夜、時計も9時を回った頃、アレンが自室でくつろいでいると、誰かがドアをノックした。
「はい、誰ですか?」
「あ、アレンくん、私だけど・・・ちょっといいかな」
「ええ、どうぞ」
アレンは特に拒むこともなく、リナリーを部屋へ招き入れ、
こんな遅くに自分の部屋を訪ねてきた理由を聞いた。
「どうしたんですかリナリー?こんな遅くに・・・」
するとリナリーは少し俯き、答えた。
「あのね・・・明日から長期の任務が入って・・・しばらくみんなにも会えないから、
今のうちにいろいろお話ししたいなと思って・・・いいかな?」
「そうなんですか・・・。ええ、どうぞ」
ベッドに座ると、二人は雑談を始めた。
会話の内容は普段のことや次の任務のことなど、さまざまなものだった。
「それでね、兄さんったら・・・」
楽しそうに話すリナリーに笑顔で答えていたアレンが、ふと時計に目をやると、
もう時計は11時を回ろうとしているところだった。
アレンは疑問を抱いた。
(みんなに会えないと言ってたのに、僕にばっかり会っていていいのかな?)
アレンとしてもリナリーと過ごせるのは嬉しいことだが、こうも長時間話し込むのには、何か訳でもあるのだろうか?
そんな疑問がアレンの中で生まれた。
アレンは思い切って聞いてみた。
「リナリー、僕になんかばっかり会っていていいんですか?他に会ってない人はいないんですか?」
するとリナリーは悲しそうに言った。
「アレン君・・・もしかして私、迷惑かけてた?」
「いえ、そんなことないですよ!僕はもちろん嬉しいですけど、リナリーはいいのかなと思って・・・」
リナリーを悲しませてしまったと思い、アレンは慌てて答えた。
するとリナリーは答えた。
「他の人は・・・いいの。ほんとはアレン君としばらく会えないと思うと寂しくて・・・それで今のうちにアレン君といたいなって思って・・・ごめんね、勝手で・・・」
アレンにしてみれば、その答えは実に嬉しいものだった。
好きな彼女が会いたくて夜な夜な自分を訪ねてきてくれる。男として、嬉しくないはずがない
「勝手だなんてそんな・・・、そういう風に思ってくれてたんなら、僕としても嬉しいです。」
「ほんと?ありがとう、アレン君」
嬉しそうに応えてくれたリナリーに、アレンは言った。
「確かに明日からリナリーに会えないとなると僕も寂しいですね。それじゃあ・・・」
「え、ちょっ・・・アレン君!?んっ!!」
アレンは一気にリナリーをベッドに押し倒し、唇を塞いだ。
実はさっきリナリーに疑問をぶつけたのにはもうひとつ理由があった。
アレンとて、男だ。こんな夜遅くまで好きな女性が自分の部屋にいるとなると、変な欲望が生まれてしまう。
それが暴走してしまううちにリナリーを早く帰しておきたかったのだ。
しかし、その行動は逆効果となってしまった。リナリーが自分と会いたいがためにここに訪れたことを白状したからだ。
ついにアレンの理性はガラスが割れるかのように崩壊を始めた。
「んっ、ふぁ…ちゅ…んんぅ…」
「はぁ、ふぅ…リナリー…」
アレンが唇を離すと、二人の間に銀色に輝く橋がかかった。
「んはぁ…アレン君…どうしたの……?」
アレンは答えた
「さっきも言った通り、リナリーに会えないと僕も寂しいんですよ」
そう言うと再び深いキスをした。
――ちゅ、ちゅる、くちゅ・・・
「はぁ、れろ、ふぅっ…アレン君…」
最初は抵抗を見せていたリナリーも、段々とアレンの優しい啄ばみに応え始めた。
数分ほど激しく舌を絡め合うと、ようやくアレンは満足して舌を抜き、体を起こすと、
今度はリナリーの上着を脱がせ始めた。
「ちょっ、アレン君待って!」
するとアレンはどこか悲しそうな顔をし、
「僕は…嫌ですか…?」
と言った。
リナリーは嫌なわけではない。むしろアレンに求められているのが嬉しい位だ。
ただ、突然のことで戸惑いがあっただけのこと。
「その…嫌じゃないけど…ちょっとびっくりして」
「そうですか…すいません」
「ううん、いいよ…」
アレンはリナリーの承諾を得ると、再び服を脱がせ始めた。すでに上着の下に着ていたブラウスもはだけ始めている。
程なくして、リナリーの形のよく整ったきれいな胸が露になった。
すでに乳房の先は硬く突起し始めている。
「綺麗ですね…」
「そんなに見ないで…恥ずかしいよ…」
そんな言葉は無視し、アレンは両手でリナリーの両胸を覆うと、優しくゆっくり揉みしだき始めた。
「あん!はあぁ…ふぃ…」
リナリーの口からは甘い吐息が漏れ始める。
それに触発されたアレンは、片胸に口を寄せ、舌で先端を愛撫し始めた。
ちゅうちゅうと吸い付くように愛撫すると、段々とリナリーの声が高くなっていく。
「ひぁあん!ふぁ…はぁん!」
そうこうしているうちに、アレンの空いている左手はリナリーの太腿へと伸ばされた。
「リナリー…」
ミニスカートの中へ手を伸ばしながら、アレンは胸を舐めていた舌をリナリーの耳に触れさせた。
そして唇と舌でリナリーの耳を弄びながら、手をスカートの奥の薄布に這わす。
そこを覆う布はすでにしっとりと湿り気を帯び、指で押し込むと、くちゅ、という濡れた音がした。
