経験値でみんな育ってるんだから!!」
「強くなってもこっちはLVだけ!!あんたみたいにマナもウハウハ!!武器もオリジナルネームで俺TUEEEEEE!!じゃないアルよ!?」
そういいながらアタシは武器を構える。
「ほぅ…やるってか!?」
リュウキも武器のヘビーアクスを構える。
「ハッ!!あんたみたいな名前も武器の名前も仮○ライダー一色の奴には負けんアル!!」
「お前の言葉に俺が泣いた!!行くぞオラァァァァァ!!」
爆音と閃光。戦いの後に残ったのは…
「フッ…アタシの勝ちアルね」
地面に倒れこんだリュウキの頭を踏みつけて言う私。
「お前…いつの間にそんな強く…」
強いのはあんただけじゃないよ。ちゃんと言ったね?「男」トップエースと。
うちの軍の女トップエースはこのアタシ。LVは2000だけど転生に転生を繰り返し装備適正150%突破、装備も19998のイノセントを詰め込んだこのアタシが負けるわけない。
「くっそ…」
「どうアル?文句はないね?」
グリグリ踏みつけて言い放つ。リュウキのほうはこちらに顔をなんとか向けて、
「笑え…笑えよ…」
…ぶちっ
「平成ライダーを知らない人を置いてけぼりにするなぁぁぁぁぁっ!!」
ぐしゃぁっ!!
(まったく…足が汚れたアル)
お気に入りのエアロスニーカーに付いた赤黒い液体を拭いて売店にアタシは行く。
「いらっしゃいませ…、お、ミリィ」
店主兼ガンナーのカーナがこっちに気づいた。アタシとは顔なじみで戦場でもアタシが前線担当なら彼女は後方援護担当よ。
「おっす。いつものくれアルよ」
そうアタシが言うや否や、彼女は棚の下からごそごそと何かを取り出し始めたね。
「ほれ、マナポーション7000マナ分や」
「ありがとね。ほい代金」
カウンターに置かれた大量のマナポーション。アタシは手馴れた手つきで財布から代金分のヘルを取り出して彼女に差し出す。
ひーふーみー…と彼女は常人には見えないくらい速い数え方で札束を数え…
「まいどー♪」
すぐさま金をしまってウインク。ホクホク顔でとても嬉しそうね。
「それにしたっても…こんな大量に何に使うんや?あんさんならマナなんかテキトーにアイテム界に潜ればすぐたまるはずやけど?」
「それは…企業秘密アル」
アタシは彼女の質問を適当にはぐらかして踵を返す…が。
「ひょっとしてリュウキ君に関係あるんかいな〜?」
ビクッ!!
…うぇ!?
「ななななな何言ってるアルか〜?そんなわけないアルよ〜?」
勤めてにこやかに、不自然じゃないように後ろを振り向く。
そこには満面の笑みを浮かべたカーナの顔。まずい、「当ったり〜」みたいなオーラもでてるアル…
「先週に買いに来たのはリュウキ君が転生した後やろ。先々週はリュウキ君が魔ビリティーを覚えた後やろ。」
ううううぇい!?
「な、何で知ってるアルか!?」
「だって、あんさんリュウキ君がマナ使おうとするたびにいちゃもんつけよるからなぁ。そんでもってマナポーション買いに来て…」
「ききき気のせいアル!偶然の一致よ!まったくからかうのはやめるね!」
心臓の鼓動が自分でも聞こえるほどに大きい。多分アタシの顔は今かなり真っ赤になっている…
(もうこの場には居られないアル)
「そ、それじゃあ要件は済ませたから帰るアル!!」
そう早口でまくりたてて逃げるようにその場から逃げ出すアタシ。何でこんなに動揺してるね!?
「あ、ウチは別に深く突っ込まんけど…」
聞こえないアル!!知らないアル!!
「そっちの方は深く突っ込みたいようやで?」
…へ?
「だ、誰アルか!?」
とっさに振り向くアタシ。
「…誰も居ないアル」
「いるわよ。あ・た・し・が♪」
ふーっ
「ひゃん!!」
後ろからさっきにも聞いた声。それに伴ったうなじに対するくすぐったい微風。
「ク、クレア!!首筋に息を吹きかけるのはやめるアル!!それでもヒーラーか!?」
「あ〜ら、私は元サキュバスよ?弄ぶのが大好きなの」
そんなの聞いてないアル!!
