週末の午後、燦々と光の降り注ぐ新興住宅地の一軒家である。
「ただいまー!」
玄関を勢いよく入ってくるとミサは元気よく叫んだ。
紳士靴の上に流行りのミュールが行儀悪く散らばる。その声で飛び出してきた松井は
「おかえり、ミサミサ」と小鳥のような小さなキスをした。
「あー疲れたー。ねーマッツン肩揉んでよ!」
ソファーにそっくり返ってミサが言う。
松田はいそいそとエプロンで手を拭くと、肩を揉みはじめた。
天性のマネージャー気質である。
襟元がはだけられ、白くすべらかな肌と鎖骨が覗く。
キャミソールの肩紐はしどけなく下ろされて小さな胸の隆起が見えそうだ。
松田は自分の中にいきり立つものを感じ「ミサ…もう一人作っちゃおうか」とミサの耳元で囁いた。
ミサは色っぽく眉根を寄せて「ん…気持ちいい…じゃあ次は足ね」と問いには答えずソファーに腹這いになった
「ハイハイ」
松田はそれでも嬉しそうにミサのストッキングを脱がせると、脚を揉みほぐし始めた。
きゅっと締まった足首。つるつるした脹ら脛。むっちりとした太股。
スカートはめくれ上がって挑発的な尻が誘っている。
松田は思わせぶりなような粘るような手つきで撫で上げる。もはやマッサージというより愛撫である。
ミサの息が心なしか荒くなってきた。露出した肌はほんのり桃色に上気している。
「…あつい…」ミサは潤んだ大きな目で振り返った「服、脱がせて…」
松田がミサの白い下着を引き剥がすと、脚の合わせ目から透明な粘液がいやらしく糸を引いた。
ミサは松田に向きなおり「上も」と命令する。松田はミサの唇を貪りつつ、手は忙しくミサの肌を露わにしていく。
服が景気良く投げ捨てられる。
ミサはソファに寝ころんで手を差し伸べて哀願するように「ねえ、早く…」と小さく囁いた。
白い肌は午後の光を反射し、薄い色の乳首がツンと尖り小振りな乳房の頂上に乗っている。茂みは濡れてキラキラと輝いて糸を太股にまで伝わらせている。
「ミサ」堪らず松田はエプロンを脱ぎ捨てるとミサにのしかかった。
逸る気持ちを抑えつつ松田はミサの小さな耳に舌を這わせた。「あ…」ミサは腰をくねらせる。
唇で耳と首筋を刺激しながら、片手はミサの秘所に伸びていった。
ヌルリとした感触が松田の指に伝わってくる。指で溢れる粘液を肉芽と淫唇に塗りたくると、
わざと音を立てた。ネチャネチャという音に合わせてミサの下半身がピクピクとうごめく。
「あ…ふ…」ミサの喉から甘い声が漏れた。ミサは松田から糸を吐き出しながら唇を放すと「…ねぇ早く」と可愛らしく懇願した。
だが松田はすぐにくれてやるつもりはない。上の口の言う事は信じてはいけない。ミサの下の口は焦らされるのが大好きなのだ・・・。
少年は玄関に脱ぎ散らかされた靴を神経質そうな指で拾い集め、ブツブツ文句を言っていた。
「ったく、松田のバカが…。躾がなっちゃいない…」
玄関を整頓し終えて背を伸ばした少年は、それでも猫背である。
髪は黒くボサボサで、細い体に学生服をだらしなく着込んでいる。
少年はやる気なさげに「ただいま」と言ってキッチンに入ると、長ネギの刺さった大きな買い物袋をカウンターに置いた。
その音でやっとミサと松田は家族の帰宅に気付いた。
二人があわてて服をかき集め着込むと、しばらくして少年はリビングに入って来た。
少年の骨張った素足が床にペタペタと音を立てる。
ミサと松田は、紅潮した頬をなでながら照れ笑いし揃って「L男おかえり」と言った。
L男は無言で何か言いたげにしたが、思いとどまったように、菓子で一杯の袋を下げてリビングを出て行こうとした。
しかし、去り際に振り返ると「私は構いませんが、ライト君達が帰ってくる前に済ませて下さいね」と言い残しドアを閉めた。
