最近千年伯爵は人使いが荒い。  
 すぐに呼び出しては色々仕事をさせられる。  
 人間の世界と、ノア一族の世界。その両方を楽しみたいティキ・ミックにとっては、どっちかが偏ることはしたくないのに、ここ最近はノアの一族としていることの方が多い気がする。  
「やれやれだな」  
 今日も千年伯爵に呼び出されたティキは、いつもの部屋に入った。  
 そこでは相変わらずの笑顔の千年伯爵と、口うるさいレロが待っているはずだった。  
 
 しかし、思惑が外れた。  
 大きな食卓に、二人の姿はない。代わりに机の上に座っているのは、小柄な女の子、ロード・キャメロットだった。  
「ティッキー。オーラ」  
 へらへら笑顔でロードが手を振る。  
「あれ? 伯爵の呼び出しじゃなかったのか?」  
「今日は僕のお呼び出しぃー」  
「何の用だよ。もう宿題は手伝わんぞ」  
「えー、手伝ってよ〜」  
 そう言って、ロードがティキの上着を捕まえる。  
 小さく細い腕なのに、バカ力で引き寄せられてしまった。  
「な、なんだよ」  
「今日はぁ……」  
 ロードがなめるようにティキを見上げた。  
「火照った身体を〜、覚ますのを手伝って」  
 
「……は?」  
 
「僕もう待てないよー。ティッキー、遊んで〜」  
 そう言って、ロードはにやりと笑った。  
 ティキを捕まえたまま、空いた左手で器用に自分のブラウスのボタンを外していく。  
 見る間にブラウスがはだけてしまい、淡雪のように白い肌があらわになった。  
「ば、ばかっ!!」  
 ティキは逃げようときびすをかえすが、それはロードの腕力が許さなかった。  
 これ以上進ませまいと、引き止めると、ロードはティキの背にのしかかる。  
 ティキは、自分の背中にわずかに膨らんだ胸を感じた。  
 
「いいじゃーん。ね?」  
 ロードが耳に息を吹きかけてくる。  
 そのくすぐったさと、幼さと、妖艶さに、ティキは体が火照るのを感じた。  
 耳をあまがみされ、自身に生まれた軽いうずきに気付き、ティキは降参した。  
 別にこれが初めてなわけではない。  
「あー、はいはい。わかったよ」  
「やったー。ティっキーだいすきー」  
 ロードに向き直ると、ロードはくすくす笑いながらのこりのブラウスのボタンを外そうとする。  
 ティキは、それを制し、自らボタンを外してやった。  
 全て外れると、襟元に巻かれたリボンから、三角に少女の肌がのぞける。下着はつけていなかった。  
 ロードは自分でブラウスの裾をつまむと、挑発的にヒラヒラと振ってみせる。  
 嬉しそうに歪んだくちびるを突き出し、ささやくようにこう言った。  
「ねー、人間の世界のやり方でやってぇ。どうすんの、人間は?」  
 
「悪趣味だな、お前」  
 しかし、ティキはその言葉をきいて、自分の心がひどく高揚しているのに気付いた。  
 ロードは本当に悪趣味だ。  
「まずぅ、何すんのー?」  
「そうだなぁ……」  
 ティキはにやりと笑ってロードに口づけた。彼女の小さな唇を吸い、その味を堪能する。  
「……ん、っは……」  
 一瞬、ロードが唇を開けた時をティキは逃さない。己の舌をねじ込めて、少女の小さな舌と絡ませる。  
「んっ、ふ……ん…」  
 ティキは、素早く自分の手袋をぬぐと、開かれたブラウスの隙間に手を入れて、ロードの身体を捉えた。  
 ほっそりとした肢体を食卓の上に寝転ばせ、やわらかい肌を撫でていく。  
「あ……はっ」  
 まだまだ未成熟な胸の突起をつまみ、いじり、そのふくらみをもみしだく。  
「あ、あふ、う」  
 まだ始めたばかりだというのに、もう感じているらしい。  
 唇を離してやると、細かく息をつき、はやくも両足をすり寄せている。  
「ガキ」  
 今度は舌で突起をなめまわす。口内で転がる少女の乳首は、すっかり固く尖っていた。  
「あうぅ、ふっ、ううっ…あ」  
 気持ちよさにロードが身悶える。動くとやりにくい。ティキはロードの両手を左手で押さえつけた。  
 そして、舌は乳首をいじりながら、右手は柔らかい太ももにはわせていた。  
 黒いスカートの下に、徐々に侵入させながら、じっくりと愛撫する。  
 
 ぴちゃ……ちゅ、ちゅう……  
「ん、ふぅ……」  
 ティキの指先がロードの足の付け根をさまよう。  
「お前、パンツくらいはけよ」  
「だってぇ、脱ぐの面倒だしぃ」  
 指先が割れ目に触れた。  
「あ……!」  
 まだ茂みのないつややかなそこは、すっかり蜜で濡れすぼみ、ティキの指を滑らせる。  
「あぁ……はあっ」  
 割れ目に指をそわせると、ロードが身体をのけぞらせる。白い喉がのびて、喘ぎ声が部屋に響く。  
 オーバーニーソックスをはいた細い足が、空を掻いた。  
「あ、あんっ。あ…は、はぅ、、あ」  
 芽をいじれば、まだまだ蜜があふれ出す。それを確かめると、ティキはロードの耳朶をかんだ。  
「濡れすぎ……」  
 食卓が溢れた蜜で濡れている。  
 ティキは笑って、ロードの芽をつまんだ。  
「はぅ!」  
 電気が走ったようにしなるロードの体。  
 ティキは、今度は親指で芽をしごいた。  
「あっ、あっ、ああっ、は、あ……てぃ、、、きぃー」  
 
 親指の動きを、じょじょに速くしていく。  
 じゅっじゅっと、湿った音が大きくなる。それにあわせてロードの声も高くなっていった。  
「あん、あ、あ、ティッキー、は、だ…・だめ。ああ、……ん、い、」  
「イクならいけよ」  
「あ、あ、だ……め。でも、あ、い。いくぅ、……は、ああ、あーっ、あーーーー!」  
 絶頂に到達する。  
 一際大きな声を上げ、ロードの背がしなった。  
 がくがくと振るえ、襲い掛かった極上の快楽に身をゆだねる。  
「ア・・・はぁ…」  
 食卓から落ちないよう、ロードを支えていたティキは、ふっと笑った。  
「相変わらず、はやいな」  
「ん……んん」  
 ロードが身を起こす。額にうっすら汗を浮かべたその顔は、果てた後だというのに、不機嫌そうだった。  
「けちー。また入れてくれなかったぁ」  
「安くないんだよ」  
 甘い蜜に濡れた自分の指をなめながら、ティキはロードから離れた。  
 投げ捨ててあった手袋を拾い上げ、部屋を出ようとする。  
 
「ティッキー…」  
 去り際、声をかけられ、ティキは振り返った。  
 ロードが食卓の上に座りながら身を乗り出している。  
 まだブラウスのボタンははずれたままで、赤く火照った二つの突起があらわだった。  
「また、あそんでねぇー」  
 ティキは笑った。  
 手を振ってそれに答えると、部屋を出る。  
 そして人間の暮らしに戻るのだった。  
 

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