イギリス・ウインチェスター郊外にあるワイミーズハウス。昼食の時間が終わり、子供達は思い思いに好きな事をしようと
食堂を出て散らばっていく。活動的な子供は院の庭でボール遊び、室内で遊ぶのが好きな子供はプレイルームでおままごとや玩具遊びだ。
室内で遊ぶのが好き、というより滅多に外に出ようとしない少年、ニアもそこに陣取っていた。
ハウスの中には複数のプレイルームがあるのだが、ニアは成績こそトップであるものの
いつも無口で無愛想なので他の子供達はなんとなく避け、彼とは別の部屋で遊ぶ事が多いのだ。
最も、そんな事を気にするニアではなかったし、そもそも避けられ気味な事に気付いているのかどうかが怪しかった。
その日もその部屋にはニア一人しかいなかった。
外に出ようと子供達の群れが移動する。大概の子供達は通路から室内にいるニアを一瞥しただけで
通り過ぎていくが、その中に勇敢にも彼に誘いの声をかける少女がいた。
「ニア たまには外で遊ぼー」
リンダである。彼女は院の中では年長であるためか、それとも生来の世話好きか、たまにこうして
外に出ようとしない少年を誘い出そうとするのだ。
「私はいいです」間髪入れずにニアが応える。話しかける相手の顔は見ていないが
声の主がリンダであるという事はわかっていた。というより、自分に話しかけるような女子は
一人しかいないのですぐにわかる。
そう、じゃまた今度ね、と彼女が屈託なく返す。彼女はよく自分を誘いはするものの
断ったらそれ以上の無理強いはしてこなかった(今のところその誘いに乗った事はないし
これからも恐らくないのだろうが)。あっさりしたものだ。
そういう所はありがたいと思った。
あいつはほっとけよリンダ、という他の子供の声がし、ガヤガヤと足音が遠ざかっていった。
一人しかいないプレイルームに、ぱちんぱちんとパズルのピースをはめる音が響く。
何度も同じパズルをやりこんでいるニアにとって仕上げるのは5分とかからない。
完成させてはひっくり返してバラし、また黙々とピースをはめていく。この繰り返しの作業に没頭していた。
どれくらいの時間が過ぎただろうか、パズルに集中していたニアは、
いつの間にか目の前に落ちている人影に気付かなかった。
「…何の用ですかリンダ。外にいたはずでは」顔を上げる。
「あら、こんにちはニア。パズルやっててくれていいわ。私の事は気にしないで」
そこには、外でボール遊びに興じていたはずのリンダがいた。いつの間にこの部屋に…というか
こんな至近距離に来なくてもいいじゃないか、と思った。体育座りになった彼女の膝の上には
スケッチブックが乗っていた。そういえば、彼女には絵の趣味があった気がする。
「今は絵を描く時間なの」リンダが言う。
「何もここでなくともいいでしょう。他にも空いてる部屋はある」
「ニアの傍は静かでいいのよ。気が散らないでしょ」
単純にニアはやかましくないから静かでいいという意味なのか、それともニアのいる部屋には
人が来ないから静かでいいという意味なのか、どちらのなのかはわからない。
まあ何でもいい、とニアは思った。
「今ニアを描いてるのよ」とリンダは笑った。
「人を勝手に描かないでください」了承なくモデルにされた事に不愉快さを顕わにしながら抗議の声を上げる。
「もう途中まで描いちゃったから無理よ。はい、もうじっとしてて」
ピシャリとはねつけまた鉛筆を走らせる彼女に、勝手なものだ、と内心ため息をつき
ニアはまたパズルを再開し始めた。モデルになるのを許したわけではないが、
自分としては邪魔されなければそれでいいのだ。どうせ休み時間はもうすぐ終わりだろうし
移動するのも面倒くさい。
しばし、パズルのぱちんぱちんという音に加え、鉛筆を走らせるしゅっしゅっという音が部屋に響いた。
