2001年の夏休み、両親が副引きで当てた温泉旅行に出かけたその夜、ヒカリは太一の帰りを待っていた。  
「お兄ちゃん、遅いな…。ご飯が冷めちゃうよ」  
 いつしか外では激しい雨が振り出していた。  
 ガチャリ、とドアの開く音。  
 ヒカリが玄関に出て行くと、そこにはずぶ濡れの太一がうつむいて立っていた。  
「お兄ちゃん!?どうしたの、びしょびしょじゃない!今タオル取ってくるからまってて!」  
 ヒカリは大慌てでバスタオルを取ってくる。  
「とにかくそのまんまじゃ風邪ひいちゃうよ!お風呂もう沸いてるから、入ってきて。その間にシチュー温めなおすから」  
「…メシは、いらない。風呂あがったら、すぐ寝るから」  
「そ、そう?…じゃあ、お兄ちゃんの分、冷蔵庫に入れとくから、後でお腹すいたらあっためて食べて」  
 ヒカリはけげんに思いながらも一人で食事をすませた。  
 
 そして夜中、ヒカリはトイレにいった帰りに台所に明かりがついてるのに気が付いた。  
「お兄ちゃん!…」  
 太一は冷蔵庫の前でビールを飲んでいた。その周りには既に何本もの瓶と缶が並んでいる。  
「何やってるの!それ、お父さんの…」  
「うるっせえ、たまには酒ぐらい飲んだっていいだろ!?」  
「お兄ちゃん、帰ってきてから変だよ!?何かあったの?  
 ………!、ひょっとして、空さんとヤマトさんのこと…」  
 太一の動きが止まる。  
「…知ってたのか?…」  
「…うん、先週、街でばったり会って…」  
「…ヤマトは、いい奴だよ。空には…あいつのほうが、合ってる…」  
「お兄ちゃん…」  
 しばしの沈黙。  
 それに耐えかねたように太一は立ち上がり、大きく伸びをする。  
「さ〜て、もう寝るか。ヒカリ、悪いけど片付けるの手伝ってくれないか?」  
「お兄ちゃん!」  
 突然ヒカリが太一に抱きつき、キスをする。急な事にパニックをおこし立ち尽くす太一。  
「私じゃ…ダメ?私じゃ、空さんの代わりになれない?今だけでも…私、お兄ちゃんのこと、ずっと…!」  
「ヒカリ…ヒカリ!」  
 今度は太一がヒカリの唇を奪う。  
「ん…ぷは…」  
 潤んだ瞳が太一を見上げている。  
 太一は自分の中に暴力的な衝動が浮かんでくるのを感じる。  
「ヒカリ…俺…」  
「…お兄ちゃん……いいよ…」  
 
  太一はヒカリを床に押し倒す。  
 パジャマのボタンがはじけ飛び、まだわずかに膨らみはじめただけの胸があらわになる。  
 太一はその先端を吸い上げ、右手を下着の中に潜り込ませ、無毛の秘裂をかきまわす。  
「ん…んっ…」  
 太一への想いゆえか、そのぎこちない愛撫にも幼い躰は反応し、ヒカリに未知の感覚をもたらす。  
「ふぁっ…お兄…ちゃん…」  
 やがて、その躰の奥から蜜があふれはじめる。  
「ヒカリ…お前、濡れてきたぞ…」  
 太一はヒカリのズボンと下着を脱がせると、小さな割れ目を指で押し開き、ぴちゃぴちゃと音を立ててなめる。  
「はぁっ…お兄ちゃん、恥ずかしい…あんっ!…」  
 初めての快感と羞恥に顔を真っ赤にして身をよじるヒカリ。  
「…もう、いいかな…」  
 太一はズボンを下し、とりだした男根をヒカリの花弁にあてがう。  
「ヒカリ、いくぞ?」  
 ヒカリがコクンとうなずくと、太一は自分自身をゆっくりとヒカリの中に侵入させていった。  
 歯をくいしばり、太一にしがみついて激痛に耐えるヒカリ。  
 やがて太一のモノは完全にヒカリの中に埋没する。  
 
「ヒカリ、大丈夫か?」  
 心配そうな太一の問いに、ヒカリは  
「少し痛いけど、平気。」  
 と笑ってみせる。  
「じゃあ、少しずつ動くぞ。」  
 太一はそう言ってゆっくりと腰を動かし始める。  
「うぅっ!ヒカリの中、狭くて、あったかくて、ヌルヌルしてて、気持ちいい…!」  
 太一の動きは無意識のうちにだんだん激しくなっていく。  
「んっ…ふぁっ!…お兄ちゃんの、あっつい…」  
 ヒカリもまた、痛みの中に少しずつ快感を感じはじめ、それに応じて蜜の量が増えてくる。  
「はぁ…はぁ…ヒカリ…」  
「あぁ…お兄ちゃん…あんっ!…」  
 二人の結合部からは鮮血の混じった愛液がしたたり落ち、ぬちゃぬちゃといやらしい音をたてる。  
「お兄ちゃん…キス、して…」  
 二人は激しくキスをかわし、動きはますます激しくなっていく。  
「ヒカリ、ヒカリ、イくぞっ!」  
「うっ!」  
 太一がヒカリの中に精を放つ。  
「お兄ちゃん、お兄ちゃぁんっ!」  
 その熱さを感じ、ヒカリもまた初めての絶頂に昇りつめていった。  
 
 
 …翌朝、ヒカリが朝食の用意をしていると、太一が自分の部屋から出てきた。  
「ヒカリ、俺…」  
 その言葉を遮って、ヒカリは怒ったように言った。  
「お兄ちゃん!昨日、大変だったんだからね!」  
「だから、俺は…」  
「お父さんのお酒飲んじゃって、あげくに台所で寝ちゃうんだもん」  
「え?…」  
「片付け、全部私がやったんだからね」  
「え?だって、昨日…」  
「ベッドまで運ぶの大変だったんだから」  
「じゃあ、あれは…夢?」  
「なに?変な夢でもみたの?」  
「い、いや、何でもないんだ」  
「そんな事より、早くしないとサッカーの練習遅れちゃうよ?」  
「げ、もうそんな時間か?いただきます…(ガツガツ)…ごちそうさまっ。いってきま〜す」  
「いってらっしゃい。気をつけてね」  
 
 …太一を送り出したヒカリの頬に、一筋の涙が流れた…  
 
 

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