新方舟内。
──チリン……。
ベッドで横たわるティキにルル=ベルが歩み寄る
「──…ティキ、起きて」
ルル=ベルはティキを覆うシーツを剥ぎ取り猫のごとく四つん這いで彼の上に乗り上げぺろぺろと頬を舐めた
その頬は仄かに血の匂いがした
ティキは旧方舟で酷い怪我を負っていた
それも彼の中に眠るノアの血のおかげで今になっては殆ど癒えてはいるものの身体にはまだ傷が残っている
「…ん…」
ぱちっとティキが細く目を開く
睫毛の奥のその目の色は黒い
彼の中のノアもまたエクソシストに攻撃を受け、深くで眠っている
肌の色も不気味な色でなく人と同じ
血の通った色だ
「ルル=ベル…」
「起きた?主が貴方を起こして来たら…ミルク、くれるって」
後ろで束ねた長い金髪をティキの耳辺りに垂らしながら彼女は言った
「めんどくさがりなお前がタダで来るわけないもんな…」
苦笑混じりにティキが言う
「…ティキも飲みたい?」
「いや、いい」
ティキの大きな手が彼女の頬に伸びる
すると彼女はその手へスリスリと頬擦りをする
見た目は美しい女性でも中身は猫だ
「ティキ」
「ん?」
「寂しかった」
「何で?」
「仕事、バラバラで…会えなかった」
「…俺も寂しかったよ」
「……それ、本当?」
「本当。」
ティキの唇にルル=ベルの唇が重なる
───…
体勢をさっきのものから反転させティキがルル=ベルの身体を覆う
「ん、んぅ…」
ティキの舌が彼女の熱い口内を貪る
舌を吸い上げ唾液を絡ませる
ルル=ベルの頬は次第に紅潮してゆく
「ふぁ…久しぶりすぎて、慣れない」
唇が解放されるとルル=ベルが細い声で言った
「そう?イイカオになってきたみてぇだけど」
「…っ」
ティキはルル=ベルの服のボタンを丁寧に外しシャツを開いた
白い肌に黒い下着が映えている
その勢いのままに下の衣服も脱がしていくティキを下着のみになったルル=ベルは火照った瞳で見つめた
「恥ずかしい?電気消す?」
「…いい、全部見て」
再び上半身にティキの手が伸び
ぷちりと黒いブラジャーの前留めのホックを慣れた手付きで外す
「ぁ…」
露になったルル=ベルの胸を下から揉みあげると小さく声が放たれた
更に唇を寄せ舌先で淡いピンクの乳首をつつけば彼女は身体をよじらせた
「あ…んっ…」
ルル=ベルの胸の先がティキの唇に含まれる
熱い口内で舌を絡ませられると彼女の身体は素直に反応を示した
「…んッ…あ…っぅ」
彼女の控え目な細い喘ぎ声はティキを欲望へと沈めていった
ティキは舌で乳首を愛撫しながら片手を下半身に伸ばし下着の中に手を滑り入れる
その割れ目は驚く程に湿り気を帯びていた
「すげぇ濡れてるな、胸だけでそんなに興奮しちゃった?」
「誰のせいだと…ひぁっあ」
中心の肉芽をクリクリと指の腹でいじる
ルル=ベルはびくりと背筋を反らした
更にその指を下に滑らせると蜜口にたどり着く
溢れんばかりの蜜で濡れたそこは簡単に指の侵入を許した
内部でティキの指がうごめく
「ふぁ…あっぁ…ん…」
膝を立てて焦れったげにルル=ベルがシーツの上で足をもぞつかせる
「ねぇ…っ」
「ん?」
「ぁっ…ん、…ッミルク、欲しい」
「どこに?」
「下の口に…ティキの、ちょうだい」
普段はクールな彼女もこの時ばかりは積極さを見せた
そんな彼女の姿にティキはにやりと笑う
「……でも」
「え?」
「ティキは怪我してるから…今日は私が動く」
「はい?」
スッ頓狂なティキを横目にルル=ベルが彼を押し倒して上へ股がる
彼女は自分で微かに濡れた下着を脱ぎティキのズボンにも手を掛けた
「いつからそんなにインランになった?」
「発情期なのよ」
露になったティキの肉棒に手を添えてルル=ベルが蜜口へ誘う
彼女が腰を落とすとくちゅんっと濡れた音が響き二人が繋がった
「んぅっ…あっあ…っぁ」
「…っく」
ティキの肉棒を咥え込んだルル=ベルは彼の胸に手を置きながら自分を上下に動かす
豊かな胸を先端に乳首を踊らせて揺らした
「っ…良い眺めだ」
「ッ、やぁっ…く…あぁっあ」
下からティキがルル=ベルの胸を揉みあげる
敏感な内部を何度も擦る太い肉棒に彼女は既に理性を失っていた
限界が近いのか声は少しずつ音量を上げていく
「ティひっ…あぁっあっひぁ」
「はぁ…っぁ、イクか?」
ティキが問い掛ける
「ぅっ…ん、ぁあっ…あ」
「ッ出してやるから全部飲めよ…っ」
「あぁぁあっぁ…ッひぐぅっ」
絶頂に達し身体を痙攣するルル=ベルの中に精液が流し込まれた
疲れ果てた彼女はこてっとティキの胸へ倒れ込み息を整える
「ティキ」
「ん?」
「好き」
「…俺もだよ」
───新しい方舟でノアたちの一時の休息が流れていった