でも、彼女が保嫌室で治療を担当したドクロはやけにつやつやした顔で保嫌室から出てきてた。
こいつ…
「お前もしかしてウチのクラスの生屠で精を補給してたか!?」
「そうよ?私の転生履歴を聞きたい?最初はサキュバスで次がシーフ、その後魔法剣士でたまにウッドゴーレム、そしてヒーラーよ」
「お前両刀使いか!?」
「まぁいいじゃない。そんなことより、あなたのリュウキ君に対する行為の意味が知りたいわね」
そういいながら体をぴったりと密着させてくるクレア!!二本のほっそりとした腕をアタシの胸元と腰に、まるで蛇のようにまとわりつくように…
「ちょっと、やめ…んっ…くぅ」
全身をくすぐられている感覚、逃げようとアタシはもがくけど
「さーて、どうしようかな〜?正直に言うなら解放、言わないなら…」
刹那、アタシの胸をさわさわといじっていた彼女の右腕が、
「うぁぅ!!」
服の微妙な間から腕が入り込んできたアル。服と素肌の間で緩急をつけながらゆっくりと動く腕。
「…ッ、いぁ…、いわっ…言わっ、ない」
「言わないの?このまま攻められてもいいのね?」
きゅっと、胸を鷲掴みにされて揉みしだかれる、そう思ったらおなか当たりをすべるように動く腕。
これ以上やられたらアタシ…どうにかなっちゃうアル…
「んーじれったいわね。もう良いわ。実力行使よ」
「ふ、ふぇ?」
彼女がそういった瞬間…
眼前に広がるピンク色の粉末。いや…粉?
「な…な、に、を…」
意識がすっと遠のく。持ちこたえようにも力がぜんぜん入らない。
「ふ…みゅ…う…」
だらりと力が抜け切り、背後の彼女に体を預け…
アタシの意識は、そこで途切れた。
あんさんもなかなかやるなぁ…
さすがに効くわね、魔チェンGのエリンギャーのフェロモンは…
それは効くやろ…、で、これからはどうするんや?
この液体をマナポーションに入れといて。薄めなくて原液のままで結構よ
りょーかい。あ、それとやけどな。
何?
さっきの一部始終を録画したビデオ、闇で売りさばいてもええか?
別に良いんじゃない?
おっしゃ。まいど〜
(めちゃくちゃイテェな)
保嫌室で治療を済ませる俺、リュウキ。
あの後何があったのか覚えてない。確かミリィに頭をスタンプされて、視界がブラックアウトしたんだった。
「なぁクレア、俺は何をされたの?」
丸椅子でくるくると回って遊んでいるクレアに問いかけても、さぁね〜というとても気の抜けた返答しか返ってこない。
横でもじもじと体を揺らしている青ドクロ兼助手のティノに視線で問いかけても視線を逸らすのみ。
だが顔を真っ赤にさせて何かに耐えるようなその顔を見ると、俺の体に、というか顔にはあんまり良い事ではなかったらしい。
(ひょっとして精神的ブラクラ並の何かだったんだろうか…)
頭が警告している。これ以上の詮索はあんまりよろしくない、と。
「あ、リュウキ、そういえばあの子が迎えに来てたわよ」
ピタッと椅子の回転をやめ、やはりどこか気の抜けた声で喋るクレア。
「あの子?」
「メルちゃん」
ああ、とその名前に納得する。アイツなら真っ先に来るだろうしな。
メルとは俺の弟子の魔法使いだ。何かと俺を心配しており俺が少しでも怪我をすると即座にオメガヒールを唱えてくれる良い子。
ただ、アイテム界でダメージ反転のブロックに乗ってた俺に唱えたときは本気で死ぬかと思ったね。あの後ミリィがぶん殴って俺を回復させてくれなかったら…怖っ。
「じゃ、待たせても悪いし俺は帰るわ」
立ち上がって踵を返した瞬間…
「んッ!!」
「ん?」
後ろでティノが声を上げた。
「…?ティノ、どうした?」
よくよく彼のちっちゃな顔を見ると、さっきより顔を真っ赤にして視線が定まっていない。
「い、いえ!!何でもないです!!」
顔と手をぶんぶんと振って元気であることを精一杯アピールするティノ。
「そうか?ま、大事があったらまずいし、クレアに診てもらっとけよ」
そう言って俺は保嫌室から出て行った。
「…んふふ、よくできました」
私はリュウキが出て行ったのを見て、後ろのティノ君に声をかける。
その瞬間…
「ふ…ぁぁ」
がくりと地面に膝を付くティノ君。
「あらあら膝まで付いちゃって、そんなに気持ちよかったの…?」
倒れたティノ君をヒョイっと抱き上げてベッドまで運んであげる。
「せ、先生、ひどいよ…」
「あら〜?何が」
とぼけてからかってみる。こういう瞬間が私は一番好き。獲物がたまらなく悶えてる姿がね。
ベッドの純白のシーツの上で喘ぐ彼を見て私はうっとりする。
「だ、だって僕の…」
「僕の…何?」
とことん私はとぼける。一秒でも長く彼のこの姿を見ていたいから。
「僕の…僕のオチンチンにひどい事したじゃないですか!!」
「はいっ。よくできました」
そう私は満面の笑みで答える。
そして彼のズボンをずり下ろしていく。そしてそこには…
「ふふっ…すっごいわね」
ズルリ…と姿を現した「ソレ」に、私は知らず知らずのうちに唾を飲み込む。
凶悪的とでも言うべきサイズのティノ君の男性器。ヘビーナイトすら霞む。あの魔王ラハールが恐れる馬のチンチンでもここまではないだろう。
今、彼の男性器は私の魔法によって感度を400万倍ほどに引き上げてある。並の悪魔ならイキ狂って発狂死するくらい。
それをこの程度で抑えているのは彼の「天才」であるが故の並々ならぬ魔力の賜物かしら。
それでも苦しそうにびくびくと波打ち、血管が浮き出て先端の亀頭からは透明でヌメヌメしたガマン汁がぽたぽたと彼の肌に流れ落ちている。
だが彼は射精することはない。私の魔力で作った輪が根元をきつくきつく押さえているからだ。
「さて…と」
私も服を脱ぐ。カーディナルの象徴である漆黒のローブをパサリと脱ぎ捨て、黒の下着をはずす。
魔法剣士ほどではないが、体のプロポーションには自信がある。
「今日も君の治療を始めましょうか」
ティノ君は私の言葉にビクッと体を振るわせる。いや…言葉ではなく、私の表情かもしれない。
多分、とても淫靡な顔をしていただろうから。
「しぃ〜しょ〜!!」
保嫌室を出て階段を上る俺に抱きつくひとつの影。
「おっあぶねぇ」
階段から二人とも落ちないようにしっかり抱きとめる。
「師匠!!とっても心配したんですよ!?保嫌室に運ばれたっていうから」
「おう、心配かけてすまなかったな、メル」
その彼女、メルの黄色い髪をわしゃわしゃと手で撫でる。…黄色?
