「あはっ、ライトの寝顔可愛い」
右隣でソファの背にもたれかかり小さな寝息を立てている月の端正な顔を見つめながら、ミサは小さな胸の前で両手を組み、恍惚とした笑みを浮かべた。
「残念ですねミサさん。折角のデートですが、月君は毎日の捜査でお疲れのようです」
そんなミサの様子を尻目に、向かい側のソファでいつもの独特な座り方をしている竜崎は、皿の上に綺麗に並べられたクッキーをひたすら食べ続けている。
竜崎の右手には勿論、例の手錠。繋がった先は月の左手首へと繋がっている。
いつもの光景だった。
「ほーんと、残念。竜崎さんが一緒じゃなかったらここでキスのひとつくらいするのに」
唇を尖らせながら横目で睨むミサの鋭い視線をさらりとかわし、竜崎は砂糖とミルクたっぷりの紅茶をすすった。
「私のことは気にしないでいいと以前にも言いました。空気と思って下さい」
「思えません。ゴソゴソモソモソうっとおしいです。今だけでいいからライトの手錠をはずしてこの部屋から出て行ってください」
「残念ながら手錠の鍵はここにはありません」
ビシッと力強く扉を指差すミサにさらっと答える竜崎。
真っ直ぐに伸びた腕が力なく垂れる。項垂れたミサの肩からサラリと明るく柔らかい髪の毛が流れた。
「もう…いつまで続くのこんな生活。折角のデートなのに話し相手は『お友達』の竜崎さん。ライトは寝てるし…」
可愛い寝顔を見れるだけで幸せだからこれはこれで満足だけど、とミサは小声で呟く。
「心行くまでどうぞ、月君の寝顔を見つめていてください」
「ええ、それじゃあそうさせてもらいます」
むっと唇を尖らせ、ミサはそっと月の肩口に頬を寄せた。
間近でゆっくりと寝息をたてる月の顔に、ミサの頬はたちまち緩む。
(月の匂い…)
スリスリと頬を月の首元に擦りつけ、ミサはゆっくりと睫毛を伏せた。
(……あ、ヤバ…)
間近で感じる月の温もりとその匂いに、胸の鼓動が速度を増していくのがわかる。
と同時に、下腹部の奥でうずく何か。
瞳を開くと、困ったように月の顔を見上げミサは瞳を潤ませた。
(ミサ、やらしい子なのかな。ぁ…ん、竜崎さんが目の前にいるのに…。…アソコ、ぴくぴくいってる…)
モジモジと太ももを擦り合わせ、ミサは大きく息を吐いた。
月のセンスの無いシャツを小さな手でギュッと掴む。
流石に竜崎を目の前にしては、自慰を始めるわけにもいかない。
けれどミサの意思に反し、頬はさらに赤みを増し、息も次第に荒くなっていく。
「ミサさんも流石に欲求不満のようですね」
「!」
真正面で口をもごもごと動かしながらこちらを凝視する竜崎に、ミサはビクリと身を震わせ彼に目を向けた。
「月君も眠っていることですし、私がお手伝いしましょうか」
「は…っ?何の手伝いよ…」
戸惑うミサに、竜崎は一瞬視線を宙に彷徨わせ考え込むような仕草をすると、すぐに黒々とした瞳を真っ直ぐに向けた。
「いえ、『手伝い』は口実です。私もいろいろ溜まってますから」
最後のクッキーを摘んで口の中へ放り、更に甘ったるい紅茶を一気に飲み干すと、竜崎はゆっくりと腰を上げた。ジャラリと鎖がテーブルの上を滑る。
ペタペタと音を立てて近付く足音。指を咥え迫りくる竜崎の表情の無い不気味な顔。
ミサはようやく、先程の竜崎の言った言葉の意味を理解した。
「ちょっと、それってミサと竜崎さんがエッチするってこと!?ダ、ダメ!竜崎さんがミサのファンなのはわかるけど、そこまでのファンサービスは絶対にしませ……っあ…!」
竜崎の骨ばった手がミサの短いスカートを捲くり上げ、黒いレースの下着の上からその部分に触れた。
ふっくらとした割れ目をなぞるように指を動かされ、ミサは思わず月の腕に強くしがみつく。
だが、深い眠りについているらしい月が起きる気配は無い。
「りゅうざ、きさん…やめてよ…っ、あ、ぁはっ、ヤダ、変な感じ…っ!」
「やめませんし、やめる気もありません」
ソファに座るミサに覆いかぶさるように肩膝をミサの腰の横――月のいる場所の反対側――に割り込ませると、竜崎は五本の指を器用にくねらせミサの秘部を弄くる。
次第に下着の奥からいやらしい粘液がニチュニチュと音を立て始めた。
「あ…んくっ、ラ、ライト…」
しがみついた月の腕に顔を埋め、ミサは快感に眉を歪めた。
