夜、町が寝静まってもアデルは修業をしていた
拳を突く動作
そんな単純な動作に雪丸は見入っていた。
(拙者は…何をしてるのでゴザル…?)
ドアを薄く開け、気付かれない様
そっとアデルを見る雪丸は最近不可解な気持ちに悩まされていた。
(何かの病気でゴザろうか、それともゼノンの呪いでゴザろうか?)
アデルのことを考えると胸が苦しくなり、息が荒くなる。
(拙者は一体どうしたのでゴザル…)
頭で考えながらも目は
アデルのこと追うのをやめない。
「せいっ!はっ!……ん?」
しばらくそうしていると気配に気付いたのか
アデルがドアの隙間に目をやる
(あわわわでゴザル!!)
別に悪いことなどしていないが雪丸はその場から立ち去ろうとした、が
ギィ
「あぶっ」
覗いてる時に不安定な態勢を取っていたせいで
体重が前に掛かったままドアが開き、倒れこんでしまった。
「…そんなとこでなにしてんだ、雪丸」
「あ、いや、その!拙者は別に!何も怪しいことは…」
「いや……今めちゃくちゃ怪しいぞ?」
雪丸は自分のあまりの挙動不振さに気付き赤面する。「で、どうしたんだ?」
アデルは雪丸の隣に座り顔を見つめる
「そ、その…拙者、アデル殿に相談したいことがあるのでゴザルよ」
顔を下に向け、視線を合わせず頭に浮かんだ話を切り出す
「相談?なんのだ?」
すうっと息を吸い、雪丸は淡々としゃべりはじめる
「拙者…最近不可解な気持ちに襲われるのでゴザル
アデル殿を見てると胸が苦しくなって、アデル殿が近くに居ないと不安になったり…
拙者は!拙者は一体どうなってしまったのでゴザル…?」
夜の月明かりに照らされた雪丸の顔には涙が浮かんでいた。
いつのまにか今まで感じたことの無い気持ちにへの不安が爆発した。
「それって………いや、よくわかんねぇや」
アデルの言葉に雪丸は気を落した。
何を言ってほしかったのか
何を期待していたのか
自分でもわからない
「………そうで、ゴザルか
ありがとうでゴザル、アデル殿に話して少しだけ
スッキリしたでゴザルよ」
「別に俺はなにもしてねぇだろ」
「いや、悩みを聞いてもらっただけでも拙者は満足でゴザル
拙者、もう寝るでゴザル」
雪丸の姿が家の中へ消えていったのを見届けた後
「まさかな…」
アデルも悩んでいた
アデルは雪丸の欲する答えを持っていた。
だが、教えたとしても雪丸の気持ちに答えることが出来ただろうか
雪丸は仲間だ、それ以上でもそれ以下でもない。
―――それから雪丸は毎日のようにアデルの修業を見にきた。
アデルも嫌ではなかった
「月が…綺麗でゴザルな」
「あぁ」
「どうでゴザルか?拙者のニギリメシ」
「あぁうまいぜ、お前料理も出来たんだな」
「そ、そうでゴザルか!頑張って作ってきた甲斐があるってものでゴザル!」
ほんとはニギリメシしか作れないが雪丸にはそれだけで満足だった
「ふぅ、ごちそうさま」
「あ、まつでゴザル」
アデルの頬に付いたご飯つぶを指で取り自分の口に運ぶ
「あ、おお、ありがとう…」
そう言われると雪丸はニパッと花の様に笑った。
「?、どうしたのでゴザル?」
「な、なんでもない」
見惚れてしまった、笑った顔が、すごく可愛く見えた
しばらくの日が経ち
雪丸はママにこの不思議な幸せ気持ちを相談した。
「それはね、好きって言うのよ」
すっきりした答えだった
でも言われてみればたしかに好きという
気持ちと簡単に理解できた。
「好きで…ゴザルか」
「んふふ、アデルちゃんも幸せ者ね
こんな可愛い子に好かれるだから♪」
「そ、そんなかわいいなんて!で…ゴザル…」
雪丸は顔を真っ赤にして俯く
「せ、拙者はこれにて!」ママの言葉にいたたまれなくなったのか
雪丸は部屋から逃げるように抜け出した。
その夜
またいつかの様に雪丸はドアの隙間からアデルの様子を見ていた。
「ん?なにしてるんだよ雪丸」
「っ」
早々と見つかり逃げようとするが
「ぶっ」
またも頭からずっこけてしまう。
「いててゴザル…」
「…何してんだよ、見せてみろ」
雪丸の顔に手をあて覗き込む
「ぁ…」
「……大丈夫みたいだな」
アデルと目が合う
「アデル…殿」
――それはね、好きって言うのよ
頬にあるアデルの手に自分の手を合わせる。
「…好きでゴザル」
近くにあるアデルに顔にさらに近付き、口付けをする。
「ん…」
アデルの思考は一瞬停止する
雪丸からの強引なキス
「っ!い、いきなりなにするんだよ!」
慌てて引き離す、息が荒くなり顔が熱くなる。
「言った通りでゴザル、拙者はアデル殿が好きでゴザル」
「だからって!いきなりは無いだろ!
