夏休みボケの残る体を酷使して、大輔が学校から帰った時には  
もう日がとっぷりと暮れていた。  
「ただいまーっ…って、誰もいないんだっけ」  
両親は外出中だし、ブイモンはデジタルワールド。  
姉貴は追っかけ仲間とのミーティングがどうとか。  
「久しぶりに、のんびりするかぁ」  
大輔にしてみれば、夏休みの終盤はずっと宿題に追われていたし、  
サッカーの練習もあるので、こうしてのんびりできる時間は貴重だった。  
 
「どっこいしょ、っと」  
麦茶を飲み干して一息ついた後、大輔は汗の染み込んだ衣服を  
半ば乱暴に脱ぎ捨てた。幼さを残しながらも均整のとれた小麦色の身体は  
ある種の、扇情的な魅力を発していた。  
大輔は今日一日の汗を流すため、素っ裸のまま風呂場に向かった。  
ガニ股で。  
「ふふふふんふんふーん♪ふふん…ぎゃっ!」  
風呂場のドアは、大輔がドアノブに手をかける前に動き出して  
大輔の顔面を殴打した。  
「あら大輔、帰ってたの?」  
「痛てててて…あ、姉貴!?」  
純は、尻餅をついた大輔の顔を不思議そうに見下ろしていた。  
純も裸だった。  
 
「姉貴、今日はミーティングなんじゃ…」  
「友達の家が都合悪くなっちゃって…企画倒れなの。っていうかアンタ  
私が居たことに気付かなかったの?」  
大輔の夏休みボケは、重度だった。  
「まったく、わが弟ながらあきれちゃうわ」  
「そ、そんなことより、もう風呂上がったんだろ!?じゃあさっさと服着て  
あっち行けよ!」  
「何よ。アンタ照れてるの?」  
「ば、馬鹿言ってんじゃ…」  
図星だった。純の裸を見るのは初めてではない。だがそれも昔の話で、  
純の身体はその頃とは比べられないほど発育していた。  
実の姉とはいえ、純の身体は大輔にとって刺激が強すぎた。  
「大輔」  
「な、何だよ?」  
「一緒に入ろうか」  
 
「な、なんでそうなるんだよっ!?姉貴出たばっかだろ!?」  
「あ、やっぱり照れてるんだ」  
「て、照れてねぇってば!」  
「じゃ、一緒に入れるわよね?」  
「ぐっ…」  
完全に純のペースだった。  
「お背中、お流ししまーす♪」  
純は大輔の背中を、ボディソープを付けたスポンジでこすり始めた。  
「お、おう」  
情けない返事だが、大輔にはこれが精一杯だった。  
この状況にどぎまぎしていることを悟られないように、うつむいて  
表情をなるべく見せないように…  
「げっ!?」  
「な、何よ?」  
下を向いた瞬間、大輔は自分が勃起している事に気が付いた。  
 
(こんなトコ、姉貴に見られたら…)  
大輔はひどく混乱してしまった。純で勃起したことなどこれまで  
一度もなかった。自分はどうなってしまったんだろう?  
なんとか鎮めようとして目を閉じても、思い浮かぶのは先ほど  
直視してしまった純の身体だけだった。純の胸、純のお腹、純の脚、純の…  
(と、とにかくこのままじゃマズイ!)  
「あ、姉貴。前、自分で洗うから」  
「何よ、隠すことないじゃない」  
「ちょ、やめろってっ!あっ!!」  
見られた。無理矢理に前をのぞき込んできた純に勃起したモノを。  
 
「あー…大きくなってる」  
「…」  
大輔は何も言えやしなかった。強引に作られたシチュエーションとはいえ  
実の姉で勃起してしまったのだ。言い訳はできない。  
一生変態扱いされるかもしれない。これからどんな罵声が飛んでくるんだろう。  
「姉貴…ご免…お、俺…」  
 
「お姉ちゃん、ちょっと嬉しいなー」  
「へっ!?」  
肩すかしを食らった。自分はどんな事言われるか心配で  
半泣きでいたというのに。大輔は純のあっけらかんとした言葉に救われた気分だった。  
「…してあげようか?」  
「わ、ちょっ!何すん…」  
純はボディソープの泡にまみれた手で大輔のモノをそっと包み込むと  
刺激を与え始めた。  
「へー、こうなってるんだ。もっとよく見せて」  
「あ、姉貴っ、うわ…」  
(き、気持ちいい…)  
感じたことのない安堵と快感が、交互に大輔を襲った。  
一体何がどうなっているのか。ただ快感に身を任せるしかなかった。  
「ふふ…これはどうかな?」  
純は大輔の反応を楽しんでいた。大輔のモノを棒のように掴むと、  
上下に激しくこすり始めた。  
「ん…はあっ…」  
ちゅくっ、ぢゅぷっ、ちゃくっ、ぢぴゅっ、ぐにゅっ  
(やば…ちょっ…良すぎ…っ)  
ボディーソープと大輔から先走った液体が、いやらしい音を立てる。  
純が上下にこする度に、その音は風呂場に反響して大輔の快感を  
より加速させていく。  
 
