「リナリー…遅くなってゴメン。今日からここが、ボクたちの家だよ」
…………。
あ……思い出しちゃった……あの日のこと…………
思い出すと…体が熱くなる……
兄さんが…私のために、教団にやってきてくれたあの日……
そして………
そして、私のことを……受け入れてくれた日…………
――――それは少し、私が大人になる前の話。
「兄さん…ちょっと、話があるの……」
「どうしたんだい、リナリー?もう体は平気なのかい?」
教団の拘束から放された私は…
まだ、調子の戻りきってない体を、残った意思で表面を繕って…
どうしても、そうしなくてはならなくて、兄さんの部屋へ、夜中入り込んだ。
「あのね…まだ…眠れないの」
「眠れない?やっぱり…体がおかしいのかい?」
「ううん、そうじゃなくて…」
兄さんは、息を一つついて、
「じゃあ…。まだ、夜が怖いのかい?」
「………」
「………」
「夜が怖いんじゃないの…一人が、怖いの…」
そう言った私を見て、兄さんは少し考えた後…溜まっている書類を、机の上に重ねた。
「…うん。…じゃあ、一緒に寝ようか」
「ホント?」
兄さんは、終わらせなくちゃいけないだろう仕事を明日に回して…
帽子とコートを置いて、私をベッドに寝かせてくれた。
そして、隣に横たわると…ゆっくりとした口調で、話しかけてくれた。
「あのねリナリー…ボクが来るまでのことだけど」
「え?」
「教団は…決してリナリーを傷つけようとしていたんじゃない。むしろ、リナリーを守ろうとしていたんだよ」
「………」
「当たり前さ。もし逆だったら、ボクは中に入るんじゃなくて、ここを今ごろぶっ潰してる」
「………うん」
「彼らは…いや、僕たちか。僕たちは…リナリーが大事だったんだ。すごく、すごく、ね」
「………」
「だけどね、僕たちは大事なものを扱う術を知らなかった…だから、大事な分だけ、失うことを恐れたんだ」
「………うん」
「だから、ボクはこれから、この教団に、大事なものを愛するということを教えようと思う。形作ろうと思う」
「………兄さん」
「リナリー。だからその愛に答えてほしい。今までが、ちょっと歪んだ愛だったけどね」
「………うん」
「…うん。大丈夫、いつか一人でも眠れる日が来るよ。それまでは…」
「………それまでは?」
「ボクがこうして、隣で見ていてあげるから」
そのとき、私は…少し、泣いていたのかも、しれない。
「兄さん………」
「さ、おやすみ。リナリー」
「兄さん…一つだけ、お願いがあるの」
「うん…なんだい?」
「お願いの前に、一つ質問があるの…さっき、教団は、私が大事って言ったよね?」
「うん、言った」
「じゃあ…兄さんも、私のこと大事?」
「あはは、何を当たり前のこと…」
「じゃあ私のことHして」
「はい?」
その時、兄さんのメガネがずり落ちたのをすごく覚えてる。
「私のこと、抱いて。わ、私と、一緒に、寝て。えっと、その…女にして!」
「リナリー?」
「で、でないと!大事だって、信じない…私、いつまでも寝られないから!」
「あのね、リナリー…そういう冗談は…」
「冗談じゃないの!兄さんにしてほしいの…兄さんじゃなきゃイヤなの…だから、ここに来たの」
「あのね、リナリー?兄妹でそういうことしちゃいけないんだよ?」
「だってさっき、歪んでるっていったもの」
「それは教団であって、ボクじゃなくて…」
「じゃあ、もう誰も信じないっ!」
もう、半泣きと、完全に泣きわめく中間の私を前に、兄さんは困ったように頭をかいた。
「リナリー、いくらなんでも、それはできないよ…ね?わかって?」
「………」
完全に説得に入った兄さんを見て…私の中で、何かがふっ飛んだ。
「見て」
「え?」
私は、上半身の服を完全に脱いだ。
寝巻きだから、下着はつけてなかった。
そして、自分の胸の先を…自分でいじり出した。
「リリリナナナリリリー?」
「ん…はァ、ん…ん…ん、ん…ん……」
「ナナナリリリナナナー?」
「お、大きく…なッ、た……?」
「なに、が…」
返事を聞く前に、私は兄さんのズボンの前を開けて…
「はむっ!」
「おうッ!?」
「お、大きく…なった……!なってる……!」
「い、いや、それはね?人体のメカニズムというやつでね?」
「う…はむ…ちゅ…ちゅく…ん、む…んん…ちゅぱ、れろ…ちゅ、ちゅっ…」
「リ、リナリー!?どこでそんなこと覚えたんだいっ!?」
「ん…ぷはァ…う…こ、小耳に、挟んだの…だから、見様見真似だけど…ごめんなさい……」
「い、いや、謝るところじゃなくてさ…」
「ふぁんばる…わらし、ふぁんふぁるふぁら…あむ…ちゅぱ、ちゅぱッ…ちゅく、ちゅっ、ちゅ…ちゅるっ」
