「ガル、少し、離れてくれませんか」
「え?あ、はい。分かりました」
「もう少し離れて。ああ、そうですわ。誰かが入ってくるかもしれませんから。
いつものポジションで盾でもガン構えておいてください」
「え?そ、そうですか。はぁ」
と、アストラエアの従者ガルは、主のアストラエアにそう言われては仕方ないと
誰も来ていないのに、重い装備をガシャガシャさせて、細い通路へと向かった。
アストラエアは、彼のたくましい背中を、熱い目で見つめていた。
そして、彼の姿が見えなくなった時、熱い息を吐く。
「ああ、ガル…。なんて直接的な装備なのでしょう…」
彼の銀に光る装備を頭に思い描きながら、彼女は聖女とは正反対の行為を始める。
右手を己の股に滑らせ、左手は片手では覆いきれない胸へと。
「私の視線を釘付けにしてしまう。なんて罪な形…」
純白の服の裾をたくし上げ、己の右手は別の生き物のように、中心を目指す。
「ああ…。彼の下の頭も、暗銀の鎧に勝るほど…イヤ…なんてはしたない…あっ」
目指した中心はすでに濡れ、硬直した肉芽がひくひくと主張している。
彼女の指が主張する芽を撫でた時、彼女の背は大きく跳ねた。
「あっ、ああっ。んんっ…。ガル…もっと、もっと私を求めてください…」
声が甲高く響く。だが、辺りは谷。汚泥の滝音によって全ての音はかき消される。
それを彼女以上に彼女の本能が知っているのだ。自身の行動が意思に反していく。
いや、意思に忠実になっていく。
芽の下に広がる花びらを割り、彼女の指は更に奥へと入っていく。
「んっ、んんんっ。ああっ」
奥へと滑り込んだ彼女の指は、中で暴れるようにうごめいていく。
谷底に堕ちた、ヒル溜まりのごとく。
片手では覆いきれない胸は、彼女の手の中でへしゃげている。
「私を、デーモンに堕ちた私を、神に背いた私を、その罪に値する罰でもって…
あなたの暗銀で、私を…。ああっ!」
濡れた秘所からは蜜が滴り落ち、じゅぶじゅぶと濡れた音が滝の音に消されていた。
一方その頃。
「最近、アストラエア様…。冷たいよな…」
と、一人寂しく盾を構えるガルでした。