「ぅあっ…!あっ…!い…いやぁ…っ!」  
腐れ谷の奥深く、虐げられた者たちの最後の聖地では  
汚濁の中にあってなお、その美しさを損なわない聖女がその処女を散らされていた。  
魂の苦痛に灼かれ彼女に縋った腐敗人は残らず虐殺され、  
彼女を最後まで守ろうとした暗銀の聖騎士は眼前で無残な屍をさらしている。  
「おねがいっ…です…!もう……やめ…!」  
後ろから無残に貫かれながら、アストラエアは元凶である男に懇願する。  
元より死ぬつもりだった。いくら自分がこの地の民を救おうと  
ソウルを搾取し続けていることは変わらない。  
もしも誰かがガル・ヴィンランドを破り、自分のもとに辿り着いたなら。  
その時は、この異変を止める最後の希望と自らのデモンズソウルを託して罪を贖おう、と。  
しかし希望を託すはずの勇者は、悪意に満ちた黒いソウルの持ち主であり、  
彼女に自決すら許さず、こうしてその肢体を蹂躙している。  
(これが…私の罰なのですか…?神よ…!)  
男は、はだけられた聖衣の間から胸元に腕を捻じ込むと、  
アストラエアの豊満な乳房を乱暴に揉みしだいた。  
「ひぎっ…!あッ!」  
女の体を顧みない一方的な行為にアストラエアの体が激しく仰け反る。  
細い首が無骨な手が捉えられ、彼女は密着するように引き付けられた。  
男の息遣いを首筋に感じ、嫌悪感にきつく掌を握り締める。  
耳元の呻き声とともに、高温の汚物が聖女の中に解き放たれた。  
崩れ落ちるようにして倒れた聖女の瞳には世界への絶望しか映っていなかった。  
 
 
かつて女王の治めた地の教会では、今宵も狂った宴が催される。  
わずかな希望を頼りに、ここを訪れた貴族の囚人たちは、  
自らが敬っていたはずの主君を徹底的に嬲らなければならない。  
愚か者の偶像と名づけられた女王の似姿には女王本人のソウルが宿り、  
彼女は死してなお、その身を貶められ続けている。  
黄衣の老人の尋常ならざる憎悪によってのみ為せる業と言えるだろう。  
ソウルを奪われ理性を無くした飢え人たちは、ひたすら欲望に忠実である。  
今この時も偶像は何日も休むことなく犯され続け、その命を削られていた。  
「う…あぁ……」  
与えられる刺激に反応する力すら無くしたかつての主君を  
囚人たちは、それでも激しく責めたて続ける。  
秘所を貫かれ、胸と口を同時に犯され、四本の腕はそれぞれ別の怒張に導かれている。  
一際苛烈に動いているのは、やはり脚を割り開いて突き入れている囚人だ。  
ソウルの苦しみを少しでもまぎらわせようと、  
人形のように揺さぶられ続けるだけの偶像を一心不乱に打ち付けては快楽を貪っていた。  
一層強く腰が打ち付けられたその時、久しく反応の無かった肢体が跳ねるように痙攣し、  
男に何度目かの射精をもたらす。しかしそれが女王の仮初めの体の限界だった。  
力尽きた女王は無数の光の粒となってその形を失くしていく。  
欲望の捌け口を失い、気を違えたように哭く男達。  
だが、どこからともなく響く呪文とともに光が集い再び女王の似姿となった時、  
囚人たちは歓喜に包まれた。先程まで秘所を犯していた男が真っ先に飛びつき、  
女王の体を抉った。苦痛に泣き叫ぶ声も意に介さず、胸の双丘に歯を突き立てる。  
「っぎああああぁッ!!」  
それが壊れることの無い玩具あることを知った囚人たちの行為は、  
一層獣欲に満ちたものになるだろう。狂った同胞たちを前に憐れな女王は思う。  
(此度の死は中々早く訪れそうだ…)  
 