月の匂いがミサを更なる高みへと誘う。
(こうしてると、ライトにされてるみたい…気持ちいいよぉライト…っ)
「ミサさん」
「…ぁ…」
軽い絶頂を迎えそうなところで竜崎の指の動きが止まった。
ミサはか細い声をあげ、ゆっくりと顔を上げる。
先程まで弄られていた場所が熱く脈打って、どうしようもない切なさがミサの胸を襲った。
潤んだ瞳に映る先は、息がかかるほど間近に迫った竜崎の顔。
「私、下着は白い方が好みです」
「……。…竜崎さんの好みなんて別に興味ありません」
「はい。でも月君も白い方が好きみたいです」
「……考えときます」
力無く言葉を返し、ミサは月の腕に頬を寄せながら竜崎の後頭部に手を回し、堅いその髪の毛を優しく掴んだ。
「だから、もっと触って…ミサ、今イキそうだったんだから。途中でやめないでよ…」
「わざと止めましたから。やらしいですねミサさん。彼氏の腕の中で違う男に催促ですか」
「あなたがそうさせたんじゃない…サイコーにムカつくよ竜崎さん」
「!」
ミサは荒い息で呟くと、竜崎の唇に自分の唇を押し付けた。
予想だにしていなかったらしい。竜崎は一瞬目を見開き、自分の唇に貪りつくミサを至近距離で見つめる。
ミサの甘い香水の香りは、彼好みのものだった。
「ん…ふぅん…」
竜崎が舌を突き出すと、ミサはピクリと震え、けれど怯むことなく同じくそれを絡ませてきた。
頭の中でクチュクチュと卑猥な音が響く。
積極的に舌を絡ませながらも決して月から離れようとしないミサの内腿に手を忍ばせると、竜崎はそのまま彼女の右足を持ち上げた。
ジャラリと鎖が小さく鳴く。
鎖の音と同時にミサの右足はすぐに下ろされた。
「…………っぅんっ!ああぁっ!」
熱く火照り潤った場所に急に訪れた快感に、ミサは竜崎から顔を離し大きく仰け反った。
竜崎は月と自分を繋ぐ鎖を彼女の脚の間へと滑り込ませたのだった。
クイとそれを引くと、ミサの割れ目に細い鎖がくい込む。
「ひゃぁ…んっ!」
「折角ですから夜神君にも参加してもらいます。鎖のみですが」
くい込ませた鎖を縦横大きく動かし、竜崎は淡々とした口調で言った。
柔らかな肉は少し鎖を動かすだけで形を変える。
竜崎はソファから膝を下ろしそのままフロアに立膝を付くと、ミサのその食い込みに顔を近づけた。
「凄いですねミサさん、愛液が滴り落ちてきました」
「あ、あ、あっ…!気持ちいい…ライト…っライトぉっ!」
「……。やっているのは私なんですがね」
少々いじけた様子でチラリとミサを見上げると、竜崎は鎖を緩めグチョグチョに濡れた下着を横にずらした。
「やっ…ぁん」
派手な外見に似合わずあまり使い込んで無さそうな淡いサーモンピンクを親指で押し広げながら、竜崎はマジマジとそこを見つめた。
毛はかなり薄い。ビラビラも小さく左右の大きさにそれほどの差はない。
大量の愛液が秘部全体を濡らし、そこは妖しい光を放っていた。
モニタを通して見ていたそれとはまた違う印象を受ける。
流石に秘部を広げた映像などをモニタ越しに見たわけではないが。
「ミサさん」
「…ふぁ…?」
竜崎は目と鼻の先にあるM字に開脚し丸見え状態の淡い秘所から、視線をミサの顔へと移した。
「綺麗です」
「ぁはっ…ドーモ」
虚ろな瞳で小さな笑みを作り、ミサは未だ深い眠りについている月の腕に頬擦りをした。
『綺麗』と褒められるのは嫌いではない。
ましてやいつもは自分を貶すばかりの竜崎に言われれば嬉しくもなる。
竜崎は再び鎖を手にすると軽く引き、赤く膨れ上がった肉芽をくすぐるように刺激した。
「あっ、あはぁっ、や、冷た…はぅっ!」
尻の割れ目から前へと直に容赦無く食い込む冷たい感触。
ミサは腰をくねらせ喘いだ。
肉芽に触れるたび、それはプルプルと震え鎖を押しのけるように左右に顔を出す。
竜崎はずらしたままの下着から長い指を伸ばすと、食い込んだ鎖からはみ出たひだをクニクニと弄び始めた。
「やぁん…っ!」
ミサの腰が跳ね上がる。
と同時にギリギリのところまで引っ張られた鎖の反動で月の手が彼女の丸く小さな尻に触れた。
「ひゃあぁっ…ん!ライトの手が…ぅんっ」
「寝てるというのに、やりますね月君。狸寝入りしているのかもしれません」
「ぇえ…っ!?」
