夜神粧裕は自宅の玄関のドアが施錠されていないことに気付いた。
高校から下校して、寄り道もせずに真っ直ぐ帰ってきた粧裕は
玄関の前で怪訝な顔をした。
不安を紛らわすため、制服の襟を掴み、僅かなよれを戻す。
今日、母は出掛けると粧裕に言っていたので、
家の中には誰もいるはずがない。
粧裕は恐る恐る玄関のドアを開けた。
彼女が中を見てみると、床には革靴と女物のヒールが置いてあるのを発見する。
自分の物ではない。ましてや母の物ではない。
粧裕はその持ち主が誰の物かすぐに理解した。
ミサさんが来ているのだ。ということは隣にある革靴は兄の物だと粧裕は考えた。
現在、月はミサと同棲をしている。
家に帰ってくるのは、珍しくはないが、久しぶりである。
粧裕は自慢の兄とその彼女に会えることが嬉しくなり、
家の中に入っていった。
美しいミサを粧裕は好きだった。
自分と比べ、端正で綺麗な顔立ち。
綺麗な脚にモデルをやっているためか完璧なプロポーション。
それに今、女優に転身しつつ、大人の色香を漂わせている。
高校生になったばかりの粧裕にとってミサは憧れの女性であった。
ミサなら兄を取られるのは当然だと粧裕は思っていた。
こんな人が兄と結婚してお義姉さんになるのなら、
粧裕は笑って兄の事をあきらめられるだろう。
粧裕は靴を脱ぎ、床に脚をつけた。
だが、家に上がった瞬間、何か言いようのない違和感が粧裕を包んだ。
空気が何か違うのだ。
なんだろう?
粧裕にはその違和感の正体は掴めなかった。
兄とミサの名を呼ぼうとする。
しかし、それは何故か喉の奥につまり、外に出ることはなかった。
粧裕は辺りを見回す。自分の家なのに何故か忍び足で、
音もなく歩く。リビングに行ってみる。
だけど、二人の姿はそこになかった。
次に粧裕は二階に上がってみることにした。
兄とミサはそこにいるのかもしれない。
ゆっくりとゆっくりと粧裕は階段を昇る。
二階に着くと兄の部屋のドアが僅かな隙間を作り、
開いていることに気付いた。
やはり、二人は二階にいたのだ。
粧裕は違和感なんて気のせいだと思い、
二人に挨拶をするために、ドアの前まで足を進めた。
そこで、ハッと粧裕は息を呑む。
隙間から垣間見える光景は粧裕の想像の外にあることだった。
月の部屋は、月がたまに帰ってくるときのため、
ベッドや机などはそのままにしているのだが、
そのベッドに月は腰掛けているのを粧裕は発見した。
それだけなら粧裕も驚かないが、
そのベッドに腰掛ける月の前にいるミサが異様なものだった。
ミサは座る月の前に膝を床に付いていたのだ。
何をしているのだろうか?
粧裕は二人の動向を息を潜めて伺った。
「ライトぉ〜、いいの、ここでしたりしても」
聴いたことのないミサの甘ったるい声。
いつも兄に対してするそれとは違い、
全く別の異種ともいうべき声だった。
「ああ。父も母もまだ帰ってこない。粧裕もまだだろう」
「でも、こんなことをしてるのをお父様やお母様に見つかったら・・・」
「愛して欲しいって言ったのはミサだろ?
早くしろよ、粧裕が帰ってくる」
月がそう言うと、ミサは恥ずかしそうな顔をしながら、
月のズボンのファスナーをピアニストのような細い指先で下ろしていく。
粧裕は思わず、あっ、と声を出すところだった。
月の股間から粧裕が初めて見る異性の性器が取り出されたのだ。
(ミ、ミサさん、何をする気!?)
