真っ暗な教団の廊下を歩き、自室に戻るアレン。  
 
「ふぅ―――っ」  
自室に入るなり、アレンは深い溜め息を吐きながら、ベットに倒れこんだ。  
ラビと二人でイノセンス回収の任務を終えて教団へ帰って来たものの、時刻はもう真夜中―…‥  
「つ‥疲れた‥」  
アレンは眠い目蓋を擦りながら天井を見つめた。  
ふと、過去の記憶が甦る。「‥マナ‥」  
一人になると思い出してしまう辛い過去。  
大切だったのに苦しめてしまった、あの人‥  
そんな事を考えていた、アレンの瞳に涙が溜まる。  
「くっ‥‥」  
アレンは唇を噛み締め、強く目蓋を閉じる。  
そんな時、アレンの自室のドアを叩く音がした。  
 
―トン‥トン‥―  
 
その音に驚いたアレンは急いで涙を手の甲で拭い、自室のドアの前に立つ。  
「‥誰ですか?‥」  
ガチャっと音をたてながら扉を開ける。  
「‥アレンくん‥」  
ドアの前に立っていたのはパジャマ姿のリナリーだった。  
 
「ど‥どうしたんですか?こんな夜中に‥」  
久しぶりに見る、リナリーの姿が可愛くてアレンの声は裏返る。  
「アレン君が帰ってきたってさっきコムイ兄さんに聞いたから‥その‥」  
心配そうに怪我をしたアレンの腕を見つめるリナリー。  
アレンの事がよほど心配だったのか、リナリーは寝ずにアレンの帰りを待っていた。  
そんなリナリーを安心させる為にアレンはにっこりと微笑み、リナリーに声をかけた。  
「何か、お腹空いちゃいました‥」  
いつものアレンの姿に安心して笑みを溢すリナリー。アレンの言葉にリナリーはポケットからアメを取出し中身をアレンの口元に差し出した。  
「これ食べて、少しだけ待っててくれる?」  
リナリーの差し出したアメをアレンはパクッと口の中に含む。  
「甘くておいひぃ…」  
モゴモゴと口内でアメを転がすアレン。  
そんなアレンにアメを渡し終えるとリナリーは部屋から急いで出ていった。  
 
アレンはベットの上でリナリーに貰ったアメを舐めていた。  
アメが口の中で溶けて無くなりそうな時、ドアの外でパタパタと足音がしてリナリーがアレンの部屋に戻ってきた。  
アレンはベットから起き上がり、リナリーに声を掛ける。  
「‥リナリー?」  
「遅くなってゴメンね!」少し息を切らしながら、戻って来たリナリーの持っているトレイの上には湯気のたったマグカップとアレンの大好きな、みたらし団子が乗っていた。  
「はい‥どうぞ‥」  
にっこり微笑み、持ってきたモノをアレンに渡すリナリー。  
そんなリナリーの優しい気遣いに、アレンは嬉しくてお礼を伝える。  
「あ、ありがとう‥」  
「アレン君の分だから良かったら食べてね‥」  
そう言って部屋を出ようとするリナリーにアレンはさらに言葉をかけた。  
「あっ‥一緒に食べませんか?」  
「‥‥‥」  
アレンの言葉に少しだけ間を置いて、リナリーは答えた。  
「じゃあ、少しだけ‥」  
そう言うとリナリーはアレンの座っているベットに腰を下ろした。  
 
「ねぇ‥アレン君‥」  
「‥何ですか?」  
リナリーは何か言いたそうにアレンに話し掛けた。  
「今日が何の日か知ってる?」  
リナリーの唐突な問いにアレンは思考するが何も思い出せない。  
「わかりません‥」  
アレンの素直な答えにリナリーは少しだけ表情を濁らせた。  
「ならいいの‥変な事、聞いてゴメンね‥」  
そう言葉を放つ、リナリーの顔からは笑顔が消えてしまった。  
リナリーの様子がおかしくなった事に気付き、アレンは飲み物の入ったカップをテーブルの上に置く。  
「今日、何かあったんですか?」  
「‥‥‥‥」  
リナリーは俯いて言葉を濁す。  
何かあったのかと心配そうに話掛けるアレンだったがリナリーは何も答えない。そんな、彼女に何度も問い掛けるが何の返答もない。「‥‥‥」  
二人の周り空気が黒く重くなる―…  
もう一度、思考を巡らせると昼間、ラビに言われた事を思い出した。  
『やっと任務が終わったさ―…』  
『そうですね、ラビ』  
『今日までに終わって、良かったさ―…』  
こんな会話をラビと交わしたが、たしかこの後…  
 