「冗談です」
鎖を小刻みに引っ張りながら、竜崎は唇の端を少し持ち上げた。
たぶん笑ったのだろう。
「あん…っミサ、ライトにこんなところ見られたらっ生きて、いけな…っ、ひゃぁっ!」
ぷちゅ、という音と同時に新たな刺激がミサを襲った。
ぬるりとした熱い舌が愛液でべたべたになったそこを拭うかのようにゆっくりと這う。
「あは…っ、あん、ダ、ダメ…っあ、あ!」
ビクビクと尻の筋肉を痙攣させながら悶えるミサ。
両の太腿を押さえつけ、竜崎は充血した割れ目の中を舌全体で味わうように舐めた後、ゆっくりと顔を上げた。
「…少ししょっぱいですね。私、甘い方が好きです」
「…ふぁ…、甘いわけないじゃん……」
肩で息をしながら、ミサはぐったりと月の肩に身を委ねている。
竜崎は完全にミサの黒い下着だけを脱がせてしまうと、背後を振り返り、アイスティ用に置かれたガムシロップに手を伸ばした。
「では、甘くしましょうか」
「……っ!ああんっ!」
蓋を外し狙いを定めると、竜崎は高いところからシロップをミサの肉芽めがけて垂らした。
無色透明のトロリとした液体がミサの割れ目を伝い、ソファに落ちる。
「…っくふぅん…、竜崎さんって…やることがイチイチ変態じみてるよね…」
でもミサこういうの嫌いじゃないかも、と胸の奥で呟く。
「ついでですから縛りますか?」
「それは…っはぁ…いいです…。すでに『L』にやられてますから…」
「はい、そうでした」
竜崎は答えると、再びミサの太腿の間に顔を埋めた。
薄くわずかに茂った柔らかな毛を舌先に絡め引っ張る。
「あん…」
片手で竜崎の髪の毛をキュっと優しく握りながら、ゆっくりと先程シロップを垂らされた場所へと誘導して行く。
「ぁは…っ」
肉芽に竜崎の下唇が触れ、ミサは腰を跳ね上がらせた。
一定の速度で器用に舌で円を描きながら、竜崎はミサの淡く色づいた部分を余すことなく舐め回す。
時々思い出したようにシロップを垂らしては、竜崎は美味しそうに舌を這わせた。
肉芽を転がし、ひだを一枚一枚綺麗に舐め、膣内に舌先を潜り込ませグニグニと動かす。
愛液と共に咽喉に流れこむ甘さが彼を満たしているようだった。
じゅるじゅるっと大きな音をたてて、文字通りその『甘い蜜』をすする。
「ゃあんっ、あ、あんっ、…っくぅん!」
一体、何度目の絶頂を迎えたのだろうか。
唇と舌を巧みに使い激しさを増して行く竜崎の行為に、ミサはとうとう月の腕から手を離し自分の秘部にしゃぶりつく男の黒々とした髪を両手でかき抱いた。
「すご…っ、はぁっ、ミサさっきからイキまくり……っあぁん!」
「舌技は月君には負けませんから。さくらんぼの茎、舌で結べます」
竜崎はミサの割れ目から唇を離すと、今度は彼女の胸元に顔を寄せ、白いタンクトップの上から透けて盛り上がった乳首に優しく噛み付いた。
「きゃっ…ぁん、ライトの方が巧いんだから………たぶん」
「そうですか。いつか勝負してみたいですね」
「はぁ!? ちょっと、ライトにまで変なことさせないで……っふああぁっ!」
竜崎が長い指を膣内に一気に押し込むと、ミサは大きく弓なりに反り返った。
「何度もイッただけあってグチャグチャですねミサさん」
突き入れた指を大きく回しながら、竜崎は隆起した乳首に歯を立て舌先で突付く。
「ふあぁっ!あ、あぁ、そこ…っ、気持ちイイよぉ…っ!」
ある部分を竜崎の指が擦るたび、ミサの腰が跳ねる。
一本だけでは足りませんか、と竜崎は口の端を持ち上げ指を2本に増やし巧みに出し入れを繰り返した。
「ひゃあんっ!あ、あぁっ、ひぁっ!ヤ、ダぁ、ひは…っ、ぅン!」
激しい動きに、月と竜崎を繋ぐ鎖がチャラチャラと音を立てる。
捻りながらの抜差しにガクガクと震えながら、ミサは涙目でいやいやと首を振った。
竜崎に弄くられた乳首の布は彼の唾液で濡れ、秘部と同じ色のそれを浮き立たせている。
奥までねじ込むたび溢れ飛び散る愛液が、竜崎の指をふやけさせた。
「たった2本入れただけなのに凄い締め付けです。処女ではなさそうですが」
「あぁっ、だってミサ、ライトのこと好きになってからっ、誰とも、エッチしてっ、ないもん…っあぁんっ!」
「そうですか。久し振りの相手が月君ではなく私ですみません」
