仮眠室に入るなり、コムイは妹の身体を抱きしめた。  
頭を優しく撫で、黒髪の感触を楽しむように彼女の髪に指を絡ませる。  
「リナリー」  
リナリ―は名前を呼ばれて返事をしようとしたが、その前に唇を塞がれた。  
少し強引なキスに苦しさを覚え、もがいてはみるものの、それすら壁に押し付けられて制された。  
苦しくなって開いた口からコムイが侵入してくる。  
探るように、且つ大胆に蠢くそれに、舌と同時に、意識すらも翻弄される。  
口内が侵食されてしまえば、苦しさはすべて甘い感覚へと変わった。  
チュクチュクと唾液が絡まる音がして、溢れた生暖かい唾液が口の端を伝っていく。  
 
吐息混じりにリナリーが話しかけた。  
「コ、コムイ兄さん…どうしたの?いつもの…兄さんじゃ、ないみたい…」  
「ん?どうもしないよ。ただ…ものすごくリナリーが欲しいんだ、それだけだよ」  
コムイはそう言うと、被ったままだったベレー帽を床に落とし、片手でリナリーの服の襟元を下げ、  
その白い首筋に舌を這わせた。  
びくッとリナリーの身体が反応する。  
 
「正直ね、リナリ―の身が心配で気が気じゃないんだ。…周りは野郎ばかりだからね」  
「…そんな、考えすぎよ兄さん。…中には怖い人もいるけど、皆いい人ばかりだもの」  
 
「本当にそう思うかい?」  
「?リーバーさんも、ラビも、科学班の皆だって…悪い人間じゃないわ。気さくで優しいわよ」  
コムイは体を少し引き、首を傾げる妹に目線を合わせた。  
「優しい!?…ま、まさかリナリ―。あいつらにな…何かされたんじゃないだろうね…」  
若干上擦りながら訊ねると、リナリーはきょとんと兄を見つめた。  
「そんなことあるわけないじゃない!もう。兄さんってば」  
「そ、そうか…それならいいんだけどね」  
コムイはホッと安堵して答えた。もし万が一のことでもあったら…、即刻やつらを闇に葬ってやるつもりだったが。  
 
「それにしても、リナリ―は警戒すると言うことを知らないのかな」  
リナリーは微かに眉を寄せた。  
「警戒?」  
コムイはため息をつきながら「大人の男を見くびるとどうなるか、知っておいた方が良いね」  
そう言って手を伸ばした。  
コムイはリナリーの団服のボタンを素早く外すと、はだけた襟元に手を掛け肩が出てしまうほどにそれをずり落とした。  
白い肌があらわになる。  
 
「ちょっ、兄さん!」  
リナリ―はいきなりのことに吃驚した。  
これが初めてではないとはいえ、いくらなんでも強引すぎる。  
リナリーは焦っていたが、コムイは全く気にかけた様子もなく、  
首筋にキスを落としはじめる。  
そして、自然にソファに押し倒される形になってしまった。  
 
「コムイ兄さん…!ちょっと、待って…やだッ」  
「待たないよ」  
コムイはそのまま何度も首筋や鎖骨に口付け、赤い華を散らしていった。  
リナリーの背に手を回し、器用にブラジャーのホックを外した。  
プチンという音と共に、まだ成熟しきっていない柔らかな胸が揺れる。  
 
その体は、小さい頃・・一緒にお風呂に入っていたリナリーだ。  
でも、今はあの頃とは全然違う。  
何時の間にか、彼女はコムイの記憶の中の幼かった少女ではなく、大人の女性へと変わりつつある。  
 
コムイはゆっくりと胸に手を這わせ、柔らかさを確認するかのように揉み始めた。  
 
「ふぁ…んっ」  
鼻に掛かった色っぽいリナリーの声が漏れた。  
コムイはにこリと満足げに妹を見ると、その双丘を集中的に愛撫する。  
「くぅん…やぁ…ん」  
たまらずまた声が出る。  
コムイは口でそれを塞いだ。  
「!!んっ…くっっ」  
コムイの舌が生暖かく、イヤらしい動きで誘い、舌も意識すらも持って行かれそうになって、  
リナリーは慌てて自身を立て直した。  
その隙にミニスカートに手を入れられ、下着が降ろされ触れられる。  
「ひゃぁ!」  
 
すでにコムイを感じていたそこは熱く湿っていた。  
開かされた足の間にコムイが手が割ってはいる。  
「や、…恥ずか…しい」  
リナリーはそう言ってコムイの首を抱き締めた。  
 
くちゅくちゅと水音を立てリナリーを弄ぶ。淫靡なその音に煽られて声が止まらない。  
「ぁん!…ぁあッ、や…ッん」  
 
声が誰もいない部屋に響いた。  
それを誰かが聞いているかもしれないと思うと、  
なおさらイヤらしい気持ちになってしまう。  
コムイは、わざとじらすように、リナリーの中を指でなぞった。  
「くぅ…ん、兄さん……意地悪っ…」  
 
