はじめてあった時はとことん頼りなくて…戦うこともロクに出来なくて、そのうえ泣き虫で……
けど……一緒にいるうちに少しずつ変わっていって、戦いにも迷わなくなって…いつの間にか、一番強くなってて。
そしていつの間にか……あたし自身も少しずつ変わっていった…全部がアイツのせいってわけじゃない。
だけど…あいつの存在が、あたしの中ではすごく大きくなっていった。
だからなのかな……アイツに惹かれたのは――――
「…なんでアンタがここにいるのよ」
「うーん…なんでっていっても…特に理由はないんだけどね;」
ここはルキの家…日曜で特に用事もないからと、久々に遅めに起きて居間に行くと、普通に床に座っている少年が視線に入った。
その少年に言った第一声は、苦笑交じりの短い言葉で返される。
その言葉に、ルキは半ば呆れたような表情で少年を……タカトを見る。
「それとも、来ちゃイヤだった?」
「べ、別にイヤってわけじゃないけど……」
無垢な微笑みとともに言われ、思わずルキは視線をそらせた。自分でも、なんとなく顔が熱いのがわかる…
中学に入ったときに、ルキはタカトに告白した。付き合いたいから、という意味ではなく、どちらかといえば諦めをつけるために。
あの時、すでにタカトは樹莉と付き合っていると思っていたから……
しかし、しばらく驚いた顔をしていたタカトは、予想に反し、赤い顔の笑みとともに頷いた。
タカト自身は、樹莉への想いは恋愛とは違うものと気付いていたらしく、なら自分が本当に好きな者は誰かと考え……そして、ルキという答えが出た。
だから、今日ルキに言われなくても、いつか自分から言い出すつもりだったらしい。
ちなみに、その話を聞いていたルキは、一気に頭に血が上り一瞬立ち眩みとともに倒れかけた。
あの時の、顔を赤らめながらの精一杯の笑みを思い出すと、今でも頬が赤くなる…
「で、特に用事も無く来て、なにかする予定考えてたの?」
「………あー、えっと…」
「…まさか、ホントに何も考えずに来たの?」
「………アハハハ…;」
返事の変わりに、乾いた笑い声が響き、同時にため息も聞こえた…
結局その後は適当にテレビを見、世間話をし、カードのコーチなどで時間を過ごしていった。
普段と同じ平凡なこと……それでも、相手が近くにいるだけで、何故か心が安らいでいく…共にいるだけで、何故か温かい……
恋人同士って、こういうことなのかな…と、改めてお互い実感する。
仲がいいわね〜♪と満面の笑みでお茶を持ってルミ子が来た時は、思わず反射的に後ずさってしまったが。
出されたお茶と茶菓子を一緒に堪能していると、再び母が祖母と一緒に顔を出す。
「さっき電話で用事が出来ちゃったから、ちょっと出かけてくるわね。夕方辺りには戻ってくるから♪」
やたら嬉しそうにそういうと、そそくさと出て行った。
「(絶対楽しんでる……)」
顔を赤くしてうしろ姿を軽く睨むルキ。一方のタカトのほうは変わらず笑みを浮かべている。
こういうのを見ていると、一人だけ赤くなっている自分がなんだか馬鹿らしく見えてくる。
軽くため息をついて、食べ終えたお茶と茶菓子を流しに持っていく。
「ついでに朝食の食器も洗っとこうかな……」
「僕も手伝おっか?」
「別にいい。どうせ2,3人分水洗いするだけだし、適当にくつろいでればいいわよ」
言って居間を後にする。
少しだけ洗剤をつけたスポンジで軽くこすりながら、同時に水で流していく。
元々皿に汚れがつくような料理でもなかったので、大した時間は掛からずに全部洗い終えた。
そしてまた居間に戻ってくると……
「おまたせ………って…」
「…………スー……」
入ると、少年は暖冬の日差しの中、壁に寄りかかった状態で、瞳を閉じて静かに眠っていた。
「確かに温かくはなってきたけど……寝付くの早すぎ」
一応ツッコミをいれながら、音を立てないようにそっとその正面に屈みこむ。