申し訳無さそうな素振りなど一つもせずに淡々と言葉を発する竜崎にいつもは腹を立てるであろうミサも、今は快感の渦に飲み込まれ、怒りという感情すらどんなものだったか忘れてしまうほどに蕩けてしまっていた。
「んはぁっ…も、いいの…っミサもっと気持ちよく、なりた…っあぁんっ、竜崎さんの、挿れて、ほしっ、ゃあんっ」
「欲張りですねミサさんは。指だけでは足りませんか」
「あはっ…、竜崎さんだって、ぅンッ…、ミサのおまんこ弄ってるだけじゃつまんない、でしょ…」
「……っ」
突然白い腕を伸ばし、その小さな手ですでに堅くなっていた股間を下から上へと撫でられ、竜崎は思わず腰を引いた。
まさか、触ってくるとは思わなかったらしい。戸惑っているのか、指の動きも一瞬止まっていた。
しばしの沈黙の後、
「………突然すぎます」
何事も無かったかのように竜崎はミサの目を見た。
(竜崎、結構可愛いとこあるじゃん…)
ミサはとろんとした表情で微笑むと、竜崎の唾液によって濡れて透けた乳首を、服の上からその細い指で自らくりくりと弄んだ。
竜崎は膣内に押し込んでいた指を抜き、愛液でびちょびちょに濡れた手に舌を這わせる。
ほのかに甘い。シロップは思いの他、奥のほうまで流れ込んだらしい。
手錠の鎖がジャラリと揺れた。
「私、結構大きいですよ。挿れる時痛いかもしれません」
ジーンズのジッパーがゆっくり下ろされる。
ミサは自分の乳首を指で強く摘み、転がしながら、ぽぅっとした表情で竜崎の股間を眺めた。
…が、その表情は一瞬にして崩れた。
ミサは大きな目を更に大きく見開く。
竜崎の赤黒く反り返ったその逞しい物体は、予想をはるかに超えて大きいものだった。
(デカ…っ! 竜崎って……………何人!?)
目を白黒させるミサをよそに、竜崎は巨大なそれをびしょびしょに濡れた秘部へと近づけていく。
「…っぁはあ…っ!」
先走りに濡れた先端で肉芽を嬲ると、ミサはビクリと震え可愛らしい…けれど少し怯えた声をあげた。
「…ふぁ…っ、ね、竜崎さん…こんな大きいの本当に入るのか、ミサ不安なんですけど…っ、ぅん…。優しくしてよね…」
「大丈夫です。こう見えても意外と紳士ですから」
竜崎の紳士的な行動など今まで一度も見たことがないが、今はその言葉を信じるしかないだろう。
ミサは戸惑いながらもこくりと小さく頷いた。
にちゅ にちゅっ…
粘液が絡む音と共に陰茎がミサの割れ目の中を滑る。
トロトロの愛液をその怒張したものに絡め、竜崎はやがて先端を膣の入り口へとあてがった。
「痛かったら言って下さい」
「うん…」
涙目で頷くミサ―――相当不安らしい―――の細い腰を片手で支えると、竜崎はゆっくりと腰を静めた。
「……っ!! い、痛い…っ!」
処女ではない。それにそこは十分過ぎるほど濡れている。
だが、久し振りに男を受け入れるミサには、竜崎のそれはあまりにも大きすぎた。
眉を歪め、目の前にいる男の顔を潤んだ瞳で見上げる。
「りゅっ、竜崎さん待って…っ!痛…ぁい…っ」
「そうですか。我慢してください」
「はぁ―――――――――――――――――――――っ!?」
気遣う様子のまったく見られない自称・紳士の竜崎に、ミサは青筋を立てて声を荒げた……はいいが、すぐに綺麗に整った眉がぐにゃりと歪む。
「くぅん…っ痛いぃ…!」
「ミサさん、力を抜いて下さい。まだ3cmも入っていません」
竜崎はミサの上にのしかかると、今度は両手でミサの腰を引き寄せた。
「…ん…っ」
なんと言うことはない。唇は自然に重なった。
ついばむような口づけを繰り返すうちに、ミサの肩の力が段々と抜けていく。
「は…っんむっ、ん、んン…ふぁっ」
(挿れるときキスしてるとリラックス出来るって聞いた事あるけど…本当かもね。竜崎さんキス巧すぎ…)
下腹部に奇妙で鈍い痛みを感じながら、ミサは口内を犯すその舌に自らの舌を絡め睫毛を伏せた。
互いの唾液をすすりながら、ミサは男の頭を抱え込み、竜崎は彼女の中へゆっくりと進入していく。
こつん
先端が最奥に当たったのを感じ、ふたりは同時に目を開けた。
「無事に入りました」
「はい……まだ痛いけど」
「ミサさんの中、きつすぎます…」
「竜崎さんが…大きすぎるんですってば」
息を切らしながら互いに言いたいことだけ言い合うと、再び唇を重ねる。