『今日はリナリーの誕生日さ―…』  
 
やっと、アレンは大切な事を思い出し、いきなり大声で叫びだした。  
 
「Σわああぁぁぁっ!」  
 
アレンの声にリナリーはビックリして目を見開いた。「ど、どうしたの?アレン君?」  
いきなりアレンはベットから立ち上がると、リナリーの前に座り込み彼女を見つめて言葉を発した。  
 
「お誕生日、おめでとう」  
リナリーは驚いて一瞬、言葉を失う…。  
でも、その後には極上の笑みを浮かべてアレンに言葉を投げ掛ける。  
「ありがとう、アレン君」そんな彼女の顔が、めちゃくちゃ可愛くて堪らない。アレンはリナリーの笑顔に見惚れていると、ある事に気付く。  
何もプレゼントを用意していないのだ―… 「リナリー?僕、その…」プレゼントがない事を告げるアレンにリナリーは優しく言葉を返す。  
「アレン君の気持ちだけで嬉しかったから‥いいの‥」  
それでも、アレンは何かプレゼントをしたくてリナリーの前で考え込んでいた。そんなアレンの気持ちを察してリナリーはアレンにお願いを持ちかけた。  
 
「それじゃ‥アレン君にギュって抱き締めて貰いたいんだけど…」  
アレンは固まり、自分の耳を疑った。  
 
 
―ダキシメテモイイノ?―  
アレンはリナリーを呆然と見つめ立ち尽くした。  
そんなアレンの腕を掴み、リナリーはもう一度アレンに聞く。  
 
「…ダメ…っかな?」  
「‥‥‥!!」  
 
リナリーの可愛さにアレンの心が乱されそうになる。  
…抱きしめるだけで止まるのだろうか?…  
 
たしかにプレゼントをしたいと言ったのはアレン自身だったが、リナリーの口から、そんな言葉がでるなんて予想していなかった。  
そのためにアレン自身どうしたらいいのかわからないでいた。  
 
無反応のアレンに、リナリーは震えた声で問う。  
 
「やっぱり、アレン君は私の事、嫌いなんでしょ‥?」  
「そんな事、ありません」  
アレンはリナリーへの感情を冷静に保っているので精一杯だった。  
 
「じゃあ、ナゼ?黙り込むの?」  
さらに問い掛けアレンを追い詰めていく。  
 
追い詰められた事により、下を俯き黙り込むアレン。そんな彼に対しリナリーは目元を滲ませて小さな声で言い放つ。  
 
「‥もう、いいよ‥」  
 
そう言うとリナリーはベットから立ち上がり、部屋を出ていこうとする。とっさにアレンは彼女の手首を掴み自分の方に引き寄せ抱きしめた。  
 
「…っ‥アレン君‥?」  
 
アレンは強く彼女を抱きしめる。顔を埋めた、アレンの胸元からは心臓の早まる音が耳に届く。  
トクン‥トクン‥と脈打つ音が心地よくて、無意識にリナリー自身もアレンの腰に腕を回した。  
 
「‥‥‥‥」  
 
二人の間に沈黙が続いたがそれを破ったのはアレンの方からだった。  
 
「‥ごめん、泣かせるつもりはなかったんだ。」  
優しく言い放つアレンの顔を見つめて、リナリーは頬笑みながら彼に気持ちを伝えた。  
 
「‥アレン君に、嫌われてると思ってた」  
「えっ!な、何でですか?」  
「今日の事も忘れてたみたいだし…」  
 
わざと意地悪にアレンを攻めるリナリー。  
 
「わ、忘れるつもりはなかったんですよ‥」  
 
焦りながら話すアレンが可愛くて、リナリーは抱かれた腕のなかで小さく笑っていた。  
 
自分の腕の中で微笑むリナリーから甘いコロンの香りがアレンの鼻を掠める。  
 
「‥リナリー‥」  
 
その香りに誘われるようにアレンは彼女の黒い髪を指先に絡めて、リナリーの額にキスを落とした。  
 
「‥あっ、アレン君?」  
 
リナリーは驚いて、アレンの顔を見上げた。  
恥ずかしそうに頬を赤く染める彼女がアレンの瞳に映し出される。可愛くて、愛しくて、理性が壊される。  
「‥‥‥‥っ!」  
 
自分を見つめている、リナリーの顎を引き上げてアレンは強く唇を押しつけた。  
「‥ふッ‥んんッ!」  
 
いきなり唇を塞がれて、呼吸がうまく出来ない。  
驚いたリナリーはアレンの団服の裾をぎゅっと握りしめて、目蓋を強く閉じる。そんな彼女の口内をアレンはさらに深く舌で犯していった。  
リナリーの体からは力が抜け、口端から喉元にかけ溢れた唾液が伝う。  
 
