彼は彼女に片思いをしていました
彼女は彼に片思いをしていました
彼と彼女は両想い・・・
Frederica Bernkastel
最近、僕はよく夢を見る
少年はベットの上で姿勢正しく、リズムよく息をすやすやとしながら
眠っている・・・。
最近、僕はよく汚い夢を見る・・・
少年のベットに誰かが潜り込んできた。
「うわぁ!」
少年が驚いてベットから落ちると・・・蒲団の下から予期せぬ来訪者が
その姿を現した。
「リナリー・・?どうしたんですか?」
現われたのは黒髪のツインテールの少女
最近、僕は彼女との穢らわしい夢を見る・・・
少女は少年に顔を近づけ・・キスした・・・。
「!?」
やめろ・・・
少女は顔を離すと耳を少年の胸に当てて心臓の音を聞いた。
「・・・アレン君の心臓すごくドキドキしてる。」
それ以上彼女を穢すな
少女は少年の頬をつかみ自分の目を見るようにさせ・・。
「ねぇ・・キスよりドキドキすることしてみない?」
やめろーーー!!
目が覚めた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はぁ・・・はぁ・・・・。」
アレンは夢から覚め息を切らしていた・・・。
ここは僕の部屋か・・・最近変だ・・・こんな夢ばかり見る
ずーとリナリーを穢す夢ばかり見る・・・何で?
「汗びっしょりだ・・・浴場に行って汗流そう・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここはどこかの町・・・
異形の者が光る物体を追いかけている・・。
「まて!!ごるぁ!!イノセーーーンス!!!」
それを異形の者とイノセンスを遙かに勝るスピードで追いかけるツインテールの少女。
「げっ!!エクソシスト!!もう追いついてきやがった!!こうなったら・・・
死ね!!」
異形の者は体の表面にある無数の穴から光線を吐きだした。
ピカーーー
少女は光線を難なくかわし異形の者に突っ込む!!
ドゴーーー
異形の者は木っ端微塵に破壊され跡形も残らずに消えた
少女は異形の者を破壊しても止まらずイノセンスを追いかける
少女はイノセンスに近づくとそれに向かって手を伸ばし・・・掴んだ。
「やった・・・。」
少女は空中で止まった。
それを見ていた人物が・・・。
「相変わらず早いなリナリー・・・。」
「あっ神田、見てイノセンス手にいれたよ・・・。」
「ああ・・任務完了だ」
神田がそういうとリナリは地面に着地し、口の前に手をかざし欠伸した。
「ふああ・・一晩中追いかけてたから・・眠くなってきちゃった。」
空から何か降ってきた・・・降ってきた物体は建物の壁に当たり、そしてまた跳ね返って
横からリナリーの口に飛んでいく・・・。
「!?・・・ゴクン・・。」
リナリーは口に何か入り驚いて飲み込んでしまった・・リナリーは腹部を抱えだす。
「おい!!今何か飲み込んだだろ!?・・・・大丈夫か?」
神田がリナリーに近寄る・・がリナリーは腹部から手を離し立ち上がった・・。
「うん・・・何だか大丈夫みたい・・。」
「はぁ・・驚かすなよ・・・。」
「心配してくれてありがと・・念のために兄さんに検査してもらう。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アレンは朝食をとっていた・・・以前の彼の食べる量に比べればかなり少ない・・。
彼はのんびりと食事をとる・・・本来エクソシストはこんな呑気に食事をする暇はない・・。
いつもなら10分で飯を食えと言われ大急ぎで食事を終え科学班室に呼ばれるのである。
だが今のアレンはゆっくりと食事をとっている。
「(もぐもぐ・・ぐちゃ・・ごくん・・・)ん?あラビ、おかえりなさい。」
ラビが任務から帰ってきたようだ、団服も少し汚れている。
「ただいまさー、相変わらず食欲元に戻ってねぇのか?アレン。」
「はい、前みたいな無限の食欲は出てきません・・。」
「一体お前の左腕どうしちまったんだろうな?」
そうなのだ、アレンが任務にも就かずにこんなにも呑気に食事をとっているのは
アレンの左腕の能力が変化したからである。
いや、発動はできる、アクマに対する破壊能力も確かにある、だがうまく扱えない
じゃじゃ馬なのだ・・・。
「昨日は腕全体が銀色になりました・・ただビヨンビヨンに延びて地面に落ちて役に立ちませんでした。」
「その前は左腕がなくなって銀色の剣が出てきた,あれが一番まともだったな。」
「はい、あの後町に行って手頃なアクマを見つけて倒しました。」
「ただし次の日には巨大な刃に変形して天井をぶち抜いたさー、さらに何本も刃が出てきて
みんなの部屋ぶっ壊したさーーあれで俺の部屋もめちゃくちゃになったんだよなー。」
「神田もかなり怒ってましたね、ぶち切れて襲い掛かってきました・・。」
「そうそう、何故かそん時だけまともに使えたんだよな。」
「はい、あの時も銀の剣になって体が自然と動いて・・・。」
「ユウの攻撃を全部かわして後ろに回り込んで首元に剣を当てて・・・。」
チェックメイト
「って言ったんだよなーみんな拍手してたぜ。」
「あの時は自然と口から出たんですよねー一体何だったのか?」
アレンは腕を組んで考える・・。
「お前の能力の変化はコムイのやつも初めてのケースだて言ってたぞ。」
「原因は僕の心にある・・とコムイさんは推測を立てましたが・・。」
「へー心ねぇ・・・。」
原因は僕の心・・・僕の心の何かが変化したため・・イノセンスに変化が起きた・・・
最近よく見るリナリーを穢す夢・・あれが関係してるんだろうか・・
何であんな夢を見るようになったんだろう・・・?