「………」
「あうう…ん…れろれろ…ちゅうッ…ちゅ、ちゅう…れろれろ…ぷはッ…ん…ちゅうぅ…ちゅぱ…」
「リナリー…もう、いいんだ」
「んっ!んんんんんっ!」
必死で首を横に振る私を、兄さんは軽く頭をなでて…
「わかった。ボクはリナリーに…ボクの証を刻むよ」
「え…?」
「間違ってるかも知れないけど…いや、単純に、今の状況に興奮してるだけかもしれない」
そのすぐあと。私はすごい速さでひっくり返された。
「あれ…?」
「でもね、リナリー。ボクは残念ながら、ホントに歪んでるんだ」
「………あ………!」
「いい?もう止められないよ?」
「…あ!ああッ!あ…!きゃうゥ!!」
兄さんは「そこ」に口をつけると…
私のそれまで知らなかった感覚を…「そこ」から、舌で私に教えてくれた。
「ひゃうッ!あ!あ…!はうぅ、は、恥ずかしい…はうう、はァッ、あう、はァ……!」
「恥ずかしい?さっき、自分でもっと恥ずかしいことしてたじゃないか」
「そ、そうだけど…あァッ!くァう…あ、ひゃあんッ!や、やッ、やァ、ダメッ!!」
「あ、あっ、あ〜ッ!はぁ…ダメェ…ひゃうんッ!そ、それ、ヤダ、ヤダァ…!」
「あァあ…ふゥァッ!あ、きゃう…あンッ!きゃ、ぃやァ…ひゃんッ!やんッ!あんッ!!」
「もうビチョビチョになったかな…じゃあいくよ、リナリー?」
「ま、待って、ちょっとだけ、待っ…」
ズ…
「いたァ!」
グ…ズッ、グググ……
「に、ぃ、さぁ………ん………いたぁ、い、よォ……に、い、さ………」
「リナリー…まだ、先すら入ってないんだよ…力を脱いて…」
「えっぐ…ま、まだ、先…ぃ…?あ、あ、ァ……ん……い、た…い、よ、ォ……」
メリ…メリメリ……ズ……ズ、ズ……ズズ……ギギ……
「も…ダメ…ムリよ……兄さ、ぁ……ん……わ、た、し……」
「リナリー、先が挿入ったから、後は力を脱いて…一気に奥までいくから…」
「は、い……す、ご、く、痛い…だよ、痛いからァ…に、い、さ、ん……」
ズググググッ!グンッ!
「ッッッッッッああああああああああッッッッッッッッッ!!!!!!!」
「…ッ!リ、ナリー…挿入った、よ……」
「ホン、ト……?」
「ああ…これで、一つになったよ……」
「ありがとう、うれしい…うれしいよォ…すごく、痛かったけど……」
「うん…痛いだろうね…よくがんばった…よくがんばったよ、リナリー……」
「はい…で、でも、兄さん……」
「ん…?なんだい…?」
「私が聞いたのと違う…これって…うん…する…穴…でしょ…?明日、うん…するとき、痛そう……」
「だから、歪んでるって言ったじゃない。いつか、本当の恋人にちゃんとしてもらいなさい?」
私が真実を知るのは、それから2年後だった。
……………。
………あれから…んっ、何年たったのかなあ…あッ、ん…懐かしいなあ…あんっ
「………」
あれから毎日眠れるようになって…
だから、寝るときにあの時のことを思い出すと…あッ、どうしても、一人でしちゃう…
「………」
「あ…あ、あ…!んッ、はァ、あ…ッ!ダメ、もうイッちゃ、イッちゃう……!」
「………」
「ああ、あ、は…あンッ!もうダメ、ホントに、ホントにイク…!おしりと、前で、リナリーイっちゃ……!!!」
「ううううるせェェェェェェェェェェェッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!」
「…………………………神田」
「何でオメーは、人がメシを食ってる後ろ後ろでワケのわからねェ行為をしてやがんだァァァァァッッッ!!!」
「ヤダ、ずっと見てたの…!?なんでこんなトコにいるのよ…!」
「お前がメシ食ってる俺の後ろに来て、ワケわからねェことぶつぶつ言い始めて、奇行を始めたんだろォがッ!」
「だって、昼間の食堂に誰かいるなんて思わないじゃない!」
「食堂は昼間来るところだこのボケナスーーーーーーッッッ!!!!!」
「まっ昼間からこんなことするなんて誰も思わないでしょ!?死角をついたのよ!」
「テメェの部屋でやれ!テメェの部屋でッッッ!!!!」
「部屋が汚れたら誰が掃除するのよ!!」
「お前だーーーーーーーッッッッ!!!っていうか、いつも食堂でやってんのかお前ェェェ!!!!」
「あいた、パンツが足にひっかかって、転ぶところだった。危ない危ない」
「はけェーーーーーーッッ!!パンツをーーーーーーーーッッッ!!人としてーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!」
OK! Let yourself go! ……Happy?