血がこびり付いた鍵を握り締め城を眺めなおした  
双剣の男が話した場所はどこだろうか?離れた塔と言っていたが・・・  
 
双剣の男の名はビヨール、ボーレタリアの双璧と呼ばれる名高き兵士だ  
ほまれ高きその男は捕らわれ薄暗い牢につながれていた  
正直なところ偶然産物なのだが自分が助け出したというしだいである  
 
安全な楔の神殿に戻った後 双剣の男は自分がどうやって捕らわれたのか  
王城を進むのであれば出会うであろう危険なデーモンを話りだした  
そんな中熱く語る男の口がふと沈黙した、捕らえられていた疲労が出たのであろうか?  
そうだ先程まで幽閉されていたのだ、体がつらくないはずはない。  
快活な様子のあまり何も考えず話をさせてしまっている  
気遣いできなかった自分のいたらなさを心で責め、休息させるべく声をかけようとした・・・  
だがビヨールの表情をを見て俺は声をかけるのを止めた  
 
彼は俺の顔を見つめ何か考えている、決めあぐねている  
それは迷っていると言っていい表情だったのだ  
随分長い沈黙だったように思える、ようやく決心がついたのかふうっと息を吐いた  
そしてポツリポツリと話し出した  
「城から離れて建っている高い塔があるのだが・・・」  
 
ビヨールの話を思い返しつつ  
これから自分がしようとする事のあまりの忌々しさに舌打ちした  
よりにもよって神殿騎士である自分が助けようとしているのである  
高い塔に捕らわれたという汚らわしい魔女を!  
 
話の内容はこうだ、双剣の男が捕らわれていた牢獄には若い魔女の娘がいたのだが  
王の公使どもが彼女を連れ出し、高い塔に幽閉しなおしたというのだ  
ビヨールは彼女の身を案じて話をしたのだった  
 
その話を聞いた時思わず顔をしかめた。別に魔女の境遇に同情した訳じゃない  
一人だけ若い娘が連れて行かれたなんて何の為か馬鹿でも分かる  
今頃豚みたいな公使達に犯され性欲処理をさせられてるのだろう  
あの豚どもは魔女とはいえ女ならなんでもいいらしい  
 
ああ、汚れた魔女にはあの豚はお似合いだな、と小気味良くさえ思う  
ざまあみろってやつだ  
忌々しいからこそ故郷を遠く離れたにも関わらず魔女に出会うという事実に  
顔をしかめずにはいられないのだ、あの疫病神どもめ・・・  
 
神殿騎士として仕えていた頃を思い返す、そう、あの頃は・・・  
思わず思い出に浸っている自分に気づき頭を大きく振った  
今はそんな事をしている時ではない、塔を探さねばならない  
 
要石からまっすぐ行った鍵のかかった扉、あそこはどうだろう  
あの先はまだ確認していない、ひろった鍵束のどれかがあうといいのだが・・・  
ひとつひとつ鍵を扉にあてためしていく、「カチリ」ほどなく大きな音をたて扉は開いた  
これはなかなかさい先がいい、きっと魔女も簡単に助けられるだろう  
 
扉の先は左右の壁も高く、細く入り組んだ道が続いている  
しばらくしてまた錠のかかった扉にでくわした、また扉かよ!  
まさしく関係者以外お断りの厳重さではないか、よほどこの先は部外者に来て欲しくないらしい  
カチカチと手持ちの鍵を鍵穴に合わせるのだが先程使った鍵は2つ目の扉にはあわない  
そうすると・・・あとはあの鍵しかない  
 
俺はビヨールを助けた時に拾ったあのいわくありげな血のついた鍵を使った  
「カチリ」確かな音をたて扉は開いた  
開けた扉を一歩踏み出した時「ウッ!」一瞬目の前が真っ白になった  
 
 
 

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