「はいっライトぉ・・・あ〜ん♪」
ミサはフォークでショートケーキを掬い対面に座るライトの口に運ぶ。
愛しのライトとの限られた時間。もっと寄り添い、果てにはライトと肌を合わせたい。
しかしライトの左手には手錠が、そしてその横には・・・
(これで竜崎さんさえいなければなぁ・・・)
ミサは「はぁ〜」と大きく溜息をつく。
「どうかしましたか?ミサさん」
右手でライトと繋がっているこの男・・・竜崎は彼特有の座り方をしながらミサに問う。
「ねぇ、竜崎さん。1時間、いえ、30分だけでいいからライトと2人きりにしてくれない?」
「ダメです。」
即答だった。竜崎はつづける。
「2人きりになってって結局はセックスするんですよね?」
「そ、そんな・・・。」
「おい竜崎っ!」
ミサとライトは顔を赤らめる。さらにつづける竜崎。
「たとえ席を外しても監視カメラで観るんですから、どうせなら私の前でやったらどうですか?」
「そういうことじゃなくてぇ〜。」
呆れたように反論するミサ。
「私は気にしませんから。どうぞ。」
―その時!
崩れ落ちるライト。
「!!!ライト!?」
ミサはすかさずライトに寄る。
「ライトぉ?!ライト?!!」
ミサはライトの肩を揺らすが反応しない。
「・・・意外に速く効果が出たみたいですね。」
「竜崎さん?!なに?ライトに何したの!!!」
涙を浮かべながら竜崎に食ってかかるミサ。
「安心してください。寝てるだけです。その紅茶にちょっとした薬をね。」
竜崎は手錠のカギを開け手錠を取り外し手首を摩りながら言い放った。
「なんで?!なんでこ・・・こんなこ・・・と・・・」
ミサもライトに抱きかかるように崩れ落ちた。
「それは・・・それは・・・貴方のことが好きだからです。」
抱き合うように眠る2人を見下ろし呟いた。
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竜崎は深い眠りに落ちたミサを抱きかかえソファーに寝かせた。
ミサの頬を優しく撫でる竜崎の顔はどこか淋しそうである。
「美しい・・・まるで人形のようですね・・・」
竜崎はおもむろにテーブル上のケーキの皿を手にした。
「・・・こんな出会い方じゃなければ・・・」
クリームを指ですくうとリップクリームのようにミサの唇に塗った。
「あなたがキラじゃなければよかったのに・・・。」
竜崎はミサの唇に塗ったクリームを舌で舐めだした。
甘く柔らかいミサの唇・・・。
丁寧に唇をなぞりクリームを全て舐め取ると優しく唇を重ねた。
浅く・・・長く・・・ミサの唇の感触を味わう。
(愛しい・・・ミサさん・・・)
竜崎は一旦唇を離しケーキの上に乗っている苺を摘み、ミサの口の中に押し詰めると再び唇を重ねる。
ミサの唇を舌でこじ開け苺を転がすようにミサの口内を愛撫する。
クチュ・・・クチュ・・・クチュ・・・
ミサの唾液がいやらしい男をたてる。
苺の果汁が染み出してミサの唾液と混じりあう。
ジュル・・・ジュルジュルジュル・・・
竜崎は深く唇を重ね、舌を上手く使いミサの唾液を吸い取る。
クリームと苺の果汁が混じった唾液・・・竜崎にはそれすら愛しい。
しばらくミサの唾液を味わうと竜崎は唇を離した。
(・・・でも私は・・・)
テーブルからティッシュを取り、ミサの口まわりを拭いた。
(モニター越しに見るあなたの笑顔だけで十分です・・・)
竜崎はミサを抱きかかえミサが眠りに落ちた時のようにライトと抱き合うように寄り添わせた。
(今はあなたが望むがままに・・・)
竜崎は外れた手錠の片方をミサの右手首にはめると、ミサの口から苺を取り出し口に含んだ。
(1時間だけですよ・・・)
竜崎は振り返ることなく部屋を後にした。
おわり