――このところ、ニアの様子がおかしい。  
もともと変わり者だという事はリドナーも重々承知しているが、  
パイずりでからかってやってからというもの、彼の焼け付くほど  
熱い視線が、自分の胸に注がれているのをひしひしと感じるのだ。  
食事中、ニアはリドナーに見とれてスープを零しまくる。  
拭いてやろうとしてリドナーが傍で屈むと、今度は鼻血を吹く。  
こんな事が続いては、業務に支障をきたしかねない。  
 
できるだけ襟ぐりのつまった、素っ気ないシャツを着るように心がけて  
みたものの、ニアの金色に輝く視線は、ひとたびリドナーの揺れる乳を  
ロックオンしたら、10分以上離れる事はない。  
ついさっきなど、フラフラと後をついて回ってきて困った。  
二足歩行を忘れたのか面倒なのか、這い蹲って子犬のようについてくる。  
 
朴念仁のレスターや、常時額に汗かいて余裕ゼロのジェバンニも、  
いずれはハルとニアの関係に気付いてしまうかもしれない。  
そうなる前になんとかしなければ――とリドナーは溜息をついた。  
早い話が、「また溜まっちゃったみたいだし、一発抜いてやるか」という事だ。  
 
「ニア・・・今夜お部屋に行っていいかしら」  
仕事の合間を縫ってそっと耳元で囁くと、ニアの耳朶がぽうっと桃色に染まった。  
言葉を発する余裕がないのか、ただ、こくんとうなずくのみ。  
それからの数時間、彼は鬼神のように資料を読みこなし、ジェバンニに過酷な  
業務を山ほど押しつけ、レスターと今後の捜査方針について激論を飛ばし、  
やがて彼らを解放した。仕事は蔑ろにしないのである。  
そして期待いっぱい胸いっぱいな表情で、リドナーを寝室へと招いた。  
 
ぱふん。リドナーは立ち尽くしたニアを抱きしめ、両乳の間で窒息させかけてから、  
白いくるくる巻き毛を指先でかき回す。  
「一緒にお風呂に入りましょうよ」  
「一人で入れます。私だって子供じゃないんですから」  
「あら。大人同士で入るから楽しいのに」  
「楽し・・・うっ!」  
また鼻血だ。タラタラと流れる血は彼の真っ白なパジャマを汚し、リドナーの  
ブラウスにも染みを付けた。  
「ごめんなさい・・・」  
「いいのよ。じゃ、これ洗っておくから、先にバスルームへ行っていて」  
テキパキと上衣を脱がせ、入浴の手筈を整えてしまう。誘惑するお姉さんというより  
だだっこの世話をするお母さん状態だが、衣類の応急処置を済ませる。  
――さあ、坊やのお守りも手早く済ませましょう。  
 
「ふふっ、お邪魔しまーす」  
さすがに照れもあり、リドナーは少々おどけた口調で挨拶しつつ、バスルームへ入った。  
すると、浴槽の中ではニアが息を荒げ、いきりたった陰茎をしごいていた。  
「あっ、まだ入ってきちゃダメです!」  
「私が洗濯している間、一人で楽しんでいたのね・・・ひどい」  
「ズルをしようとしたわけではないのです。ただ私は・・・」  
ひとまず先に出しておかないと、いてもたってもいられなかったのよね?  
リドナーもそのへんの機微はわかっているのだが、あえてなじってみた。  
「ほんと、つれない人なんだから。私は勝手にシャワーを浴びますから、  
どうぞ気にせず続けてください」  
しょげるニアを浴槽の隅っこへ追いやり、シャワーを浴びる。  
豊満かつひきしまったボディが水を弾く。うつむくニアが上目遣いにチラチラと  
それを見つめているのがわかり――リドナーはさらなる焦らしを思い付いた。  
「ニア、髪はもう洗った?」  
「え、まだです」  
「洗ってあげましょう。こっちにいらっしゃい」  
立ち上がるニアと真正面から向き合う。身長差のせいで、顔の真ん前に  
丸くたわわな乳房が揺れる事となり、ニアは吸い寄せられるようにリドナーの  
胸に顔を埋めかけた。  
が、リドナーはスッと体をかわす。乳首の先で、ちょんとニアの鼻をつついた。  
ニアは反射的に伸び上がり、リドナーの乳首に吸い付こうとする。が、かわされる。  
――おっぱいで釣りしているみたい。この子、おもしろい!  
つんと尖った桜色の乳首、柔らかそうな乳輪を前に、ニアは躍起になって顔を動かしていた。  
運動神経が鈍いのか基礎体力がないのか、フラフラしている。  
それが滑稽で愛くるしくて、リドナーはそのたわいない遊びに興じた。  
 
