「黙っていてすみません・・・」  
ボーレタリアで初めてできた友達は、初めて見せた素顔を伏せて縮こまっていた。  
「えっと、その、あー」  
その様子に何を言えばいいのかわからず、俺は明後日の方向を向く。  
俺はいつもの暗銀装備一式で、正面のオストラヴァは上下肌着一枚で向かい合って正座している。  
はたから見たらさぞ滑稽だろう。  
俺は突然の告白、いや激白に、脳みそがついてきてなかった。  
だってそんな、友達だと思ってた奴が突然。  
「私、実は女なんです」  
なんて言って脱ぎだしたらそりゃビビるだろ、俺じゃなくても。  
いや、正確には鎧を脱いでから「私は己を男と偽っていましたが、本当は、女なのです」なんだけど大体あってるからいいだろう。  
どうして男のフリしてるのか、とか、どうして俺に打ち明けたのか、とか色々疑問が浮かぶが、今にも泣きそうにふるふるしてる女の子にかける言葉は浮かんできてくれない。  
信じもしない神様に祈りたくなるってもんだ。  
しかしずっと黙っているわけにはいかない、俺は意を決して口を開いた。  
「と、とりあえず、服着ようか」  
戦いに明け暮れる日々に、女性の生肌は刺激が強過ぎる。  
たとえそれが男だと思ってた友達の物でもだ。  
俯いてるせいでちらちら見える胸元が(ちっぱいとはいえ)大変けしからん。  
「服は、ありません。鎧しか・・・」  
肌着の上から鎧着てたんかオストラヴァ。  
というか、そんな細っこい体で男用フリューテッド着てたんか。  
いや、脱ぐとこ見てたけど放心してて鎧オン肌着なことに気付かなかったのよ、ほんと、突然のストリップを舐める様に見てたから失念してたわけじゃないのよ。  
色々ツッコミたいことはあるが、場が和んだところで理由を問い質しておこうか。  
 
「何で男のフリしてたんだ」  
まずは最初の疑問。  
女でも俺より強い奴なんてたくさん見てきた。  
ブラムド片手でぶん回す女に(どことは言わないが)叩き潰されたこともあるし、今の装備の原因になった走り嵐(ダメ!絶対!)連発女に瞬殺されたこともある。  
戦場で女だからとて侮られる様なこともなかろうに。  
「父は跡継ぎに男子を望んでいたのですが、恵まれず・・・。私を男として育てることにしたのです」  
なるほどね、よくある話だね、テンプレートだね。  
初っ端から気付いてたけどオストラヴァはここボーレタリアの王子様だ。  
今は王子様改めお姫様。  
この国は古い慣習にとらわれてるようだし、ラトリアとは違い女君主は認められないのだろう。  
「それで、そんな大変な秘密をなんで俺に打ち明けたんだ」  
重要なのはそこだ。  
王子様が実はお姫様でしたなんて下々の者が知ったらお家騒動になる。  
確かに今のこの国は大混乱だしこのまま滅んでもおかしくないとはいえ、この真面目で素直な友人のことだ、自分が復興させなきゃと考えてることだろう。  
なら何故部外者である俺に秘密をあかしたのか不思議でならない。  
「君は何度も私を救ってくれました。しかし私は、充分にお礼をできていません。もう、差し上げられる物もなくなってしまいましたし」  
いや、遠眼鏡とか草とか石とか鍵とかくれたじゃないか。  
今回鍵はまだだけどまあいい。  
俺的にはあれで充分なんだが、オストラヴァはそれじゃ気が済まないらしい。  
「その、私の貧相な体しか、無くて・・・」  
その台詞はユーリアたんの真似ですか。  
俯いて隠してるつもりらしいけど耳まで真っ赤になってますよお姫様。  
つまり、体でお返ししてくれるんですねわかりま  
「ってわかるかああああ!!」  
突然の大声にびっくりするオストラヴァを無視して俺は続けた。  
「確かに最近ストレス発散に色んなとこに黒ファンとして出没してる、けどほとんど返り討ちだし、メフィストフェレスを私怨でぶっころころしたいんでここんとこソウル傾向も黒寄りだがね、そこまで堕ちたつもりはないわああああ!!」  
そんな義務感的なもので抱かれようなんて、俺はお断りだ、言語道断、断じて許さん。  
だってだよ?元々やんごとなき身分な上に男として生きてきたんだよ?  
それってつまりお初です、バージンですって言ってるようなもんだろ?  
そんな大事なものを助けてくれたからお礼に、だなんてそれはダメだろう!  
「もっと自分大事にしろよ!安売りすんなよ!!」  
驚くオストラヴァの肩をがっしり掴んで泣きながら揺さぶる。  
だってこんな、悲劇みたいな世界で出来た大事な友達なんだ。  
何度も助け損ねたり、ある時は泣く泣くこの手で息の根を止めたりしてたけど、やっぱり助けずにはいられない友達なんだ。  
というか、俺をそんな男だと思ってたのか?  
そうだと思うと悔しくて、そんな風に考えさせてしまったことが悲しくて、涙が止まらなかった。  
「すみません!どうか、泣かないで下さい」  
驚きにかたまっていたオストラヴァがようやく正気を取り戻した。  
「君がとても優しい人だというのは知っています。こんな事望まないだろうことも。でも、私は・・・ぃ」  
最後の方はまた俯いてしまって尻窄みになって聞こえなかった。  
でも、なんだかものすごく大事な事を言った気がして、思わず聞き直す。  
「私は、なんだ?」  
すると俯いてるけど見える耳が、大丈夫なのかと思うくらい赤くなった。  
「私は、君に抱かれたい」  
その言葉を頭が理解するまで数秒かかり。  
理解した途端目の前が真っ白になった。  
 