「そろそろリナリー帰ってくる頃さ、数時間前任務終わったって連絡が来たって言ってたぜ。」
リナリー・・僕は彼女をどうしたいんだ?・・あの夢のようにしたいのか?
だとしたら僕は最低な男だ・・
「神田もですよね・・あの二人中いいですねぇ最近・・。」
「ん?そうか前からあんな感じだったと思うけど・・・あ・・・。」
リナリーが表情豊かに神田に話しかけ神田がぶっきらっ棒に
それにこたえる様子がアレンの頭には浮かんだ。
アレンは口元に手を当て考えるような姿勢になった。
僕はどうしてしまったんだろう・・・?あの人の顔を見ると胸が締め付けられるように痛い
鼓動が止まらない・・・他の男と話してるの見るとそいつをズタズタに引き裂いてやりたくなる・・。
そしてまた僕は言いたくもないことを言う・・・。
「僕的に予想した所、神田はリナリーのこと好きだと思います、
小さい頃から一緒にいたって言ってましたし、長い時間を共有するというのは
相手を好きになるキーポイントだと思うんですよ、あのぶっきら棒な態度は愛情の裏返し、間違いない!」
「あのさ・・アレン・・ちょっと待つさ・・・。」
「きっと一緒に任務に行く時も本当はドキドキして仕方がないんですよ!
怒る時が以外口数少ないのはきっとそのせいですね、精一杯声に不自然さが出ないようにしてるんですよ
あの顔の下にいったいどんな妄想を繰り広げているのかは彼しか知らない!
だって神田って男ですよ!考えることは一つですよ!!」
ラビは表情が青ざめていた・・・。
「アレン、お前わかってるのか?」
ラビは青ざめた表情で恐る恐るアレンに尋ねる。
「はい、わかってまーす、後ろに神田がいるんでしょ、わかってますよそんなこと。」
そう・・アレンの後ろにはたった今任務を終えリナリーと別れ蕎麦でも食べようと食堂にやってきた
神田がいるのだ・・今神田の顔は角が生えていないことを除けばまさに鬼、今にも
火を吐きそうなくらい青筋を立てて怒りに満ちた瞳でアレンの後頭部をとらえている。
「おい、モヤシ・・覚悟はいいか?」
その声は静かな迫力で満ちていた・・・近くにいるラビはどうか巻き込まれませんようにと
祈るような思いで胸の前で十字を切っていた、他の食堂にいる人々に至ってはもう泣きそうである
そんな中アレンは一人余裕の表情・・。
「アレンだって言ってるでしょ、人の名前も覚えられないんですか?
このぼげにょら。」
「ぶっ殺してやるてめぇ!!!」
神田が刀を振り下ろしアレンはそれを華麗に避ける・・
戦いの火ぶたが切って下された。
・・・・・・・・・・・・・・
「引き分けですかね・・・。」
「いや・・あの勝負はお前の勝ちさ・・。」
「それは、どうも・・。」
結局あの後アレンは神田が疲労して動けなくなるまで攻撃をかわし続け
神田が動けなくなり勝負は終わった。
「まぁ神田は任務から帰ってきたばかりで疲れてるんですからしょうがないですよね。」
「ああそうだがどこ行くさアレン、こっちは科学班室だぞ」
「コムイさんに外出許可をもらいに行きます・・。」
「町に行くのか?でもお前イノセンス使えないんじゃ・・。」
「イノセンスは使えなくても、左目は健在ですから、アクマを見つけたら逃げればいいんですよ。」
「そうだな、団服着なきゃエクソシストだってわからないし、エクソシスト
だとわからないお前を特別狙うわけもないか・・・でもなんで、俺も・・。」
「着きましたよ科学班室。」
科学班室ではジョニー、65などが目の下にクマを作って死にそうな顔で
作業を続けている。
リーバーはリナリーの腹部を科学班の医学者と検査をしてるようだ・・。
コムイは中央の大きな机に突っ伏して仮眠をとっている。
彼を起こすときは、リナリー、 結婚というワードを出してやれば
どれだけ眠くても彼は飛び起きる・・もしリナリーと結ばれる男性が現れたら
彼は間違いなくこの狂人と闘わなくてはならないだろう・・・。
一度リナリーとアレンが結婚した、というような言葉をかけてみたいものだ・・・。
「リナリーが結婚しちゃいますよ。」
いつもの調子でアレンはコムイの耳元で囁くようにそう言った。
ジャキーーン
とさっきまでの姿が嘘のように彼は起き上がる。
アレンは口元に手を当て・・・。
「一度、ラビがリナリーに手を出したで試してみたいですね。」
「やめてくれさアレン・・何されっかわかんないさ・・。」
「何だいアレン君?ラビまで。」
「外出許可をもらいたいんですが・・。」
「駄目だよアレン君昨日も言ったように、いくら左目があるとはいえ、イノセンスなしで
外を出歩くのは危険だ。」
「へー昨日断られたんさ・・。」
「今度はラビが一緒に行ってくれるそうです。」
「おい!」
「ならいいよ。」
「うおい!」
「行きましょうラビ。」
「えっちょ・・俺の意思は?」
「却下です。」
「ヴおおい!今日俺任務から帰ってきたばっかで疲れてるんさ・・ちょ・・。」
アレンはラビの手をつかむとラビを連れ去っていく・・。
連れ去られていくラビにコムイは行ってらしゃいと言いたげに手を振りまた眠りに就いた。