短いキスの後、竜崎は無言のままゆっくりと腰を動かし始めた。
「んっ…!はぁっ…!」
鈍い痛みにミサの手が竜崎の髪の毛を強く掴む。
「ミサさん、痛いです」
「ミサのほう、がっ、痛いっての…っ!んあぁっ!」
しかし、少しも経たないうちに、ミサの苦痛を訴える声は甘ったるい喘ぎ声に変わっていた。
ギシギシとソファが激しく軋む。
鎖の揺れる音。肌のぶつかり合う音。いやらしく響く粘液の絡む音。
「あ、ぁはっ、ん、あぁっ、あん、あっ…」
そして、甲高く喘ぐミサ。
「………ん…」
――――男が深い眠りから覚めるのには十分な環境だった。
夜神月はまどろみの中にいた。
少し頭が痛い。
一体何時なのだろう。いや、そもそも今は昼なのか夜なのか。
日々、人口の明かりの元で捜査を続けている月には、それすらも見当がつかなかった。
――それにしても、いつの間に眠ってしまったのだろうか。
まだまだやらねばならぬ事が沢山あるというのに。
そうだ、寝ている暇など無い。
ヨツバのあの7人の中に潜んでいるキラを一刻も早く――――…
(―――………? なんだ…揺れてるな…)
月は目を閉じたままで眉間に皺を寄せた。
左腕の手錠の鎖が不自然にジャラジャラと音をたてているのが判る。
(地震じゃない…車の揺れでもないな。ああ、この手触り…ミサの部屋のソファか。そうだった、今日はミサとの『デート』の日だった。…彼女にも謝らなければ)
「あんっ、あ、ぁ、ぁっ、や…っ中でまた大きくなって…っふああぁっ!」
(…………)
今まで聞いた事の無いミサの泣き叫ぶような…けれど甘い声に、月は更に眉をしかめた。
ジュプッ、ジュプッ、ジュプッ
一定のリズムで聞こえる奇妙な水音、ソファの揺れ、ミサの喘ぎ声。
この部屋にいるのは、自分とミサと………
(――――…竜崎?)
月はゆっくりと目を開け、眩しさに目をしばたかせながらも瞳を横に向けた。
「んっ、んむぅっ…、ふ…っ」
(!?)
すぐ間横で、いつも喧嘩ばかりしている――‐一方的に突っかかっているのはミサだが――‐二人が深い口付けを交わしていた。
ミサの細い脚が竜崎の腰に絡みつき、下半身は密着するような形で激しく上下している。
頭の片隅で想像はしていたものの、そのあまりにもありえない光景に月は驚き目を見開いた。
「ぷは…っ、ああぁっ、竜崎さん気持ちイイよぉっ…あんっ、あっ、ミサ、も…イキそ…っ!」
「…っ」
息を荒げながら激しく揺れ動く二人は、絶頂間近なせいか月には気付いていないようだった。
夢中で互いを求め合っている。
―――ショックだった。
『友達』である竜崎。自分のことを好きだと言ったミサ。
ミサに至っては特別恋愛感情を抱いているわけではないが、それでも友人として大切に思っている。
当然のごとく、竜崎も大切な友人だ。
そのふたりが、月の寝ている間に互いの性的欲求を満たすかのように抱き合っている。
「……何を…してるんだ…?」
信じられないものを見るかのように、月は口を開いた。
「…っ!? ラ、ライト…、あ、ゃぁんっ」
強張った表情を見せたものの、竜崎に突かれミサはすぐに甘い声をあげる。
竜崎は腰の動きを止めることなく、月を横目で見た。
「おはようございます月くん。思ったより早いお目覚めでしたね。計算外でした」
「? どういう意味だ竜崎」
「あ、あっ、あ、ひゃっ…あんっ、あ、あ…っ!」
ミサと竜崎の結合部分は激しく擦れ、愛液はいやらしく泡立っている。
月の声でも興奮しているのか、ミサの中はヒクヒクと痙攣を起こし竜崎の怒張に更なる刺激を与えた。
「…っ、すみません月くん、説明の前にあなたのミサさんの中に出させてもらいます」
「お、おい…」
竜崎は顔をミサの方へ戻すと、腰の動きを早めながら彼女の耳元に唇を寄せた。
「ミサさん、月くんがあなたのイヤらしい姿を見ていますよ。彼以外の男を飲み込んで今にもイキそうなあなたの姿を」
「ぁ…ああぁ…っ、ゃ、ライト…っ、あ、あん、ふあぁっ!」
ミサはいやいやと首を振りながら、潤んだ目をかたく閉じた。
「や、ふあぁ、ライ、ト…見ないで、ダメ、だめ…っやぁっ、イク…っミサもう…っあん、あぁっ!あぁあ…――――――――――ッ!!!」
けれど、月への想いも罪悪感も、上り詰めた快楽の前には勝てなかった。