松田は決まり悪そうに「どっちが親だか分かんないね」と言った。
だがミサは寂しげに「あの子は何だかいつまで経っても他人行儀なところが抜けないね」と呟き
「四歳児伝説って言うんだっけ…何だっけ。…駄目だね」と言葉を詰まらせると俯いた。
松田は慌てて「そんな事ないよミサミサ!照れてあんな風にしかできないだけだよ!L男だって分かってるよ」と言うとミサをきつく抱きしめた。
ミサも応えるように松田の首に細い腕を絡ませる。
しばらく抱き合って肌のぬくもりを感じていると二人に満たされなかった熱が戻って来た。
ミサが大きな目を潤ませて松田を見つめる。「やっぱり、もう一人作…」と言いかけると、
松田は待ちきれずに避妊具を放り出し、ピンク色の唇に口づけた。
L男は二階の自室で椅子にうずくまって「新発売・ラクダのマーチ・キャメル味」をバリバリと貪っていた。パソコンの横にはうず高く菓子が積まれている。午後の日差しはカーテンで遮られ部屋は薄暗い。「ラクダ…ハズレだったな…」L男は小さく呟いた。
L男の目の前にモニターがあり、明るいリビングルームにそぐわない二人の絡み合う様子が映し出されている。
スピーカーからは二人の名前を呼び合う声、喘ぎ声と粘着質な音が漏れ出ている。
L男は眉間に皺を寄せると「全くあの人たちは…」と呟くと映像を切り替えた。
「家計簿ソフトL君ち」と一瞬画面にデカデカと映し出された。カチャカチャと筋っぽい指でキーボードを叩き「あと一人…いやあのバカ夫婦はあと二人は…」と呟いた。
スピーカーから漏れ出る声は喘ぎ声だけになり段々とリズミカルになってきた。
その頃、ハル子とライトは仲良く手をつないで信号待ちをしているところであった。
ハル子は明らかに白人との混血が分かる白い肌と薄茶の髪と瞳の美少女である。
ブレザーにネクタイ、今時の女子高校生風である。短めのスカートから細長い脚が突き出ている。髪型は後ろでひっつめてくくっている。
手をつないでいるライトは、幼さが残るがよく見れば目鼻立ちの整った少年である。
ハル子は何かに気付いたようにポケットから携帯を出すと一瞥し、ぱちんと閉じた。
そして「ライト、今日は寄り道するよ」と言った。
ライトは顔を輝かせると「どこへ行くの?」と尋ねた。
ハル子は「ひ・み・つ・き・ち」と細かく区切って発音すると、さっさと歩き始めた。
ライトは「秘密基地?子供っぽいなぁ」と言いながら引っ張られるようにして後を付いていく。
ハル子はふんと鼻を鳴らし「大人の秘密基地よ」と自信ありげに言った。ライトは不審に思いながらも見慣れぬ街へ進んでいく。
二人は何の変哲もない住居用の思われるコンクリートマンションの入り口に入って行った。
エレベーターに乗るとライトは期待に満ちた目で「ここ、何?誰んちに行くの?」とハル子を質問責めにした。
ハル子は偉そうに「着けば分かるわよ」としか言わない。
最上階の一室のドアを開けると「さ、どうぞ」とライトを招き入れた。
中はがらんとしていた。
薄暗い部屋の遮光カーテンを開けると眩しい日差しが差し込んできた。
見回してみると、床にノートパソコンがぽつんと置いてある。
部屋の隅には古風な肘掛け椅子があり、別の隅には白い服とジーンズが脱ぎ散らかされている。
ライトがつまんで見ると、服の下にはデザート菓子のカス。ライトはそれを見て
「わかった!兄ちゃんだ!ん?隠れ家?なんで?」と大仰に頭を抱えて叫んだ。
ハル子は疑問には答えず、自分のネクタイを指で緩め
「ライト、シャワー浴びといで」と命令し、肘掛け椅子にふんぞり返ると長く白い脚を組んだ。
ライトは訳も分からずシャワーを浴びていた。ハル子は威圧感があり、命令されると逆らえない。
