目の前の酒の匂いを漂わせた青年と  
両腕にのしかかる重量が何を意味するのかを少女が理解するのにはまだ多少の時間を要するだろう。  
 
わざわざ寝起きを起こしたのだから、正しい判断を期待した訳ではない。  
完全な覚醒の前にいただいてしまおうという単純な計画だった。  
 
「ら…びぃ…?」  
名前を呼ばれながらも  
彼女の服を脱がしていく。  
月夜に照らされた白い肌が何ともなまめかしい。  
 
「え…や…、ちょ、ラビ!」  
衣一つ纏わない胸がひんやりとした外気に触れた事で、ようやく自分の身に何がおこっているのか気がついたのだろう。  
 
身をよじって抵抗するたびに  
長い髪が揺らめいて、スラリと肌を撫でていく。  
「優しくするから大人しくいうこと聞くさぁ」  
もちろん優しくなんてするつもりなんてないのだが、ここは邪魔な抵抗を柔げるため。  
青年を咎め非難する何か言い出す寸前で、その唇を塞ぎ、舌を差し込む。  
「ん…!ふぁ…」  
 
逃げる舌を搦め捕り、軽く吸ってみる。  
右手で柔かな膨らみを揉みつつ左手で頭を撫でた。  
優しく頭を撫でてやると、何故か抵抗せずに諦めて体を委ねてくれる事は経験上解っていた。本能的な危険回避装置が解除されるようになるのか、安心するらしい。  
「ん…はぁっ」  
潤んだ目で見るな。  
「…ねぇ、言ってくれれば起きて待ってたのに」  
上気して赤く染まった頬が可愛くて、愛しくて、そうすれば良かったかもしれないと思った。  
 
「でも寝込みを襲うのも普段と違って燃えるさぁ」  
「もうっ…」  
ぷすっと頬を膨らましているすきに胸の尖端を口に含む。  
途端にびくっと肩が震えて頭を軽く抱きかかえられた。  
「ふぁっ…ん!」  
なんというか、柔らかい。すごく。ベタな表現だけれど本当にマシュマロみたいに  
どこもかしこも柔らかくて、ずっと触れていたくなるから大変だ。  
「ら…び、もっとぉっ…」  
なんと可愛い事を…  
では遠慮なく。  
「今日はリナリーやけに積極的さね」  
「最近忙しくて相手してくれなかったじゃない」  
「それで溜まってるんさね」  
そう言うと恥ずかしそうに目を逸らされた。  
「べ、別にそういう訳でも…」  
薄ピンクの尖端を舌で転がしながら、真っ白な背中を触れるか触れないかくらいの加減でつぅっと撫でた。  
「ひぁっ!んぁっあ…ん!」  
弱いとこは全部知ってるんだから俺に任せとけばいい。  
 
下に手を伸ばせばそこはもう大洪水で、それこそ大変なことになっていた。  
ぷくっと腫れた小さな突起を指で小突いてやれば、更に太腿を透明の粘液が伝っていく。  
それは濡れすぎではないかと思うほどに。  
次第に息が荒くなっていく彼女はもう理性が飛んだだろうか。「んぁっあ…!ラビぃ…!」  
そろそろ限界か。  
細く括れた腰を掴んで、彼女のそこに熱くなった自身を突き立てた。  
「はぁん…っ!ふぁあっ」  
 
温かい。  
やばいほどに。  
柔らかい肉壁が纏わりついて、突く度に締め付けてくる。  
 
「リナリー、ごめん、優しくできそうにないさぁ」  
「いいよぉ…もっと、きてぇっ」  
小さな頭を挟みこむようにして手をつき、激しく腰を打ち付けた。  
「あっぁ…!ふあっ…んっ!」  
しばらく動いている間に調度いい所に当たったらしい。締め付けがいっそう強くなり、彼女の目には生理的な涙が滲む。  
ポイントを外さないように、そして思いきり突き上げた。  
「ひぁ…んあぁぁっ!!」  
一瞬びくっと体を震わせて、白い喉をのけ反らせた。  
そして同時に白い欲を中に、奥に注ぐ。  
濡れすぎた粘膜の音がやけに官能的だった。  
 
そしてふと気が付く。  
このまま俺達は世界の為に戦うのだろうか。  
いつか彼女を失ってしまうのではないか。  
いつ大事な人を亡くすかわからない戦争を第三者の視点から記録するだけの自分の存在意義が危うくなってきたことが何より怖かった。  
俺は、誰。ブックマン後継者としては失格だな、と思う。  
だが、それでもいい。  
それで彼女を愛せるのなら。  
 
 
 
 

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