粧裕が思うが先か、ミサは兄のペニスの先端に
淡い桃色の唇を付けた。
ちゅっとキスをしたのだ。
一度キスをすると、ミサは唇を放し、
愛おしげに月のモノの竿の部分を撫でた。
「んぅ・・・。ライトの匂いがする・・・」
媚びるようなその声に粧裕は驚く。
そしてひとしきり、撫でた後、ミサは包むように、ソレを握り、
ゆっくりと扱きだした。
月のペニスは徐々にもたげていき、大きくなっていく。
(あ、大きくなるんだ・・・)
粧裕はごくりと唾を飲み込む。
膨張していくソレを見て、ミサは妖しく笑い、
そのまま、今まで握っていた部分に舌を這わせていく。
ミサの綺麗な桜色の舌が、月の青い静脈が浮き出している、
グロテスクな物体に触れられている。
(ミサさん・・・)
粧裕は心の中で憧れの女性の名を呼ぶ。
ミサの顔に嫌悪は感じられなかった。
むしろ、陶酔したような表情で兄のペニスを舐めている。
それが粧裕の心を大きく打った。
ぺろぺろと舐めながら、唾液をまぶし、棒をぬるぬるにさせていく。
月のモノは更にそそり立ち大きくなっていく。
(お兄ちゃんのアレってあんなに大きいんだ・・・)
粧裕はいつの間にか荒い息をしていることに気付き、
口元を手で押さえる。
「ライト、気持ちいい?」
ミサが鼻にかかったように蕩ける声で月に訊いた。
すると月は何も言わず、ミサの金髪の頭を軽く撫でた。
昔、兄にやってもらったことをミサさんがされている。
でも、兄の目は自分にするものとは全然違っていた。
冷たく、まるで温かみを感じられない。
表面上は笑っていても、その感情が全く粧裕には伝わってこなかった。
その感情のない瞳に粧裕はゾクッとした。
それなのにミサは撫でられたことに嬉しそうな顔をして、
舌の動きを再開させた。
「う・・ん。ライト、気持ちいいのね。ミサ、嬉しい・・・」
ちゅぱちゅぱと淫らな音を立てて、竿をアイスキャンディのように
舐めだす。その動きはだんだん激しくなる。
(ぁぁ・・・。ミサさん。あんなに美味しそうにお兄ちゃんのを)
粧裕はいつの間にかスカートの中に手を入れていた。
それは全く無意識の行動で粧裕自身気付いてはいない。
近親者の情事を盗み見ることで、粧裕は知らず知らずの内に昂ぶっていたのだ。
それも憧れていた女性の艶っぽい性戯。粧裕は身体を熱くさせ、
ショーツの上から自分の秘部を弄り始めた。
一方、室内では唾液まみれの竿を扱きながら、ミサは先端に舌を移動させていた。
そして、カリの部分を舌先で突く。兄の弱い所なのか、
初めて月は「うっ」と声を出した。
それからご褒美のようにミサの頭を優しく撫でる。
「ライト〜、もう我慢できないよ・・・、口の中に入れていい?」
ミサが言うと、月は頷いた。
「んんぅ。嬉しい・・・、ありがと、ライト」
ミサはペニスの先端に唇を付けて、ソレを口内に含ませていく。
(あっ、凄い。あんな大きな物がミサさんの小さな口の中に入るなんて・・・)
口一杯にミサは月のモノを頬張った。
苦しそうなのだが、それよりもミサは嬉しそうだった。
ミサは少しの間、目を細めた後、顔全体を動かし始め、
口内愛撫を開始させる。
(・・・。ミサさん。なんか気持ち良さそう・・・)
粧裕はそんなことを思いながらショーツに這わす。
ショーツのデルタ部分はいつの間にか湿っていた。
汗ではない。粧裕は濡れていたのだ。
くちゅくちゅと小さな音を立てながら、粧裕は二人の情事を観察し続ける。
(お兄ちゃん・・・、ミサさん)
「ふぁ・・ぁ」
粧裕は出そうになる声を我慢する。
ミサは粧裕に見られていることも気付かずに、
口戯を続けていた。月のモノを口内に含みながら、
ソレを舌で絡め、月の快感を高めようとしている。
ミサの上気した顔で彼女も舐めながら、情欲を燃やしていることがわかる。
月は僅かに顔を歪め始めた。
