たとえ肉体を失いソウル体になった身でも、剣戟に晒されれば痛みを感じるし、炎に焼かれれば熱さも感じる。  
そして女体の心地よさも性感もまた同様に、得ることができるのだ。  
 
 気がつけば俺は、断崖の草場に押し倒されそのソウル体と成り果てたこの全身で女の肢体を味わわされていた。  
「はぁ……、はぁ……」  
ウェーブのかかった長い髪を風にはためかせて、荒い息を吐き、快感に蕩けた瞳で見下ろしながら俺を犯す女。  
鍛えられよくしまったその女の膣内は、忘れかけた肉体の温かさとともに、  
快感と引き換えに俺のソウルさえも吸い出すように甘く蠢いている。  
 
 肉体を失ってもなお、生に執着する俺の心は、清浄なソウルを求めて砕け散った世界を漂う黒いファントムへと俺を変えた。  
そうして清浄なソウルの気配に引き寄せられて侵入したこの世界で、俺はこの女に負けたのだ。  
 
 「あぁっ! ああっ!」  
獣のような声を上げて、俺の上で女の動きが激しくなる。  
そのたびに白い肌から飛び散った玉のような汗が地面へと落ちては吸い込まれて痕を残し、  
凶悪な二つの乳房がその柔らかさを誇示するように弾んでいた。  
 炎の嵐の魔法のような暴虐的な快感が、死の雲の魔法のように延々と俺を苛んでいる。  
それが戦いで負った傷の痛みと相まって意識を何度と無く色の無い霧の彼方へと連れ去ろうとしているように感じられ、  
俺はただひたすら淫靡な光景を見上げながらそれに耐え忍んでいた。しかし、  
 「ああぁっ! もうすぐ! もうすぐだからぁぁっ!」  
女が一段と大きく背を反らせ、天を仰いでそう叫んだとき、  
俺を包むこの女の膣内が蠕動と収縮を繰り返してあっという間に俺を絶頂の彼方へと追いやっていたのだ。  
 
 快感に侵食されるように俺の視界が揺らいでいく。  
消え去りつつある意識の最後の瞬間、女はその場に立ち上がり、  
赤く上気した白い肌に汗を浮かべたまま大きく息を吐いて嘆息すると俺を見下ろしてこう言った。  
 「まだまだだったのに」  
 
 
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 ゚o 名も無き戦士のソウル         1  
 δ 白くべたつくなにか            1  
 
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