それは夜、暗闇の部屋の中でフェリスは一人考え事をしていた。
「私は…ライナのことが………好きなのか…?」
誰もいない部屋の中でぽつりとそう呟く。
貧血を起こしたあの日、少しだけ記憶がある。
だんごを食べ終わり何をしようか考えていたら変な奴が通った。
追い掛けようとしたら呼び止められた。
顔はよく思い出せないがライナと雰囲気が似ていたが違う奴だった。
しかもそいつは急に、
『……君は……ライナのことが、好きなのかい?』
なんてことを聞いてきて、『あははは。好きなんだ』私は違うと否定したのに、『違わないよ。だって、そんな顔を赤くされたら、バレバレだよ?』
そう言われ私はうろたえて、
『ライナのことが、君は好きなんだ?』
私がやめろと言ってもやめないからそいつに向かっていった。
だが、あっさりとやられて、そしてライナを殺したと告げられる。
その言葉を聞いた途端、
頭が真っ白になって、悲しくなって、冷静が保てなくて、私は涙を流してしまった。
殺した張本人を殺そうとして腹を殴られ気絶した。
その後ライナは結局生きていたがこのことは話さなかった。
最近私は変だ。
感情を抑えることが出来なくなっている。
ライナと出会う前はこんなことはなかったのに。
なぜなんだろう。
ライナのことを考えると胸が苦しくなって体が熱くなってくる。
それになぜだか股間が疼く。
私はその疼きを鎮める方法を知っている。
前にも何度かなったことがあるからだ。
そして股間に手を延ばす。「…んっ」
小さく声をあげる。
もう少し手の動きを激しくする。
そしてライナの顔がぼんやりと浮かんでくる。
「…ライ……ナっ」
さらに手の動きを激しくする。
「あぁぁぁっ!!!」
そしてフェリスは果てた。ぼんやりとした頭の中で再びライナのことを考える。また疼いてくる。
ライナのことを考えると、切なくて、苦しくて、
「ライナぁ…」
ライナに触れていたい、ライナに触れてほしい、だがその思いは届かなくて、
「…ライナっ………ライ…ナ……ライナぁぁぁ」
フェリスは二回目の絶頂を迎えた。
そして深い眠りへと堕ちていった。
目が覚める。
とてもいい天気だった。
まさに絶好のだんご日和というやつだろう。
「ふむ、いい天気だな。
きっと今日のだんごもうまいだろう」
そして彼女はいつもの宿屋を出ていき日課の団子屋巡りへと向かっていった。
〜END〜