絵を描きながら、リンダはおもむろにニアをまじまじと見る。そういえば、
まともに話した事もこんなに近くで見たのも初めてかもしれない。
ニアはいつもぶかぶかのパジャマをボタンを少しはずして着ているのでいつもやや前がはだけ気味だ。
背も小さくまだ幼い印象をうけるものの、首から肩にかけての線はやはり少年特有のもので
女の自分とは全然違うと思った。男の子だわ、と改めて実感してしまったのだ。
ふと、触りたい、とじいっと見つめてしまう。ニアはその視線に気付いていない。
「…ねえニア」「はい?」ニアは顔を上げる。
「こんな事したことある?」
何の話だ、と主語のない喋り方に苛付いたのもほんの一瞬。ニアの頬はリンダの両手にはさまれ、
その唇は彼女のそれでふさがれていた。
「???」角度を変えつつキスを続けるリンダにあ然としながらも何故かされるがままになっている自分がいた。
やがてリンダの唇は下に降りていき、ニアの首に吸い付いてくる。
「リンダ…何を…」珍しく動揺している声に悪戯心が芽生え、ちゅ、と強めに吸う。
痕に残ったらいいな、となんとなく思った。
一方のニアは、首元もさることながら触れているリンダのツインテールがくすぐったくてしょうがない。いやそれより
この状況を1回どうにかしなくてはならない。無理やりリンダの両肩を掴み
引き剥がした。パズルとスケッチブックはいつの間にか横に追いやられている。
「ある?」上目遣いになりリンダが言う。それが先程の質問だとやっと気付いた。
「ありませんが、いきなり何するんですか」
「私もないのよ。だけど、なんだかニアを見てたらしたくなっちゃったの。ニアはこういうの興味ない?」
なんともあけすけな言い方だが、彼女らしい気がした。「彼女らしさ」を語れるほど彼女を知っている訳ではなかったが、
不思議と、頭の足りないいやらしい女だとは思わなかった。
「…あなたと私は少なくともこんな事をするほど親しくないし接点もなかったと思うんですが。
ちなみに、私はあなたの事をなんとも思ってません」
「私もそこまでニアを愛してるって訳じゃないわ。でも、キスしたりハグしたりする位には好きよ」
どうもリンダの基準はわからない。
「その位の意識で誰彼かまわずする様な事ではないですね。誘ってると解釈されて何されても文句言えませんよ」
「誘ってるのよ?」
2人は見つめ合った。なんとも言えない間が空く。
「ごめんなさい。ニアが嫌ならもうやらないけど」リンダが肩をすくめる。無理強いをしないのはこの少女の長所だ。
それでもニアが何も言わないのを見て、立ち上がろうとする。断られるのは慣れっこだ…
が、その腕を意外に強い力でぐいと引っ張られた。
「興味ありますね。どういうものか一度やってみたい」
リンダはぱちぱちと瞬きしながら彼を見た。そう、ニアは大人しくはあるが決して気弱な性格ではないのだ。
だからこそそんな彼にいつも声をかけていたのかもしれない。
「初めてね。ニアが私の誘いに乗ってくれたの」リンダは笑った。
「誰か来るでしょうか」
「もう午後の授業が始まるからここは大丈夫よ。2人でさぼっちゃいましょ」
しゃがみこみ、再びリンダはニアの頬を手で挟みさっきより深く口付けた。
今度は彼の方も積極的になったようだ。リンダが舌を入れると負けじと絡めてきた。
しばし、2人はキスに夢中になる。
「ん、んん……」苦しいのかニアが吐息を漏らした。その声に
リンダの下腹部にどくんとしたものが流れる。こんな感覚は初めてだった。
「ニアのそういう声…セクシーよ。もっと出して」思わず唇を離して言ったが、その台詞が
何かこの少年の癇に障ったようだ、いきなりリンダの首に強く吸い付いてきた。先程彼女がやった様に。