「ふざけんなーーーーー!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「うああああ!久しぶりだなぁずいぶん前に通りかかって以来だなぁ・・。」
アレンは町に着くと興奮が抑えられないようであった。
「町に来てもお金なきゃ何もできねぇぞ・・・。」
「お金ならありますよ、ずいぶん前にギャンブルで怖いマフィアのおじさんたちから
巻き上げたお金が手つかずで残ってます・・。」
「・・・・・・。」
さらっと怖いことを言うアレンにラビは何も言えなかった。
「近くにアクマはいるさ?」
「半径三百メートル内にはいません。」
「そうか・・折角ついてきてやってんだから何かおごれさー。」
「いいですよ、どうせ泡銭ですし・・・。」
こいつは一体?という思いがラビの脳裏に浮かぶ。
・・・・・・・・・・・・・・
アレンとラビは遊びを終えて教団に帰ろうとしていた。
「いやぁ楽しかったさーこんなにいろいろ買ってもらって・・サンキューさ〜。」
「今日付き合っていただいたお礼ですよ」
「気晴らしになったか?」
「ええ・・。」
「これでイノセンスが使えるようになれば万々歳何のにな。」
「そうですね・・・。」
考え事をしてるアレンにまたもや予期せぬ来訪者がやってくる
そいつは空から降ってきた、落ちて壁に当たり跳ね返ってヒュッと
アレンの口の中に入る
「んぐ!?ごくん・・・。」
アレンは驚いてそれを飲んでしまう。
「おい!アレンどうしたさ?今なんか飲み込んだだろ?」
アレンは返事ができずに必死に頷くすると左目が反応した。
近くにアクマが・・
「あれ?近くにアクマがいるのか?」
ものすごいスピード、もうすでに近くに・・・。
ドン!
一撃でラビは吹っ飛ばされた。
「ぐあ!?」
アレンはぶっ飛ぶラビに向かって叫ぶ
「ラビ!!」
アレンはすぐに前方に飛んで後ろを確認しアクマの姿をとらえた。
一体・・あのアクマの魂の状態から見てレベル3か・・・。
イノセンス発動
発動すると左手は銀色に変色しアクマに向かって真っすぐ伸びていく
腕はアクマにぶつかるとべちゃっと潰れた、アクマはアレンに向かってもう突進してくる
うわぁマジでやばいかも・・・。
アクマの攻撃がアレンに届く刹那どこからか声が聞こえた
ザ・ワールド
時が止まった・・・なぜか時が止まったことを僕だけが自覚できた、すると
おかっぱ頭の女の子が出てきた。
「初めまして、古手神社5代目巫女、古手凛花ともうしますです。」
女の子は自分だけが時の止まった世界から切り離された存在であるかのように、動き続けぺこりと頭を下げる
りんか?日本人か?
女の子はアクマに向きなおるとアクマの頭に触れた・・。
「友達になりましょう・・・。」
女の子から・・いや凛花から光が出て・・僕だけに見えるアクマの魂を浄化していく
黒々としたアクマの魂が今は安らいだ顔の老人になっている。
時は動き出す。
するとアクマは少女と握手した。
「アリガトウアナタニスクワレタ・・・。」
「こっちも助けないといけないのです。」
凛花はラビの方へ行った。
クレイジーダイヤモンド
僕はなぜか第3部と第4部をごっちゃにするなと突っ込みたくなった・・・。
傷が癒えラビはむくりと立ち上がった
「あれ?いったいどうしたさ?」
「僕に感謝するとよいのですにぱー☆」
か・・・かわいい・・・。
少女愛くるしい笑顔を二人に向ける。
ラビに至ってはストライク。
「ラビってロリコンだったんだ?」
「いやいやこんな笑顔向けられて反応しなかったらガチ××か**だろう・・・
それにお前だって顔赤いさ。」
「そっそんなことないですよ。」
「こらこら喧嘩はやめるのです。」
「「ご・・ごめんなさい。」」
二人は同時に謝った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3人は帰路について歩いていた、凛花がなぜかついてきた。
「何でついてくるの?君お母さんお父さんは?」
「ダディーはボクが産まれてすぐ死にました、マミーは今日本のボクの村を守っていますです。」
「君日本から来たの?はるばる日本からここにいったい何の用があったの?」
「ボクは探し物があってそれを見つけるにはあなたに付いていくのが
一番だとオヤシロ様が予言なさっているのです。」
「オヤシロ様?」
「はい・・ボクの村に伝わる縁結びの神様なのです。」
「縁結びの神様?」
「そうなのです、愛する男女が結ばれるように手助けしてくれる神様なのですよ。
予言では白髪の少年についていけばフワラズの勾玉が見つかるであろうと・・・。」
「白髪の少年って僕?」
「それってアレンとは限らねぇんじゃ・・。」
「いえ、間違いなくこの人なのです直観で分かります。」
「さっき言ってた何とかの勾玉ってそれが探し物?」
「はい、フワラズの勾玉オヤシロ様の作った縁結びのありがたーーい勾玉なのですよこの勾玉を争って
ボクの村では数十年前にものすごい争い事があったのです。」
「ものすごい争い事ってどこがありがたいんさ?」
「その勾玉は赤いのと白いのがあって白いのを持った人を赤いのを持った人は
ものすごーーく好きになってしまうのです。」
「要するに強力な惚れ薬みたいなものか・・。」