やがて我に返ったのか、ニアがぎゅっと抱きついてきた。  
最初からそうすればよかったのに、と呆れつつ、リドナーはニアの華奢な体を抱きしめる。  
太腿のあたりに押しつけられた灼熱だけが、雄の勢いを感じさせる。  
「ねえ、ニアって何歳なの?」  
外見から察するに12歳前後だが、性欲は10代半ばから後半・・・アンバランスさが気になり、  
つい訊いてしまう。するとニアは不機嫌丸出しの表情でリドナーを見上げた。  
「別にいくつだっていいじゃないですか」  
言い捨てるなり、目の前で揺れる乳房に吸い付く。待望の乳首に唇を重ねた。  
「いたたっ、ちょっと、そんなに強く吸わないで」  
私のおっぱいはマックシェイクじゃないのよ、このやんちゃ坊や!  
「お願い、もっと優しくして・・・」  
「ごめんなさい」  
素直に謝り、ニアは唇を離した。と同時に股間の熱も少々収まる。こっちも素直だ。  
上司としては理不尽かつふてぶてしく、最強にして最悪な存在であるが、裸で向き合うと  
なかなかどうしてかわいい。ので、リドナーはもうちょっと構ってやりたくなった。  
 
「私がやってみるから、同じようにしてちょうだい」  
ニアを浴槽の中に座らせ、その隣に寄り添って彼の乳首を指先で弄ぶ。  
粟粒のように小さく、余計な色素がほとんどない、子供っぽいそれをくすぐると、  
ニアはクスクスと笑った。  
「くすぐったいです・・・」  
「ちょっとだけ我慢して。男の子も弄られているうちに、ここが感じるようになるから」  
ニアが初めて見せた、無邪気な笑顔。  
無垢な子供をエロの道に引きずり込むようで、リドナーの胸の奥で、  
罪悪感がチクンと疼いた。が、今さらやめる気もない。  
 
「くすぐっ・・・たい・・・」  
「ほら、だいぶ固くなってきたわよ」  
いつしか目を閉じ、意外に長い睫毛を震わせるニア。その乳首は、快感で固く凝っていた。  
リドナーがふっくらとした唇を添えただけで、ニアの体はびくっと震えた。  
「あっ・・・」  
「くすぐったいの先に、気持ちいいがあるの」  
「気持ち、いい・・・です」  
甘えるように体をすりつける様子がいじらしく、リドナーも熱心に舌を使う。  
ぷちっとした感触の男の子乳首だが、舌先でネロネロと転がすと、ニアは  
敏感に反応してくれるのだ。  
空いている方の乳首をちょんとつつき、ついでにちょっと強いめに抓ってみた。  
「あっ、あうっ、あっ!」  
ニアがガクガクと体を震わせた。リドナーは太腿にピショッと生温かいものが  
かかるのを感じる。  
 
「・・・出ちゃったの?」  
「はい・・・出ちゃいました」  
頬を紅潮させているニアだが、その瞳は暗い。タイミングを誤った己を責めているのか。  
「ごめんなさい。つい熱中しちゃって・・・ちょっと教えるだけのはずだったのに」  
「リドナーのせいではないです。私が年甲斐もなく興奮しすぎてしまったのです」  
だからあんたいくつなのよ?とリドナーは気になってしょうがないのだったが、  
ニアの股間を洗ってやりながら、フォローを続ける。  
「でももうニアは上手にできるようになったでしょ?」  
シャンプーを泡立てて髪に乗せてやりながら、たわわな胸をニアの顔の前に  
持っていってやる。  
ニアはうっとりとした表情で吸い付いてきた。今度は力加減を間違える事などなく、  
巧みに唇ではさみ、生意気に舌など使ってきた。  
「んっ・・・やだ・・・ほんとに上手・・・」  
今、喘ぐのはリドナーの番だ。  
 