 
side:A  
 
いつから、なのでしょうか。  
出会った時、いえ、出会う前から。  
初めてなのに、初めてではないような、不思議な感覚。  
兵士達の包囲から助け出してくれた、一人で進もうとすると先行して庇ってくれた。  
道を阻む飛竜を屠り、熟練騎士だった三人を相手取っても怯まない。  
とても強い人だと思う。  
そして、とても優しい人だとも。  
だから、好きになってしまったのでしょう。  
男として育てられてきたとはいえ、私は結局女なのだから。  
楔の神殿で私に話しかけてくれる度に嬉しくて胸が高鳴った。  
火防女さんやユーリアさんと楽しそうに話しているのを見ると胸が苦しかった。  
友達として大事にされているのはわかっている、けど、それだけでは満足できなくなった。  
本当の私を見て欲しい、本当の名を呼んで欲しい。  
日に日にその思いは強くなり、明日、父王オーラントを打倒しに行くと聞いて、居ても立ってもいられなくなってしまった。  
だって明日には、私はーーー。  
 
side:A out  
 
「だ、大丈夫ですか?」  
随分長いこと放心していたのか心配そうに聞いてきた声ではっと意識を取り戻した。  
取り戻して、さっきのやりとりを思い出す。  
つまり、こいつは。  
「お前、俺の事が好きなのか」  
言うと、オストラヴァの顔が再び耳まで真っ赤になった。  
あんまり何度も赤くなってたら血管切れるんじゃないかと思う。  
「そう、なのか」  
確認の意味を込めて問い直すと、赤い顔のまま下を向いた。  
頷いた、と思っていいんだろうか。  
「そうだったのか」  
正直どうすればいいのかわからない。  
基本脳筋の俺である。  
そりゃ恋愛したことはあるし、この歳で童貞なはずも断じてないし、禁欲生活のソウル体人生でかぼたんやユーリアたんにムラムラすることはしょっちゅうある。  
ただ、こういうのははじめてだ。  
友達だと思ってた奴が実は自分の事が好きだった、なんてのは。  
無い頭がフル回転してオーバーヒート寸前だ。  
だから、もういい。  
考えるのはやめだ。  
目の前には俯いて表情の伺えない友達、薄い肌着でふるふると震える女の子。  
俺の事が好きだと、言ってくれている女の子。  
では、俺は今何を感じている?  
オストラヴァは大事な友達。  
それが、俺の事が好きな女の子だった。  
それがわかって、俺は何を感じている?  
嬉しい。  
そう、嬉しいんだ。  
俺は、この女の子が俺の事を好きだと知って、嬉しいんだ。  
男だと思ってた、それがどうした。  
バカで戦うことしか能が無くてでも対人勝率25%未満な弱っちくて未熟な俺を、好きだと言ってくれる女の子が居てくれたんだ。  
こんな状況、男として嬉しくないなんて嘘だ。  
だから、俺は決意した。  
「オストラヴァ」  
名前を呼ぶと、びくりとか細い肩を震わせる。  
産まれたての仔鹿のように震えるその肩にそっと手を置く。  
見た目以上に頼りない肩、こんなのが俺に必死でついてきて、戦っていたなんて。  
「自分の気持ちを確かめたい。抱き締めてもいいか?」  
込み上げるこの気持ちが、愛しさなのかただの保護欲なのか。  
抱き締めると分かる気がするから。  
「あの、その前に」  
オストラヴァは俯いていた顔を上げ、不安そうにこちらを覗き込んだ。  
「鎧が、痛そうなので」  
そうだ、俺今暗銀フル装備だった。  
 