「いいなそれ、白いの自分が持って赤いの好きな人に送ればハッピーエンドさー
俺それ欲しいさ〜。」
「惚れ薬のようなちんけなものと一緒にされては困るのです。
それにあげるわけにはいけないのですよ。」
「あーごめんごめん大切な勾玉何だよね、でそれが僕に付いていけば見つかるんだねいいよ
ついておいで。」
「おいおい、いいのか?部外者教団に入れちゃ・・。」
「大丈夫ですよ、見たとこノアともアクマとも違うみたいですし
何とかなりますって。」
何とかなった。
門番は凛花に惚れた。
「すごく大きいのですこんな大きな建物初めて入ったのです、中も広いのです。」
凛花は広い教団内をはしゃいで動きまわった。
「広いのですーこんな広いとこ初めてなのですよ〜。」
「さっきの質問の続きだけど言ってたフワラズの勾玉ってどうして
日本じゃなくてここにあるの?」
「それはですね、200年に一度目覚める勾玉なのですが、ボクのおばあちゃんが
いい加減な封印をしてしまったので封印が解け、この地まで飛んでしまったのです。」
「赤いほうを持ってる人は白いほうを持ってる人を好きになってしまうんだよね
もう誰かが持ってる可能性ってない?」
「十分すぎるほどあるのですよ、そして勾玉がもたらす感情にすでに
振り回されてる可能性があります。」
「それかなり迷惑だねその人早く見つけて目を覚まさせてあげないと
偽物の感情に振り回されるなんてかわいそうだから・・。」
「アレンはいい男なのです。」
「え・・・。」
「アレン君。」
三人の前にリナリーが現れた。
「あっリナリー・・さっき腹部を検査してたみたいですがどうかしたんですか?」
「うん、さっきの任務でイノセンスを取った直後に何かを飲み込んじゃったみたいで・・。」
「え!何かを飲み込んだ!?大丈夫なんですかそれ!?」
アレンはあわてた顔になった、それを横で見たラビはにやりと笑う。
「うん、大丈夫よさっきの検査で異常なしって出たから・・。」
「それはよかった。」
アレンは心底ほっとした
リナリーは自分に向けられる視線に気づく。
「いい女なのです。」
「中国語?この子誰?」
「へーきみ小さいのに英語も中国語も話せるんだ?」
「英語も中国語も全然からっきしなのです。」
「えっでもいま話して・・。」
凛花はポケットから小さなビー玉のようなものを取り出した。
「カムノミコトノリ ・・と言う神具ですこれはもともと神様と交信するためのものなのですが
これを使えば異国の方とも思いを通づることができるのです。」
「へー便利だね。」
「この子何者?」
「えーとそれはですね・・。」
「古手神社5代目巫女古手凛花・・僕はとっと用事を済ませて帰らないと
ボクの村のみんなが狂ってしまうだから勾玉をとっとと返してもらうのです。」
そう言うと凛花は床にたくさんの円や三角形を書いて、たくさんの図式を書いた。
「なにさそれ?」
「我が家に伝わる神通力の奥義を発動させるためのものです、ボクはこれでここまで来ましたのです。」
「へー魔方陣みたいさ。」
図形が完成し、凛花は図形に右手を置いた。
「発動!!」
図形が光りあたりが光に包まれる。
光が消えあたりの景色が戻るとアレンとリナリーが消えていた。
「え!?二人ともどこ行ったさ!?」
「あー間違えて二人をテレポートさせてしまいました、どすればいいのですかー(棒読み)」
「二人をどこやった!!」
ラビが真剣な目で凛花に詰め寄る。
「そんな怖い顔しなくても二人ともちゃんと帰ってくるのですよーにぱー☆」
「うぐ。」
ラビは愛らしい笑顔に毒気を抜かれていくのを感じた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここどこ?一体どこだ?さっき凛花が図式を書いてそれが光って気がつけばここに・・。
洞窟?
そこは暗い洞窟奥の方に光が見えるそこが出口、外から漏れる光にごつごつとした岩が照らされている。
「アレン君。」
「リナリー?」
アレンから少し離れた所にリナリーがいた、アレンはリナリーに駆け寄る。
「リナリー?どしました?」
「はぁはぁ・・・。」
目が普通じゃない・・何だこのお酒飲んで酔っぱらったような目は
・・・それでいて獲物に襲い掛かる前の獣のような感じもする・・こんなリナリー
見たことない・・・顔も赤いし呼吸も荒げてる・・・この感じは・・・。
アレンはリナリーの顔を見るとすぐにいつもと違う雰囲気を察した。
アレンはリナリーの肩をつかむと。
「リナリーどうしたんですか?頭いたくありませんか?」
「ううん・・ふぅい・・痛くないよ・・・。」
アレンはリナリーの額に手を当てる・・。
熱はないでもこの顔の真っ赤だ・・・。
何だかあの夢に出てきたリナリーと同じ感じがする。
「あ・・・あっ・・あ・・れんく・・・・ん。」
「何ですか?」
「あなたのこと・・す・・すきになちゃった・・・みたい・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・!!!」
アレンは声にならない悲鳴を上げた。
えええ!!今なんて言った?僕のこと好きだって?