ミサの身体が大きく弧を描く。
竜崎の肩を強く握り締め白い咽喉を仰け反らせた。
「………っ!」
強い締め付けに、竜崎は歯を食いしばり腰を前に突き出した。
巨根がビクンビクンと大きく震え、先端から勢い良く熱い精液が飛び出しミサの中を満たす。
「―――っは……ぁ…はぁ…っ…」
肩で息をしながら、ミサは糸が切れたようにぐったりとソファに身を預けた。
繋がったままのその部分からは、竜崎の濃い精液が端からコポコポと溢れ出ている。
「…驚きました、凄い量です。まだ出てます」
肩を上下させ、竜崎は自身を咥え込んだミサの淡いサーモンピンクを眺め呟いた。
その表情は長い前髪に隠れ、ミサからも月からも見えない。
やがて竜崎は多少萎えたそれを、ずるりと引き出した。
広がったミサの膣の中から、白濁がトロリと零れ落ちる。
その光景を目に、月はごくりと咽喉を鳴らした。ひくひくと震えるミサの秘所から目が離せない。
「――ワタリに頼んで、夜神くんの紅茶に少しだけ薬を盛らせてもらいました」
ふと顔を上げた竜崎に、月は慌てて目を反らす。
「理由は月くんが考えている通りです。月くんと手錠で繋がってから一度も自慰はしていませんし、かと言って月くんの目の前でしたくもないですし。当然溜まります」
「僕だってそれは同じだ。だからと言ってミサに、…こんな」
ミサを直視しないようにしながら、月は反論した。
「いえ、ミサさんも相当溜まっていたようですから。愛は無くともセックスは出来ます。…月くんはこういった考え方は嫌いでしょうね」
「当たり前だ」
「はい、ですから眠ってもらいました」
愕然とする月に、竜崎は言葉を続けた。
「ですが、今から3人で仲良くセックスするのも悪くないかもしれませんね」
「…!? 竜崎、何を言って…!」
竜崎は口の端を持ち上げ小さな笑みを作ると、人差し指を月の股間に向けた。
「勃ってます、先程から。当然です、あんな場面を目にしたんですから」
「こっ…これは…」
月は俯き、唇を噛んだ。生理現象とはいえ、気まずいにも程がある。
竜崎はくるりとミサの方を向くと、ぐったりとソファにもたれかかった彼女の背に手を回し無理矢理身を起こさせた。
その反動で膣から溢れ出ていた精液が、ボタボタっと床の上に零れ落ちる。
竜崎はミサの耳元に唇を寄せると、月には聞こえぬよう小さく囁いた。
「ミサさん、まだ動く元気はありますか? 月くんがミサさんにフェラチオをしてもらいたいそうです」
「…………え?」
ぐったりと項垂れ、焦点すら定まっていなかったミサの瞳が竜崎の一言で輝きを取り戻した。
頬を赤くして背筋をぴんと伸ばし、キラキラとした瞳を月へと向ける。
「ライト…やっとミサの身体に興味持ってくれたのね!」
「ミサ?」
「あはっ、ミサ嬉しい!」
ぎゅっと頭を真正面から抱きしめられ、月は戸惑った。
普段は腕にしがみつかれる為あまり気にならない―――さほど大きくない上、いつもはブラジャーに覆われている―――柔らかな胸の感触がそこにある。
タンクトップに淡く透けた彼女の乳首が月の頬を擦った。
―――別にミサの身体に興味がなかったわけではない。
人前でも気にせず下着をさらけ出すような娘だ。否が応でも目はそちらへいってしまう。
心の問題だった。
ミサが自分に想いを寄せていることは十分理解している…けれどそういった女性の好意を性処理に利用するなどといった行為は、どう考えても人の道から外れている。
何より月のプライドが許さなかった。
「ミサ、ライトの為ならなんでもしちゃうよ。フェラはあんまり経験ないけど、ライトの為に頑張る」
「タフですね」
「り…竜崎」
一体何を吹き込んだんだと竜崎を一瞥するが、竜崎はそ知らぬ顔でミサの背後から彼女の胸を掴む。
きゃっ、と小さな悲鳴をあげ、ミサは顔を上げて不満そうに竜崎を見た。
「なんで竜崎さんまで入ってくるのよ、さっきいっぱい出したじゃない」
「私もミサさんと同じくタフな方なので。3人で楽しくいきましょう、仲間はずれは嫌ですよ」
「…っひゃんっ」
一気にタンクトップを胸の上までたくし上げられ、小振りだが形のいい乳房が飛び出した。
ミサの白い双丘が、月の目の前でぷるんと柔らかく揺れる。
(……!)