 
ボーレタリアの断罪者ミラルダの身にも悲劇は訪れる。  
一人のファントムに敗北し身動きできないほどに消耗した彼女は恰好の獲物だった。  
奴隷兵により木の柱に縛られ、無残に裸体を晒されたミラルダ。  
鍛え上げられたしなやかな肢体は、脂肪が薄く女性的な魅力にこそ欠くものの、  
狼を思わせる野性的な美しさに満ちていた。  
「不逞者どもがぁ…!王の裁きを受けるぞ!」  
狂気と殺意に燃えるその素顔も奴隷兵たちを驚かせた。  
断罪者の名で呼ばれた屈強な戦士は、いまだ幼さの残る端整な少女だったのだ。  
欲情に駆られた一人の奴隷兵がミラルダの脚の間に押し入る。  
恐怖に震える小さな肩が掴まれ、頼りなげな入り口を醜悪な凶器が割り開いた。  
「がッ…あぁッ!!」  
涙と鮮血が大地を濡らし、耳を塞ぎたくなるような悲痛な声が反響する。  
奴隷兵が容赦無く腰を打ち付ける度に、途切れそうな少女の意識が無理矢理に覚醒する。  
おもむろに背中に伸ばされた乾いた手が汗に艶めく肌を執拗に這いずり回り、  
浮き上がった骨の凹凸を愛おしげになぞった。  
しなやかな両脚と処女の柔肉が生み出す締め付けに耐えかねたように、  
男は獣のような咆哮を上げた。突き上げるようにして結合部が密着され、  
溜まった欲望が一気に吐き出される。四肢の自由を奪われた少女は、  
流し込まれる未知の感覚を最奥で受け止めることしかできなかった。  
「王…この下衆どもに…裁きを…」  
白と赤の混ざった液体を垂れ流しながらも、その言葉は変わらない。  
生まれた時から王意を絶対と教えられてきた狂気の少女。この地にはもはや  
王も神すらもいない事を彼女が知るのは、当分先になりそうだ。  
 
 
「愚物が…!」  
メフィストフェレスの吐き出す侮蔑の言葉に、いつもの余裕は存在しない。  
一人の男が彼女に跨り、形の良い乳房を乱暴に弄んでは、間に挟まる怒張を刺激していた。  
白くきめ細かな素肌を擦られながら、彼女はただただ、男の下劣さに憤った。  
目先の欲望に従い安易に同胞を裏切るこの男を、今までどれほど殺してやりたいと  
思っただろう。すべての依頼が終わり彼が用済みとなった時、どれほど歓喜したことだろう。  
(それが…よもや秘匿者の力を容易く凌駕しようとは…!)  
前後の動きが大きくなり、眼前に迫る醜悪な先端から必死で顔を背けるメフィストフェレス。  
男根を押し付けられるようにして包み込んだ2つの果実が痛いほどに変形する。  
銀色に流れる美しい髪が荒々しく絡みとられ、欲望の塊が真紅の唇と金仮面に降りかかった。  
「く…うぅっ…!」  
激しい嫌悪感から僅かに苦悶の声が漏れるが、  
仮面の奥の瞳は今なお強い敵意を持って男に向けられている。  
だが逸物を秘所に押し当てられたその瞬間、メフィストフェレスは生娘のように慄いた。  
(なぜだ…?なぜ怖い!?こんな男…犯された所で何だというのだ…!)  
言いようの無い不安に駆り立てられ、均整のとれた四肢が小刻みに震える。  
そして気付く、自らの内にある歪んだ感情。  
『…自分だけが特別だとでも思っていたのか?』  
(そうか…。なんて事。これは…自分だ)  
秘匿者としてソウルの秘密を守るという役目に溺れながら、  
デーモンと必死に戦う人々を、自分は高みから見下ろし続けてきた。  
その中で知らず知らずのうちに心の底に根を張った暗い優越感。  
それが彼に犯されるという事実を頑なに拒んだのだ。  
(愚物は…私の方、か)  
体内に分け入る強烈な異物感に耐えながら、彼女は皮肉気に自嘲した。  
 