「では改めて。抱き締めてもいいか?」  
お互い肌着一枚で向かい合う。  
オストラヴァは少し恥ずかしそうに、でもどこか嬉しそうにこちらを見上げる。  
フリューテッドで結構身長誤魔化していたのか、女とわかって俺の目にフィルターがかかったのか、その両方なのか通常比30%程低い。  
「はい」  
返事を待って、一歩前に出る。  
何故だかものすごく緊張していた。  
こんなに緊張したのはカンスト最黒でオーラントとタイマンして後一撃まで持ち込んだあの時以来か。  
緊張で強張る手を両肩に置き、最終確認を。  
「く、苦しかったり嫌だったりしたらちゃんと言えよ?」  
「大丈夫です。嫌でもありませんし苦しくても平気です」  
ほんのり笑顔でそう返されてしまったら後はもう抱き締めるだけだ。  
俺はそっと体を引き寄せて、そして一思いに抱き締めた。  
胸元でぐぅ、と呻き声が聞こえた気がするが大丈夫だと言っていたので一先ず置いとく。  
さて、俺は今どう感じている?  
うん、柔らかくてすごく気持ちいい。  
いや、それはそうだが違う違う。  
「どう、でしょうか」  
くぐもった声で聞いてくるオストラヴァに答えるべく、俺は思った事を口にした。  
「まだよくわからん。キスしてもいいか?」  
おいおい俺はアホか。  
思ったことストレートに言い過ぎだ。  
昔から考えるより先に手が出ていたが口の方も脳より素早いらしい。  
ほら、腕の中のオストラヴァがかたまったてるじゃないか。  
「い、いいです、よ。キス、してください」  
かっちこちにかたまったままぎこちなく答える声はやっぱり硬い。  
きっとファーストキスだと思うし怖いのだろうか。  
あ、やべ、そう考えると恥ずかしくなってきた。  
しかし。  
「しないんですか?」  
恐々腕の中からこちらを伺う、少し潤んだ上目遣いに撃沈した。  
腕を緩めて少し体を離すと、その薄幸そうな唇を奪った。  
や、柔らかい・・・!  
何度も言うが童貞ではないぞ。  
単に女の子とキスするなんてものすごく久しぶりなだけだ。  
オストラヴァも緊張しているのか、ぎゅっと目を瞑って体を硬くしている。  
緊張を解してやろうと背中をさすり、頭を撫でてやると擽ったそうに身をよじった。  
少し緩んだ唇に、すかさず舌を差し込む。  
突然の刺激にびくりと体が慄いたが、怖れていた舌を噛まれるという事態には至らなかった。  
早速縮こまっていた舌を絡めとり、軽く吸うように刺激する。  
「んっんっ!」  
はじめての経験に焦ったように抵抗するが、背中を撫でてなだめる。  
そうこうしてるうちに、久方ぶりの刺激にご無沙汰だった俺の下半身が反応を示しはじめた。  
まずいぞ、まだ自分の気持ちもちゃんとわかってないのに押し倒すのはまずい。  
あれ、というか既にディープキスがまずい?  
内心慌てて、表面上は余裕を持って唇を離す。  
刺激が無くなって潤んだ瞳で見上げるオストラヴァの表情、唾液が唇を濡らして激しくエロい。  
冬の湖のように澄んだブルーの瞳に、月の光を取り込んだような金色の髪、同じ色の睫毛が涙に濡れて光っていた。  
ああ、王族ってみんなこんなに美人なのかなぁ。  
「すまん、大丈夫か?はじめてだったんだろう?」  
下半身の状態がバレないように少しだけ前屈みになる。  
はじめてのディープキスに軽く放心しているのか、焦点が合ってない。  
「大丈夫か?オストラヴァ、おい」  
何度か揺さぶってやると、ようやく視線がかち合った。  
「名前」  
「え?」  
正気に戻ったオストラヴァは、肩に置いた俺の手に自分の手を重ねると、まるで花が開いたかの様な笑顔を見せた。  
「私の名前、アリオナと言います」  
アリオナ、それが彼女の名前。  
本当の名前で呼んで欲しい、そう言って今度は自分から口付けてきたのだった。  
 