「‥ふぁッ‥ア、レン‥君‥」  
 
アレンが塞いでいた唇を離すと、リナリーは床へ倒れこみそうになる。アレンは力の抜けたリナリーの腰に腕を回し身体を支えた。  
 
アレンは力の抜けたリナリーの身体を抱きかかえるとベットの上に彼女の身体を優しく下ろしていく。  
 
「‥僕は‥‥」  
 
謝罪の言葉が脳裏を過るがアレン自身、壊れた理性を取り戻す事はできず、戸惑うリナリーの唇を塞ぎ。先程よりも深い口付けを交わしていった。  
 
「‥ンッ‥はぁッ‥」  
 
アレンの貪るようなキスに自然に不安と力が抜けていくリナリー。  
唇を離し、彼女の着ているパジャマをアレンは優しく脱がせると真っ白な肌が曝け出された。  
 
「‥綺麗ですね‥」  
 
真っすぐな瞳で自分を見られて、羞恥心で顔が赤く染まるリナリー。  
シーツで自分の身体を隠そうとするがアレンに手首を捕まれて隠すことが出来ない。  
 
「‥やッ、見ないで‥」  
 
「なんで、隠そうとするんですか?‥こんなに綺麗なのに―‥」  
 
そう言うとアレンは彼女の胸元に顔を下ろし、赤い跡を散らせながら、立ち上がった突起に吸い付いた。  
 
「…あぁッ‥ん…」  
 
甘い刺激が脳に届き、リナリーは厭らしい声を放つ。その声に性欲を煽られたアレンはさらにリナリーを求め、責め立てていく。  
 
リナリーは身体を震わせながら、初めての快楽に酔い痴れる。  
胸の先端に吸い付き、右手を下腹部へ下ろし秘裂をなぞれば、リナリーの声は段々に厭らしさを増していく。  
 
「‥はあッ‥んん‥」  
 
「‥リナリー、すごい濡れてますよ‥」  
 
アレンに言われた言葉にリナリーは『見ないで』と言わんばかりにアレン顔を両手で覆う。  
そんなリナリーが可愛く見えて、愛しい気持ちが溢れてくる。  
 
「そんな事しても無駄ですよ、もっとリナリーを見せて下さい。」  
 
アレンは微笑しながら、リナリーの蜜の溢れた秘裂を割って中に指を挿し入れ、肉壁を擦りあげながら、小さな突起に吸い付く。  
 
「…ひッぁあンん…‥」  
 
強い刺激に耐えられず、リナリーは身体を弓のように仰け反らせて、初めての限界に達してしまう。  
 
呼吸を求め、息をあげるリナリー。  
アレン自身も限界で、団服を脱ぎ捨てるとまだイったばりのリナリーの秘裂に反り立った自身を擦りつける。  
 
「‥んぁあ…ん‥」」  
 
またも呼び戻される感覚にリナリーの身体は素直に反応を示した。  
 
「リナリー、挿れますよ」  
アレンは自身に蜜を塗り付けると、ゆっくりと自身を埋めていく。  
しかしキツイ締め付けにより、なかなか奥まで納まらない。  
 
「‥い、痛ッ‥」  
 
リナリーは顔を歪めて、必死に痛みに耐える。アレン自身も同じで強い締め付けに耐えながら、リナリーの中に全部を埋め込んだ。  
 
「‥動きますよ‥」  
 
アレンの問い掛けに、痛みに耐えながらもこくんと頷くリナリー。  
自然と目元から涙が溢れてくる。  
そんな彼女に唇を重ねながら、ゆっくりとアレンは腰を動かしていく。  
 
ゆっくりと出し挿れを繰り返すアレン。  
リナリーの秘裂からは赤い鮮血が滴り落ち、シーツに痕跡を残す。  
しかし、血液と蜜で滑りの良くなった膣内はリナリーを楽にさせ、快感が少しづつ戻されていく。  
 
「‥あッん‥‥」  
 
アレンも我慢の限界で、腰の動きを速め、自身でリナリーの膣内を掻き回す。  
 
「‥あッ、アレンッくぅ‥んもう‥だめ‥」  
 
「‥ッ、僕もイきそうです」  
 
リナリーもアレンも限界で、自身を最奥に突き挿れたと同時にリナリーの膣内がキツク締まり、アレンは白濁をナカに吐き出した‥。  
 
 
 
気を失い眠りにつくリナリーの頬に軽いキスをして、耳元でアレンは囁く。  
 
 
「‥愛しています‥」  
 
 
幸せそうな顔で眠りにつくリナリーとアレン。  
 
朝、目覚めた時に、貴女の隣に素敵なプレゼントが置いてありますように。  
 
 
 
おわり  
 

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