「鼓動が止まらない・・。」
リナリーは胸を押さえて屈んだ・・。
「リナリー大丈夫ですか?」
アレンも屈んでリナリーの顔を覗き込む。
「はぁはぁ・・・あれんくん・・。」
リナリーは突然アレンの肩をつかむと、洞窟の地面に押し倒した。
「いったー!何するんです・・・ぐっ!」
押し倒したアレンにリナリーはのしかかる。
「アレン君欲しい・・。」
こんな状態になってもアレンは冷静にこの状態を分析しようとした。
目が普通じゃない・・一体どうしたんだ?そう言えばさっき何か飲み込んだって言ってたような?
それにさっき僕もドタバタで忘れてたけど町でアクマに襲われる直前に何か飲み込んだような・・・。
「そうなのです、愛する男女が結ばれるように手助けしてくれる神様なのですよ。
予言では白髪の少年についていけばフワラズの勾玉が見つかるであろうと・・・。」
「はい、フワラズの勾玉縁結びのありがたーーい勾玉なのですよこの勾玉を争って
ボクの村では数十年前にものすごい争い事があったのです。」
「その勾玉は赤いのと白いのがあって白いのを持った人を赤いのを持った人は
ものすごーーく好きになってしまうのです。」
アレンの脳裏に凛花の言葉がよみがえる。
もしかして・・僕に付いていけば勾玉が見つかるというのは
僕が白いのを飲み込んだから、いずれ赤いのを飲み込んだ人に
迫られることになるということを見越しての予言?
そして赤いのをリナリーが飲み込んでしまった?
だとしたらどういうつもりだあの子?僕とリナリーを二人っきりになんかして・・・。
アレンはリナリーを突き飛ばした。
「きゃっ。」
「すいませんリナリー・・ちょっと聞いてください
今あなたは僕が好きかも知れませんがそれは偽物の感情なんです。」
「えっ違うわ、偽物なんかじゃない!」
「今はそう思えないだけなんです!」
「絶対違う!」
「お願いします、とりあえず少し冷静に・・。」
言葉を言い終わる前にリナリーはアレンに襲い掛かる。
アレンはそれをよけ、逃げる。
まずい逃げなければ・・今のリナリーは普通じゃない・・あんな偽物の感情
好きでもない男と関係を持たされたらかわいそうだ・・そうリナリーのために
逃げなければ・・・・ん?
がくんとアレンは膝をついた・・そしてアレンの全身から力が抜けていく。
何だこれは?腹部から力が抜けていく・・・地面の冷たい感覚はあるのに
力が抜けていく・・
アレンは糸の切れた人形のように倒れた・・・リナリーは倒れたアレンに覆いかぶる、
アレンの背中にリナリーの乳房が押しつけらる。
「アレンく〜ん。」
「・・・!!!!」
やっ柔らかい・・じゃない!どうしてだ!?体が動かない
それに感覚神経だけが生きている・・・・まさかこれも勾玉の力?
くそーオヤシロ様とか言ってたがとんでもない物つくりやがって
何が縁結びの神様だくたばっちまえ!!
リナリーは後ろからアレンの耳を甘噛みした。
アレンは目をつぶって耐える、白い顔がリナリーと同じくらい赤くなる。
ぞくぞくした感覚が全身を駆け巡る。
「ひっ・・・。」
リナリーはアレンの体をひっくり返し自分の方に向けさせた。
アレンの銀灰色の瞳にリナリーの顔が映る。
リナリーの顔すごく淫らな顔・・・こんな顔できるんだリナリー
いつも見ていたやさしい女の子の顔が淫らに歪んでいるのに
アレンの鼓動は早まった。
リナリーはアレンの団服のボタンをはずし団服のコートを脱がせて
下のシャツも脱がせた露になったアレンの白い胸板にリナリーは舌を這わせ
鎖骨を噛む。
「ひゃっ。」
首筋に顔をうずめて舌を這わせる
ちゅううちゃぷちゅうう・・
やがて胸の真ん中にキスして上からどんどんキスは下がる
ズボンまで到達するとリナリーはベルトを外し始めた・・。
「わわわわわ!ちょっと待って!」
口ではそう言うが体は動かない。
ズボン取られたら見られちゃう・・・いっ嫌だ・・はっ恥ずかしい・・・。
アレンの願いはむなしくズボンを下ろされ、トランクスもはぎ取られ
アレン自身が飛び出た、大分反応していらっしゃいますねぇこれは・・・。
標準よりは大きいと思います・・・。
はっ恥ずかしい・・・・
アレンは耳まで真っ赤になったが
リナリーは何も言わずアレン自身を片手で掴み、擦るように上下に動かし始めた。
アレンの全身に電気が走ったような強い刺激が駆け巡る。
「ぐっ・・・。」
自分の手でしごくのと自分以外の手でしごかれるのとは大分感覚は異なる
断然自分以外の人間の手でしごかれる方が気持ちいい、リナリーのような
かわいい女の子ならなおのことしごかれて数秒でアレンが達しそうになったのは
当然の結果・・。
「アレン君の凄い・・もうこんなに大きくなったよ・・。」
さっき大きくなっていたアレン自身はさらに大きくなっていた・・。
「気持よさそうだね・・もっと気持ちよくしてあげる・・。」
手だけだった愛撫に口も加わる、亀頭の先に何度もキスする・・。
「ちょっやめて、そんなの舐めたら汚いです・・やめ・・うわぁ!」
リナリーはアレン自身を完全に咥えこんだ、ぬめりとし頬の感触が
アレン自身を包み込む・・。
ああ・・出ちゃう
勢いよく白濁の液がリナリーの口の中に飛び出る。
「ぐ・げほ・・!」
急に出たため対応できず喉に詰まりリナリーは苦しそうに精液を吐き出す。
リナリーの口が離れ、亀頭先から精液が空中に噴き出す。
