「おい、ライト。今度は何を書いているんだ?」  
 俺に話しかけて来たのはリューク、死神だ。  
 俺の名前は夜神月(ライト)。ひょんな事から  
死神リュークの落とした、デス・ノートという物を拾い、  
まぁ簡単に言えば取り憑かれているといった状況だ。  
だが、死神が傍にいるなんてぞくぞくする状況じゃないか?  
ふっ、俺だけかも知れないが。  
「ふふっ。リューク?世界中の女が一斉にオナーニしたら  
それはそれは壮観ですごい事じゃないか?」  
 俺が拾ったデスノート…何かをノートに書けば、  
書いた出来事が現実にも起こりえると言う夢の様なノートだ。  
 誰でも一度は夢想したことがあるだろう?あんな事や、こんな事。  
…それが全て叶う!  
 死神が傍にいる事よりこっちの方が更にぞくぞくする。  
俺が神になれるチャンスだ!死神に取り憑かれてもかまやしない。  
だが、リュークは俺を哀れむかのような目をして話しかけてくる。  
「ライト…デスノートは万能じゃない。ライトがその人物とかを  
確認した後じゃないと効力は発揮されないんだ。世界中の女、全てを  
見ることは不可能だよ」  
「えっ?そ、そうなの?だって俺が昔読んだ本にはそんな事、問題にしてなかったぞ?」  
 俺は本棚から一冊の本をリュークに手渡す。  
「ラ、ライト。こ、この本わ――!!」  
 死神すら知っているこの本。なぜか俺は感動したが、そんな事はどうでもいい。  
リュークはぺらぺらと流し読みを始め、やがてお目当ての所が見つかったんだろう、  
ぴたっ…と、動きが止まった。  
 
「あらかじめ日記…」  
 リュークは呟いた。そう、俺がデスノートを拾って使用方法をリュークから  
聞いた時、真っ先に思い浮かんだのはその日記の名前。  
「どうだ?リューク。デスノートとは実はあらかじめ日記の別名ではないのか?」  
 リュークは黙っている。俺はもう一つ疑問があった事をこの際リュークに  
告げてみようと思った。  
「リューク…実はお前は…未来から来た猫型ロボットの…その、進化系じゃないのか?」  
 突然リュークは、俺の机の引き出しを開け頭から入ろうとした。  
…そのでかい図体じゃあ入る訳無いだろうに。  
 だが、予想を裏切りリュークの大きな身体は引き出しの中へと消えていった。  
「う、嘘?マジでリュークは猫型ロボットだったのか?」  
 引き出しの中を急いで確認するが、当たり前の静寂があっただけだった。  
「ゆ、夢…だったのか?」  
 だが俺は一つの不安にいきなりかき立てられた。  
「そういえば、あの本で何故、猫型ロボットが来たのか…主人公の未来を変えるため  
…だったか?」  
 たしか…ジャ○子と結婚する羽目になるのではなかったか?ガタガタと体が震え始める。  
 更に不安になり俺はリュークを呼び戻すため大声を出した。  
 
「たすけて〜〜!ドラ○もん〜〜〜!!!」  
 
END  
 

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