「見てください!掘り出し物が買えたんですよ〜!さすがローゼン商会!品揃えが違いますよねぇ〜」  
「フロンちゃん…いくら金余り過ぎで使い道ないからって、いちいち全部買って異世界の流入品も買うのやめなよ」  
(ローゼン商会は品物を全部買うと裏メニューが買える)  
「だってもうアイテムコンプくらいしかやることないじゃないですかぁ〜」もう10週目だし。  
「ま、いいけどね。んで何買ったの」  
「そう!掘り出し物なんですよ〜これ見てください!」と差し出したのは薄汚いツボ。  
「わぁ、すごいね。フタをあけたら妖精でもでてきそ〜(棒読み)」あ〜あ、おミソの足りてない娘の相手は疲れるわ。  
「えぇっ!なんでそのこと知ってるんですか?」  
「…まさかそんな話信じて買ったの、そのツボ」  
「ええ」  
「…あたしプリ二ー指揮してくるわ」  
「え〜一緒にフタ開けましょうよ〜」  
「殿下んとこいっといで、たぶん執務室で仕事してるから。じゃね」  
「も〜。エトナさんノリ悪いぃ〜」  
〜執務室〜  
「ラハールさん〜!実は掘り出し物がですね〜…ラハールさん?どこです?」  
2mはあろうかという高さまで積み上がった書類の山がいくつも並び、執務室を埋めていた。書類の山しか見えない。ラハールさん、居ないのかな。  
「なんだフロン。俺様は今忙しいのだ」  
「ラハールさん何やってるんです?真面目に仕事やってるみたいに見えますよ?」  
「うるさい。俺が今仕事をしないとこの世界は消し飛んでしまうのだ」  
「え」  
「いま俺たちがいる世界は“ウプヌシノノウナイ”と言ってだな。そのなかでもディープでしかも回転率の早い“エロパロ野”というところに位置する」  
「…なんだかよくわかりません」  
 
「とにかくだ。俺はここでエロいことを創出し続けねばならんというわけだ」  
「う〜ん、なんだか大変なんですねぇ。あそうだ…ラハールさん、“妖精”に頼んでみる気、ありません?」  
「妖精だと?」  
「そうなんです!ローゼン商会で買ったんですよ〜ぬふふぅ、開けてみたくないですかぁ?」  
「…う、む」うさん臭い。が、エロパロのネタになりそうだな。開けてみるか。  
「よし、貸してみろ」  
きゅぽん  
「…何も起らんではないか」  
「ら、ラハールさん…かげ、影が」  
「なんだ、影がどうした…?」自分の影を見ると、明らかに自分のシルエットと違う形をしていた。  
「余はスタンリーハイハットトリニダード14世である!この世をすべる悪の魔王!自分でも噛みそうになるから、スタン、と呼んでもよいぞ」  
「…」  
「…」  
「む、なんだ貴様ら。いかにもがっかりしたジト目で睨むでない!」  
「…カエレ」  
「なっ」  
「キャラがモロかぶっているだろうが!タダでさえ“ウプヌシノノウナイ”はティムバートンとかFooSweeChinとか熊倉裕一とか道満清明とかで溢れているんだ!カエレ!ボクと魔!」  
「き、貴様!魔王が怖くないのか!殺してやるぞ!」魔王奥義フライングアターック!あ〜あ、死んだな。  
「…痛くもかゆくもないんだが」  
「え」  
「スタンさん、ディスガイアはパラメーターインフレゲーですから、300ダメとか焼け石に水なんですよぅ」  
「な…じゃあ、もしかしてここだと余は、雑魚?」  
「うむ」  
「強くはないですね」  
「…」  
「…」  
「…」  
「…に、忍法影くぐつ!」  
「うわ」  
「あ、ラハールさん!」  
「くくく、余が強くなくともこの小僧は強いのだろう?」  
「ラハールさんを放してください!放して!放せ!このショタコン!雑魚!」  
「ショタ違うっちゅーに。うぇっへっへっ、まず手始めにこの身体でお前を犯してやろう」  
「いやぁ!やめてぇ!」  
うーむ、天使を強姦するなんて、ものすごく背徳感があるな。  
余も興奮して来た。  
ってあれ?ちょっ…  
フロン、そういえば最近してなかったな。  
 
「んむ、」  
フロンの口を塞ぐように荒々しく唇を合わせ、舌を滑り込ませる。  
並びの良い小さな歯をなぞり、舌を絡ませると、フロンの味がした。…甘い。こいつクッキーかなんか食ってたな。  
「天使のくせに、奥歯に食べカス付けたままキスするなよ」  
「そ、そんなこと言ったって、急にでしたし」  
「ま、いいや」  
「あ…」  
服の上から、フロンの形の良い、小ぶりな胸に指を這わせる。小ぶりでもやわらかい胸の肉は、心地よく指を沈み込ませた。  
「あの〜、もう影くぐつ解けちゃってんだけど」  
「そういえばフロン、ここ弱かったよな」  
「ひゃあ…!」  
天使の羽の生えているところから、もう少し上、肩甲骨のあたりを撫でると、フロンは敏感に反応した。  
やばい、かわい過ぎる。  
「…余は完全にシカト?」  
「…ん?フロン、言ってみろ…どこをどうしてほしいんだ?」  
「んぁ…ら、ラハールさんのトーテンクロイツ…わたしに…くだ…さい」  
「ぐぬぬっ。こうも無視されるとは…ジェームス!ジェームスは居らんのか?!」  
(スタンの執事、ジェームス。女に目がなく、手が早い)  
「はは、ここに居りまする。」  
「おお、居ったかジェームス。この世界はどうも余の手に負えん。どうにかして位相転移の術を探せ…ってお前、なんで裸なんだ?」  
「え?…はっ!いやこれはその決してエトナさんと良いことしてたわけではなくてですね!」  
「はぁ?何をいっと…」  
「わたくし忙しいのでのちほど!待っててくださいエトナさん!第2ラウンド致しましょ〜!」  
「ちょ、待てジェームス!あ、あ〜行ってしまった…」  
壁際。  
左手で天使の羽を乱暴に掴み、右手で肩を押さえ付けて後ろからフロンの滴る秘口にわけいる。  
「あぅう…はぁん…はぁ…ああ」  
一番奥の輪っかに突き当ったときに、フロンが尻を回す。きっと無意識であろう。  
回転に合わせ腰を振ると、フロンの熱い肉を、ぬめるひだを、俺が掻き回した。  
「なんか余、悲しくなってきた」  
魔王と天使、家来と執事がズッコンバッコンしているあいだ、もう一人の魔王はなすすべなく途方にくれました。おしまい。  
 

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