「あれっ、ここは?」
気がつくとミミは見慣れない所にいた。
森のようであるが自販機や冷蔵庫が転がっている。
「もしかして、デジモン世界?」
辺りを見回していると視界の端に一人の少年を捉えた。
少年はパソコンに向かってなにかを打っている。
それを見てミミはため息をついた。
「なによ、夢じゃない……」
そこに居るのは確かに光子郎なのだが、尖った髪型をした、小四の光子郎であった。
本当なら今は中ニのはずだ。
「なによ。ちょっとうれしくなった私がバカみたいじゃ――」
――夢の中なら何をやってもいいんじゃない?
ミミに悪魔の囁きが降ってきた。
「何をやってもって――何をやるっていうのよ」
――何って、一つに決まってるじゃない。クラスメイトの話で興味はあるんでしょ?
「そっ、それは……」
ミミが言葉に詰まる。
アメリカの学校に通うミミの元には、自然とそういう話が集まってきていた。
既に経験してる友人もおり、思春期の女の子であるミミにとって興味がないはずがなかった。
――なら夢の中だしさ?やっちゃいなさいよ。
ミミに言い返す言葉はなかった。
足が光子郎へと向かっていく。
「光子郎くん?」
「あっ、ミミさん。ごめんなさい、ちょっと夢中になっ――わっ!」
ミミは光子郎がしゃべっているにも関わらず、両手で押し倒した。
「ミミさん?何を……?」
「何って……保守」