「テイルモン、何読んでるの?」  
「あ、ヒカリ」  
 
テイルモンたちがこっちで暮らすようになって、1ヶ月ほどたった。  
ヒカリたちが学校に行ってる間はヒマなので、テイルモンはあちこち出歩いてたが  
迷子になると困ると言われ、近所だけにと制限されてしまい結局ヒマを持て余していた。  
そこで、どうせならということでテイルモンは人間の言葉(というか文字)を覚えようと思い、  
ヒカリに教えてもらい、最近は八神家にある本マンガ雑誌類などをよく読んでいたのだが・・。  
 
「ヒカリ、セックスって何?」  
「は?・・え?テイルモン、何読んでるの??」  
「これ」  
と言ってテイルモンが差し出したのは・・  
 
「なにこれ・・?週間体臭・・?どこにあったの、こんなの・・・」  
「太一の部屋」  
テイルモンの答えは、中2である兄の部屋。  
「お兄ちゃん・・、こんなの読んでるの・・・?」  
それまで兄に抱いていた憧れとか尊敬とか、そういうのが音を立てて崩れていく。  
 
 
「おーい、ヒカリ。ちょっといいか?」  
とそこへジャストタイミングで現れる中2の兄。  
「ヒカリ、ハサミ持ってねぇ?」  
「お兄ちゃん・・・・」  
「ヒカリ?」  
妹の背負ってる負のオーラ(闇の海?)に気づく兄、とその妹の手にあるのは。  
「あ!?お前なんでそれちょおまいやあのそれは。。。」  
あわてふためき、ヒカリからそれを取り上げようとする兄。  
「いや!こないで!」  
そんな兄を露骨にいやがる妹。  
「いや、あのそれは、、、あ!ヤマトだよ!ヤマトのやつが置いてったんだよ!」  
必死に弁解する兄。  
「知らない!テイルモン!これバラバラにして!」  
「え??どうして?ヒカリ?」  
「いいから早く!」  
「わ、わかった!」  
「やめてくれぇー」  
太一の願いむなしく引き裂かれる週刊誌。  
ヒカリは、バラバラになったそれをゴミ袋につめ、  
「明日あっちでアグモンに燃やしてもらうから!」と言い放ち、  
兄とテイルモンを置いて部屋を出て行ってしまったのだった。  
 
 
「あぁ〜、俺の初めてのエロ本がぁ。。。」  
「・・・太一、あれ大事なものだったのか?」  
「。。お前にはわかんねーよ。。」  
「・・そうなのか。ところで太一、セックスってなんだ?」  
テイルモンは当初から気になってたことを、こんどは太一に聞く。  
「は?・・え?お前そんなことヒカリに聞いたのか?」  
「あぁ」  
「うぁー、お前、うちにある本ならどれでも読んでいいって言ったけど、それはなしだろー。。」  
「なんでだ?なにがマズかったんだ?・・確かにヒカリは怒ってたけど。」  
「知りたかったらヒカリに保健体育の教科書借りてきて読めよー。俺はもうだめだー。。」  
「それにセックスが書いてあるのか??わかった、借りてこよう」  
そして部屋をでていくテイルモン。  
取り残された太一は、ただ打ちひしがれるだけだった・・。  
 

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