静かな夜。扉を開けるとカーテンの無い部屋には外のかすかな明かりが差し込んでいた。  
朝まぶしくて起きるなんて事は無いのであろうか?  
ねねこは静かに扉を閉め、靴を脱ぎ部屋にあがろうとしたが足を止めた。  
おもむろに振り向き、普段かけることのない鍵の音が部屋に響いた。  
布団に倒れ込むように横になっているタケヤはどうやらバイトから帰ってそのまま撃沈したようだ。ジーパンで寝るなんて窮屈で仕方がない。  
バイトが深夜までかかるからとレンを預かったのは良いが、レンの制服を忘れたから取りに来た。  
 
頭の中で言い訳のように回っていた台詞は、タケヤの寝顔を見た途端消え去った。  
言い訳だ。たかが制服ならレンだって取りにこれるのにわざわざレンが眠りについてからここに来た。  
そっと布団の横に座り、外の明かりに照らされたタケヤの顔をのぞき込む。  
久々の二人きりの時間。いつもはこの時間ここにいるのはレンだ。  
でも、今日だけは…  
手をタケヤの髪に伸ばす。額にかかっていた髪がパラリと落ちる。  
頬を撫で、親指で唇をなぞると感覚に反応して唇が少し動いた。  
「…タケヤ」  
反応は無い。爆睡してるようだ。  
そっと顔を近づけ、唇を重ねる。  
 
たった2、3秒だが、ねねこには長く感じた。  
タケヤは何の反応も無く眠り続けている。  
レンの制服を取り、タケヤに掛け布団をかぶせるとねねこは部屋を出た。  
扉を閉め、唇にふれる。  
タケヤが目覚めなかったことに、安堵する自分と、目覚めなくて期待はずれな自分がいた。  
タケヤが起きたら、どうなっていたのだろう。  
帰り道、胸が痛んだ。  
 
「…なんだよ今の…」  
幼なじみの出ていった部屋でタケヤはつぶやいた。  
唇に触れた感触に気づき目を開くとねねこの背中が見えたのだった。  
「キスか…?今のって…」  
どういう事だ?レンが寝込みにくっついてくる事はよくあるが、なんでねねこが…  
まるで耳のそばに心臓があるように鼓動が聞こえる。  
「…っきしょ…眠気が覚めたじゃねーかよ。」  
両手で髪の毛をかきむしると、久しぶりの一人きりの部屋で布団に潜り込んだ。  
 
翌朝。ねねこはレンを連れていつもの様に起こしに来た。  
「タケヤ!これを見るのだ!」  
 
少しばかりテンションの高いレンの髪はいつものボーイッシュな感じとは違って可愛らしく結わえてある。  
「ねねこがやってくれたのだ。どうだ?」  
「おぉ、可愛いんじゃねーの。良くできてるな〜」  
「結構簡単なのだ。レンも教えてもらったぞ。」  
「レンは覚えるのが早い。タケヤも見習う事だな。」  
いつもの様に憎まれ口を叩くねねこの髪は、レンがやったのかピンでねじ上げられて毛先が少しばかり無造作に踊っている。  
「…へぇ…」  
「な、なんだ?」  
「いや、可愛く…」  
「あー!!」  
言い終わる前にレンが声を上げた。  
「レンは日直だ!先に学校に行くのだ!」  
 
そう言って部屋を飛び出して行った。  
 
部屋に取り残された二人はどこか息苦しい気持ちになった。  
「何を言いかけたんだ?」  
「え?あぁ、その髪がさ…」  
「おおかた、可愛くないとか似合わないとか言いたかったのであろう?」  
鼻で笑いながらねねこはうつむいた。  
「はぁ?」  
「安心しろ、学校で皆に見られる前にいつものように…」  
ねねこは髪に手を伸ばすと、ピンをはずそうと髪と格闘を始めた。  
「あ!おい、止めろよ」  
タケヤはねねこの手首をつかんでその行為を制止する。  
「誰もそんなこと言ってねーだろ」  
 
「お世辞は良い…似合わない物は似合わないのだ。」  
うつむいたままねねこは答えた。  
「Dearsは良いな。素材が良いから何をしても似合う…」  
「ねねこ?」  
かすかに手首や肩が震えている気がして、タケヤはうつむくねねこの顔をのぞき込んだ。  
「…泣いてんのか?」  
「…泣いちゃ悪いのか?タケヤには解るまい、自分の好きな人のそばに…何もかも完璧な人がいる気持ちなんて…」「ねねこ…」  
「…良いから手を離せ。こんな見苦しいもの……んぅっ!」  
ねねこが言い終わる前に、タケヤの唇がねねこの言葉を塞いだ。  
「…うんっ…ふ……ん…」  
 