そういえばタカトの寝顔を間近に見たことないなと思いながら、少し俯いたその顔を覗き込む。
つけていたゴーグルを外し、少し長くなった髪が小さく風に流れた。
普段のあどけない子供っぽい顔も、少しずつだが、確実に大人に近づいていっていた…
「……タカト…………」
無防備なその姿に、自然と―――ルキ自身ほとんど無意識のうちに、ゆっくりと互いの顔の距離が縮まっていき……
重ねるだけの、軽いキス……が、唇を離した次の瞬間我に返ったルキの顔を沸騰させるには十分だった。ボッと音をたてて赤くなる。
「あ、あたし何やって………!?」
上昇する体温から逃げ出すように、慌てて離れようとしたその時―――
「寝込みを襲うって、らしくないと思うけど?」
「っ――――!?」
たった今自分が重ねた唇から、その言葉が流れる。それと同時に、ぐっと肩をつかまれ再び引き寄せられた。
いつの間にか開かれていた両の瞳は、真っ直ぐにルキを見据えている。
そして口元には……先ほどとは違った種類の笑みが浮かんでいた。
「た、狸ね入りしてたわけっ!?」
「違うよ。起きたのはついさっき」
「つ、ついさっきって……!」
「ルキが僕にキスしたときに♪」
「っ……!!!!」
ルキの顔が更に赤みを増した。
――嘘だ。絶対最初から起きてた…!――
何の根拠もないが、ルキの心は確信する。
……タカトは戦いの中で、少しずつ迷いや恐れを捨て、そして成長していき変わっていった。
そして付き合いだしてからも、タカトは少しずつ変わっていき……結果的に気弱だった少年は、若干天然、若干腹黒で積極的な少年となった。
……これも成長と言っていいのかはわからないが、少なくともルキは『この状態』のタカトはあまり好きではなかった…
――――キライというわけでもなかったが。
「まあ無防備に寝てた僕も悪いって言えるけど……折角してくれたんだから、ちゃんとお礼はしないとね♪」
「お、お礼って……!っ―――!?」
笑みのままそう言ったタカトにルキが言い返そうとしたとき、途端にルキの視界は上を向いていた。
さっきまでタカトの背後にあった壁は無く、代わりにその後ろに天井が見える。―――――――直訳。押し倒された。
「ちょ…!何するのよっ!?」
「だから、お礼」
「こんなのは望んでないっ!!」
「とりあえず僕は望んでる」
「んな勝手な…!!んっ……!!」
なおも喋ろうとしたとき、ルキの口はタカトの唇で無理矢理塞がれた。
もがいてはみるが、押さえつけられた両手はビクともしない。こういうとき、自分が女だということを思い知らされる。
丁度喋っている途中で口付けられたので、開いた口からタカトの舌が侵入する。
さきほど自分がやった重ねるだけのキスとはまるで違った、深く、熱い接吻……口内を舌がなぞるうちに、ルキの身体の熱は上がっていき、
抵抗する力が抜けていった。そして最初逃げていたルキの舌も、徐々に彼を受け入れていく。
「んん…ぁ…あっ…ん…ぁぁ……!」
ピチャ… クチュ… チャッ… クチャ……
静かな居間に、水音と、出したくないのに出てしまうルキの声が、しばらく響く…
互いの唾液の味を確かめ合い、流石に息苦しくなったのか、ようやく唇が銀色の糸を引きながら離される。
「タカ…ト………」
これ以上ないほどに赤面しながら、僅かに潤んだ瞳でルキはタカトを見る。その表情が、タカトの中の感情を掻き立てた。
タカトはルキを上半身だけ起こすと、丁度傍に置かれていた彼女の携帯の充電用ケーブルを取り、それでルキの両手をそれで後ろ手に縛る。
「えっ……タカト…」
「イヤならとっていいよ。ワザとゆるく縛ってるから…」
言葉通り、ケーブルは拘束は出来ているが、力を込めれば簡単にほどけそうなくらいに縛ってある。
しかし、ルキはしばらく赤い顔のまま沈黙しているが、それをしようとはしなかった…