どびゅどびゅどびゅう
「ごっごめんなさい。」
「ふー・・・・いいのアレン君のなら平気だから。」
リナリーは顎を伝って流れる残った精液を指ですくってなめとった。
その感情は偽物なのにきっと正気に戻ったら後悔する・・・
どうしよう・・・早く逃げなきゃ・・でも体が動かない・・。
リナリーはアレンの胸に耳をあてた・・・。
心臓の音を聞いているようだ。
「アレン君すごくドキドキしてる・・・あたしの心臓の音も聞いてくれる?」
リナリーは上着を脱ぐとブラジャーで覆われてる乳房がアレンの視界に入る。
大きすぎもせず小さすぎもしない適度な大きさである。
アレンは咄嗟に目をつぶるが目を閉じても見た映像は瞼に焼き付いて離れなかった。
「アレン君目をつぶらなくてもアレン君ならもっと見てもいいよ。」
素の状態で言ってくれたら物凄く嬉しい気がするよ・・・それだけに今の状態が哀しい・・・。
リナリーはブラジャーを外し胸の真ん中にアレンの耳が当たるように顔に胸を押しつける
やっ柔らかい・・・・
アレンは左耳でリナリーの心臓の音を聞いた
ドクンドクン ドクンドクン
「ね?すごくドキドキしてるでしょ?痛いくらい・・・。」
リナリーはアレンの顔を離すスカートを脱ぎ、パンティーを脱ごうとする・・・。
まずい・・・・ここから先は(今までも十分そうだが)本気でまずい・・・・。
リナリーの女性器が露になった・・・・恥毛が少なくぱっくり割れた女性器
未だ男を知らない・・・その女性器はアレンが欲しいと涎を垂らしている・・。
リナリーは女性器を広げてみた・・・奥に処女膜が覗いている・・・。
「これ破けると痛いんだよね・・・・。」
リナリーはアレンの顔を見た目をつぶってリナリーの胸や女性器を見ないようにしている。
「でも覚悟はできてる・・・。」
リナリーはアレン自身を優しく握り腰をおろしてアレン自身を自身の女性器に導く
ゆっくりゆっくり・・リナリーの腰は下りていく・・・。
まずい・・・まずい・・・体が動かない・・・・逃げなきゃ・・・
女性器の入り口に亀頭が当たる・・そこからさらにアレン自身はリナリーの
内部に侵入していく・・・。
「繋がる・・・アレン君と繋がる・・・。」
まずいまずいまずいまずいまずいまずい・・・・
亀頭が処女膜に当たるとリナリーは一気に腰をおろした。
「あっ・・・。」
「ん・・・・・。」
リナリーはアレンに力いっぱい抱きついた・・その表情はとても悲痛・・・・
かなり痛かったようだアレンの顔の横でリナリーはぽろぽろと涙を流している・・。
だがアレンはそんなリナリーを他所にある自身の感情に気づいた・・・。
今気づいた・・・・どうしてリナリーが他の男と楽しそうに話してるのが気にらないのか・・・
どうしてあんな汚らわしい夢を見るのか・・・・僕は・・・・
「アレン君。」
アレンは目をあけ自分の目の前にある涙を流しながらも幸せそうな笑顔のリナリーの顔を見た。
僕はリナリーが・・・・・・・・・好きだ・・・・・・・・。
「アレン君大好きよ〜?」
リナリーの顔がアレンに向かって下りる・・・
リナリーの唇がアレンの唇に触れる直前
リナリーは眉をしかめた・・。
「ああ!!」
アレンの顔の横にリナリーの顔が落ちる・・。
リナリーアレンの耳元でうわごとを言う。
「だめ・・・キス駄目・・・。」
ああ・・なるほど・・こんな状態になっても少し理性が残ってるんだ・・・
そうだよね・・・キスだけは本当に好きな人としたいよね・・・こんなことだって本当は
好きな人としなきゃダメなのに・・・僕なんかじゃ駄目だよね・・・
借金まみれだし、髪の毛白いし、呪われてるし、好きになる要素なんてどこにもない・・・
そんなことわかってた・・・リナリーが僕のこと好きでもなんでもないってことくらい・・
「アレン君・・・?」
「う・・・・ぐっ・・う・・・。」
アレンは泣いている、今日で枯れるのではないかと思うほどの涙を流して・・。
わかってたことじゃないか・・・
アレンの腕が動いた、腕だけが運動能力を取り戻したようだ。
だが抵抗しようとはせずに母親に甘える子供のようにリナリーにしがみつく。
「ああ・・アレン君・・・。」
リナリーは腰を上下に動かし始めた
ぐゅちゅ ちゅじゅじゅじゅ
最初は痛みのためぎゅうぎゅうと締め付けていたが
慣れてきたのかだんだん締め付けは緩くなり動きやすくなってきた
リナリーの女性器から大量の愛液がでる動きもどんどん速くなる
アレンはリナリーに必死ににしがみつく・・・。
せめて今だけ・・ごめんなさい・・
「あっあっん・・あ・・・れ・・んく・・ん・・っあ・・。」
「あううぅ・・り・・なり・・・。」
二人は限界を向けようとしていた、アレンは目をつぶり射精感に耐える。
リナリーはアレンの体をより強く抱きしめ・・・そして・・。
「「あああああああああああああああああ!!」」
二人はほぼ同時に達した。
ぎゅっと締め付ける膣壁にとらわれたアレン自身がドクドクと大量の精を子宮の中に注ぎ込んだ。
「あ・・れん・・くん・・だいすきよ・・・。」
リナリーは気を失った。
”僕も大好きですよ”アレンはそう言おうとしたが意識が薄れていき
アレンも気を失った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここどこ?
