「今夜はあんまり時間がないんだ」  
携帯電話の向こうの高田清美に夜神月は言った。  
残念そうな息を吐くと清美は「そう。忙しいのね」と続けた。  
最初にセックスしてからすぐに自分から乗ってくるほど淫乱になった清美が、今夜どんな反応をするかと月は一瞬考えたが、携帯電話を切るとそんなことを考えた事すらさっさと忘れてしまった。  
 時間がないので先にシャワーを浴びてしまって書類を見ていると高田がやって来た。  
「ごめんね。忙しいのに」  
 コートを脱ぐとさっき一瞬テレビで見たような服を着ている。  
「いや。こっちこそ……シャワー浴びる?」  
 清美は普通の格好、月はガウンというはじめての奇妙な取り合わせに月が戸惑っていると、清美はスカートをたくし上げた。  
 手入れされた肌はストッキング無しでもツルツルと光っている。  
 びっくりして立ち尽くす月の前で清美は液の滴るパンティを下ろした。  
 そして糸を引く粘液の源泉から、こぽっと音を立てて女性用バイブレーターを外し月の目の前に掲げて見せた。  
「すぐ、挿れられるわ」  
「っ……」  
 月は仕事用の化粧もそのままに微笑む清美から卑猥な道具を奪うとベッドに押し倒した。  
 いきなり舌を絡め合うような濃いキスを交わすと、淡い香水の香りと化粧品の発する脂粉の香りが月の鼻をくすぐる。  
 もう充分に濡れている清美の脚を押し開くと新しく湧き出た愛液と、時間を経た女の体の匂いがする。  
 服の下にはブラをつけておらず張り裂けそうな胸の頂上にぷつんと突起が浮き上がっていた。  
「あぁ…ん……」  
 いきり立った陰茎をゆっくりと清美の太股の間に沈め、親指で乳首の先を弾くと清美は甘く叫んだ。  
 さっき取り澄ました顔でニュース原稿を読む清美をもっと見ておけば良かったと月は後悔した。  
「こうして欲しいじゃないの、高田さん」  
 中途半端に捲り上げたトップスの間から覗く豊満な乳房を揉みながら潤った孔をゆっくりと穿つ。  
「いやぁ。や、」  
 月より興奮している様子の清美は、明るい室内で白い首の筋を浮かせなから仰け反り腰を蠢かせた。  
「あん。あっ、ああっ」  
「高田さん、あんな物入れてどうしたの?」  
「う……ああん……」  
「言わないと出してあげないよ」  
「あ…ぁ。お昼に我慢できなくなって……トイレで指で……それに時間」  
「いやらしいね、清美は」  
「んんっ」  
 ずぶっと突き刺すと清美は包み込んだ肉を絞り上げた。  
 高学歴の女は言葉責めに弱いのだろうか。  
 ミサはここまで淫語に反応しない。  
「それで、何回イったの?高田さん。まさか番組中にも挿れてた?」  
 笑いながら言うと、締め上げる清美の膣の脈動の収まるのを待って掻き回す。  
「はぁ……あ、はぁっ。夜神君……」  
 キスを求めるようにしがみつく清美と舌を舐め合うようにキスを交わす。  
 清美の耳を塞いでクチャクチャと粘着音を聞かせてキスをする。  
「ぁあ―――」  
 いつもならいくつか体位を変えて後背位で細い腰と振動で揺れる尻を見ながら射精するのだが。  
「だめっ、夜神君……いく」  
 小刻みな揺れに双丘を震わせながら清美が懇願してきた。  
「ダメだよ……ん……清美、もっと楽しませてくれないと……」  
「だめぇ……いっちゃう、いくぅ」  
 眉根を寄せて頬を上気させた清美の顔を間近に見下ろしながら奧へぐいっと入り込む。  
 ぬるぬると暖かく締め付ける清美の膣の上、腫れ上がった性器の少し大きめのクリトリスに擦り付けるように腰を蠢かせると啜り泣くような声を漏らし、清美は絶頂に達した。  
 
