長編エロ尻小説
「秘密特命捜査官 NAOMI 〜DEATH NOTE事件〜」
(ファイル25)
ナオミの舌は、パンティーの切れ端と嘔吐物の感触を電気信号に
変え、ひっきりなしに脳神経へ伝達している。
そのたびに脳みそが壊れていくような気持ちになる。
(壊れていく・・・壊れていく・・・壊れていく・・・)
なぜこのようなことになってしまったのだろうか?
(わたしはただ・・・ただマックに友達と行きたかっただけなのに・・・)
彼女はふと、自分の父親のことを思い出した。
『学校を出たらすぐに結婚して、可愛いお嫁さんになるんだよ』
一流大学に行けとも、一流企業に行けとも言われなかった。
早く結婚して、子供を産め。
いつもそう言われてきた。
それは父親としてのエゴなのかもしれないし、自分やナオミに
流れる忌まわしい血を恐れ、狂気の連鎖を薄めたがっているせい
なのかもしれない。
どちらにせよ、ナオミはなんの疑問も持たなかった。
結婚して子供を産み、幸せな家庭を作る。
それが父親との約束であった。
純白のウエディングドレスを着て、まだ見ぬ愛すべき夫との
結婚式に胸を高鳴らせる少女。
だがナオミのささやかな夢は、唐突に終わりを告げた。
(わたしって・・・汚い・・・口から吐いちゃったし・・・それに・・・
・・・ううっ・・・アソコも・・・見られちゃった・・・)
ビデオカメラのことを思い出した。
(まっ、まさか・・・ひょっとして・・・そっ、そんな・・・)
顔を上げようとするが、ガムテープ男に阻止される。
眼を動かして周囲を見るが、どうやら男子たちは下半身に目が
釘付けのようだった。
(ウッ、ウソよ・・・やめてよ・・・みんな、見ないで・・・やめて・・・
あっあっ・・・撮らないで・・・写さないで・・・こんなの・・・イヤだ・・・)
カラダをよじって逃げようとするが、無駄な抵抗だった。
ナオミのアソコを執拗に弄繰り回している男の子。
(・・・誰?・・・あなたは誰?・・・やめて・・・ください・・・お願い・・・)
ビデオカメラをバックから出していた男の子の姿。
さっき酷いことを言っていた男の子の声。
(・・・あのヒトは、たしか・・・2年生のとき、一緒だった・・・
相田・・・剣介くん?・・・あなたなの?・・・それとも、ちがう誰か・・・
・・・誰?・・・あなたは誰なの?)
顔が見えない相手のせいか、弄る指の刺激が直接的に脳に響く。
(・・・ううっ、なんかアソコが・・・熱い・・・なに?・・・コレはなに?)
股間の奥から、熱い塊が出てくるような感触。
(うっううっ・・・なんか・・・熱いよぉ・・・なに、コレェェェ・・・)
自分ではない、別のなにかに変わっていく恐怖。
(もっ、もうマックとか、いっ、行かなくても、いいから・・・
渚くんに逆らった・・・ことも、謝るから・・・だから・・・これ以上・・・
さっ、触らないでぇぇぇ・・・)
封印された扉が開き、ドプッという音とともに迸る感覚が来た。
(あああっ・・・なんか出てきたぁぁ・・・出てきてるよぉぉ〜〜〜)
股間から止め処なく溢れ出る熱い流れが、ゾクゾクと身を震わせる。
恍惚の表情で、ぼんやりと視線を宙に彷徨わせる少女がひとり。
なにかが終わり、なにかが始まった気分に犯されていた。
ムクムクとこみ上げてくる欲望のマグマ。
それは以前の自分とはちがう、新しい感覚を呼び起こす。
(はああぁぁぁ・・・なんだか・・・わたし・・・わたし・・・)
隠された秘密の小部屋を、再びこじ開けられる感触がある。
それが、ナオミの下半身にジ〜〜〜ンと響き渡っていった。
(・・・ちょっ・・・なに・・・するつもりぃ・・・なぁのぉよぉ〜〜〜)
聡明な頭脳が桃色に染まり、思考力がどんどん低下していく。
それに比例して、心の奥底ではなにかを期待するドキドキ感が
次第に大きく膨らんでいくのだった。
と、そのとき鋭い痛みが全身を貫く!