浴室の外からハル子が「いい?念入りに洗うのよ」と厳命する。「はい」しょんぼりと答えると、全身を念入りに洗い始めた。
シャワーを浴び終え、出ていくとハル子はノートパソコンを必死にいじくり回していた。「あー、やっぱダメか」
ライトは「ちょイイの?兄ちゃんかな?人の物だよ」とハル子を窘めた。
「いいの!」ハル子はそこでキッと振り向くと「ちょっとあんた!何きっちり着てんのよ!」とライトに叫んだ。
「え?でもこれ僕の」と気弱に反抗しようとした瞬間ハル子はライトに馬乗りになると、上着を脱がせる。
ライトはされるがままで「何?」と妙に可愛らしく聴いてくる。
まさか意味が分からないのかとハル子は舌打ちしつつ、恐ろしく手際よくライトを素っ裸にしていくと、
肉茎を持ち上げ口に含んだ。
舌先でちろちろと肉の先の割れ目をなぞると、ライトは「んん…」と呻き声を上げ体を震わせた。
(初めてかよ…しかも何?知らないの?)ハル子は日本の性教育を訝しく思いつつも手と口は忙しく動いている。
根もとを手できつく締め上げ、たっぷり唾の乗った舌でゆっくりと根から先へと舐め上げると「あ!」とライトが小さくさけんだ。
飛び出した白い液は裸の腹に飛び、どくどくと後から後から出てくる。ハル子は体を離し、
頬にかかった液をライトの服を引き寄せて拭い、ヒクヒクと痙攣し放心状態のライトを不機嫌そうに見つめていた。
ハル子はライトに馬乗りのまま「いい?さっきみたいにすぐ出しちゃ駄目よ」と綺麗な顔を強張らせて言った。
だが裏腹にハル子のむっちりとした腰はライトの上で激しくくねっている。
「あっ…んっ…分かっ…ハル姉ちゃん…何コレ。何。どこに入ってんの?」
ハル子はL男の性教育の無策ぶりにも呆れながら「いいから…勝手に動かないで…任せて」と甘く囁く。
「うん…んっ」妙に優しげなハル子にライトは少し嬉しくなったが、すぐに下半身の感覚がすべてを支配した。
ハル子は腰を深々と据えたままライトの上でのけぞると髪を解きシャツを脱いだ。ハル子はブラジャーを着けない。
ライトの目の前に神々しい紡錘型の双丘が現れた。器用にスカートも脱いでいくとハル子はライトの上で淫らに上下運動をし始めた。ライトは
薄れそうになる意識の間で揺れる乳房から目が離せないでいた。
真っ白な肌は血管が透けて見え、突起は自分のものより桃色がかっている。胴は妙に短いがくびれている。
ライトの陰茎はハル子の股のどこかに飲み込まれては吐き出されを繰り返し、そのたびにどちらの物ともしれぬ粘液でグチュグチュと音を立て、ライトの意識を奪っていくようだった。
「あ…ハ…っ」ハル子に何か聴こうとするが声は卑猥な喘ぎ声にしかならなかった。
その頃ヘッドホンで「じゃそれでお願いします」と薄暗い部屋で言い終えたL男は、
傾いた日差しを見て、ライトとハル子の帰宅が遅いのを心配しはじめていた。
ハル子は親の友人の子供で美人だが可愛くない。だが弟妹はヌコ可愛がりしているのだ。
この家には松田とミサ夫妻、L男、友人の娘ハル子、双子のライトと月子が住んでいる
松田とミサと月子が今騒がしく夕飯を作っている。
弟妹がヌコであれば、ハル子と松田とミサはさしずめ要監視対象だった。
L男はふと嫌な予感がしてモニターの画面を切り替えた。
一面に並んだ細かなマスの中の一つに、ライトに乗ったハル子が映し出された。
L男は目を見開いた。「これは…」画面に裸の二人が大写しになり、ブチャッヌチャッという淫らな音と、
ハル子の荒い息の下からライトの喘ぎ声が聞こえてくる。
L男は為す術もなくライトが汚されていくのを見守るしかなかった。
「…っ…ぁ!」ライトが達したその瞬間、ハル子は勝ち誇ったような笑みをモニターに向けた。
「わ!」L男は驚いてひっくり返った・・・。