 
腐れ谷で命を落としたセレン・ヴィンランドは最も悲惨な運命を辿った一人だろう。  
聖女アストラエアの死により統制を失った腐れ谷の人々は  
殊更に飢え、わずかなソウルを求めては殺しあった。  
弟ガルと聖女アストラエアがこの地で成した事を知ったセレンは、  
この現状を収拾する事こそが自分の使命と考え、頑なにこの地を離れようとはしなかった。  
飢え人と化した貧民たちのわずかな理性に訴えては争いを収め、  
アストラエアが捨てた神の道を説き続けた。いつかこの異変が終わるその日のために。  
しかしその真摯な想いに神が応えることはなく、彼女に与えられたのは無慈悲な陵辱だった。  
「嫌ぁ…ッ!来ないで…!」  
責務に身を委ね、心を殺そうとも、生理的な嫌悪感は拭えない。  
迫り来る腐敗人の股間に隆起する逸物を目にした時、彼女は自らの決意も忘れ、  
恐怖に打ち震えた。無意識のうちに腐敗人を斬りつけてしまったセレンは、  
彼らとともに生き続けた第六聖女の真の偉大さを初めて知ったのだった。  
「ぁぐッ…!は…あッ!ああぁッ!!」  
眼前の相手を完全に敵と見なした巨人に躊躇いは無かった。  
奇形の腕に鷲掴みにされた華奢な体は背後から肉槍に串刺しにされ、  
大地を踏みしめる事もできない白い太腿を、鮮血が無残に濡らす。  
握り締めた矮躯を無造作に上下する腐敗人の行為は自慰のようですらあった。  
内臓を押し潰されるような苦痛と圧迫感にさらされながらも、  
セレンの心を翳らせるのは、この地の住人の未来だった。  
(私は…、私には…彼らを救えない…)  
小さな両手が力無く胸元で重なり、途切れ途切れに神への言葉が紡がれる。  
自らの弱さに負けた彼女にできる、それが最後の祈りだった。  
「…ッ!?がッああぁぁぁッ!!」  
大きく脈動しながら流し込まれた精液には、腐れ谷の民が長年体内に蓄積し続けた  
無数の劇毒が含まれる。胎内を焼かれ、女としての機能を破壊される激痛に、  
セレンの意識は闇に沈んでいった。  
 
 
『元より世界とは悲劇だ…』  
――ああ、知っている。僕は見てきた。この世界の醜さを。  
黄衣の老人の憎悪、虐げられた貧者たち、陵辱の果てに殺された汚れた聖女。  
濃霧に消えた女たちの悲惨な末路すら、氷山の一角に過ぎない。  
『故に神は獣という毒を残したのだ。本当は誰も望んではいない…』  
――そうだ。だから終わらせる。この欺瞞を。  
――浅はかな生を最後まで貫いて、僕らは自らの業により滅びるんだ。  
すべての戦いは終わり、残るは獣を微睡みに導くのみのはずだった。  
しかし最後の最後で男はソウルに狂い、壊れたように笑いながら火防女を犯していた。  
「やめて…ください…」  
淡々とした拒絶の声は、むしろ苛立ちを煽る。  
握り潰された乳房には赤い線が走り、無慈悲に穿たれる肉杭は最奥を激しく打つ。  
両足に巻きつけられた黒い布が、図らずも大腿を縛り怒張の締め付けを強めている。  
「ぅあ…ッ」  
何度目かの射精が火防女にか細い嬌声を上げさせた。  
それでもなお、男の行為は止まることなく続いていく。  
自身の中を液体で掻き混ぜられる音を感じながらも、体は無気力に委ねられる。  
――この世界に、続く価値などない。  
誰に言ったとも知れない小さな声。それがこの世界に生きた男の絶望だった。  
そうかもしれない、と火防女は思う。  
でも。それならば。楔に囚われた私の生は、一体何だったのか…。  
男の手が剣を掴む。彼女のデモンズソウルを奪い、その生を無意味なものとするために…。  
 