「…おい、メル」
「はい?」
まっすぐと俺を見つめる天真爛漫な二つの瞳。それではなく…
ぷにぷにしたほっぺを両手で掴み、横に思いっきり引っ張ってやる。
「いひゃいいひゃいいひゃいいひゃい!!」
「マナが溜まったからといって勝手に転生するなと言ったろ!!青魔法使いになってまだオメガクールも覚えていないのに!!」
「ふぁっふぇふぃのふんが…」
「日本語でおk」
そう言って手を離す俺。真っ赤に腫れたほっぺをさするメル。
「だってティノ君がもう覚えちゃったんだもん」
「…そうか」
ティノとメルは仲が良い。二人とも同年代で席も隣、同じ魔法使いなら仲がいいのも当然か…
「確かに使う属性がダブるより別々のほうが戦力的な偏りはなくて済むわな」
「うんうん」
「それでも人は全属性を覚えて鬼のように強くしたぽこんを選ぶんだよな」
「え!?」
「モニターの向こうのお前!!お前だよ!!おまえのぽこんはいったい何人の修羅やらバールやらを屠ってきたんだ!?魔法か!?それか斧か!?それとも拳か!?」
「あ、あの〜、師匠?」
はっと我に返る。
「あ、あぁすまない。この澄み切った魔界の空気が俺の心を不安定にさせるんだ…」
「迷惑ですね、魔界の空気…」
といったやり取りを繰り広げる俺とメル。俺と彼女はいつもこんなものだ
と、そこに…
「何やってるアルか」
「うぉ!?ミリィ!?」
唐突に物音も立てずに背後に現れたミリィ。心臓に悪いなぁ…
「な、何だ?さっきの戦いの続きか!?言っておくが急きょ現れたお前のおかげで俺の体はボロボロだ!!」
本気で動揺する。力の差はかなり歴然。それにこっちは丸腰で相手の武器は拳。勝てる要因がない。
だが彼女は俺の様子などまるで眼中にないようにこちらの顔を見据える。
「な、何だよ…」
彼女はチャイナ服の胸元をごそごそと漁り、何かを取り出す。
「…ん」
ひとつのビン。いや…マナポーション。
「やる」
彼女のいつもの動作だ。俺が何かにマナを使った後にその使った分のマナポーションを手渡す。
だが、だがおかしい。いつもは「無駄使いすんなアル!!」とか「ほら、たまたま手に入ったからやるアルよ」とかいいながらやるもんだ。
だが今の彼女は、そんな意志が感じられない。そう…無機質だ。そんな表現がしっくりくる。
「おい、ミリィ…」
俺が手で引きとめようとするより一足速く、彼女は無言でその場を去った。
「…何だ?」
違和感がある。何なのか知らない。たまたまそんな気分なのかもしれない。でも…
(あいつは俺の前であんな無機質な動作は絶対にやらない)
そう根拠のない確信を抱いたとき…
「師匠…さっきのミリィさん」
「…変だよな」
「そうじゃなくて…少し魔力を感じました」
「…何?」
「エリンギャーの魔力と、あと…夜魔族特有の堕落性の魔力を」
(エリンギャーと、夜魔族?)
夜魔族は近づいた男を堕落させ、弱体化させる力を持つ。まぁ、俺みたいな戦士は近くに敵がいるという事態に力を発揮できるけど。
「でも男にしか効果が無いんだろ?」
「普通はそうです。でも、高位の夜魔族になると女だろうが魔物だろうが関係なくその色香で下僕にできるんです」
メルの説明を聞きながら、俺は考えていた。
(…いまマオはみんなの盗まれたものを探しているから多忙だ。人も割けないし下手に騒ぎを起こしたくないしな…)
手にしたマナポーションを一気飲み。あいつにもらったものだから無駄にせずに飲みましょう。
「ちょっと追ってくるわ」
そうメルに言い残して俺は曲がり角に消えたミリィを追った。