長編エロ尻小説  
「秘密特命捜査官 NAOMI 〜DEATH NOTE事件〜」  
(ファイル29)  
 
懐中電灯を片手に山口久美子が廊下を進み、そのあとから戦利品を  
誇らしげに抱える鬼塚英吉と、彼にしがみつく南空ナオミが  
ついてくる。  
ナオミの下半身はバスタオルで覆われているが、その下では鬼塚の  
無骨な指が、彼女の鋭敏な秘華を愛でていた。  
それは相田剣介の愛撫のように、論理的で冷たい指捌きではなく、  
荒々しいリズム感で形作られており、単純だが有無を言わせぬ刺激が  
ナオミを気持ち良くさせた。  
彼女は以前の彼女ではなく、その感触が快楽の源であることをいまや  
はっきりと認識しており、それゆえに抵抗感や嫌悪感が薄れてきていた。  
熱く濡れた蒼い蕾は、徐々に赤い色合いへと染まっていく。  
ギシッ、ギシッと廊下の床板が軋む音と、ナオミの唇から零れ落ちる  
甘美な音色が絡み合い、月明かりに照らされた彼らは、幻想の世界へ  
誘われる禁断の恋人たちのように神秘的であった。  
「・・・あっ?」  
背徳の悦びに、堪らず声を漏らすナオミ。  
思わずしがみついていた大きな体から手を離してしまうが、それを  
そっと支える大きな手。  
「・・・しっかり掴まらんと、下に落ちるぞ」  
そう言うと、鬼塚はふたたび自分の胸元にギュウッとナオミを  
押し付けた。  
まるで自分のカラダと匂いを覚えろ、とでも言うかのように。  
 
鬼塚はナオミが重度のファザコンであることを見抜いていたのか、  
まるで赤ん坊のように彼女のカラダを抱きしめていた。  
片手で下半身を支え、もう片方は愛撫に勤しんでいる。  
こんな状態で歩いているのだから、不安定なこと極まりない。  
ナオミは両腕を使い、鬼塚の太い首にしがみつかなければならず、  
それはすなわち自らの意思で、鬼塚にカラダを密着させなければ  
ならないことを意味していた。  
これは鬼塚の調教でもある。  
浮遊感の中で得る、刺激的な快楽に病みつきになりながら、同時に  
鬼塚の分厚い筋肉質なカラダと汗臭い匂いを、その記憶力の高い  
脳内に刷り込まれていく。  
「・・・・・・」  
ナオミは、すっかり術中に嵌まっているようで、赤らんだ頬を鬼塚の  
盛り上がった胸板にへばりつかせ、そっと眼を閉じ、甘く切ない  
吐息をカラダに纏わりつかせている。  
孤独な人生を歩んできたナオミにとって、鬼塚にきつく抱きかかえ  
られることは、まるで自分が赤ん坊に戻っていくような、絶対的な  
安心感に包まれる気持ちを想い起こさせてくれるのだ。  
荒々しい男から流れてくる暖かい体温と心臓の鼓動が、不浄なものから  
身を守る乙女の鎖を砕き、剥き出しになった柔らかい心が野獣の牙  
の前に差し出されていく。  
 
自分に心を委ねる少女に満足したのか、野獣は可憐な少女に語りかける。  
「・・・この建物は戦時中、皇族のお偉いさんが使っていたものらしい。  
オレにはどうでもいい話だが、まあ、おかげでなかなかシャレた  
作りになってるんだぜ?なあ、久美子?」  
声をかけられた山口は、無言の言葉を返した。  
かわりに渚が口を開く。  
「3階には、ボクらも行ったことがなかったんですよ。  
もともとあんまり興味がなかったし、一度無理に入ろうとして怪我  
しちゃった生徒がいたんで、上に登ることを禁止させてたんです。  
ボクにとって、あの古い教室のほうが、みんなとの・・・  
・・・そういえば、たまに夜、3階から明かりが漏れてたって話、  
聞いたことあるけど、アレは鬼塚センセたちだったんですか?」  
「ハハハ・・・久美子の実家の舎弟たちを使ってな。  
半年前に、こっそり中をリフォームしたのよ。なあ、久美子?」  
しかしまたもや返事は返ってこなかった。  
鬼塚も気にした風もなく、何重にも鍵をかけられた分厚い扉を何枚も  
くぐり抜け、ようやくある部屋の前にたどり着いた。  
 