魔女ユーリアは強く生きなければならなかった。  
幼少の頃に異端の力に目覚め、疎まれながら生き続けた彼女にとって、  
他人に弱さを見せることが許されたことは多くない。  
だから公使に初めて犯された瞬間にすら、歯を食いしばり耐えてみせた。  
破瓜ののち、時間の感覚も無くなるほど休まず犯され続けても、  
下品に嘲笑う公使の前では最後まで矜持を守り、  
ようやく行為に飽きた彼らから一人にされて初めて涙が枯れるまで泣き喚いた。  
そんな気高さがあったからこそ、公使たちもユーリアを飼うことをやめず、  
数多くある代替よりも好んで嬲り続けているのだろう。  
「ふぐっ…ぅむ…うぅ…」  
淫靡な水音を響かせながら、小さな口いっぱいに怒張を咥えさせられたユーリア。  
限界まで開かれた顎が軋むように痛み、頬の裏側で先端を擦らされる。  
いつもと変わらぬ不快感に満ちた感触をユーリアは淡々と受け入れる。  
しかし、この日彼女に強いられた行為は今までになく非情だった。  
肥え太った醜い腕に小さな頭が掴まれると、  
かつて経験したことの無い深さまで腰が突き込まれた。  
「ぉごっ…!ぐふっ…ぇぶ…!」  
反射的に吐き出そうとするユーリアだが、公使は許さず、  
それどころか、さらに奥へ奥へと力任せに押し込んだ。  
「ぐほっ…げぇ…けほっ!」  
わずかな空気を求めて大きくうねり、怒張を締め付ける喉奥の柔肉。  
嘔吐感と息苦しさから波打つように先端をひきこまれ、激しく精が放たれた。  
「うげ…ぇ…ぁ…おえぇ」  
とうとう耐え切れなくなり、胃の内容物が吐き出される。  
ぼたぼたと口から流れ落ちるのは精液とわずかな胃液のみだった。  
 
男根を引き抜かれ、がっくりと項垂れるユーリア。  
だがこれで終わりではなかった。頭部が再び鷲掴みにされ、打ち付けるようにして床に  
叩き伏せられる。そこにあったのは、凄まじい悪臭を放つ胃液交じりの白い液体だ。  
公使の腕が前後に動かされ、美しい黒髪でボロ雑巾のように  
精液をふき取らされる。彼女の尊厳をズタズタにしようという嗜虐的な趣味の一環である。  
途端に溢れ出そうになる涙をユーリアは必死に堪えた。  
泣いてしまいたい…。泣いて、泣き叫んで、壊れてしまえたら、どんなに楽だろう…。でも…。  
かろうじて涙を留めたユーリアを満足げに見下ろし、その場を去ろうとする公使。  
しかし、彼の顔に不気味な笑みが浮かんだ時、ユーリアの心は絶望に染まった。  
新たな公使が一人、階段を上って現れたのである。  
帽子を目深に被り、黒いマントを羽織ったその公使は、  
彼女の汚れきった姿を認めると、ゆっくりと歩み寄ってくる。  
「また替わりか…せいぜい好きにするがいい」  
口から出たのは意外にも、いつもと変わらぬ強がりの言葉だった。  
「この痩せた体の外、何も得るものは無いだろうがな…」  
だが、自分に襲い掛かってくるはずの公使は立ち止まったまま動こうとしなかった。  
沈黙を続けるその体は何故か小さく震えている。  
ユーリアが不審に思ったその時、公使は振り返り背後に控えていた、  
もう一人の公使を一太刀で切り捨てた。驚愕する少女の前で帽子とマントが脱ぎ捨てられる。  
現れた双眸の内にあるのは、狂気でも情欲でもなく、確固たる意志だった。  
「…開放してくれた…のか…?」  
我知らず涙が流れ落ちる。見知らぬ相手の前だ。  
必死で言い聞かせ抑えようとしても、しゃくりあげるように喉が鳴るばかり。  
いつしかそれは堪えきれない嗚咽となり少女の口から溢れ出た。  
「先に…行ってくれ…今の私では…足手まといだ…」  
かろうじて出せた言葉も、この人には虚勢と映っていることだろう。  
それでいいと思った。ずっとずっと昔からあった想い。  
壊れてしまえたら楽になれる。弱くなってしまえば楽になれる。  
違う。私は弱くなりたかったのではない。  
私はただ、誰かに自分の弱さを許して欲しかった。  
 

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