いつもはあいつらの動きに注意してるのに、今日は迂闊だった。
忍び寄る気配に気付けず、振り向いたとき既に私の身体は坑夫の手に捕らわれていた。
「いや…離してっ!」
振り解こうと暴れても、背後から掴む手はびくともせず。
坑夫のにやついた顔が間近に迫ってきて、思わず顔を背けた。
何時の間にか横にいた別の坑夫が、節くれだった指をゆっくりと身体に伸ばしてくる。
私が身に付けているものをやけに丁寧に外していく。
「あ…や、だっ!やめて…!」
頭を振り乱して抵抗するが、私を辱める彼らの動きはとまらない。
無力な自分がくやしくて涙が出そうになる。
隠れていた肌が露わになると、坑夫たちは更にいやらしい笑みを浮かべて。
そこへと伸びてくる指先に、私は強く目を閉じた。
――その日、坑道では。
じたばたと暴れる結晶トカゲの柔らかいお腹をぷにぷにして和んでいる、
坑夫たちの姿があったという。