それと同時にリナリーの体がぴくりと跳ね、アレンの首に回されていた腕に力がこもった。
「ひぁ…!?あん!ふぁん!アレン君…」
アレンはゆっくりと薄布の縁から指を差し入れ、中を掻き回し始めた。
「んっ!!あはぁっ!あん!ひぁ…」
「リナリー…すごく濡れてますよ?ほら…」
そう言ってアレンは差し入れた指を引き抜き、リナリーの目の前に持って行って見せた。
「やだぁ!もう、アレン君の意地悪!!」
そんなリナリーが可愛く、アレンはまたリナリーの唇を奪った。激しく舌を絡めながら再びリナリーの秘所へ手を伸ばし、
今度は二本同時に指を差し込む。
「んん!?んっ、はっ、んむう!」
口付けたままのため、リナリーは苦しそうな喘ぎ声を漏らす。それに気付いたアレンは唇を離した。
しかし、指は動かし続けたままだ。
「すいませんリナリー、苦しかったですよね…」
「っはぁ!ああぁん…はぁ、ふあぁぁ…」
今度はリナリーの首筋に舌を這わせ、指を一本追加して三本の指でリナリーの中を刺激した。
――――くちゅ、くちゅり・・・
時折指の関節を曲げてやると、リナリーの嬌声が激しさを増し、アレンを楽しませる。
「んんっ、あんっ!ひぁぁ、ふぁあん!はぁっ!!」
アレンは首筋を舐めていた舌を段々と体と共に下へ下へとずらしていき、胸を通過し、
やがて指で楽しんでいた秘所へ辿り着いた。
「やっ!ちょっ、何っ!?」
アレンは指を引き抜くと、今度は溢れてくる愛液を舌で掬い取るようにして秘所を愛撫し始めた。
「んぁああっ!!アレン君っ!」
――――ぴちゃ、クチュ、ずちゅるるる・・・・
厭らしい音を立てながら愛液をすすり、時折クリトリスを攻めると、リナリーの体がびくりと跳ねるのが分かった。
「ああああっ!!んはぁっ!!そこ…だめえっ!!あっあっ、もう…だめぇっっ!!!」
「我慢しなくても…じゅ、いいんですよ?じゅるるる…」
「いやぁっ!吸いながら言わないでよぉ…あぁ…」
アレンはそろそろか、と思い、一度強く吸い上げた。
「ふぁあ?んあぁぁあっ!!」
リナリーはすさまじい刺激に耐えられず、潮を吹いて達してしまった。
愛しい人の乱れた姿を間近で見たアレンは、自分の限界が近いことを悟る。
「はぁ、はぁ…」
アレンにもたれかかり、肩で息をするリナリーに優しく口付け、アレンは服を脱いだ。
ズボンを解放すると、そこにはすさまじく硬度と太さを増したアレンがあった。
「リナリー、僕、そろそろ…いいですか?」
アレンはまだ力の入らない様子で自分にしがみついているリナリーに許可を求めた。
「うん…いいよ…来て…」
リナリーはそう答えると、アレンに身を委ねた。
「いきますよ…」
アレンはゆっくり自分を秘所にあてがった。柔らかな肉に包まれていく感触に、思わず息を漏らす。
「くっ…きつっ!くぁっ…」
リナリーは指よりはるかに大きく、硬いものが自分の中に入ってくる圧迫感に嬌声を上げて応えた。
「ああぁん!!あん!あん!」
アレンの背中に回された腕に力がこもり、それと同時に中の締め付けも格段に増し、律動を繰り返していたアレンをきつく締め上げた。
粘膜と粘膜が激しく擦れあい、アレンはすさまじい快感に襲われる。
「うああっ!すごい…リナリー!!」
アレンは激しくリナリーを揺さぶり、腰を動かして突き上げた。
「アレンくぅん!ふぁぁ!あはぁああっ!!」
リナリーはアレンにきつく抱きつき、艶かしい声を上げた。
――――ズチュッ、ズチュウ…パンッ!パンッ!
部屋の中にはこの行為による厭らしい音と、アレンの荒い息使い、そしてリナリーの喘ぎ声がアンバランスに反響した。
アレンが突き上げるたびにリナリーの胸がぷるん、と激しく上下し、アレンを視覚的にも興奮させた。
「うっ、くぁっ、リナリーそろそろ…」
「あぁん!うっん…私ももう…イクッ!!」
一際激しく締め付けられ、アレンはついに達してリナリーの中に全てを注ぎ込んだ。
「ぐっ!くうぅぅっ!!!」
それとほぼ同時にリナリーも限界に達し、高い声を上げた。
「あああああぁぁっっ!!!アレンくうぅんっっ!!!」
二人はそのままベッドへと倒れこんだ。
「アレン君…大好き…」
「僕も愛してますよリナリー…」
そういって二人は静かに深いキスを交わし、意識を手放した・・・
翌日、アレンが目を覚ますと、隣にはまだ眠っているリナリーがいた。
任務があるのなら起こしたほうがいいのだろうかと迷ったが、疲れているのを起こすのは悪いと思い、
そのまま寝かせておくことにした。
辺りを見渡すと昨晩の激しい行為の跡がいたるところに残っており、アレンは昨晩の記憶が蘇り赤面した。
隣で安らかな寝息を立てて眠っているリナリーの綺麗な前髪を掬い上げ、アレンは額にキスを落とした。
するとリナリーが目を覚ました。
「アレン…君…?」
「あ、すいませんリナリー…起こしちゃいました?」
「ううん、いいよ。おはよう、アレン君」
そんな彼女にアレンは囁く。
「もう寂しくないですか?」
「うん、もう大丈夫だよ。ごめんねアレン君」
そう言ってもう一度二人はキスを交わした。