俺は確信した。  
俺は彼女を、アリオナを愛してる。  
だから嬉しかった、好きだと言ってくれて嬉しかったのだ。  
そうなると後は男女の仲だ、行き着く先は一つだけ。  
二人で繋がって気持ち良くなるのだ。  
アリオナを冷たい床の上に寝かせるわけにはいかないので、胡座をかいた自分の膝の上に向かい合うようにのせて体中を愛撫する。  
もちろん、二人とも既に下着すら纏っていない。  
「くすぐったいですよ」  
そうやって目の前で笑う彼女は、微弱な快感に上気した肌をすり寄せた。  
かわいい、愛しい、もっと愛したい。  
込み上げる気持ちのままに俺は手を舌を這わせる。  
貧相な体、と自分で言っていたが確かに貧相だ。  
貧乳だし骨自体が細いのか抱き締めると折れそう。  
けれどしっかりとした弾力を持った小さいが形のいい乳房と、脂肪と筋肉のバランスがとれた体は手にも滑らかで美しい。  
貧乳貧乳言ってるが、俺は別に胸で女性を判断しないから気にしてない、断じて。  
なのでこの美乳は良い美乳である。  
形さえ良ければいいのだ!  
「でもこれでは君の望みは叶えられませんよね」  
突然の言葉にぎくりとする。  
見るとアリオナは自分の胸を寂しそうに揉んでいた。  
その光景は大変目に美味しいが、俺の心を読んだかのような発言に冷や汗をかいた。  
この前谷3をクリアした後アストラエアの巨乳でパイズリして欲しい、と洩らしたのを覚えているのか!  
というか男だと思って色々下ネタ連発していたが軽蔑されてなかったのが凄い。  
俺は慌ててフォローできる言葉を探す。  
「大丈夫だ、胸は好きな人に揉んでもらうとデカくなるらしいぞ。これから毎日揉んでやる」  
ちょっと待て、これはフォローになってない。  
ただのエロ親父じゃないか。  
我ながらアホだアホ過ぎる。  
しかしアリオナの反応は、と伺ってみると。  
「では、私でも君を気持ちよくできるのですね!」  
ぱぁっと目を輝かせている。  
いや、穴さえあれば気持ち良くなれますよ、と下世話なコメントは絶対口には出さない、さすがに。  
そして世の中には肋骨ズリといって貧乳というか幼児乳でも楽しめるものがあるのだが、俺はそっちの気はないので投げておく。  
前々から思ってたが純粋培養だったんだなぁ、としみじみ感じながら早速美乳の弾力を楽しむ。  
「ん、ぁっ」  
優しく揉みしだき、たまに先端を掠めるともどかしい刺激に焦れたのか自分から胸を擦り付けてきた。  
可愛く鼻に抜ける声も若干艶が混じってきている。  
気を良くして、ピンク色の小さな乳頭を舌で撫ぜた。  
「ひゃ!」  
途端驚いて飛び上がる身体を腰をがっちり両手で固定することで押さえ込む。  
そして今度は口に含み軽く吸い付いた。  
「あぅ!や、そん、あっ!」  
片方の先端は指でこね回し、もう片方は舌で転がす。  
刺激が強すぎるのか、俺の頭をぎゅうぎゅうと抱き締めて身体をはねさせる。  
イヤイヤと頭を振るが開放してやらない。  
胸を左手と口で愛撫しながら、右手は身体のラインをなぞりながら腰から下腹へと下ろす。  
その行き先に気付いたのか、胸への刺激に意識を集中していたアリオナがはっと息を呑むのがわかった。  
「大丈夫」  
不安そうに見下ろしてくる目からこぼれる涙を舐めとって、頭を撫でてやる。  
それでもやっぱり怖いのか、さっきより若干硬くなった身体を撫でながら、右手は目的の場所へと触れる。  
金色の茂みを指で掻き分けると、そこはもうねっとりとした愛液で湿っていた。  
「もう少し濡らさないとな」  
強張った身体を宥めるように左手で撫でながら、右手は探るように割れ目をなぞる。  
 
「ぁん!え?」  
尿道のすぐ上辺りにある出っ張りを爪で引っ掻くように擦ると、びくんと身体がはねた。  
「ここ、気持ち良くなるけど怖くないから。不安だったら俺にしがみつけ」  
突然の強烈な刺激に戸惑っているアリオナに優しく声をかける。  
さっきよりも溢れ出てきた愛液を中指に絡めると、出っ張り、陰核を押しつぶす様に愛撫した。  
「あぅ!あっやだ!だめ、ですっんぅ!あああ!」  
はじめての感覚に何度も腰をはねさせ、その度に愛液が溢れ出る。  
開発前の陰核でこれ程感じるとは、感じやすい体だなぁ。  
しばらくそうやって押しつぶしたり指先で引っ掻いたりして反応を楽しんだ。  
「も、んぁ!やですぅ、くぅん!やめ、てくださぁっん!ひ、ぁあああ!」  
ああ、涙声が。  
嬌声がかわいくてついついやり過ぎたようだ。  
手を止めると苦しいくらいしがみついていた腕が緩み、荒い息を吐く。  
軽くイったのか、体が小刻みに震えている。  
再び割れ目をなぞると、愛液がべっとりと手に流れた。  
茂みが受け止めきれなかった分が、太ももに伝っててらてらと光る。  
「私、おかしく、なりそう、です」  
中々息が整わないのか、切れ切れに発せられる声が愛しい。  
「おかしくなるから、俺に抱かれるのは嫌か?」  
その様が嗜虐心を煽り、少し意地悪な質問をした。  
途端慌てて首を振って否定してくる。  
「嫌じゃないです!よくわからないだけで、嫌じゃないです!」  
そんな健気な様子も愛しくて、顔を引き寄せて口付けた。  
今度はちゃんと自分から唇を開き、舌を誘ってくる。  
これは淫婦の素質があるんじゃないかと、少し不安だな。  
俺にだけ、こんな姿を見せればいい。  
そう、俺にだけ。  
充分に濡れたので、今度は指で慣らしていかなければ。  
なんといっても処女だ、かなり狭いのは覚悟しなければならない。  
「痛くても平気ですから、挿れてもいいんですよ?」  
不安そうな顔でなんてことを抜かすが、こいつはわかっちゃいない。  
俺の息子は誰が見ても自慢出来るくらいの大きさはあると自負している。  
ちなみにアリオナの歳を確認したところ、16だそうだ。  
16歳のハジメテでこの俺と言うのは正直可哀想だと思う。  
自画自賛じゃない、本当にデカいんだ。  
そして小柄なアリオナは中も極めて狭いことが予想される。  
本当ならもう少し彼女が大きくなってからの方がいいのだろうが、それは叶わない。  
何より今正に俺の息子がツライ。  
なので、まずは丹念にほぐすことからはじめよう。  
「体を楽に、力を抜くんだ。指挿れるぞ」  
優しく声をかけると、中指をゆっくりと挿入していく。  
「ふぅ・・・っくは」  
大きく息を吐き、精一杯力を抜いてくれてることはわかるが、やはり想像以上にキツい。  
なんとか慎重に、中を傷つけない様に指を進める。  
第一関節、第二関節と時間をかけてじっくりと挿入していき、中指が全て埋まる頃には身体にじっとりと汗をかいていた。  
「痛いか?」  
「いえ、変な感じは、しますが」  
幸い、相当濡らしたお陰か傷はついていないようだ。  
まず第一関門は突破した。  
「よし、ゆっくり抜き差しするぞ。力抜いてろよ」  
こくり、と頷くのを確認して、今度は慎重に指を抜く。  
できれば処女膜は俺の息子で破りたい。  
傷つけないよう、ゆっくりと中指を抜いた。  
 