「ひゃああっっ!!」首を反らし悲鳴をあげる。その反応にニヤリと満足そうにニアが笑った。
結構負けず嫌いよね、と今度は口に出さずに思い、ニアのパジャマのボタンをはずしにかかった。
「触ってもいいよ」
リンダは右手でボタンをはずしつつ、左手でニアの手首を掴み自分の胸元に導いた。
そこには、いかにも発展途上だがしかし紛れもない柔らかな乳房があった。
パーカーごしにも、手のひらに感触が伝わってくる。そろそろと上からさすってみた。
彼女の胸は温かくて柔らかい。両手で揉んでみた。
「あ……っ」リンダが熱っぽく首を横に振った。
「ふーん、感じるんだ」自分はもう前を完全にはだけながら、しげしげと観察する様にニアが言った。
「何よ、意地悪ね」恥ずかしくなりリンダも返す。
「リンダ、自分で上を脱いでください。これ邪魔です」
確かにパジャマの彼とは違い、上からかぶる形のパーカーは自分で脱いだ方がいいと判断し
リンダは袖口から腕を抜き、首から脱ぎ捨てた。あと身に付けている物は
キャミソールとスポーツブラ、下はまだスカートだ。
「勝手がわからないので適当に脱がしますね」言うが早いか、キャミソールの下から
手を差し入れ、簡素な造りのブラごとぐいっと上にたくし上げる。
いきなり裸の胸を外気に晒された刺激と羞恥で乳房の中心がぽっちりと立ち上がった。
「ニアのえっち!」顔を真っ赤にしながらリンダは思わず前を隠した。
「何言ってるんですか今更」
邪魔くさそうにその手をどかし、芯を口に含んだ。
「あんっ…ニアっ…」
リンダは後ろに倒れ込み、自然ニアが押し倒す格好になる。
ふとリンダは、先程下腹部に感じたものがまた波のように押し寄せてきているのを感じた。
くすぐったいような、もどかしいような。思わず内股になり、生理現象を我慢している時のように
もぞもぞさせる。自分の腿にぶつかってくる様子にニアが気付いた。「どうしました?」
「わかんないけど、おかしいの」潤んだ目でニアを見たが、彼の体にも異変が
起きているのに気付いた。
「なにそれ…どうしちゃったのニア」
彼の下パジャマの中心は、明らかにふくらんでいる。
「多分これ、最後まで行かないと辛いでしょうね。…お互いに」そう言うと、
リンダのスカートとショーツを一気に下にさげた。一糸まとわぬとはこの事だ。
「ちょっとニア、さっきから脱がすの早いわよ!」照れ隠しなのは自分で百も承知でリンダが叫ぶ。
「もっと焦らした方が良かったですか、すみません」
悪びれず言うと、上は体にまとわり付かせた状態で自分のも下だけ下ろした。
初めて見る男性器が少女の目に映った。
「指、入れますよ」ニアの割と骨ばった指がリンダの中心の入り口に触った。
先程の胸への愛撫でそこは大分濡れている。くすぐるように、うかがうように、少しづつ指が入っていった。
「あ…ニア…やだ、やめてぇ、もう…やだあ…」
快楽を感じている自分を怖がるようにリンダが声をあげた。リンダの膣内の奥がひくひくと
動いてるのが見えた。そろそろいいんだろうか、とニアは彼女の太ももの裏を抑え、
大きく開かせた。少年少女のつたない性知識ながらも、これから2人が何をするのかは
本能で分かる。
「いいよ、ニア」怯えながらもリンダがこくりとうなづいた。それを合図に、ニアは
自分のモノを彼女の中に埋め込んでゆく。処女だからか、濡らしたとはいえ
やはり内部は狭かった。
「い、痛あああああい……っ!!!」リンダが今までで一番大きな悲鳴をあげた。
あまりの悲鳴に思わず進入を止めるニア。手加減する方法なんてわからないのだが…。
「もう、少し入ってるんですが…1回抜きますか?」
リンダはぶんぶんと首を振る。
「嫌よ!!今抜かれたら痛いのまた始めからなんてやる気なくなっちゃうじゃないの!