もうすぐ射精をする予兆なのだ。
ミサはそれを察知して、口から棒を放す。
放す際、唾液がミサの口から滴り落ちた。
だが、ミサはそれを拭おうとはしなかった。
はしたない口端に気付いていないのだ。
ミサは鈴口をちろちろと舐め、先走りの汁を啜った後、
ベッドに腰掛けている月を恍惚の表情で見遣った。
「どうした? やめるのか、ミサ?」
月が口を開く。
「違うの、ライト。もうミサ我慢できないよ」
そう言ってミサは穿いていたスカートから黒いショーツを脱ぎ下ろした。
ぬちゃっと、愛液が糸引いて、相当昂ぶっていたのを伺える。
月はミサの股間に手の平を触れさせる。
そして、膣口に指を這わして、彼女の感度を伺うように這わした。
指で触った感触は肉ビラが開き、ひくついていた。
それに、かなりの蜜の多さだ。これならそのまま挿入しても問題ないだろう。
「わかったよ。ミサ、お尻をこっちに向けて・・・」
月は優しくミサに告げる。
「うん・・・、ライト。早く、早く」
ミサは従順なペットのように月にその肉付きのよい臀部を向け、
床によつんばになった。月はズボンを下ろす。
(ミサさん。そんな・・・。犬みたいな格好で・・・)
粧裕は今まで、二人が愛し合っていると思っていた。
それなのに、二人の今していることは獣の交わりに見える。
お尻の穴まで露になった体勢でミサは月のペニスを受け入れようとしているのだ。
月は双臀の肉を荒々しく握ると、ミサの膣に自分の陰茎を宛がった。
そして、なんの断りもせず、いきなり膣内に挿入させる。
「ああぁっ! ライトぉー! あんっ!」
月はピタピタと肉と肉の衝突音を響かせ、抽送を始めた。
ミサのお尻の肉が揺れ、隠微な水音を出す。
「あ、あっ! ライト、ライトぉ、うぅん・・・ひゃう・・・」
(お兄ちゃん、酷い)
躊躇なくする腰の打ちつけに粧裕は兄に対して怒りを覚えた。
しかし、ミサの次に口から出る言葉は粧裕を驚かせた。
「あんっ! いいよ、ライト、もっと、もっとぉ!」
ミサはたまらないといった声と共に自らも腰を振り始める。
ペニスがミサの膣内のヒダを擦り合わせ、
ミサの性感を刺激しているのだ。
(ミサさん。あんなことされてるのに・・・)
粧裕は二人の肉のつながりを見ながら、
ついに直接、自分の膣口を弄り始めていた。
「ああ、ダメ、ライト。ミサ、変になっちゃうぅ!」
月はそれを聞き、ますます腰の動きを早める。
「いいさ。ミサ。変になれよ、僕に見せろよ、それを」
「だめだめ、ああ! 許して、ライト、もう・・・、ふあぁあ…」
拒みながらも、ミサは絶頂へと昇りだす。
月はそれを鋭敏に察知して、ミサを肉棒で突き倒す。
「ああぁぁ、ライトぉ・・・」
びくびくと身体を痙攣させて、白い喉を仰け反らせる。
ついに自分の力で支えきれなくなったミサは、
地べたに倒れこんだ。
倒れこんだ後も、ミサは痙攣を止まなかった。
月は彼女の膣から自分のモノを抜き取る。
「ライト、ごめんなさい、私、もう・・・」
「いいさ・・・」
そう言い、月はミサを仰向けにさせて、またがる。
そして、彼女の口元にペニスを持っていき、
口内にソレを入れた。
「できなくなったら、わかるよな、ミサ?」
「また、途中でできなくなって・・・ごめんね」
「いや・・・」
ミサは目の前にある月のペニスを咥え込む。
そして弱々しく、顔を動かし、舌を絡める。
口の粘膜も使って、吸い出す。
「よし、出すぞ。罰としてちゃんと飲めよ・・・」
「んんんぅ・・・」
びゅくびゅくとミサの口の中で月のモノが跳ねる。
白濁液が彼女の口を犯す。
それでもミサは愛しい月のためにそれを
飲み込もうとした。むせながら、涙目になりながら、
ミサは月の精液を胃の中に流し込んだ。
(ミサさん・・・)
憧れていた女性の快楽に溺れる姿を垣間見て、
粧裕は自分の中に肉欲が表れだすのを、感じていた。