それを見ていたタカトは、クスッと少しだけ苦笑すると後ろに回り、再び深く口付ける。そして、片手を服の中に忍ばせた……
「んんっ…!」
ルキの体が一瞬ビクンと強張る。
タカトは忍ばせた手でふくらみを包み込むと、舌先をツー、とルキの唇から首筋に移す。
ふくらみを包む手をゆっくりと動かしほぐしながら、なぞるようにルキの白い首筋に舌を這わせる。
「ここなら、見えないかな……」
言いながら、そのまま舌を肩にまで移し、赤い所有印をつけていく。
手の動きと、印がつくたびにルキの体は反応していった。
「んんっ…!ん…ぁ…あっ……!」
口から漏れる吐息も熱を帯び、出さないよう意識しても、吐息とともに喘ぎが漏れる。
タカトはそれを聞きながら、空いているルキの髪を留めているゴムを外す。長くなった髪が下ろされると、今度はルキのベルトに手を掛ける
一息にベルトを外すと、再び前に回ってズボンも脱がす。もう、抵抗は無くなっていた。
「やっぱり白いね。ルキの肌……綺麗だよ…」
言いながらタカトとは露わになったルキの足を優しくさすっていく。
もう片方の手でルキの上着をたくし上げると、膨らみの中心の突起に顔を近づけ舌を這わせた。
それと同時に、ルキの太ももの付け根まで来た手が、ゆっくりと下着の中に侵入する。
「あっ…ぅ…!」
その瞬間、ルキの口から短い喘ぎが漏れ、その体が小さく震えた。
「はは、やっぱり感じやすいんだね。もう濡れてるよ…」
言いながら指を更に動かす。
膨らみの片方に左手を。もう片方には舌を。そして秘部には指を、休まずに動かす。
指が内部をなぞるたびにルキの体は敏感に反応し、吐息の熱を上げていく。
タカトはルキの必死に耐えるような表情さえ愛しく感じながら、秘部に進入した指だけ動きを徐々に早くしていく。
「ひっ…!あっ、あっ…ぁ、ぁぁ!…あ…!」
動きとともにルキの喘ぎも早く大きくなる。
タカトが指を抜くと、べっとりと蜜が絡み付いている。
「ふふ、こんなに出てる。気持ちよかった?」
蜜を纏った指を見ながらのタカトの問いかけに、ルキはやはり赤面したまま答えることはできない。
タカトはクスッと再び微笑すると、ルキの頭を持ちグッと引き寄せた。
「んんっ…!?」
引き寄せた瞬間、ルキの口に指を押し込み自分の蜜を舐めさせる。
最初驚いていたルキだったが、戸惑いながらもタカトの指に舌を這わせる。
「(…あれ……)」
愛しげにそれを眺めていると、ふとルキの両手を縛っていたケーブルが少しほどけかかっているのに気付く。
イヤならほどいていいと言ったのは自分だが、いまは、自分に拘束されている彼女の姿が酷く愛おしく感じてしまう。
丁度ルキが全て蜜を舐め採ると、再びケーブルに手を伸ばした。
「ルキ…ゴメン、やっぱりもう少ししっかり縛っていい?」
「え……?…………別に…いいけど…」
消えそうなほど小さな肯定の言葉。
それでもしっかり耳に届くと、僅かに苦笑しながら一度ほどき、先ほどよりも若干きつく縛りなおす。
「コレでよし、と…じゃあ、僕もルキの頂こうかな」
「え……」
そういうとルキの下着を脱がし両足を広げ、秘部に直接顔をうずめる。
舌をなぞらせた瞬間、ルキの体が先ほどよりも強く跳ねる。
「くぅ…!ん…あっあっあっあっ…!」
ピチャ…クチュ…ぺチャ、ピチャ…チュ…
舌を絡めたときとは別の水音が鳴る。それにあわせるようにルキの口から喘ぎが漏れる
「すごいね。舐めてもどんどん溢れてくる……それに…すごく甘い…」
舐める合間に囁くタカトの声が、ますますルキの顔に熱を生ませた。
しばらくタカトはルキの蜜を堪能すると、立ち上がり自身のモノを取り出す
「ルキ…僕のも……」
「…………うん…」
小さな頷きとともに、固く膨れ上がったソレは熱を持ったまま温かなものに包み込まれた…
「うっ……!」
「ん…ふぅ…んん……」
口に含んでは出し、ルキはたどたどしく舌先をタカトの肉棒になぞらせる。
