今日は面白いものを手に入れたのでわくわくしながら神殿に帰る。
「ねえ、火防さん、これあげる」
かぼたんはなんだろうと首を傾げた。
「飴だよ、甘くておいしいよ」
そう言うと私はかぼたんの口の中に飴を突っ込んだ。
「どう?美味しい?」
「はい・・・甘くて美味しいですね」
「また持ってくるから」
私はそう言うと今度はかぼたんの口の中に指を突っ込んだ。
それをペロペロと舐めるかぼたん。
「・・・今度は甘くないですね・・・」
「だって・・・」
本当の事を言おうとしたけどそれだと怒られそうな気がしたので誤魔化しと同時にかぼたんの唇と自分の唇を合わせた。
「また帰って来るから待っててね!」
「はい・・・」
そんなかぼたんを見つめながら私はさっきかぼたんの口につっこんだ指を舐めた。
甘い飴の味がした。
今日は初めてラトリアに出向く日。
どんな冒険が私を待っているのだろう。
かぼたんは私をずっと待っててくれる。
大事な友達。
「・・・大好きだよ」
こっそり呟いた。