「はぅ」  
抜ける瞬間、小さく声が聞こえた。  
見上げてみると、頬に赤みが戻っている。  
もしかして、もう中で感じているのか?  
「なあ、指を抜く時気持ち良かった?」  
まさかと思い聞いてみる。  
するとかっと頬に朱がはいって俯いてしまった。  
まさかだろう。  
ここまで感じやすいと、少々不安になる。  
俺が思い込んでいただけで、実は初めてではないのかも、と。  
「やっぱり変、でしょうか?き、君が中に居ると思うと、その、触れられてる箇所が痺れたみたいになってきて・・・」  
俺の様子に、ひどく不安そうにしどろもどろに言い募るアリオナ。  
どうなんだろう、誰かに抱かれた事があるのだろうか?  
そうだとしたら、俺は。  
疑いたくないがどうしても考えてしまう。  
「なあ」  
きっと違う、絶対違う、そうだと言ってくれ。  
「お前、誰かに抱かれた事あるのか」  
内心穏やかでない事を隠すように、なるべく感情を込めず問う。  
もし彼女の口から肯定の言葉を聞いたら、俺はきっとおかしくなるだろう。  
ソウル傾向は真っ黒になって、彼女が泣いても嫌がっても許さず、酷い事をしてしまうだろう。  
そして、その誰かを探し出して、殺してしまうだろう。  
どうか、否定してくれ。  
そう願いを込めて。  
問われたアリオナは一瞬質問の意味がわからなかったのかきょとん、とした顔で俺を見返し。  
ぼろぼろと泣き出した。  
「ア、アリオナ!?」  
俺はぎょっとした、まさか泣かれるとは思わなかった。  
「わ、私、他の誰とも、こんなこと、したく、ないです。君、だけ、なのに」  
嗚咽交じりにそれだけ言って、泣き崩れてしまった。  
胸が引き裂かれるかの様に痛んだ。  
俺の言葉が、彼女を傷つけたのだ。  
正真正銘の大バカものだ、俺は。  
少し感じやすいからって彼女の不義を疑うなんて。  
「ごめん!悪かった!許して、いや、許さなくてもいい、でも聞いてくれ!」  
泣きじゃくるアリオナを抱き締めた。  
俺は自分で彼女も自分をも傷つけたんだ。  
さっきまでの自分自身が許せない。  
「お前が好きだ、好きなんだ。だから、不安になったんだ。お前が普通よりもちょっと感じやすいのに、不安になったんだ」  
偽らずに、正直に話す。  
他の誰かが彼女に触れる事を考えると、怒りで我を忘れそうだった。  
「だから、誰かに抱かれた事があるんじゃないかって。そいつに慣らされてたんじゃないかって考えちまって、不安で堪らなくなったんだ。本当に、ごめん」  
許されなくてもいいけれど、もう一度チャンスが欲しい。  
折角わかった自分の気持ちを自分でぶち壊すのは自業自得だけど、彼女を失くすのは耐えられそうにない。  
だって今俺の最重要事項はデーモンを殺す事でも世界を救うことでもなく、彼女なのだから。  
「俺は」  
「もう、いいです」  
遮られてぎくりとする。  
抱きしめているため表情が見えない。  
そのいいです、はどれにかかるいいです、なのか。  
「その気持ち、わかります。私も、君が、他の女性と話してる時、羨ましいって、思ってたから」  
鼻声で、嗚咽交じりで、聞き取りにくいけど、ちゃんと聞こえた。  
ああ、彼女は最初から俺を見てくれていたんだな。  
ずっと想いを閉じ込めて、我慢して、今日初めて伝えてくれたんだな。  
腕から開放すると、彼女はまだしゃくり上げながらも、眩しい笑顔を見せてくれた。  
「これで、おあいこにしましょう。ね?」  
ああ、なんて俺は幸せ者なんだろう。  
こんな女性に愛されるなんて。  
 