ギギギッ・・・という重厚な音とともに真っ暗な空間が現れた。  
発電機を隣室に運び込んだようで、スイッチを入れると渋めの光が、  
部屋を闇から浮かび上がらせた。  
まるで天文観測室のような、ドーム状になっている天井が、とても  
印象深い部屋である。  
すでに使われていないが重々しい暖炉や豪華なダブルベッド、ロココ調の  
ソファ、年代物であろうクラシックな小物類がキャビネットにきれいに  
並べられ、いまの日本の住宅事情からすれば、十分に高級感を与える。  
「うわあっ!天井から夜空が見えるんですね!」  
大人しくついてきた碇真嗣が、思わず声を上げた。  
「ん〜〜?・・・ああ、そこな。窓は新しくしたけど、元からそういう  
作りになってたんだぜ?天文台みたいなものだったのかな?  
・・・碇、とりあえずそこ、閉めとけ。明かりが漏れると面倒だ。  
校長には話しをつけてあるんだが、世間の眼ってものがあるしな」  
鬼塚たちの横では、渚薫が子供のように、フカフカのソファの上を  
ぴょんぴょんと飛び跳ねている。  
惣流明日香も毒気を抜かれたのか、興味深そうに戸棚の小物類に眼を  
輝かせていた。  
そんな光景を見ながら、山口久美子は苦々しそうに思う。  
(・・・なんでよ、英吉・・・どうして、ここに生徒たちを連れて来たの?  
・・・アタシたちふたりだけの・・・秘密基地じゃなかったの?)  
 
山口の両親は7歳の頃事故死しており、彼女は祖父に引き取られた。  
祖父は、昔ながらのヤクザ「黒川組」の組長だった。  
極道たちに育てられ、将来の跡取り娘として期待されたが、山口は  
ヤクザになるのを嫌がり、公務員だった亡き父親との夢を果たすべく、  
高校の数学教師になった。  
だが新任教師として赴任して間もなく、祖父が肝臓を患って他界。  
やむを得ず彼女は組長代理という形で、教師とヤクザ家業の  
掛け持ちをすることになる。  
そうしたハードな生活の中、生徒たちに裏の顔を知られそうになり、  
しかたなく学校を辞めてしまう。  
それでも山口は、このまま夢を諦めたくはなかった。  
若頭の大島京太郎に黒川組を任せ(大島は頑として組長に就任しなかった)、  
紆余曲折の中、なんとかいまの中学に教職復帰することができた。  
しかしそれですべてが解決したわけではなかった。  
暴力団新法。  
この法律が施行されたため、いままでのような縄張り産業が禁止され、  
黒川組を維持することが難しくなっていく。  
 
やがて黒川組は、違法な手段を使って資金を稼ぐしか生き残る道が  
なくなり、ついには麻薬や銃器密売に手を出すはめに陥った。  
それは山口にとって、悪夢のような展開だった。  
いっそのこと黒川組を解散しようかとも考える。  
だが、世間知らずの組員たちを路頭に放り出すのも忍びなかった。  
残り少なくなった死肉にたかるハイエナのように、他の組との抗争が  
激化し、さらに中国・韓国・台湾といった外国マフィアたちが、政府の  
渡航制限が緩くなったことをいいことに、嬉々として日本へ上陸。  
次々と拠点と稼ぎを奪われていった。  
どうしようもない。  
若頭の大島は、山口を心配させないようにいつも笑顔を見せるが、  
どうしようもない虚しさが、彼女の心を締め付ける。  
(・・・なんで、こんなことに・・・アタシはただ、教師を続けたかった  
だけなのに・・・でも、みんなを放っとけない・・・見捨てられない・・・  
でも、どうしたらいいのか、判らない・・・誰か・・・誰か助けて・・・)  
そこに現れたのが、鬼塚英吉だった。  
 
 

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