突然のことに首をねじり逃げようとするねねこの頭を両手で抱え、タケヤは更に舌を差し込む。  
次第にねねこの体から抵抗の力は消え、小さな両手でタケヤのシャツを握りしめた。  
「…はふっ……」  
押し寄せたキスに息をついたねねこはそのまま膝から崩れ落ちた。  
「…なぜだ、タケヤ…」  
紅潮した頬に涙目のねねこ。  
「…おまえが昨日先にしたんだろ。」  
「起きてたのか?!」  
頬の赤みが耳にまで広がった。  
「人の話きかねーからだ。可愛いって言ってんだよ、その髪。」  
「お世辞を言うな!」  
「あ゙ー!もう、素直じゃねーな!」  
 
ねねこの態度にカチンと来たタケヤは勢い良くねねこを押し倒した。  
「ち、ちょっと何をする!」  
「こんな風にしたいくらい、可愛いと思ってんだよ!…信用しろよ…」  
もう一度唇を重ねると、ねねこも舌を絡め反応してくる。  
ねねこの体がいつもより更に小さく見えて、両腕を回し込み抱きしめる。  
「…遅刻…する…ぞ」  
「かまわない…」  
制服の裾から手を差し込むと、ねねこの体がビクンと跳ね上がる。  
「んっ!」  
触れるか触れないかで手を進めると、柔らかい素材のブラに到達した。  
「あ…いゃ……」  
言葉とは裏腹にねねこの目はうるうるしている。  
 
そっと手で包み込むと柔らかい感触が伝わる。  
「…ごめん」  
一言ねねこに謝ると、ブラを押し上げ直に胸の感触を求めた。  
「はぁっ…んっやぁ…」  
手のひらに周りより堅い部分が当たる。そこに指を当てはじくようにいじると、ねねこは更に涙目になり小さな声をあげた。  
「気持ち良いのか?お前のそんな顔初めてみた…」  
タケヤは自分の愛撫に身を捩るねねこが愛おしくなりもう一度キスをした。  
「…んっ…タ…ケヤ…タケヤ、好…き…好きな…の…」  
ねねこの何かが壊れたのか、タケヤの首にしがみつき涙を流す。  
「ねねこ…」  
タケヤは完璧に理性が吹っ飛んだ。  
 
スカートをたくしあげると細いすべすべの足が露わになった。  
ねねこの秘部に指を伸ばすと、腰をもじもじとくねらせる。  
もどかしくなり、下着をおろし触れると柔らかい粘膜の感触。  
指でいじると水のような音が聞こえる。  
「あっ…や…」  
「濡れてる…」  
もう止められない。タケヤは下を脱ぐと張りつめた物をねねこの秘部にすり付けた。  
「ひっ!」  
何かの堅い感触にねねこの体がこわばった。  
タケヤの物にねねこの体液がまとわりつく。すでにお互いドロドロになっている。  
「…すげ…このまま入りそうだ…」  
 
すり付けながらタケヤはマジマジとその部分を眺める。  
「いやだ…そんなこと言うのはずる…あぁっ!」  
ねねこの言葉を遮り、タケヤは一気に腰を押し進めた。  
ねねこの中はきつく、熱を帯びていた。  
「痛いか?」  
「…ふぅ…ん…へ…きだから…私嬉しいの…タケヤの好きに動いて…」  
「解った…無理するなよ」  
腰を引き抜こうとすると何かが絡みつく感触に襲われる。  
やばい…気持ちよすぎる。意識を反らすために静かに抜き差ししながら、ねねこの胸に手を伸ばし、揉みしだき、吸い付き下で転がす。  
「あぁん!」  
 
しかし胸への愛撫に連動するように中も蠢く。  
「あぁ…も、だめだ…」  
「…え?」  
「激しくするけどごめん…我慢できない!」  
タケヤは言ったそばからねねこの足を抱え込み、腰を打ちつけた。 「きゃぅっ!やぁっ!あぁ!だっだめぇ!」  
ねねこの訴えも届かないまま、タケヤの物は容赦なく責め立てる。  
「あっ…もっ、だめぇぇっ!!」  
「っ!!」  
タケヤはたまりにたまった物をねねこの中にそそぎ込んだ。  
ねねこの中はタケヤから搾り取るように絡み付き、二人はお互い離れずに強く抱き合っていた。  
 
 
すでに遅刻確実となった登校途中。歩きながら二人は会話を交わさなかった。  
すでに生徒は歩いていない学校への道を、ただ手をつなぎ歩くだけで十分だった。  
 
 
おわり  
 

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