「……貴方は、何が目的ですか?」
闇に隠れて自身の仕事を終えた甲冑の人物に、黒衣の火防女が声をかける。 顔の半分を蝋のような物で潰され、足を引きずりながら歩みを進めていく。
驚いた。全く気配を感じる事が出来たなかったのだから。
暗殺業をして長いが、まさか素人風情に悟られるとは……自分の未熟さに苛立ち、兜越しに女を睨む。
女の歩みは止まらない、血糊で汚れた愛刀を死体の衣服で拭き取り一閃した。
刹那に崩れ落ちるそれを一瞥し、その場を立ち去ろうとする。が、肉塊のはずのそれは動き出す。
「私は、死なない身体です。そのような行為は無駄ですので、どうぞ剣を納めください」
よろよろとふらつきながら立ち上がり、見えぬ両目でこちらを見据えていた。
「……ほう、火防女が不死とは。要人も酷いものだ」
「ええ、私は拡散した世界を繋ぎ止める役目。故に死は無縁であります」
黒い布を巻きつけ、簡素な装飾を身につける姿はさながら死神。ユルト自身よりもそれらしい。
「ふん、ならば貴公の好きにすれば良い。
デモンズスレイヤーはどのように判断するか、楽しみではあるな」
火防女が何か話しかけようと口を開いたが、それよりも早くショーテルが彼女を切り裂いた。
火防女が意識を取り戻した時には、身動きがとれなかった。両手両足は杖に拘束され、推測ではあるが固定に使われた紐は自身の身につけていた布であろうか?
大胆に脚を開かされ、肌はひんやりと風を感じる。恥ずかしい格好に赤面するのが嫌でもわかっしまう。
「……なかなか良い眺めだな。不死身のデーモンといえども所詮は女か。いや、我々人間と同じか」
「こ、これを、外してください。……い、痛っ」
突然乳房を握りしめられ苦悶の表情を浮かべる。快楽などなく、ひたすらに痛い。蝋で潰された両目からじわりと涙が溢れ出す。
「痛いのも人間同様か。ならばこれはどうだ?」
手が離れ、露わになった肌に液体が注がれる。冷たさに身じろぎするが、次の瞬間には灼熱のような熱さが身体を包む。
「ひぃっ!いやぁ、あ、熱いぃ」
「媚薬にも反応するか。なかなか面白いものだ」
こもった笑いを浮かべ、冷酷に見下ろす。
火防女は身動きのとれない身体をくねらせ、何かに抵抗していた。
先ほどの液体とは異なる体液が溢れ、肌には大量の汗が浮かんでいる。時折押し殺した声が漏れ、苦悶の表情を浮かべていた。
「大した精神力だ。とっくに狂ってもおかしくない」
「ぁ、うぅ……」
地面に転がり虚ろな瞳をした女の髪を引っ張り、口を開かせる。さして抵抗することなく……いや、だらしなくあいた腔内を指で蹂躙し、ユルトは自身の下半身を突き入れた。
時折大きく身体は跳ね、苦しそうに呼吸をするが、ユルトはお構いなしに喉奥までそれを擦り付ける。
柔らかい肉に温かく包まれ、えづく度に締め付る……それが心地良く甘美だ。
顔を掴んだままがくがくと揺さぶり、久しぶりの快楽に酔いしれたが終わりが近い。こみあがる放出感を堪える事なく腔内に吐き出した。
「うぐっ! ぅぅ……けほっ、けほっ」
気管に入ったのか、激しくむせて白濁液を吐き出す。ぐったりと横たわり、荒い呼吸を何度も繰り返したがそれでは終わらない。
開かれた足の付け根には物欲しげにひくつき、止めどなく蜜を零した孔があった。少し上にある肉芽は充血し、ピンと尖っている。
無造作にぬかるみに指を何本も挿入するとすんなりと奥までくわえ込む。
「ぁあああ!」
突然の絶頂に火防女は喉が張り裂けんばかりに声を上げる。身体は痙攣し、拘束してなければ暴れていたかもしれない。
指を引きちぎるぐらいの収縮、指の隙間からごぷりと溢れる体液。並みの女であれば気をやったであろう。
古のデーモンを宿す火防女は死なない……死ねないのだ。この地獄のような快楽も気絶出来ずにただ、受け止めるしかない。
「はぁ、はぁ……」
気が遠くなるような絶頂を数え切れないほど受け、弛緩し床に転がる。肌をひと撫でする度に上り詰めてしまう。
乱暴に転がされ、顔が冷たい床に押し付けられる。ああ、その時が来たようだ。早く、早く欲しい。
待ちきれなく身体を揺すり、呻き声を漏らす。もはや喉は枯れ、言葉を上手く紡げない。
「くくく、ようやく堕ちたか。まだ時間はある。そう焦らずとも全て犯してやる」
固く怒張した肉塊をなすりつけ、粘膜同士の音がいやらしくあたりに響く。くちゅりと湿った音をたてて、一気に最奥まで貫いた。
「っ!!」
声なき叫びが喉を震わせた。
歓喜の悲鳴は聞こえずとも、胎内は侵入者を歓迎し飲み込むように迎え入れる。火防女の意識とは関係なく膣は収縮を繰り返し、内壁がざわざわと蠢く。
連続で達して続け、口から零れた唾液が床を汚す。もはや知性の欠片もない、ただ恍惚の表情を浮かべ白痴のそれだ。
「んー!ああっ、あっ、ああ!」
「それでいい。もっと堕ちろ。貴公にはお似合いだ」
尻たぶを掴み、乱暴にピストンを繰り返す。結合部分からは止めどなく蜜が零れ、太ももを伝う。
水音と肌がぶつかる音があたりに響き、止むことはなかった。