「んっ、あう、あっ」  
純から与えられる摩擦と連動して、大輔の幼い口元から  
喘ぎ声が漏れ出る。瞳はモウロウとして、身体の自由が奪われていく。  
「大輔、意外とエッチだね」  
さっきより艶っぽくなった純の声が、大輔の劣情を煽る。  
純の手の動きも激しさを底なしに増していく。  
「そ、んなことっ…んっ、はぁっ、はあっ、」  
(やべ、良い!出る、出る出る!!出ちゃう!出したい!良い!出る!)  
「姉貴っっ!!!」  
どぴゅっ、びゅく、ぴく  
大輔は三度に分けて射精した。  
「ふ…うっ」  
「あ…出たね」  
「姉貴、俺…」  
「大輔、また大きくなってるよ」  
大輔の股間はまだ硬度を保っていた。未曾有の快感を得てもなお  
純を欲している。  
 
私は異常なのかもしれない。  
風呂場で実の弟に胸を愛撫させているのだ。疑いようもない。  
最初はここまでするつもりはなかった。  
生意気な弟をからかってやるだけ…そのつもりだったが  
怒張する大輔の股間を見て、別の感情が頭をもたげてきたのだ。  
「姉貴っ…気持ちいい…?はぁっ、ふっ、」  
大輔は初めての感覚に夢中になり、揉みしだき、吸い、舐め回し、  
顔を埋め、貪っている。  
「気持ち…いいよ…っ あぁ」  
大輔が純の乳首を舌でころがした時、純に未知の快感が走った。  
「大輔…」  
「…えっ?」  
「…ご褒美、あげるね…」  
純は両膝を付いて跪くと、大輔のモノを口に含んだ。  
「ひぁっ!!」  
「熱っ…元気だね」  
純は大輔のモノを愛おしそうに、満遍なく刺激する。  
根本、睾丸、先端、カリの傘の下、裏筋、舌を這わせ、舐め、吸い付く。  
じゅぷっ じゅびゅっ ぺろ ぎゅっ べろっ  
(あああああああああっ!!?)(気持ちいい)(気持ちいい)  
大輔は純の頭を両手で掴み、押し付けるように腰を振り始めた。  
分泌過剰の唾液が、官能的にこぼれる。  
「ああ、ひあっ!(はっ)もっと!もっと!(はぁっ)先っぽっ!!ああっ!!」  
純は口をソレから放したが、大輔は気付かず、純の顔面にそれを押し付け  
腰を振り続けた。紅潮した頬に潤んだ瞳がいやらしい。  
 
純は濡れていた。  
「はぁ、ひはぁ、姉貴、もっと、もっとして」  
純は仰向けになった。そこが大輔によく見えるように。  
大輔が純の股間をを凝視する。はちきれそうに勃起したものを  
どうしていいかわからずそわそわし、哀願するように純を見つめた。  
「姉貴、俺、俺…」  
「純、て呼んで」  
「…えっ?」  
「大輔…入れていいよ…?」  
純の一言で、大輔は純を抱き寄せて貫こうとするが、うまくいかない。  
(純…早く…早く入れたい!入らない!入れたい!)  
「大輔…もうちょっと下だよ」  
純は大輔のそれをそっと導きあてがった。  
ずぶっ。  
「ああっ!!」  
「あっ、いい、純!気持ちいい!」  
「大輔、動いて…」  
大輔は正常位で腰をさっきより激しく動かし、純のやわらかな肌に  
むしゃぶりつくように愛撫する。  
じゅくっ ぢゃく じゅぷっ じゅぷっ  
「あっ、はっ、ひあっ!いい!もっと!」  
「純!純!あっ、気持ちいい!」  
純は大輔により強く抱き寄せるように仕向け、ゆっくりと座位に移行する。  
 
今度は純が腰を上下させ、大輔を刺激する。  
じゅく じゅるん ぶちゅっ にゅっ  
(純!純!あっ、おっぱい気持ちいい!純のおっぱい)  
大輔は純の胸の、どこを責めればよいか少しずつわかってきた。  
周囲からゆっくり揉みしだき、じらすように、舌で乳首をころがす。  
「あっ、大輔(んっ)!あっ!(はっ)」  
純は、大輔の極めて的確な愛撫に最後の理性を削り取られ、  
大輔にさらに体重をかけて騎乗位になる。  
純はさっきよりも激しく腰を上下させ、大輔のそれを飲み込む。  
大輔に歓喜の表情が滲み出る。激しく責められ、腰から全身に  
走る甘い衝動を止める理性もすでに無かった。  
「純!純っ!(はっ)もっとぉ!(ひあ)純のオ○ンコぉ!(んっ)もっと、してぇ!!」  
「大輔っ!大輔っ!!あっ(はあっ)!大輔!(あんっ)中っ!中にちょうだい」  
 
「大輔!…大輔!!」  
 
 
「大輔!…大輔!起きろよ!大輔!」  
「ん…」  
大輔が渡米して、もう3年になる。  
ラーメンの屋台は口コミで人気が広がり、連日満員だった。  
あまりの忙しさに、つい眠り込んでしまったらしい。  
「あちゃー!悪い!ブイモン」  
「悪いって…買い出しから帰ってきたらこれだもんなぁ。」  
「そうだな…そろそろ店開けるか」  
「今日は雑誌のインタビューの日だろ!寝ぼけてるな?」  
「夏休みボケだよ」  
「?何それ?」  
「こっちの話」  
                          END  

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