アレンはどことも知らない場所へ立っていた、緑の木々
虫の声、蒸し暑い太陽。
今は冬のはずだがここはずいぶん熱いな・・・・
アレンがあたりを見渡すと古い茶色い木でできた建物と広い空地があった。
そこで複数の少年少女が遊んでいる・・・。
「フワラズの勾玉は俺たちのチームのもんだぜー!!」
黒い髪のいかにもやんちゃ坊主気質ぽい少年が猛る、そこに緑の髪の少女が隣で叫んだ。
「そうだよ、おじさんたちのチームは無敵だよ!!」
すると向こう側から栗色の髪をした女の子と紫色の髪した女の子が現れた。
あれ?あっちの子凛花に似てるな・・
「違うよ〜かあいいものは全部全部レナがおっ持ち帰りー!!」
「フワラズの勾玉はオヤシロ様の生まれ変わりにして、
古手家8代目巫女古手梨花のものなのですよー、誰にも渡さないのです!!」
「いーや僕のだ!!」
「私のです。」
「私のです。」
他にもどんどん人が現れては武器を構えて空地の中央に向かって走った。
これがフワラズの勾玉を争って起こる戦いか、しかし話とは違って
ずいぶん楽しそうだな・・・
鉈やつるはし持って争ってるのによくそんなこと思えるなこいつは・・・。
アレンの横を誰かが走り、アレンの手をつかんで引っ張った
走ってツインテールの髪が風になびく・・リナリーだ。
「あたしたちもやろ、アレン君。」
リナリー・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
元の洞窟だ・・さっきのは夢?
アレンは洞窟にリナリーと横たわっていた、衣服が元通りになっている
全部夢?
「いえ夢ではないのです。」
「うわぁびっくりした!!」
突然現れた人物にアレンは驚き後ろに飛んだ。
「急に現れないでよ・・。」
「衣服はリィが意識を朦朧としながらも元に戻したのですよ、自分のと
あなたのを元に戻してすぐにまた気を失いましたが。」
「・・・・・・。」
「何かまだ聞きたいことでも?」
「どうして僕とリナリーを二人っきりにしたの?こういうことになるってわかってたんだよね?」
「はい・・わかってました、私は古手家の巫女フワラズの勾玉を返してもらわなければなりません
勾玉は封印が解け、この地に飛んできてから二人の男女を見つけ選び取りました、
それがあなたたち二人。」
「僕とリナリーが勾玉に選ばれた?」
「勾玉は選んだ二人を結びつけるまで僕が何をしても二人から離れません。」
「そんなの間違ってるよ好きでもない男と勝手に結び付けえるなんて・・・。」
「本当にそう思いますですか?」
「え?」
「この勾玉は本来200年目覚めるところ、中途半端に目覚めてしまったため
中途半端にしか力がないはずなのです・・なのであなたのことが好きではないのなら
あんな行動はとらないのですよ、せいぜいあなたのことが少し
気になる程度にしか思はないはずです。」
リナリーが・・・僕を・・・。
アレンは寝ているリナリーの顔を見る。
「さーて洞窟から出ましょう、そこの別嬪さんはお姫様だっこでもしてあげるのです。」
3人は洞窟から出た・・。
崖っぷち洞窟の上には木々の生い茂る森、こんな所だったのか・・。
「ハワード!こっちに来るのです!!」
凛花がそう叫ぶと右側の空から黒い粒が現れてどんどん大きくなりこっちにやってきた
さっき凛花が浄化したアクマだ。
「リンカサマナニヨウデゴザイマスカ?」
アクマは凛花の隣に着陸しながら聞いた。
「この人に倒してもらいなさい。」
「えっ僕が・・・。」
「今のあなたならできるはずなのです。」
「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
凛花とアレンはお互いに見つめあう。
「わかったやってみるよ。」
アクマとアレンは一定の距離をとり、アレンは左手に右手を添え精神を集中。
対するアクマは武術の構えを取っている。
アクマが動いた、アレンに向かって突っ込んでいく・・・。
ピカーー
あたりが銀色の光に包まれた。
凛花はその光を目をつぶることなく、しっかリと見続けている。
光が消えると現われたのは・・・・。
「グガ・・・・ア・・・。」
串刺しになったアクマと銀色の大剣を携えマント、仮面をつけたアレン・ウォーカーの姿
「ありがとう凛花・・君のおかげでイノセンスが使えるようになったよ・・。」
「いえいえ・・愛の力なのですよ。」
「それでも、ありがとう・・・。」
アレンは仮面の上からでもわかるくらいうれしそうに笑った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
崖に二人、アレンとリナリーはいた、助けが来るのを待っている。
アレンはリナリーの顔を横から見た。
「あたし・・何でこんなとこに居たの?」
「何も覚えてませんか?」
「うん、全然。」
アレンはホッとした・・。
最初は逃げようとしてたけど、最後は負けちゃったからなぁ・・・