髪を洗ってやるのはおざなりに済ませ、リドナーはニアの頭を抱きしめ、息を荒げる。  
日頃おもちゃばかり弄っている、子供っぽい深爪気味の指先に乳首を弾かれ、  
小娘のように嬌声をあげてしまうのだった。  
「はぁ、あ、あっ・・・ニア・・・すごい・・・」  
「ハル・・・好きだよ・・・大好き」  
あらこの子、興が乗るとファーストネームで呼ぶんだ?  
そもそもニアにファミリーネームってあるんだろうか?とリドナーは今さらな  
疑問を抱くのだったが、もはやそんな事どうでもよくなっていた。  
「お願い・・ニア・・・ちょうだい」  
「・・・何を?」  
「ふふっ・・・意地悪ね」  
バスタブにニアの背を押しつけ、のしかかるようにして火照った女陰を押しつける。  
「入れてぇっ・・・」  
ニアの屹立の根本を握り、ぬらつく部分へねじ込もうとしたその時、  
「ハル・・・っ、ご、ごめ」  
弾けた。ドクンドクンと強い脈動と共に、白濁がハルの内腿を汚す。  
 
「・・・私は、SEXに向いてないのかもしれないです」  
二度も放出したせいか、ぐったり気味のニアは天井をみつめながら呟く。  
その体を洗ってやりながら、リドナーは苦笑する。  
「向き不向きなんてあるの?」  
「私は・・・興奮しすぎです」  
「嬉しいっ」  
ぎゅっと抱きついてみる。ちょっとだけ乙女気分だ。  
「嬉しい・・・ですか?最後までできないような坊や相手に」  
「それだけ好いてもらえているような気がするもの」  
頬にキスすると、ニアははにかんだように目をしばたたかせた。  
 
「最初からスムーズにできる人なんていないわ」  
そうでもないのだが、ここは言い切ってみるリドナーだった。  
とりあえず毅然と言い切ると説得力が増す、というのが彼女の持論だ。  
「リドナーも最初は、アクシデントがありましたか」  
「まあ、それなりに。今思うとかわいいものだけど」  
破瓜の瞬間、恐怖と痛みに大暴れし、相手が軽傷を負った。  
リドナーの中では、甘酸っぱい思い出として処理されている。  
「いくらニアが天才でも、こればっかりは勝手が違うでしょ」  
「弱みを見せてしまいました」  
「お互い様じゃない・・・私もさっき、かなり乱れてしまったし」  
「本当に?あの、本気で乱れました?」  
「疑り深いのね」  
何でも疑ってかかるのは、この子の習い性なのだろうか?と思いながら、  
リドナーはニアの手をとった。  
「ほら、ね?」  
ジューシーなぬめりが残る谷間に、導いてみる。ニアは一瞬硬直したが、  
やがて、中指をぴこぴこと動かし始めた。  
「ぬるぬるして、あったかい・・・これ・・・」  
「本気。ニアに本気にさせられちゃった・・・」  
「・・・ハル・・・!」  
ニアが抱きついてきた。いよいよか?三発目も余裕の勢いだ。  
リドナーは長い両脚でニアの体を絡め取り、いざ結ばれんとする。  
その刹那、二人の視線が絡み合う。  
 
「ニア!日本捜査本部から連絡が!」  
――ジェバンニの声だ。絶妙のタイミングで登場と来たもんだ。  
血相を変えてニアの私室のドアを叩いている気配がする。彼は常に必死。  
そして夜半、ニアが密やかなお楽しみタイムを持っているなどと、  
想像する余地を持たない。  
「糞野郎・・・ロバに噛まれて死ね!朽ち果てろ!」  
押し殺した声で理不尽に部下を罵り、ニアはすっくと立ち上がった。  
反比例するかのように股間の彼自身は落ち着きを取り戻す。流石、というべきだろうか。  
「リドナー、中途半端な状態であなたを放り出す事を詫びます。  
しかしこの続きは必ず・・・近日中に!」  
大急ぎで身支度をして飛び出すニアの背中を見送り、リドナーは溜息をつく。  
ジェバンニにバレないよう、こっそりとこの部屋を抜け出し、  
何喰わぬ顔をして捜査に加わるべきだが、少々気恥ずかしい。  
 
そして、この続きはやっぱりキラ逮捕後まで取っておこうかなー、などと、  
悪魔のような事を思い付いたりしてみるのだった。  
 
                      ――おしまい――  
 

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