(・・・ひゃあっ!?)
その妖しげな電流に耐え切れず、カラダが跳ね上がる。
だが、その痛みは、どこか甘さを伴っていた。
(・・・・・・・・・なっ!?・・・なに?・・・なんなの、いまの!?・・・)
味わったことのない刺激に戸惑うナオミである。
すると今度は、優しい指使いで、なにかを擦り始めた。
熱い塊が集中しているトコロだ。
ソコを上から撫でられた。ソコを下から撫でられた。
摘まれたり、押し込まれたり、その周辺を指でなぞられた。
(・・・あっ!・・・あっ!・・・あっ!・・・あっ!・・・)
柔らかい火花が、頭の中を駆け巡っていく。
切ない悦びの、淫らな宴の予感。
頭がとろけていく、気分。
クチュクチュクチュクチュ・・・
ひっきりなしに溢れ出てくる快楽の泉。
その水面には、優しい笑顔の少年が佇んでいた。
(・・・なっ、渚くぅ〜〜〜ん・・・)
いまだに未練がましく、好きだった少年の名を口にする。
だがその舌は、汚れた下着と汚物の感触しか与えなかった。
太ももが触られた。
その愛しげな触り方に愛を感じる。
ゆえにお尻にまで手を伸ばされたとき、ナオミは至福の表情で
迎え入れていた。
火照った顔と潤んだ瞳。
ガムテープ男が、厭らしい眼つきで自分を見ていた。
ナオミを見下ろす少年たちが、興奮した眼つきで自分を見ていた。
(・・・見られてる・・・)
複雑な思考ができない少女は、それでも本能的に、悦びに震える
表情を隠そうとするが、ガムテープ男の太ももがギュウッと顔を
締め付け、それを許さなかった。
こんなトコロまで見られてしまう。
少女はすべてを、男たちに差し出さなければならなかった。
もっと見せろとでも言うかのように、形の良いアゴを撫でられる。
快楽の悦びに浸っている厭らしいメスの顔を、みんなに見せろ。
お前の正体を、みんなに晒すんだ。
そんなに気持ち良いのか、このヘンタイめ。
彼らの眼が、そう語っている。
(・・・なぎしゃひゅん・・・はじゅかしゅいぃよぉぉぉ・・・)
幻想の恋人に媚びる甘え声は、汚物にまみれて消えていく。
オンナとして最悪の仕打ちを受けているものの、しかし彼女のカラダに
快楽の波がひっきりなしに押し寄せ、そのたびに溺れてしまう。
屈辱的ではあるが、それゆえにまた悦楽も深い。
ドス黒い悦びが、純白のカラダと無垢なココロを染め上げていく。
熱を帯びた肉の芽を執拗に擦られる。
さっきよりも激しかったが、痛みによる拒絶はなかった。
肉襞から溢れ出る愛液が、それを和らげてくれる。
とても気持ちが良い、とカラダが認めているのだ。
痛痒い快感を貪欲に拾い上げ、もっと弄ってとカラダが叫ぶのだ。
(・・・あっ♥ ・・・あっ♥ ・・・あっ♥ ・・・あっ♥)
悲しそうな父親の顔と憧れの少年の笑顔が、浮かんでは消えていく。
背徳の悦びにカラダが震え、官能の渦に巻き込まれるナオミであった。
「ふーーーっ、ふーーーっ、ふーーーっ」
ナオミの小さな鼻の穴から、安定したリズムで空気が流れる。
その音はかなり大きかった。
少女の痴態に、ガムテープ男が蔑む笑いを浮かべた。
股間を膨らませながら、脂ぎった指にナオミの長い黒髪を絡め、
良い子良い子をするかのように頭を撫で回す。
まるで全部、自分が仕切っているかのように得意げな表情だ。
鳥肌が立つほどゲスな品性の持ち主は、美しい輪郭や整った鼻梁、
小ぶりの耳たぶや細い首筋を触り始め、生臭い息を吐き出し始めた。
彼はナオミの顔を陵辱しているのだ。
「・・・・・・」
しかしそれに対抗する気力はすでになく、ナオミの思考は退行
していく一方だった。
カラダ中の力が抜けていく。
いまのナオミは、快楽に支配される原始的動物に他ならなかった。
美しさも知性も教養も優しさも運動神経も家柄も、関係なかった。
気持ち良さ、ただそれだけ。
だからカラダを跳ね上げるほどの刺激があった瞬間に零した涙は、
歓喜の涙だった。
(・・・きっ、気持ち・・・いいいいい・・・・・・!!!!)