これじゃ俺の流…」
泣いていた
恋をしたことが無い雪丸が必死に出した答えなのだろう
その姿を見てアデルはいままでの自分の気持ちに気付く
「あ、アデル殿は…拙者のこと嫌いでゴザ…あっ」
「き、嫌いじゃねえよ」
耐え切れず抱き締める
「ただ…泣くな…そんな顔はみたくねぇ」
「アデル…殿」
背中に手をまわし、胸に顔を埋め
しばらくそうしていた。
「…その、泣きやんだら眠くなったきたでゴザル」
「あ、あぁ部屋まで送る」
家に入り、雪丸達の部屋まで送る。
「お休みでゴザル」
「ああ、また明日な」
ドアが閉まるのを見た後、自分の部屋へ行きフトンに潜る
目を瞑ると修業の疲れかすぐに眠気が出る。
浅い眠りの中、ギィと戸が開く音がした。
「アデル殿…」
雪丸の声
「アデル殿…」
「ん…雪丸…?」
「あ、アデル殿…起こして申し訳ない…」
視点が整わない目で雪丸を見る
「どうした…?」
「そ、その今日は…今日だけは一緒に寝ていいでゴザルるか?」
「あ、あぁ」
アデルはベットの隅に寄る
雪丸は枕を置き、アデルに寄り添うように寝る
眠気が一気に飛び雪丸とは逆の方を向き目を瞑る
「アデル殿?寝てしまったでゴザルか?」
起こそうとはせず、小さな声で問い掛ける
「いや、起きてる」
「その今日はすまない…無理矢理とはいえ接吻をしてしまい…」
「いいよ、俺は嫌じゃなかった」
「そうでゴザルか、よかったでゴザル」
雪丸が近付く
が、アデルは壁にあたりそうなほどにベットの端に寄る
「なんで逃げるのでゴザルか?」
「いや…」
「やはり…拙者のことが嫌いでゴザルか…?」
「そんなことはない!」
「でも」
後ろを向き、肩を抱き、キスをする
「あっ…ん…」
雪丸も手を後ろにまわし
ついばむようにキスを繰り返す。
「あ、アデル殿…」
雪丸の股に手を伸ばす
だが雪丸は身を捩る
「嫌…か?」
雪丸は首を横に振る
「………いいでゴザルよ」
服を脱がそうとする
「あ、自分で脱ぐでゴザル!」
後ろを向き雪丸を待つ
服が地面に落ちる音がした。
「…いいでゴザルよ」
そこには月明かりに照らされた幼さの残る体…
それを見て、堪らず雪丸を押し倒す
首筋にキスをし、秘所を強弱をつけ刺激する
「んっ…あっ、アデル…殿…」
さらに刺激を与えるため指を入れ、動かす
「濡れてきた…」
「あ…う…そ…んな…こと言わ…ないでほしいでゴザ…ル」
愛液が溢れだし、シーツを濡らす
よがる姿を見て耐え切れず
アデルは痛いほど膨れた自分をジッパーから取出す
「…す、すごいでゴザル」
雪丸は初めて見る物に驚愕する
こんな物が入るのか不安になる
「…入れるぞ」
入り口に当てそのまま挿入する
「あっ!…入ってきた…!」
「く…きついな…」
そのまま奥に進めるとさらに抵抗が強まる
「ここが……雪丸」
「な、何でゴザルか…?」
「先に謝っとく………ごめん」
「え?…な、なんで……痛っ!!」
一気に雪丸の処女が散る
繋がった場所からは鮮血が滴り濡れたシーツを赤く染める
「ひっ……痛い…でゴザル」
「だ、大丈夫か…?」
「う、なんとか…」
アデルは破瓜の痛みが和らぐまでしばらく動かず雪丸の様子を伺う
「……う、動いていいでゴザルよ」
「いいのか?」
「少し…痛いけど大丈夫でゴザル」
「………動くぞ」
腰を後ろに引き、また奥に入れる
「っう……あぅ、あっ!」
ゆっくりそれを繰り返し
「大丈夫でゴザルよ……拙者のことは気に…せず」
「…痛いんだろ」
「ほんとに少しだけでゴザルから……拙者、もっと…アデル殿に気持ち良くなってほしいでゴザル…だから」
「―――っ!」
雪丸の言葉が引き金になり腰を激しくうちつける
「んあっ!んくっ!あっ、ああっ!」
快感を求め腰を動かす
「あぁっ!ふあっ…んくぅ!あ…んんぅ!」
深く突くたびに雪丸が声を漏らし、アデルの聴覚を刺激する
「んあぅ…ああぁ!んふっ!んあっ!」
「くっそろそろ…!」
射精感が強まり更に腰を速く動かす
「ああああぁっ!んっ!あっ!」
寸前、アデルは雪丸から引き抜く
「うくっ!」
吹き出した白い精液が、雪丸の体を汚していく
「あ…ん……うあ…はあ…」
雪丸の肌の上を精液が流れる
「アデル殿………気持ち、良かったでゴザルか?」
「あぁ最高だった」
そう言うと雪丸は静かに寝息を立て始めた
アデルも暫らく後処理をした後、雪丸の隣に寄り添い、抱き締めて寝た。
朝、朝食の中遅れて雪丸とアデルが来る
「ねぇねぇ雪丸ちゃん」
「なんでゴザルか、ハナコ殿」
「なんでガニマタなの?」
END