「!!!」
がばっ!!
「・・・・ハァ・・・はぁ・・・」
真夜中の1時、粧裕は最悪な夢を見て汗だくで飛び起きた。
「やだ・・・なんて夢・・・」
お兄ちゃんがいた。
お兄ちゃんは・・・こわい表情であたしの前から消えていった。
「・・・・・お兄ちゃん」
・
・
・
・
「・・・ふぅ」
その頃月はどうにも眠れずノートを眺めていた。
その時、部屋のドアが控えめにノックされた。
「!だ、誰??」
『・・・あたし』
「!!まってろ今開ける!!」
とびらの向こうから聞こえた返事は愛しい妹の声だった。
月はパジャマの姿のまま扉を開けた。
そこにはいつもと違って悲しそうな不安な顔をした粧裕がシーツを頭からかぶって立っていた。
月はドアの中へ粧裕を入れると心配そうに声をかけた。
「どうしたんだ?こんな時間に」
「お兄ちゃん・・・」
「!」
明かりに照らされた粧裕の顔を見て月の鼓動は早まりだした。
目に涙を溜めて20cm近く上の自分の顔を、おそらく無意識に見上げている粧裕。
部屋着の為、鎖骨や、胸元が無造作に見えている。
月は視線をずらした。
「どうした?こんな遅くまで起きてたら叱られるぞ?」
「いいの、お兄ちゃんだから大丈夫・・・」
ぎゅ・・・
「!!」
粧裕は月の胸に飛び込んだ。
「粧裕・・・!」
粧裕の体を離そうと両肩に手をかけた。
しかしその時、粧裕の体が震えていることに気付いた。
「・・・粧裕どうした?なにかあったのか?」
「夢を見たの・・・」
「?」
「凄くいやな夢・・・凄く。」
「・・・どんな夢だったのか聞いてもいいか?」
「・・・お兄ちゃんが居なくなっちゃう夢。あたしの前から。凄くこわい顔してた。」
「・・・・僕はどこへも行かない。」
「あたし、何度も行かないでって叫んだの。でもお兄ちゃんはそんなあたしに目もくれないでいっちゃった。」
ぎゅ・・・・
粧裕の手に力が加わったのを合図に、月も自分の手に力を込めてしっかりと粧裕を抱きしめた。
「……僕はどこへも行かない・・・」
「どうかな?」
「…………安心してほしい」
「・・・・・あたし」
「ん?」
「お兄ちゃん、あたしお兄ちゃんが好き」
「!」
「・・・ごめんいきなり。でもそうなんだ。だからこんなに不安になったんだと思う。」
「粧裕・・・・」
「もう平気、お兄ちゃんに会ったらなんか安心したよ、ごめんこんな時間に、じゃぁ」
「・・・・」
ぎゅ・・・!
「!・・・お兄ちゃん?」
無言で自分を抱いている手に力を込めるだけの月に不信感を抱き問い掛ける粧裕
しかし月は手を緩める気配がない。
「お兄ちゃん?もぉ離して」
「だめだ。」
「お兄ちゃん?・・・わ!!」
粧裕は突然自分を抱き上げた月に驚きを隠せない。
顔を真っ赤にして訳がわからないといった様子の粧裕を完全無視して
月は粧裕をお姫様抱っこしたまま自分が先程まで眠っていたベットへ腰をおろした。
「お…………!お兄ちゃん?」
「・・・・粧裕・・・ハッキリ言うよ。抱いてもいか?」
「抱いてって・・・今の状況がそぉ見えるけど?・・・!!」
『抱く』の意味がまだわからない粧裕の唇に優しくそっと口付けをする月。
粧裕は慌てて身じろぐが抵抗むなしく
月の口付けはどんどん深くなり粧裕からもどんどん力が抜けていく。
「はぁ・・・」
やっと解放されたときには呼吸すらしっかりできていなかった。
「意味、わかった?」
「・・・うん」
「もう一度言うよ、抱かせてくれ。」
「・・・・・・・・・・・・ぅん」
その小さな反応を確認し、月は膝の上に乗せていた粧裕を自分の下にし上からおおいかぶさった。
粧裕は顔を真っ赤にして月の綺麗な鋭い瞳から目をそらした。
「反らさないで、しっかり僕の目を見ていろ」
「そんな事言ったって・・・」
「粧裕・・・愛してる」
「や!!」
月は粧裕のTシャツの中へ手をしのばせる。
シーツの中の粧裕の姿はTシャツと下着だけと言う姿だった
「こんな格好で来るなんて・・・僕を誘っているようにしか見えないな。」
「だって・・・不安でたまらなかったし・・お兄ちゃんだから・・・あぁ!!」
月の手が粧裕のまだ育ち途中の胸に触れた。
息があがってきた粧裕の耳元で静かに甘く囁く。
「粧裕はなにか勘違いしているな・・・・」
「?」
「僕は男だ。粧裕のこんな姿を目の前に、そんなに紳士ではいられない。」
確かに月の体は自分に比べると全然大きくてしっかりしていて・・・・
力なんてまるでかなわなかった。
「・・僕はあのまま寝て夢を見ているだけなのかもしれないな。」
「だい・・・じょ・・・!!あたしは・・今・・・ん!!ここにいるよ?・・あ!」
「夢が覚める前に粧裕のをしっかり感じていたいんだ。」
月は粧裕のシャツを脱がすと胸元に口付けを繰り返した。