ほんの少し前に少年たちを感動させた凛々しい姿は消え失せ、
切ないほどの快楽に身を焦がす、淫乱な顔が衆人環視で晒される。
なにをされているのか理解できないほど複雑な指捌きに、泣き
笑いの表情で答えるしか、この少女には術がなかった。
「んふぅーーーっ、んふぅーーーっ、んふぅーーーっ」
今度は鼻息ではなく、封印された口の奥から、悩ましげな音色を
周囲に奏で始め、肉襞の周辺から熱のこもった湯気が立ち昇る。
その熱には、濃厚なオンナの匂いが込められていた。
(・・・ヘッ・・・エヘヘヘ・・・きっ・・・気持ちいいぃぃ・・・よォォ・・・
んふっ・・・お尻・・・いいぃぃ・・・もっとぉぉ揉んでェェェ・・・
・・・そこォォォ・・・擦って揉んで摘んで押して噛んでキスして・・・
・・・エヘヘヘヘヘヘ・・・・もっとぉ・・・ああああああああ・・・・
ひひひひひひひひ・・・はっはっはっはっ・・・死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ・・・)
感じやすいカラダは悶え悦び、聡明な頭脳は動物的で反射的な
思考しか、もはやできなかった。
「んふぅーーーっ、んっんんんっ、んふぅーーーっ」
(・・・ああんっ♥ ・・・ああんっ♥ ・・・ああんっ♥ ・・・ああんっ♥)
(・・・死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ・・・)
(・・・はっ♥ ・・・はっ♥ ・・・はっ♥ ・・・はっ♥)
ナオミは自分が制服姿のまま、少女から大人のオンナへの脱皮を
強いられ、細い首筋に巻きついている首輪を引っ張られながら、
恍惚へと至る階段を登らされているビジョンを思い浮かべていた。
一歩一歩と足を進めるごとに、下着がスカートが上着が剥がれ堕ち、
上下の口から忌まわしい排出物を垂れ流しながら、歓喜の表情を
浮かべている。
人間として、けっして見せてはならない汚物を隠すことも許されず、
汗、涙、唾液、鼻水、嘔吐物、愛液、小便、大便、おりものが滴れ、
カラダとココロを汚していく。
それを見て、卑猥な笑みを浮かべたオトコたちが歓声を上げる。
もう無理をして隠す必要はなく、ただ流れるがままに、ただ感じ
るがままにその身を委ね、快楽をカラダとココロに染み渡らせて
いくだけでいい。
そこではもはや、知性など不要。
道徳や貞操など入り込む余地もない。
孤独なココロが満たされ、カラダが充足されていく至福のとき。
限りなき、自由・・・
後ろを振り返ると、母親に抱かれている自分がいた。
独りでオママゴトをしている自分がいた。
将来の旦那様に胸を高鳴らせ、ベッドで寝付けない自分がいた。
酷い苛めに、ただじっと耐え忍ぶ自分がいた。
空想のトモダチで、寂しさを紛らわす自分がいた。
もう、あのころには戻れない。
ナオミは光に満たされた場所へと導かれていく。
首輪が、早く早くと催促するように引っ張られた。
あの光の向こう側に行けば、もう孤独に悩むことはない。
哀しみから開放された世界。
光はやがて、大好きだった少年の笑顔に形作られ、ばら色に染まる
頬を緩めながら、ナオミは微笑んだ。
『・・・わたしを・・・愛して・・・ください・・・』
神の視点から見れば、これほど滑稽で残酷な話もあるまい。
しかしたとえそうであったとしても、この少女が生まれて初めて
孤独を癒された事実は、誰にも否定できないのだ。
(3〜4日後に続く)