「本当にいいのか?絶対痛いぞ?」  
その後、ちょっとインターバルを挟んで再び行為を再開したんだが、アリオナはそのまま挿入するよう求めてきた。  
「私が普通の人より感じやすいと言ったのは君ですよ?それに私、散々焦らされてるんですけど」  
「それに関しては返す言葉もございません」  
俺の息子もスタンバった状態でかれこれ経ってますけれども、自業自得なので言いません。  
さっきクリで一回イった分余裕のあるアリオナと違い、こっちは挿れた瞬間にイきそうなくらいですけど、言いません。  
「自分が悪いと思うんでしたら、挿れてください」  
まったくもってその通りなので、従うほかありません。  
「わかった。けど、ほんとに痛いから覚悟しとけよ?」  
最後の確認とばかりに念を押す。  
多分ないとは思うが、後で恨み言は言われたくない。  
内心、いきなり最奥まで貫きたいと逸る気持ちを抑えるのに精一杯だ。  
「じゃあ、ちょっと腰を浮かして」  
対面座位で挿入するには、アリオナにも手伝ってもらわなければならない。  
挿入速度が彼女自身で調整出来る分、この体位で良かったかも。  
「こう、ですか?」  
「そうそう。そのまま、俺が支えるからゆっくり腰を落とすんだ」  
亀頭が膣口に当たるよう調整し、固定する。  
対面座位だと挿入時に滑って中々入らない事も多いが、そうならなように慎重に位置を調整した。  
「い、いきます・・・!」  
「力み過ぎ。腹から力抜いて、それじゃ入るものも入らない」  
まさかの勢いで挿れようとする彼女を制して、苦笑する。  
こんな不慣れなアリオナが初めてでないわけがない。  
まったく、さっきの俺はどうかしてたようだ。  
と、鈴口がぬるりとした感覚に包まれた。  
見ると、少しずつ先端が飲み込まれて行く。  
ぞくり、と快感に肌が粟立った。  
「あ、あ、んぅっ」  
相当キツイのか、苦しそうに小刻みに息を吐き出している。  
亀頭が入りきり、少し長く息を吐く。  
そしてまた少しずつ腰を落としていった。  
「っつ!いた、あ」  
ぷん、と鉄の匂いが鼻をついた。  
どうやら処女膜が破れたらしい。  
ああ、この匂い、抑えが効かなくなりそうだ。  
しかしそこは鋼の理性を総動員して抑え込む。  
我慢だ我慢、彼女が慣れるまでは我慢するんだ。  
しかし、思いの外痛がっていない。  
俺の方はキツくてキツくて、出るものも出ないくらいキツい。  
正直、痛いぞ。  
「あ、ん、あっ、ああ」  
ず、ず、と腰が沈み込む度に快感が宿る声がもれる。  
繋がった箇所からは幾筋かの血と、お互いの体液が混じったものが流れていた。  
耳と目に飛び込んでくる卑猥な情景に、否が応でも煽られる。  
ただでさえキツいのに、更に苦しくなって思わず呻いた。  
「うわ、え?」  
アリオナも気付いたらしい。  
膣内で更に膨張した男根に驚いた様に腰を浮かそうとしたが、両手で腰を固定していたので抜けるのは免れた。  
「ごめん、そのまま続けて」  
俺の苦しそうな様子に気付いたのか、心配そうな顔をしてる。  
大丈夫、全部入ったら後は楽になるはずだ。  
そのまま続けるように再度促すと、また挿入に集中しだした。  
 
