ミランダは会議室へ忘れモノを取りに行く所だった。
(ああ、私ってやっぱりうっかり者なんだわ…本当に駄目ね…
ううん、いつまでもそんな事考えてちゃ、それこそ駄目よ!!)
ブンブンと頭を横に振り、憂鬱な思いを振り切って会議室のドアの前に到る。
その中へ、入ろうとした瞬間だった。
「あぁっあ゙ッっ、あッ、あんっ、アレン…!! アレン…くぅんッ!!!!」
ソプラノの女の喘ぎ声が、ミランダの耳に入った。
つい15分前までコムイや神田と会議をしていたそこで、アレンがリナリーを机に押し倒した格好で、
お互いに局部を激しく打ち付け合っていた。
「リナリーさんが、アレンくんに犯されてる・・・!?」
いや、これは同意の上のことなのだ、と思い直した。しかし、男に触れられた事のないミランダは
その行為の余りの激しさに、このような想像を禁じ得なかった。
アレンとリナリーは衣服も3分の2は着けたままだった。リナリーが早く濡れて求めた為だろう。
ミランダは、また後から来直せばいいものを、コレが終わるのをここで待たなければならないという奇妙な義務感に駆られ、
そっと扉の外に退くと、二人に見付からないようにと小さく縮こまった。
男女の営みという物を知らないうぶなミランダは、恥ずかしさと気まずさで胸が一杯だった。
せめて、リナリーの喘ぎが聞こえないようにと両手で耳を塞ぎ、無意識に瞼をきつく閉じる。
時が経つのがやたらと遅く感じられる。悶々とした気持ちの中、淫猥な想像が頭をよぎった。
その、瞬間だった。
ミランダは不意に、自分の胸が華奢な手でそっと揉まれるのを感じた。
びっくりして目を開けると、そこにはあられもなく裸の半身を晒したリナリーがいた。
情交の後だからだろうか、少し上擦ったような可憐な声をして、リナリーはミランダに問うた。
「アレンくんとの、見た?」
「……はい」
羞恥心と、同僚の情事を覗き見してしまったという罪悪感から、顔を耳まで紅潮させつつミランダは答えた。
そんなミランダに、リナリーが掛けたのは、あまりにも意外な言葉だった。
「…ねぇ、ミランダも一緒にしよう?」
「え……?!」
リナリーは驚くミランダの下腹部にそっと手を延ばし、団服越しにミランダの秘所を優しく撫でた。