凛花が言ったように赤いほうを持った方は何もかも忘れちゃうんだね・・・
あの二人で一つになったあの瞬間は僕の中にしか残らないんだ・・・
ホッとしたけど少し残念・・・
「でも・・なんだか凄く幸せだったような気がする・・・。」
「・・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「さぁてボクの用事はすんだので帰るのです、アレンとリィは発情期の獣のごとく
存分にいちゃつくのです。」
「君のおかげで自分の気持ちに気付けた感謝してるよ・・もしかして君がオヤシロ様、
縁結びの神様なんじゃないの?」
「いいえ、ボクはオヤシロ様ではないのです、オヤシロ様は僕のひ孫なのです。」
「はい?」
全然意味がわからない・・宇宙人というのがいたらきっとこんな感じなんなろうなぁ
コムイさん以上の理解不能変人だ・・
「それでもいいさ、君は僕の縁結びの神様だ・・。」
「リィと幸せになるのですよ、この古手家5代目巫女古手凛花が言うのですから間違いありません。」
「でも振られちゃうかもしれないよ。」
「まだそんなこと言ってんのですか、死んじまえなのですよ。」
縁結びの神は間違った敬語でひどいことを言う
「でも僕とキスするの嫌だったみたいだし・・・。」
「乙女心がわからん奴めくたばっちまえなのです。」
ああ、また・・
「キスは告白の後にと思うのが乙女の心理なのですよ〜勉強不足なのです。」
「そんなこと言っても好きになったのリナリーが初めてだし・・。」
「初恋が実ってよかったですね、あなた方の幸せを心から願うのです。」
そう言って凛花は去って行った、後に僕とリナリーが残り今に至る
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ねぇ、アレン君そう言えばさっきの凛花って子・・・アレン君?」
アレンの真剣な表情をリナリーは不審に思う。
アレンはリナリーにの方を向き、そして・・・・。
「リナリー、僕は・・・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この世には愛があふれていると誰かが言った。
その一つ一つが大きく強く美しい・・・・。
時は仮想19世紀末、場所はイタリアのどこか、そこで二人の少年と少女が出会う。
少年(仮にAとする)、少女(仮にLとする)、二人は出会ってすぐに仲良くなった。
「おかえり、A君。」
Lは満面の笑顔でAにおかえりを言う。
LはAにおかえりを言うのが大好きだ、
彼ら兵隊、いつ死ぬともわからない、だから帰ってきた仲間におかえりを言うと
とてもホッとする。
「ただいま・・。」
おかえりを言われたAはその笑顔をかわいいなぁと思った。
この時Aの中には小さな感情が芽生えていた・・自分でも気付かないほど小さい感情
人はそれを愛と呼ぶ。
今まで人を好きになったことのない彼はこれが愛と気づかない。
彼女の笑顔を見るたびこの感情は強くなる。
強くなるだけで正体のわからないこの感情、彼はどうしていいかわからない。
どうして僕はLがあんなに気になるんだろうか?
対するLも負けてない、彼女もAが気になっている、一緒にいる時は
いつも命懸けで守ってくれる。
かっこいいAをLは好きになった、でも弱いところもある。
辛い過去を背負っている、禁忌を犯して二度死なせてしまったお義父さん
の事を思い出すと泣いてしまう、本当はとても泣き虫なんだとLは知った。
そんな事どうでもいい、髪が白くても、呪われてても、借金まみれでも、泣き虫でも
弱いところもあるけどA君にはそれに負けないくらい強いところもある
Aとは対照的にLはもう自分の気持ちに気付いていた。
強いところも、弱いところも含めて、あたしはA君が大好きだ!
彼の全てが大好きだ
でも告白はしない、好きな人には自分から告白してもらいたいと思うのは
乙女の心理だと人生の本には書いてある。
だがAは全く自分の気持ちに気付かない。
見るに見かねて神様が彼らにきっかけをもたらした。
二人は男女の契りを結ぶ、その時Aはようやく自分の気持ちに気づく。
後は簡単告白だ、心臓をばくんばくん荒ださせながら彼は意を決し
Lに告白する。
「L、僕はあなたが大好きです,僕のそばにいてくれませんか。」
Lは少し目を丸くする、ずっと彼から聞きたかった言葉を聞いたから
すぐに微笑みこう言った。
「あたしもA君のこと大好きよ、何があってもあなたのそばを離れない・・。」
こうして二人は結ばれた、きっと数十年後にも同じことが起きるだろう・・。
その時もまた新しい愛が生まれるだろう・・・。
次の瞬間AとLがべろべろぶちゅうなのですよ〜にぱ〜☆
おお・・神よ、我に愛を与えたまえ
たとえこの命尽きようと永遠に続く愛を・・・
たとえ暗闇の中にいようと感じられるだけで幸せだと思える愛を・・・
Frederica Bernkastel
引用先、ひぐらしのなく頃に 示豆壊し編