必死にしがみつくリナリーの耳もとに、コムイの熱い息がかかる。  
「リナリーがあんまり可愛いから、だよ」  
そう低い声で言われ、軽くの耳を噛まれたリナリーは更に熱く火照らせた。  
「んんっぁはあっ」  
 
動く指を増やし、奥まで深くかき回される。  
もうそれだけでもイキそうになり、何回も限界に達するが、  
でも、コムイはそれを熟知しているかのようにそらした。  
 
「…もう…だめぇ」  
すると、動き続ける指が急に止まり快感が途切れた。  
 
「や、なんで」  
火照った体が続きを欲しがり、リナリーは目に涙を溜めて抗議した。  
「ダメ。って言ったのはリナリーでしょ」  
コムイはわかっていてその指を抜く。リナリーはびくりと大きな反応を返し、溜息を漏たした。  
 
「はぁ…お願い……」  
顔をそむけながら小さな声で呟かれる。  
「ん?何をだい」  
内腿をなぞりながら問い掛ける。  
「や、そんな」  
腕に力がこもる。  
「どうして欲しい。言わなきゃわからないよ」  
焦らせられるだけ焦らす。  
触れるギリギリまで指をのぼらせて引く。  
 
「つ、続けて…」  
リナリーが真っ赤になり掠れた声でそれだけを告げた。  
まだダメだ。  
「続けるだけでいいのかい?」  
ほんの少しだけ触れてやると体を逸らして喘ぐ。  
「んっ…や…コムイ兄さん、の…欲しい」  
本能が口をついて出る。  
 
ようやく言ってくれたね、と言わんばかりに  
コムイはリナリーの片足を曲げさせ胸まで押し上げた。  
中途半端に掛かっていた下着がするりと床に落ちる。  
そして、熱くなった己を濡れて赤く染まった秘部にあてがう。  
「あ…はぁ・んあ……あああん!!」  
 
指よりも熱く硬いものが中心を目指し入ってきて、くちゃ、っとイヤらしい音がでる。  
リナリーは堪らなく恥ずかしくなって目をそらした。  
「何を、感じる?」  
意地悪に耳元で問われる。最奥まで入ってきたコムイはそのまま動かない。  
リナリーはもうほとんど本能のままに自分で腰を振った。  
自然と声が出て、何も考えられない。  
「ん、ンッ、ぁあん!兄さっ…、コムイにい、さん!」  
ヒクヒクと蠢くそこは、時に柔らかく時にきつく締め付けた。  
 
* * * *  
 
こちらも耐え切れなくなりそうだった。  
焦らしているつもりが焦らされている。  
目の前で妖しく動き嬌声を上げるリナリー。  
「やぁ、んあっ・・・ああっっ。」  
ビクビクと痙攣する。コムイは耐え切れず、思わず自身をリナリー の中から引きずり出した。  
「ひやぁんっっ」  
突然抜かれた快感が背中を走る。  
弓なりになったリナリーをコムイはが苦しそうに見つめた。  
もう、理性のかけらもないリナリーは思わずコムイの脱げ掛けた白いコートに手を掛けると、  
今度は逆にコムイをソファに押しつけ脱がせ始めた。  
「リ、リナリー…」  
「最後までほしい、の…」  
上半身すべて脱がされて、もたれて座るコムイの、もう限界であろうソレを  
今度はまたいで、上から徐々に自身でくわえる。  
「んふぁ…んっ…くぅ」  
リナリーは徐々にまた自分の体重によってのめり込む快感に、たまらず喘いだ。  
汗ばむ二つの体がぴったりと密着する。  
「くっ…」  
コムイがリナリー胸のあたりに顔を傾けると、両手で抱きしめられた。  
柔らかい双丘の頭が閉じ込められる。甘い匂い。  
遠い昔感じた、亡き母のような安心感。  
 
硬くなった先端を舌で舐め、押し潰し、甘噛む。  
その度に声が漏れ、さらに強く締め付けられる。  
細い腰を抱き返し、己を打ち付ける。  
一際高い声をあげ、達し、締め上げられると、コムイは一番深くまで己を突き入れた。  
「んっあぁッ!…ふぁ、ぁ、ああッ!!」  
リナリー の体の中心が一気に熱くなる。  
頭の中が白く飛び、あまりの快感にか背中が弓のようにそれた。  
 
二つの密着した体の汗が糸を引き、乱れた服に二人の愛液がしみてゆく。  
ぐったりとした リナリーがコムイの肩に寄り掛かった。  
「…リナリー ?」  
呼びかけても返事がない。そうやら気を失ってしまったようだ。  
自分としたことが気遣ってもやれなかった。  
汗が冷たく引いていくのが心地よい。  
 
「…ごめんね。大好きだよ、リナリー」  
コムイは妹の小さく華奢な肩に手を回し、その黒髪に優しくキスを落とした。  
 

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