「あ〜、寒ぃ。雪とかマジありえねぇ。死にそう」  
「まあ、セツナは侍だからね。服装が服装だもん、そりゃ寒いでしょうさ」  
「あたし生まれながらに氷耐性−50%なんだぞ、死ぬっつーの」  
「僕は青魔法使いだから平気だけどねー」  
「この和服とかいう奴の防寒性の無さがおかしいんだよ。  
 デザインした奴は間違いなく阿呆だ。死ねばいいと思うね」  
「ていうかそーいう乱暴な言葉遣いやめなよ。  
 セツナは今神聖な巫女さんで、清廉な武士なんだよ?」  
「しゃーねーだろ。戦士だった頃の癖がそー簡単に抜けるかっての」  
「あー、酷い。巫女服がけーがーさーれーるー」  
「何が巫女服だ。何が神聖だ。いくらでも適当な言葉使ってやるよ。  
 ばーかばーか。ふぁっきんべいべー。土に還れー」  
「うわ、酷いとか酷くないとか以前にすっごい頭悪そう」  
「うっせ。余計なお世話だ」  
「むう。取り付く島もない」  
「つーかなんなんだよ。  
 お前が昔『巫女服萌え〜』とか言ってたから侍に転生してやったんだろ。  
 それを言葉遣いが悪いだの頭が悪いだの文句ばっかり言いやがって。  
 全然萌えてねぇじゃねえか」  
「あれ?もしかして可愛いとか萌えるとかそういう誉め言葉をご所望ですか。  
 そりゃごめん。全然気付かなかった」  
「あー、もういいよお前なんて。ふん。マジ使えない男だ」  
「拗ねないでよ。萌えると思ってるってば」  
「今更取ってつけたように言われても全然嬉しくない」  
「いや本当だって。ていうか僕の為に侍に転生してくれたんでしょ。  
 結構感動してるよ。いじらしいなぁって」  
「う……、改めて言うなよ、恥ずかしくなるだろうが」  
「やだよ。もっと言っちゃう。  
 セツナは僕の為に長年使い慣れた体を捨てて転生してくれましたー。  
 うーん、愛の力だね。可愛いなぁ。そう思うと、何か違って見えてくるよね。  
 袴も萌えるし、ポニテはラブリーだし、さらしで巻いた胸は超セクシーだよね」  
「わーわーわー!あーもう、やめろっての。あたしが悪かったから」  
 
「君が萌えて欲しそうなそぶりを見せたから素直に萌えてるんじゃん。  
 セツナは可愛い。魔界最強可愛い。もうドッキドキだよ」  
「〜〜〜〜。ったく。何でお前はしらふでそう恥ずかしい事が平気で言えるんだ」  
「しらふじゃないよー。酔ってまーす。セツナの魅力にねー。んふふふふふ」  
「か、勘弁してくれ……って、どこを触ってんだよ!?」  
「いやー、久々に何というかこう、しようかなー、と。あ、戦士のときより胸大きいね」  
「やめろ、こんな昼間から、あ、ちょ……やだ、手つき、やらしい……」  
「前のは前のでよかったけどねー。これもまた善しって感じで。  
 新触感宣言〜、みたいな?やーらかいなぁ」  
「ふぁっ……な、やめ、何か、変だ、これっ……」  
「にしても何だか初々しい反応だね。  
あ、そーか、新しい体だからまだ感覚に慣れてないんだね。へー、面白ーい」  
「冷静に分析するな、阿呆!……んぁっ……」  
「じゃああれか、下は処女なのかな、やっぱり。  
 2回も初めてを貰えるなんて、悪魔に生まれてよかったなぁ」  
「さ、さらしを取るな、袴に手を入れるなぁ!?」  
「袴って横から脱がさずに触れるからいいよね。着たままの方が何かエロいし」  
「待って……本当に、何か、すごいのっ……」  
「さっき寒いって言ってたしね。そういう意味でも着たままの方がいいね。  
 伏線回収とか、そんなん」  
「あっ、くっ、ああぁぁーーーー!!」  
「お、イったね。ふふふ。でもここからが本番だぜレィディー?  
 あ、今のは準備はOK?ってのと女性の意味でダブルミーニングだから」  
「はぁ、はぁ……人の事を散々弄んでおいて、何をふざけた事を……」  
「だからぁ、散々弄ぶのはこれからだってばぁ」  
「い、いやーーーー、やめれーーーーっ!!」  
 
……2人は寒い冬でも暖かく過ごせるようです。  
 
<つづかない>  
 
 
 

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