長編エロ尻小説  
「秘密特命捜査官 NAOMI 〜DEATH NOTE事件〜」  
(ファイル14)  
 
新宿地下街「新宿サブナード」にあるコーヒーチェーン「CAFEEL」。  
「いらっしゃいませ〜!」  
店に入ると、女子店員の明るい声が聞こえてくる。  
ナオミはカウンターへにこやかに近づくと、用件を切り出した。  
「店長さんはいらっしゃいますか?」  
「・・・はい?・・・えーと、失礼ですが・・・」  
女性店員は、少し警戒した顔つきになった。  
「私、こういう者です」  
差し出された名刺には「CAFEEL」の親会社の名前が書かれている。  
事件以降、ここにマスコミの取材が殺到し、店の醜聞を防ぐため  
マスコミ関係者は門前払いされるだろう、と読んでいたナオミは、  
あらかじめネットで調べた資料から、「CAFEEL」の関係者を装う  
偽名刺を用意していた。  
「商品企画アドバイザーの三輪みわと申します。春に販売される  
新商品のサンプルデータの件でお伺いしたのですが」  
「・・・渡辺店長は、本社の会議に出かけましたけど・・・?」  
「ええーっ!じゃあ行き違いになっちゃったのかしら・・・  
困ったわ・・・ちゃんと連絡は入れておいたのに・・・」  
「あっ、副店長が奥におりますので、少々お待ちください」  
さきほどの警戒感が和らぎ、女性店員はナオミのことを信じている。  
有無を言わさぬ門前払いと、強引ながらも直接会うのとでは  
雲泥の差がある。それをナオミは経験則で知っていた。  
今後の展開は、彼女の腕次第である。  
 
副店長は30歳前後の若い男だった。  
店の奥の事務所兼更衣室に入ると、ナオミは別に用意してあった  
マスコミ用の偽名刺を申し訳なさそうに差し出した。  
「困るんだよねぇ。ウチは取材とかお断りしているしさぁ」  
「はい、それは判ってはいるんですが・・・」  
「キラって犯罪者を殺すじゃない?で、ウチは客商売でしょ?」  
「・・・・・・」  
ナオミはじっと俯いている。  
しばらく気まずい空気が流れたのち、ナオミはようやく口を開いた。  
「・・・わたし、実はまだ駆け出しのフリージャーナリストでして。  
収入とかすごい不安定で、最近田舎に帰ろうかな、とか・・・  
でもそんなわたしを見かねて、編集長が仕事を廻してくれたんです。  
あの、もちろん店の名前とか出しませんから・・・なんとか今回  
亡くなられた盗見米吾郎さんのことを・・・」  
「う〜〜〜ん・・・」  
腕を組む副店長は考え込んでいたが、  
「本当に店の名前とか出さないでよ・・・」  
「はいっ!ありがとうございます!」  
どうやらナオミの泣き落とし作戦は成功したようだ。  
「・・・あいつはさぁ、盗見って呼ばれるのを嫌がってたんだよなぁ」  
 
「だから店では、盗見じゃなくて戸叶ってみんな言ってたな。  
本名を言う奴、殴ったことがあったらしいよ。  
オレは見てないけど、まあ不良だよ、あいつは。  
あんなゲス野郎、死んで当然・・・あっ、今のオフレコねw」  
「ええ・・・」  
「盗見は犯罪歴があったみたいだけど不起訴だし、そういう事情って  
履歴書じゃ、判んないじゃん?  
ただ仕事がいい加減だから、そのうちクビを切るって話だった。  
バイトなんていくらでもいるからねぇ・・・  
オレがあいつについて知ってることはこんなもんだな。  
少しは参考になった?」  
「はいっ、参考になりました。どうもありがとうございます」  
「・・・まだ若いんだから、仕事、もうちょっとガンバってみなよ」  
タバコに火をつけ、なにやら説教めいた話に移ろうとしたそのとき、  
ドアを開けてひとりの男が入ってきた。  
「・・・ん?新しいバイトっすか?」  
「おう、黒木。今日は早いな。あっ、彼は盗見と一緒にここでバイトに  
入ったトモダチだから、なんか聞けるかもな」  
「・・・・・・」  
「ヘルプお願いしま〜す」  
カウンターの女の子の声が聞こえた。  
「今日は、客が多いな。じゃあ、そういうことで」  
副店長は部屋から出て行き、ナオミは黒木とふたりきりになった。  
 
「あんた誰?オレここで、着替えなきゃなんねぇんだけど・・・  
なんならオレのヌードでも見てくかい?」  
黒木は下卑た笑いを浮かべた。  
「・・・亡くなった盗見さんとは、お知り合いだったんですか?」  
「あんた、マスコミの人?・・・くくくっ、それにしても盗見だなんて  
何度聞いても笑える名前だなあw」  
「盗見さんって、前は戸叶という名前だったんですよね。  
どうして改名したんでしょうか?」  
「あいつが高校を退学したとき、親が離婚してよ。  
で、母親の方の姓になったんだよ。おまけに母ちゃんが新興宗教に  
ハマっていたらしくて、そこの教祖に下の名前も庄三から  
米吾郎に換えられてやんの。ハハハ・・・」  
「盗見さんが強姦容疑で捕まったとき、どっちの名前で報道された  
んでしょうか?」  
黒川はナオミの前にもかかわらず、服を脱ぎ始めた。  
「知らねぇ。あっ、そういや報道されてねぇな。だって高校生の  
頃の話だからな。・・・なあ、それよりあんた、めちゃ可愛くない?」  
上半身裸の黒川が、ナオミの背後に廻った。そして長い黒髪を  
撫でたり、匂いを嗅いだりというセクハラをし始める。  
「・・・もうひとつお訊きしたいことが」  
ナオミの頬をプニプニと突きながら黒川は言った。  
「なあ〜にが、訊きたいのかなあ、キレイなお姉さんw」  
「・・・あなたたち、レイプ仲間だったの?」  
 
 
(2〜3日後に続く)  

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