多少戸惑いながらのぎこちない刺激に、タカトは小さく声を漏らす。
そっとルキの頭を優しく撫でてやると、ルキは口に含んだまま上目遣いでタカトの顔を見上げる。
「っ………」
潤んだ瞳のその表情が、更にタカトの欲望を刺激する。
タカトは両手でルキの頭を固定すると、囁く。
「ルキ………歯、立てないでね?」
「え……んんっ―――!?」
囁きとほぼ同時にタカトは肉棒を一気に突き出した。
固く熱くなった塊が奥まで押し込まれ、思わずルキが呻く。
顔を離そうとしても、しっかり掴んだタカトの両手が逃がさない
「んっ…!っ、ぅぐ…ふっ、んっ!ぁ……っ…!」
次第にタカトの動きが速くなっていき、一気に頂点を見ゼしていく。
「ルキ…出すよ…!」
「んん…っ! や…、ぐ…ぅっ、ごほっ!」
びくんっとタカトのモノの先端から熱い液が流れ出る。
突然口内に入れられた液に思わず顔をのけぞらそうとするが、再びタカトの手がそれを許さない。
「んんん……っ…んくっ…!」
震える体でなんとか飲み込む。
ようやくルキの口から塊が抜かれると、口の端から唾液とタカトの液が混ざったものがツー、と首へと垂れて汚した。
ルキの口内に白い液を出した後も、タカトの肉棒も感情も治まっておらず、感情は更に欲望を欲していた…
「ルキ…僕、そろそろ………」
「あっ……」
再びルキを優しく押し倒し、足を広げる。指を入れて確かめると、もう十分に滑りが良くなっていた。
ルキの秘部に肉棒の先端をこすり付けると、放心していたルキが再び敏感に反応する。
「ひぅっ…あっあっ…あっ……」
「…ルキ…辛かったら、言っていいからね」
あくまで優しく、ルキの事を思いながら囁く。
そしてゆっくりと、ルキの中に自身を入れていった。強い圧迫感、痛みと快感が同時に生まれた。
「ひぃっ…!ああぁっ……!」
反射的にルキは体に力を入れ、それによりタカトの肉棒がルキの中で締め付けられた。
「っ…!ルキ…少し力抜いて……」
「ん…………!」
ルキが力を抜くのを確認すると、タカトは改めて腰を置くまで進める。
「ルキ……動くよ…」
囁きとともに、ゆっくりと…なるべくルキに負担が掛からぬよう腰を動かしていく。
「ひゃぁ…う、あぁ、あ…あっあっ……!」
「ルキっ………!」
少しずつ腰の動きを早くしていく。
タカトはルキを強く抱きしめ、それによって更に深く繋がる。
「あぁっあっ…あっあっ…!タカ…ト…!…タカト…ッ…!」
「ルキ……ッ…!」
動きが速度を上げていく中、互いに限界が近づいていき……そして…
「ああああぁぁっ…!」
「うっ………!」
お互いほぼ同時に達し、タカトは直前に自身を引き抜き、ルキの体に白濁の液を撒いた……
「………バカタカト」
「バカで結構」
拘束を解き、着替えなおして言ったせめてもの抗議は、やはり笑みとともにあっさりと受け止められる。
「誰にも渡したくなくて、独占したくなるほど心から大好きだって気持ちが馬鹿だって言うんなら、僕はバカで構わないよ」
その言葉に、ルキはため息を付きながらも、仄かに微笑む。
こんなときでも、その声には優しさが感じられる。
「…じゃあ、今度から名前の変わりにバカって呼ぶ?」
「あー…それは流石にちょっと嫌かも……」
話をするときも、抱かれるときも、繋がるときも…いつも、彼は優しい…
いつでも、二人でいるときが温かくて心地がいい…
大好きだから、押し倒されても、縛られても、心から嫌と思わない。
はじめてあった時はとことん頼りなくて…戦うこともロクに出来なくて、そのうえ泣き虫で……
けど……一緒にいるうちに少しずつ変わっていって、戦いにも迷わなくなって…いつの間にか、一番強くなってて。
いつの間にか……あたし自身も少しずつ変わっていった…あいつの存在が、あたしの中でどんどん大きくなっていった
そしていつのまにか……誰よりも…あたしはアイツの事が好きになっていった
〜END〜