長編エロ尻小説
「秘密特命捜査官 NAOMI 〜DEATH NOTE事件〜」
(ファイル03)
ほんの30分前まで、明日早いから、と仕事熱心なことを言っていた
にも拘らず、現在のレイは、もはや目の前のいやらしいオンナとの
セックスのことで頭が一杯という有様だった。
本能に支配された男のカラダは、しかしベッドに行くことを許されず、
椅子に座ったままシャツのボタンをひとつずつ外されていく。
たくましい肉体が現れるたびに、ナオミはひとつずつキスを与えていった。
「ナオミ、シャワーを浴びてから・・・」
汗臭い体臭を、彼女に嗅がれることを恥じたものの、レイは椅子から
立ち上がる素振りを見せず、ナオミも何も聞こえていない様子で、
耳・首筋・脇の下・乳首などを丹念に責め立てていく。
やがてレイの分厚い胸板に鼻を押し付け、思い切り吸い込む。
オトコの匂いがした。
レイは恥ずかしいのか、オゥ・・・、と呻いて身をよじった。
日系人とはいえ食文化がちがうためか、レイの体臭は濃かったが、
ナオミのそれはかすかな甘い香りがする。
一般的に外国人が、日本の女性を抱いて感じることは、甘い体臭が
ほのかにすることだという。
香水とはちがう甘い香りは、日本人独特のフェロモンなのかもしれない。
ナオミはレイの匂いに満足を覚えたのか、再び恋人のカラダの
愛撫を始めた。舌を舐るように絡ませ、潤滑油と化した唾液とともに
小刻みに左右に振り、その感触が永遠に続くと思わせた瞬間、唇を
窄ませ激しい音を立てながら離れる。
そのピンク色の舌は、厭らしい蛇のダンスのように激しくリズミカルな
動きをし、それがあらかた這いずりまわった頃には、レイの上半身を
覆うものはもはや存在せず、ナオミの白く繊細な指が新たな獲物を狙う
ハイエナを思わせる貪欲さで、ジッパーをゆっくりと下げていった。
ここでようやく裸になりつつあるのが自分だけで、ナオミはいまだ服を
脱ぐ素振りすら見せていないことに、レイは気が付いた。
顔が赤くなった。
しかし羞恥心をうまく刺激されているのか、言葉に出すのも忌まわしい
快楽がオトコのカラダを愛撫の虜にしている。
レイの分身をそっと握り、軽く上下にこすり上げながら、耳元で
ナオミが囁く。
「あらぁ、あなたのボクちゃんがスッゴク固くなっているわねぇ。
ふふふ・・・そんなに私の中に潜り込みたいのかしらねぇ・・・」
「ああ、ナオミ、そんなにじらさないでおくれ。もう、ボクは、ボクは・・・」
さり気ないホメ言葉と胸高鳴る期待感という絶妙な語彙を含ませ、さらには
レイの心の奥底に秘めた、マザコン気質を瞬時に読み取り、レイの
興奮する言葉攻めをピンポイントで突く神業を駆使する魔性のオンナ。
不意に立ち上がると、ナオミは細いスラックスをレイの鼻っ面に
押し付けた。
「脱がせて・・・でも手を使っちゃ、ダメよ・・・」
今度は、いたずらっ子のような顔を見せるナオミ。
瞬時にレイの脳内では、別のスイッチに切り替わった。
自らの野獣性をプッシュされたのか、先ほどとはまたちがう興奮が
湧き上がってくる。
「むほぉ〜〜〜」
というくぐもった声が、ナオミの股間あたりから聞こえてくる。
「きゃあw」
ナオミは十歳も若返ったような歓声を上げながら、パッと退く。
しかしレイもそれに合わせて、ナオミに飛び掛る仕草をする。
奇妙な追いかけっこが始まった。
もしこの光景を、十代の少年少女が見たら、大人という存在自体に
嫌悪感を抱かせるほど、おぞましくも下らない行為に映ったであろう。
純粋な子供たちほど、確実にトラウマになる衝撃のはずだ。
だがそうした気持ち悪い遊びに熱中をするふたりは、高学歴・高収入・
おまけに心身ともに申し分のない世界的なエリートである。
その立派な大人たちが、目の色を輝かせて、鬼ごっこをしている。
スラックスとパンティを賭け、テーブルを挟むふたりの攻防はなおも続き、
そのあまりの馬鹿らしさに、胸の底から互いに笑いがこみ上げてきた。
子供のような歓声を上げるナオミを、後ろから抱きしめたレイは、
そのままベッドに倒れこんだ。
ハアッハアッと、肩で息するふたりはクスクスと笑い合い、やがて
じっと顔を見つめ、再び唇を重ねた。
口でスラックスを脱がす、というルールなど、もはやどうでもよかった。
互いに心が通じ合っているからこそ、ここまで変態的な遊びを楽しめる。
ふたりだけの秘密だからこそ、本能と欲望に忠実な痴態に耽れる。
理屈を超えた共感が、セックスをさらに濃厚なものへと変質させていった。
ナオミの薄いセーターの中に、レイの手が滑り込む。
いつの間にかレイは全裸になっていた。
服を着たナオミを素っ裸のオトコが上から跨り、服を剥ぎ取ろうとした。
そのシチュエーションに、ナオミは興奮する。
「いやぁ〜、乱暴しないでぇ~」
と鼻にかかった声に反応し、いきり立つペニスが、ぴくん、ぴくんと
跳ね上がっている。
レイも興奮しているようで、セーターを脱がす手に力が入り、
ビリッという音が聞こえた。
だが、そんな些細なことにかまっている余裕などなかった。
ナオミは片手をそっとペニスに重ね合わせた。
薬指と親指を広げ、それぞれ左右の陰のうに触るか触らないかという、
微妙なタッチでリズミカルに擦り始める。
と同時に、中指は会陰部周辺を、やや強く指で撫でていった。
このふたつの動きは、別々のテンポなので、刺激は倍に膨らむのだ。
さらに時たま、手首にスナップをかけ、亀頭の裏筋に当てるようにする。
ピシッ、ピシッと亀頭が跳ね上がるたびに、透明な液体がよだれの
ように、だら〜っとナオミの手首に垂れ下がってくる。
(2〜3日後に続く)