膨張し、ズボンに押さえつけられた股間がズキズキと痛んだ。
情けないことに、ミサの丸い乳房から目が離せない。
「揉みがいはありませんが、綺麗な胸ですね。それに感度もいい」
「ゃあんっ!」
竜崎の大きな手が膨らみを鷲掴みにし、中心の色素の濃い部分を両の親指でクニクニと弄ぶと、ミサは甲高く鳴いた。
くすぐるような乳首への愛撫に、ミサは震え、身体をひねる。
そこはもう、かちこちに堅くなり隆起していた。
「ミサさん、可愛い声を出してくれるのはありがたいですが月くんが苦しそうです」
「あ…っ、ぅん。ミサばっかりゴメンねライト…」
申し訳無さそうに呟くと、ミサはゆっくりと月の唇にキスをした。
その白い手は、パンパンになった月の股間の膨らみを優しく撫でている。
月は驚き目を見開いた。視界の中で、竜崎の指がミサの胸の先端で未だ蠢いているのが見える。
優しい手の動き―――それに反応しさらに膨張する月の怒張は圧迫され、股間に激しい痛みを与えた。
(ぐっ…)
唇をふさがれたまま、月はその快感にも似た痛みに小さく呻く。
わざとやっているのか、それとも本当に気付いていないのか。
唇を離しミサを見ると、悪戯っぽい微笑を浮かべている。―――わざとだ。
「―――くそっ…!」
優しく撫でることをやめないミサに、月はとうとう自らジッパーを下げ下着をずり下ろすと反り返ったそれを露わにした。
「…っミサ…」
「あは、凄いライト…びんびんだね。ミサずっとこれが欲しかったの」
うっとりとした瞳で月の怒張を見つめると、ミサは小さな白い手を陰茎に添えまたもゆっくり扱きはじめた。
「ライト、先っぽからエッチなお汁が出てるよ。凄く熱い…」
「…っ、…く…」
「あはっ、まだ大きくなってる。ミサの手で感じてくれてるのね、嬉しい」
細い指先が尿道口をくすぐり、亀頭全体に滲み出た先走りを塗りつけるように這う。
月は快感に眉を歪めた。
「夜神くん、大きさは私の勝ちですね」
ミサの乳房を弄びながら横から覗いていた竜崎が、萎えるようなことをポツリと呟く。
月は決して小さい方ではない。大きくもないが。
日本人の平均的なサイズ、といったところか。
(お前がデカすぎるんだ竜崎……っ)
先程のミサと彼の行為を思い出し、月は顔には出さずにむくれた。
ふと、竜崎がダブついたGパンを履きいつも前屈みで座っているのはその逞しいペニスを持ち隠しているが故なのだろうかと、どうでもいい考えが頭の中を巡る。
「ね、竜崎さん。おまんこ触って…ミサまたウズウズしてきちゃった…」
指に強弱をつけ月の陰茎を扱きながら、ミサは背後の竜崎に囁きかけた。
「いっぱいクチュクチュしてほしいの。ね、お願い。ライトの次におちんちん舐めてあげるから…」
「…まぁいいでしょう。もとよりそのつもりでしたし」
竜崎は言いながら、ミサの胸から腹部へと大きな手を滑らせると、柔らかい割れ目に指を潜りこませた。
「ふあっ!」
容赦なく膣内に指を突き入れ、竜崎はまだ中に残っている自分の精液をかき出す様に指をグニグニと動かす。
「あんっ…! す、ごい…っ、…あぁんっ…」
ビクビクと腰を震わせながら、ミサは恍惚とした表情を月に向けた。
「ぅんっ…、竜崎さんのプレイ、ミサもライトで試しちゃおうかな、…あはっ」
月の先走りで濡れた指をチュッと軽くしゃぶると、ミサはテーブルの上に無造作に置かれた―――先程竜崎が使っていたときにバラバラになった―――ガムシロップをひとつ摘み、月の目の前にかざした。
「…?」
ミサの手によって快感を与えられ頭がぽうっとなった月は、今から何をされるのかすら考えることも出来ない。
ただ目の前のシロップを恍惚とした瞳で見つめている。
彼の表情に満足したように、ミサは上目遣いで悪戯っぽく微笑むとガムシロップのフタを月の目の前で外した。
「甘〜いローションだよライト。いっぱいいっぱいしゃぶってあげるね」
「――…っう…!」
亀頭めがけてトロリとシロップが垂れる。
熱く脈打ったそこに突然訪れた冷たい感触に、月は綺麗に整った眉をしかめ目を固く閉じた。唇がわななく。
「…っはぁ…っ、ライトの感じてる表情初めて見た…、んっ…なんだか可愛い…」
竜崎の指の動きに腰を跳ね上がらせながら、ミサはシロップを月の肉塊全体に塗りこむように指を這わせる。
水よりも少し粘着性のあるそれは、ミサの指の動きに加えて不思議な快感を月にもたらした。
竜崎と同じく、しばらく性処理もままならぬ環境の中にいたため、一度快楽を与えられたそこは今にも爆発してしまいそうな状態となっていた。
月は咽喉をヒクつかせ唇を噛み締めながら、その快感に耐える。