小刻みに息を吐きながら、少しずつ腰を落として行く。  
キツく締め付け、肉棒を擦っていく襞に耐えながら、その時を待つ。  
「ぅ、はぁ」  
ようやく全部入りきったようだ、一際長く息を吐く。  
俺はまだ気を緩められない。  
ビクビクと痙攣する襞にいつ暴発してもおかしくなかった。  
「痛いか?」  
腹筋に力を入れて射精感を抑え込み、一仕事終えて息を整えようとしているアリオナに聞いた。  
「少し・・・でも、熱くて気持ちいい、です」  
ああ、理性よもってくれ。  
絶え間なく痙攣し締め付ける襞と快感に蕩けた表情、そしてこのセリフはヤバイ。  
「動くぞ」  
崩れ掛けた理性をなんとか繋ぎとめ、ゆっくりと腰を動かす。  
深く繋がっているため大きく動けないが、小さく揺さぶるように攻めた。  
「あ、すご、ひっ!」  
先端を奥に小刻みにぶつける。  
通常子宮口で感じるようになるにはそれなりの経験が必要なはずだが。  
「ああ!ぁ、あは、んぁ!」  
思った通り、彼女は最奥への刺激に堪らないようにすがりついてきた。  
感じやすいのもあるだろうが、身体の相性もすこぶる良い。  
ほんの少し揺さぶるだけで身体は大きくはね、襞が俺の肉棒を愛撫する。  
堪らなく気持ちが良かった。  
アリオナは断続的に与えられる快感に身を捩り、自分から腰を揺する。  
融けた瞳が涙に潤み、だらしなく開いた口からは飲み込みきれないのか唾液が流れ、ちらちらと舌が覗く。  
誘うようなその様子に、堪らず舌にむしゃぶりついた。  
激しく舌を絡め、貪る。  
両手で乳房を揉みしだき、指は乳頭を押しつぶす。  
腰は今では激しく突き上げるように動き、塞いだ口からは嬌声が吐息となって零れた。  
快感が強すぎる。  
アリオナのすべてが、気持ちが良い。  
全部欲しい、すべてを俺のものに。  
そこで、何かがプツンと切れた。  
「っ!!」  
理性に限界がきた。  
脱ぎ捨ててあった肌着を手探りでかき集め、申し訳程度に床に敷くと、そこに繋がったままアリオナを押し倒した。  
「待っ!ぅあ!?あああああ!!」  
ビクビクと大きく痙攣する身体が、彼女がイったことを伝える。  
俺はきゅうきゅうと吸い付く様に締め付ける襞に耐えきれず、膣内に勢いよく射精した。  
 
「あ、ひ、奥にぃ!熱っああっ!」  
暫くご無沙汰だったからか、何度も何度も腰を打ち付けて精を吐き出す。  
その度に彼女は体を大きく波打たせ、嬌声をあげた。  
中に全部出し切ると、硬度を保ったままの男根を叩きつけるようにそのまま大きくピストンを開始する。  
「ぁあああ!だめ、だめですぅ!イったばかり、だからあ!」  
泣き叫びながら制止する声にも答えられない。  
申し訳ないという気持ちは、確かにある。  
大事にして、優しく快感を与えたい。  
それでも、止められなかった。  
両手首を押さえ付け、夢中で腰を叩き付ける。  
彼女は過ぎる快感に翻弄され、目からは大粒の涙が流れていた。  
敏感になり過ぎた膣内は赤く充血し、俺の男根を離すまいとするように密着して再び俺を追い上げる。  
腰がぶつかり合う度尻を叩くような恥ずかしい音と、結合部から空気を含んだ粘着質な水音が響く。  
五感全てを快楽に支配された彼女の嬌声は、俺の劣情を極限まで煽るのに余りあった。  
「ひ、イく!またイくぅう!!無理、ですぅ!もう無理ぃ!ああぁはぁぁあああ!!」  
「っく!」  
陸揚げされた魚のように、大きくびくりびくりと身体がはねた。  
搾り取る様な膣内の動きに、再び射精する。  
子宮口が鈴口に吸い付くように密着し、腰を擦り付けるようにして一滴残らずその中に出し切った。  
息が荒い。  
長く後を引く嬌声の後、アリオナは意識を失ったのかぐったりとして動かなくなった。  
急に静かになった空間に二人の荒い呼吸が響く。  
一人きりになった空間で、正気に返った俺は自己嫌悪に膝を抱えるしかなかった。  
 
side:A  
 
ちょっと予想外だったけど、嬉しかった。  
まさか彼が私の想いに答えてくれるだなんて思ってもみなかったから。  
どうせ叶わない想いだと、せめて身体だけでもと思っていた。  
拒絶され軽蔑されるか、手酷く抱かれるか、と覚悟していたけれど。  
あの後、目が覚めたら彼が裸で土下座していたのは、おかしかったなぁ。  
本当に嬉しかった。  
彼のその想いだけで、私の全ては満たされたのだ。  
だから、もう怖いものなんてなかった。  
今、最期の階段を昇っている。  
父王オーラントを諌めるため、諌められなかったら、殺す為に。  
でも、私では敵わない事くらいわかっていた。  
だって父は、既にデーモンなのだ。  
なぜ知ってるのかはわからない、でもわかるのだ。  
私に倒せる道理はない。  
わかっていても、行くしかなかった。  
だって私は、ボーレタリアの王子、オストラヴァなのだから。  
だから、彼の元に、少女アリオナを置いてきた。  
彼と寝た、あの日にアリオナを殺した。  
だから、私はもう何も恐れないのだ。  
私は一度、死んだのだから。  
一段昇る毎に、玉座へ続く昇降機が見えてくる。  
さあ、せめて彼が父と対する時に、少しでも楽をさせてあげないと。  
階段を昇り切ると、死への赤絨毯へ一歩踏み出した。  
 
