僕は成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗、家庭環境良好、信頼もあるし絵に描いたような優等生だ。
それに加え今は人の死を操れるノートがある。バカな口裂け死神が落としていったのだ。
そう、もう僕に欲しい物は何もないと思っていた。しかし何かが足りない・・・恋人だ・・・・。
ガールフレンドならたくさんいる。こう見えても・・・いやこう見えるから僕はモテるんだ。でもどの子も
皆同じように見える。僕の上っ面だけ見て寄ってきて、つまらない会話をし、何がおかしいのか笑い出す。僕は仕方なく愛想笑いをする・・・退屈だ。本当に愛せる恋人が欲しい。僕の本性を知っても全て
受け入れてくれる・・・。
「ねぇライト〜、卒業記念にどっか遊びに行こうよぅ〜。」
ガールフレンドのうちの一人、ユリちゃんがすがるような目で話しかけてきた。やめろ、何かキモいぞ。
「あたし、またスペースランド行きたいな〜この前はあんま時間なくて楽しめなかったしぃ〜」
バスジャックされて、おまけにその犯人の死体見たから楽しめなかったんじゃないのか。
「あはは、いいよ。スペースランドね。で、他に誰が来るの?」
「え〜二人っきりじゃないの!?」
げ、この前二人っきりで行ったからって調子こいてんなこいつ。
「卒業記念だしさ、皆で騒いだ方が楽しいだろ?」
「う〜分かった。じゃ、あたしにライトに美奈子にメガネくんね。美奈子、い〜い?」
美奈子といえば確かM大学志望のユリちゃんの友達だ。おとなしくてユリちゃんと対照的だ。実はあんまり話した事がない。
「え、卒業記念・・・?」
ユリちゃんに呼ばれて美奈子ちゃんが来た。一瞬目が合うとすぐそらしてしまった。
「でも、夜神君、嫌がってるよ・・・。」
え・・・何言ってんだこいつ・・・。
「え〜何いってんの美奈子!ライトは喜んで皆で一緒に行こうって言ったんだよ?」
ユリちゃんが僕の気持ちを代弁してくれた。そうだ、僕は絶えず笑顔で応対していた。どこをどうみれば
いやがっているように見えるんだ!?
「夜神君っていつも退屈そうにしてるよね・・・私分かる・・・。」
!!?なななこいつ僕の本心が分かるのか!?嘘だ!僕はいつも笑顔で応対・・・ってそれさっき言った、友達関係ももちろん良好で休み時間などは他愛もない会話をし、退屈な素振りなんか一寸も見せなかった!それをこいつは!!?
「も〜美奈子!訳わかんないこと言ってないで、行くの?行かないの?」
「夜神君が良いのなら行くけど・・・。」
「ぼぼ僕は大賛成だよ!皆で一緒にエンジョイするべきさ。あ、エンジョイなんて英語使っちゃったよ、 ははは!」
やばい。明かに動揺した素振りを見せてしまったぁぁ!
「じゃあ決定ね。ライト、メガネ君にも伝えといてね。」
ユリちゃんが馬鹿で良かった。僕の慌てっぷりは見事スルーされ、ちょうど昼休み終了のチャイムもなったので、彼女達は自分の席に戻っていった。しかし美奈子ちゃんはこっちを振り返り言った。
「私、知ってるよ。無理しない方が良いよ。」
一言余計なんだよ!!
この日から、僕は美奈子ちゃんが気になって気になって仕方なかった。気を抜くと彼女の事ばかり考えている。彼女は何者だ!?まさか僕の秘密・・・デスノートについてしっているとかはないよな・・・。
卒業記念INスペースランド(命名:メガネ)はいきなりだが明日だ。