「…はぁ…っ、ライト…」
ぬるりと小さな舌が月の亀頭を貼った。
「――――…っ! ぅあっ!」
月の腰が、まるで電撃が走ったかのようにビクビクと跳ねる。
チロチロと舌先で尿道口を丹念に舐めながら、ミサは陰茎を下から上へと扱き上げる。
「ぅ…っ、ミサ…っ」
「っはぁ、嬉しいライト…もっとミサの名前呼んで…んっ…」
亀頭全体を口に含み、唇と舌を使って優しく舐めまわす。
月の先走りとシロップの甘さが混じり合った奇妙な味が、ミサの舌にじんわりと広がった。
少しだけ頭を上下させると、カリの部分と唇が擦れ、カポカポと小さな音が響く。
「んはっ…あは、甘くて美味しいよライト。癖になっちゃいそう…ミサ甘いもの控えてるんだけどなー」
楽しそうに言いながら、ミサは今度はクリクリと亀頭を右手のひら全体で弄び、裏スジに舌を這わせた。
「ぁ…っ、く…!」
されるがままの月は、唇を噛み締め声を押し殺すことしか出来ない。
気を抜けばすぐにでもイってしまいそうだった。
「ン…りゃいとぉ、ガマンしなくていいからね…」
顔を傾け、月の陰茎を唇で挟みはむはむと咥えながら、ミサは彼を見上げた。
その表情がまた、月を高みへと誘う。
「…っミサ…」
月はミサの淡い髪の毛へと手を伸ばした。
柔らかく指通りのいい髪の毛が、月の長い指の間を通り抜けていく。
その初めての月の行為に、ミサは嬉しそうに微笑むと、再び彼の亀頭に舌を這わせ、
―――ずぷぅっ…
咽喉の奥まで月の肉塊を一気に咥え込んだ。
「っぁ…!」
新しい快感に、月は腰を振るわせ手元の手錠の鎖を固く握り締めた。
汗でじっとりと濡れた手が気持ち悪い。
堅く握り締めたはずの鎖がぬるりと滑る。
「ん、ンんっ、んむぅ…、ン…」
ミサは唇をすぼめて陰茎をきゅっと締め付けると、先程手でそうしていたように、頭を上下に揺らし月の怒張を扱いた。
小さな白い手は、玉袋を優しく揉んでいる。
「っく…、はっ…」
ビクビクと震える太腿にミサの柔らかな乳房が当たる。
(っく…そろそろ…っヤバイな…)
息を荒げ視線をミサの顔から外すと、いつの間にか竜崎がミサのスカートを脱がしてしまったらしい、ミサの尻が顔を覗かせていた。
背中から尻へのラインが美しい。
さすがにモデルをしているだけあって、触れたくなるような綺麗な肌だった。
そんなミサの尻を持ち上げ、竜崎の手は中心で蠢いている。ここからでは何をしているのかは見えないけれど。
月の視線に気が付いたのか、竜崎はぎょろりとした目を細めるとテーブルの上のシロップ―――置きすぎじゃなかろうか―――に手を伸ばした。
「…っんふっ…」
ミサはピクリと震えたが、月のペニスから唇を離すことはしない。
そのまま上下に動かし、月に快感を与え続けている。
「随分楽しんでますねミサさん、こちらもビショビショです。私の精液もほとんど外に出たようですね」
「…っんン!」
腰にシロップを垂らされ、月のペニスを咥えたままミサは悲鳴をあげた。
腰の窪みに甘い液体が水たまりを作っている。
ぴちゃっ…
竜崎は舌を伸ばすと、それを犬のようにペロペロと舐め始めた。
堅い黒髪がミサの背中を撫でる。
「ふあっ…ぁ!」
さらに肉芽を摘まれ、ミサは堪らず声をあげた。
咥えていた月のモノから唇が離れ、それは勢いよく反り返り月の腹部を叩く。透明の粘液が弧を描いた。
「ひ…っ、ぁ、やっ、それダメ、だめぇ…っ」
ゾクゾクと腰を駆けぬける甘い痺れ。
ミサは月の太腿に顔を埋めビクビクと震えた。
「ミサ、すまない…っもうすぐイキそうなんだ」
「あっ…!んむぅ…っ」
月は反り返った己の怒張を掴むと、無理矢理先端をミサの小さな唇へと押し当てた。
それは何の抵抗も無くズプリと彼女の温かい口内に飲み込まれていく。
月はミサの頭を両手で抱えると、腰を前に突き出した。
「んンっ…!!」
咽喉の奥を突かれ、ミサが苦しそうに呻く。
強引な抽送を繰り返しながら、月は息を荒くしミサの口内に熱い肉塊をねじ込んだ。
「ん、んンんっ、ん、んーっ!」
頭を掴む大きな月の手に白い手をかざし、ミサはイヤイヤと首を振った。
汗ばんだ額にはべっとりと髪の毛が貼り付き、相当苦しいのだろう、眉がくしゃくしゃに歪んでいる。
そんな彼女の表情に更に興奮している自分を、月は認めざるを得なかった。
――楽しい。
(………………)
ミサの腰に舌を這わせながら、こちらを見上げる竜崎の目は監視者のそれそのものだった。
その監視者の大きな黒目に映る月の口元は歪み、醜い笑みを浮かべている。
―――ああ、そうか。
僕は元々こういう人間だったのかもしれない。