side:A out  
 
あーあ、ぽかーんとしちゃって。  
昇降機前に下からは見えないよう座っていた甲斐があった。  
フルフェイスの兜越しでも、その間抜けヅラが丸わかりである。  
「いやー偶然ですねーオストラヴァ君」  
ワザとらしく声をかけ、ガシャガシャと暗銀の鎧を鳴らして近づく。  
驚きに固まっているフリューテッドの塊をニヤニヤと見やる。  
この俺を出し抜こうとするなんて、デモンズソウル1000周回早い。  
そもそも、ここに来るまでになんにも会わなかったのを疑問に思わなかったのだろうか?  
相変わらず天然でかわいい奴だ。  
「いやね、俺の恋人とここで待ち合わせしてたんだよね。知らないかな?」  
がちゃり、と音を立てて肩に手を置く。  
そこでようやく正気に帰ったのか、がばっと俺から距離を取る。  
「な、な、何故ここに居るんですか!?」  
びしっと人差し指を突き付けられた。  
人を指差すのはお行儀が悪いぞお姫様。  
「なんで、て。決まってるだろ、恋人とデーモンを倒して、その後の愛のランデヴーを楽しむためさ」  
そう、一人で繰り返したこの戦いも、今回で終わりだ。  
次からは最愛のパートナーと共に旅するのだから。  
うらやましかろう他世界のデーモンを殺す者達よ。  
「む、無理に決まってます!私は、ここで死ぬんですよ!?」  
ああ、やはりか。  
かぼたんには確かめていたが、やっぱり本人の口から確認するのが一番だ。  
「何故ここで自分が死ぬ事を知っている?何故俺を好きになった?何故会う前から俺の事を知っていた?」  
ずばずばと俺が知り得ないはずの事を並べ立てる。  
見えない顔色が見る見る変わっていくのが手に取るようにわかった。  
「それは、俺と同じ理由だよ。俺が色んな事を知ってたのと同じ。いつからか、お前も繰り返してたんだ」  
そう、かぼたんにも確認した。  
あの心折れた戦士はデーモンを殺す者だった。  
しかし、肉体を取り戻そうともせず、消滅した。  
デーモンを殺す者では無くなったのだ。  
その資格を失う者が居るのだ、新たに得る者も居るはずだと俺は考えた。  
そしてあの日、あの後様子のおかしかったかぼたんに聞いたんだ。  
『あの方は、あの清い百合の様なソウルを持った方は、貴方と同じ感じがします。以前までそんな事は無かったのですが、ここ何度かを経るごとに、円環の一部となるべき感触が強くなっている』  
こんな事ははじめてだったのか、酷く狼狽えていたが、俺は凄く嬉しかった。  
もう何度繰り返したかわからない。  
最初にボーレタリアに入った日の事など、遥か昔の事に思える。  
楔の神殿にはたくさんの仲間が居るが、それもその一回限りの事だ。  
何度も何度もはじめましてを繰り返して、俺は結局一人だった。  
正直、寂しかったんだ。  
だから助けを求める者には手を差し伸べ、救える者は片っ端から救った。  
中でもオストラヴァは、毎回俺に懐いてくれるので特に大事にしていた。  
それでも、一度終わるとまたはじめから。  
ずっとずっと、一人ぼっちだった。  
「でも、今は違う。これからは違う。俺は一人じゃない」  
この悲劇の世界で初めて見つけた、希望。  
「共に生きてくれ、アリオナ。俺はデーモンを殺す者、孤独な男。お前を愛してる、ただの男だ。俺を、救ってくれ」  
どうか、見捨てないで欲しい。  
そんな想いを込めて、手を差し出した。  
 
side:A  
 
思えば助けられてばかりだった。  
もういつかわからなくなってしまった最初から。  
私は何も出来ず、ただ追い詰められて震えるだけで、いつも彼の助けを待っていた。  
それが、今目の前で、彼が助けを求めている。  
他でもない、私に。  
私は馬鹿だ、本当に馬鹿だ。  
一度寝たくらいで女を捨てられると本気で思ってたなんて。  
彼に求められて、私を必要としてくれて、すごくすごく嬉しいのに。  
結局私では、国を救えない。  
ならば、私に救いを求めるこの手を取ろう。  
そして、共にこの悲劇の世界を行こう。  
私は纏っていた鎧を脱ぎ、己の身を偽っていたソウルの業を解く。  
差し出された手は、目の前にあるのだ。  
「共に生きましょう、デーモンを殺す者。私は何でもない、ただの女。君を、愛しています」  
 
side:A out  
 
 
了  
 
 

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