「ああ……良いよ、高田さん……」  
 膣も肌もぐっしょりと汗をかいて、短い髪が清美の頬に張り付いている。  
「どう?高田さんは」  
 動きたくなるのを抑え、清美をほんの少し誘導してやると自分で淫らな言葉を発する。  
「……夜神君。入ってる……夜神君の……おちんちん」  
「どうして欲しいんだっけ?」  
 ぎゅうぎゅうと締め付け汁を垂らす清美の体をパンパンに張った陰茎でゆっくりとなぞるように扱く。  
「あ……だめえ……もっと」  
「もっと?」  
 清美は肉付きの良い脚を月の腰に絡めた。  
 最近始めたというベリーダンスの動きなのか腰を器用にくねらせ、なかば月の体でオナニーをするようにグチャグチャと中を掻き回した。  
 これには月の方が負けそうになる。  
「っ……高田さん。」  
 脚を外して大きく開かせると、月は激しく往復運動を始める。  
 清美の甲高い喘ぎ声と、二人の荒い呼吸、パンパンと濡れた肉をぶつけ擦れ合う音が煌々と照った室内に響き渡る。  
「ふ、あぅ……―――あぁ、いっちゃう、いやぁん、いっちゃう!」  
 段々と脚に力が入って痙攣するようにひくつくと、孔が急激に収縮する。  
 動きを止めた月は首を振って乱れる清美をベッドの上で何度も突いた。  
「あ――ぁっん。……あ――」  
 化粧の下で紅潮した顔は淫らで、さっきまでニュースに出ていた同じ女とは思えない。  
 強烈な愛液の匂いと滴り、陰茎に吸い付く卑猥な粘膜の襞が次第に性感を高め射精感が近づいてくる。  
「あ……いきそうだ……清美」  
 さっきから乳を揉んで乳首を苛んでいるせいで清美は訳が解らなくなっているようだ。  
 強く立った乳首を摘むと清美はやっと薄目を開け、またすぐにとろんと閉じた。  
「ぁ―――あ……ああっ」  
「良いよ、清美……吸い付いて、離れないよ。いやらしい……」  
 奧を突くと清美の腰がピクンと跳ね長く深い絶頂に至った。  
「んっ……ぐ。あ……」  
 感じすぎたのかほとんど醜悪になりかけた顔で清美が唸る。  
「あ…はぁ…」  
 清美の中でパンパンに張った陰茎が耐えきれず精を放つ。  
 持ち上がった細い腰がひくっと反応した。  
 月は清美の股を抱きしめると奧へ奧へと種汁を注入する。  
「……どう?」  
 清美は何か応えようと声を発した。  
「あ……あ……」  
 
 
 深い快感の余韻でボーっとした清美の側で月は寝転んでいた。  
 借り物かもしれない服が皺になるとまずいので清美の服を脱がせ畳んだのも月だ。  
「何回オナニーした?」  
「一回……」  
「イったのは?」  
「……2回」  
「清美のココは凄いね」  
 まだ興奮を示す濡れた豆粒をなでると清美はぽってりとした唇を開き前歯を覗かせ、甘く吐息を吐いた。  
「あ……やぁん」  
「それとも、中で?」  
 まだ月の形を残した部分に指が滑り込む。  
「ゆ……指……」  
「まだ、イきたい?」  
 腕枕をすると月は薄い唇に笑みを浮かべた。  
 清美は瞼を閉じてこくんと頷いた。  
 清楚だ何だと崇められた清美が快感にここまで従順になるものなのか……。  
「でも、……時間が」  
「良いよ。予定は少し変える」  
 クリトリスをいじりながら膣壁を擦ると清美は太股を開いて腰を浮かせた。  
「あ……」  
「あとで一緒にシャワーを浴びてそこで話をしよう」  
 水を掻き出すような音をたてて清美の淫らな部分を刺激する。  
「あっあっ……行くぅ……あっ」  
 中を擦る刺激で清美はまた絶頂に達し月の指をピクピクと締め付ける。  
 ピンク色に腫れた中を指で開くようにして広げて抜くと水気の多い液が玉を作って滴った。  
「あ――」  
 快感の頂点で緊張していた清美の体から徐々に力か抜ける。  
 荒い呼吸が段々と静まっていく。  
 月は指に絡んだ自分の精液混じりの水を拭き取った。  
 性欲は満たされた。  
 すっきりした頭で考えるべき事はいくつかある。  
「先にお風呂に入る」  
 清美は快感がまだ残っているまま頷いた。  
 ……この分では予想よりも大分時間がかかりそうだ。  
 部屋を出た後いかにも性行為後ですと言わんばかりの目つきではさすがにまずいが、取り巻き連中も薄々勘づいているんだろうし構わないか。  
 月はベッドから立ち上がると落ちていたガウンを拾って立ち止まった。  
 ベッドに裸で寝たままの清美を振り返る。  
「ああ、そうだ。帰りも挿れて帰るんだよ」  
 
終  
 

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