『う…あっ、あん!』
少女は声を小さくあげて身を捩った。
右手が下着の中に挿し入れられて、淫らに動いているのがわかる。
うつ伏せになって、腰をくねらせて快感を追うその姿。
(…まるで獣のメスそのものだ)
おそらく少女は、こんな自分の痴態を誰かに監視されているなど露とも思っていないに違いない。
『やっ、ああっ、も、や、ん、もっと』
顔は枕に埋められていて、表情を読みとる事は出来なかったが、
様々な角度で取り付けられたカメラがシーツを握りしめる小さな手を映し出し、その快感の深さを示した。
『あ、あ、あ、』
くぐもった声がいっそう高くなり、絶頂が近い事を知らせる。
尻を高く持ち上げ、まるで誰かと性交しているような動きで高まっていく。
『ああっ!』
弓なりに背を反らせて、少女は達した。
無数のモニターが生む無機質な機械音と、スピーカーから流れる少女の吐く荒い息が、部屋を満たす。
『おにいちゃん…』
最後に小さく呟かれた名も、淡々とテープに録音されていく。
「夜神粧裕…」
Lは唇に押し当てた親指を密かに舐めた。
狂った空間に引き込まれそうになる誘惑と戦いながら。
終