いいから、このまま最後まで入れて…!」
健気なんだかなんだか分からないリンダだった。
「わかりました続けます。叫びそうになったら指を噛んでてください」
そう言うと、自分の人指し指を彼女の口にがぽっと突っ込んだ。
「んんんんんん………!!」ニアの肉棒が内側からリンダの膣内を押し広げていく度に、
がちがちと歯を食いしばり指を強く噛むリンダ。
中の締め付けも苦しいが、噛まれる指の痛さにやっぱり彼女の衣服でもくわえさせておけば
良かったとニアは思った。
そして、ようやく全部入り終わる。リンダは、一旦区切りたいのか、荒く息をつきながら
「動かさないでね、まだ…」と言った。まだ、とはいつまでなんだろう。
「結構難しい事を簡単に言いますね…」珍しく苦しそうにニアが呟く。
今日初めて見るものばかり。リンダは、ふふふ、とハイになった様な笑いをこぼした。
「どうしたんですか」
「やっぱり、おかしいなあと思って」「え?」
「私たち、そんなに仲良くないのに…こんな事やってるのが」
いつも他人を寄せ付けないニアと、こんなにぴったりと1mmのすき間もなくくっついているのが。
リンダがくつくつとお腹を動かすので、お互い余計に内と外が締め付けられる。
「いいんじゃないですか、過程はどうでも。少なくとも私はあなたの事が嫌いではありません。
親しくもない男と早まったと、あとで後悔されても知りません」
ニアが真っ直ぐに目を見て言う。それを聞き、リンダも嬉しそうにまた笑顔になった。
「いいわ、私、ニアが好き。私も、少なくとも今は世界で一番好きよ」
親兄弟のいない、この孤児院が世界の中心であるリンダにとって、それは確かに妥当な表現だったのかもしれない。
ニアがゆっくりと動き始める。こすりあげるうち彼女の内部は徐々に動きやすくなり
彼女の喘ぐ声にも痛みよりも快楽の色が多く混じってきた。限界が近いらしい。
「ああ…ああんっっあっ、に、あああっ…!!!」
えび反りになってびくんと撥ねるリンダと同時に、ニアも彼女の中に精を吐き出した。そのまま倒れこむ。
ふと、自分の上に乗る温かな重みでリンダは目を覚ました。視界一面にいきなり
ニアの銀髪が目に入る。どうやら2人で少し眠ってしまったらしい。リンダはぴたぴたとニアの頬を叩いた。
「ニア。ニーア。起きて。」不機嫌そうに彼が目を覚ました。
「ここ片付けて、シャワー浴びて、ひと眠りしましょうよ。疲れちゃった。ほら早く服着て」
てきぱきと指示をする彼女は、すっかりいつもの世話焼きなお姉さんといった風だ。
手早く雑巾を濡らしてきて、色々なもので汚れた床を拭いた。それから
のそのそとパジャマを着るニアを見て、手伝ってあげる、と前ボタンを閉め始める。
「自分で出来ます」
「遅いんだものニア」てきぱきとボタンを閉めていくリンダ。そんな彼女をぼーっと見ながら、色々ない混ぜになった感情を
ニアは抱いた。おせっかいだがしつこくはない、だけど強引。微妙に理解できないのは
女性だからか、彼女だからか。もっと親しくなれば分かるのだろうか。考えるのが面倒くさいので
思考を停止する。でも、たまになら話してもいいかもしれない。
ハウスの職員に見つからないように二人でこっそりとプレイルームを出る。
「ね、シャワー浴びたらニアの部屋に行っていい?せっかくだし、一人だと寂しいし」
「どうせ2人ともすぐに寝るじゃないですか」
「いいじゃないの。ピロートーク、ってやつよ」
はあ、と生返事をしながらニアは指で髪の毛をくるくるといじりだす。その指は、噛まれた痕で真っ赤なあざになっていた。
(終)