「あぁ・・・!!!」
月は粧裕の胸の先を口に含んだ。
とたんに粧裕の体がビクンと跳ね上がり背中が浮き上がった。
月はその瞬間を見逃さず素早く粧裕の背中に腕を回すと、
さっきよりも強く吸いつき始めた。
「あぁん!!おにいちゃ・・・!!やめ!!はぁあぁああぁぁぁ!!」
「粧裕・・・・」
月の髪が胸元で踊り、粧裕の頭は真っ白になっていく。
「お兄ちゃん・・・あ!!んん・・」
相変わらず月は粧裕の胸の先に吸い付き
もう片方は、しなやかな指と手のひらで転がし始めた。
粧裕の体は強張り目から涙が溢れ出した。
「おに・・・ちゃん・・や、やだぁ!!」
月はだんだん変になってきた粧裕の反応を不審に思いいったん口をはなした。
「どうした?粧佑。………!泣いてるのか?」
「………」
「・・・・・ごめん怖がらせるつもりは無かったんだけど・・・。」
「ちが・・・違う。」
「違わない。粧裕はこんなに震えてるじゃないか。」
月は粧裕の体を抱きしめながら言った。
しかし粧裕はなぜかもがき始めた。
「粧裕、今はなにもしない大丈夫だ。」
「違う!そんなんじゃない、お兄ちゃん・・・お兄ちゃんの顔が見たい。」
「?」
思いがけない言葉に月の手の力が緩んだ。
粧裕は月の顔をしばらく黙ってじっと見つめると柔らかく微笑んだ。
「変だよ、あたし。さっきまであんなに反らしておいてのに・・・今お兄ちゃんの目が見えなかった間、もの凄く不安だった。」
「・・・・粧裕、(どうしてお前はそんなに僕の理性を破壊するんだ。)
月は言い終わると同時に粧裕の唇を奪い、貪りつく様に粧裕の口内を犯していった。
「ん・・・!!」
月は深い口付けを続けながら粧裕の秘部へと手を伸ばした。
「んぅ・・・!!んん!!」
月のしなやかな指が容赦なく攻め立て粧裕は苦しそうにキスの合間に息を吐く
「んあ・・・!ぉにぃ・・ちゃぁ・・・ぁふ!!」
月は名残惜しそうに唇を離すと粧裕の顔じゅうにキスをした。
「ふあ・・!!あぁ!!お兄ちゃん!や!!やぁぁあああぁぁん」
「粧裕・・・少し声を抑えられるか?下の部屋は・・・」
そう。下の部屋には二人の父と母がいる。
まぁ両親は二人の関係には気付いて無いし、今は眠っているが油断はできない。
「ごめ・・・!!ん!!んん」
粧裕は両手で精一杯自分の口を抑えた。
そんな愛らしい姿に、月はどうにもならない罪悪感を感じた。
しかし火照った体は留まるところをしらず月は己自身を粧裕の秘部にあてがった。
「あ・・・!はぁぁ・・・・!!ん」
「粧裕・・・力を抜いてくれ・・・大丈夫だ。」
「ん・・・」
粧裕は素直に月の言葉に従うと体の力を抜いた。
その瞬間を見逃さず月はゆっくり粧裕のなかに自身を納めた。
「・・・・!!あ」
「粧裕、苦しいなら僕の肩にしがみついていろ。」
「や・・・だめ・・・!!声が………!」
「もう抑えなくていい。さっきの言葉は訂正するよ。」
月は粧裕の細い腕を自分の肩へかけると優しく微笑んだ。
「お兄ちゃん・・・愛してる」
「僕もさ・・・粧裕、動くぞ?辛かったらいえ。いいな?」
「大丈夫。」
月は粧裕の笑顔を見て、腰を動かしはじめた。
「ひゃ!!・・・い・・!イタ・・・あぁん!・・!!あ!!ぉにぃちゃん・・!!お兄ちやぁぁん!!」
「粧裕・・・!!あ・・!」
「やだ・・・!あたし・・・ん!!変・・・体が・・・!!あぁ!」
「粧裕…!愛してる、お前の全てをだ!」
「うんん・・・!!お兄ちゃ・・・!!は・・・!!や、ああん!!だめ・・・も・・・」
「もう……か?」
「ん!!もう…ダめぇ……」
「粧裕・・・!僕を・・・僕だけ感じてろ・・・!!う・・!」
「お兄ちゃん・・・あ、ああぁぁぁあ!!や!イク・・!!やあぁぁん!!」
「粧裕・・・!粧裕!!!」
ドクッドクッ……!
二人は絡ませた指に力を込めて同時に果てた。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・お兄ちゃん・・・?」
「ん?」
「傍に・・・いて・・ね。」
「どこへも行かないさ。」
「あたし・・・ずっと・・お兄ちゃんのと一緒にいたい。」
「僕もさ・・・・」
「お兄ちゃん・・・大好き・・・」
「僕もさ・・・・」
「ふふっ。」
粧裕は微笑むと月の腕の中で静かに目を閉じた。
「愛してる・・・粧裕。」
月は粧裕を抱きしめると優しく、柔らかく微笑んだ。
「・・・・さて」
「クククク・・・月、面白いもの見せてもらったぜ……。」
「気をきかせて出て行くとか考えなかったのか、リューク。」
「今更、俺に協力なんか求めるなよ。」
「…………」
「あ、怒ったのか?ライト〜」
「…………」
粧裕が体中のキスマークをごまかすのに必死になるのはもう少し先の話である……