友達ができた。  
 
友達。私の、私の友達。  
 
いつも一人ぼっちで、いつも寂しい私に友達ができたの。  
 
優しいキーちゃん。  
 
でもね、キーちゃん、私は・・・本当はね?  
 
とても・・・汚れているんだよ?  
 
 
 
男の拳が散葉の腹にめり込んだ。  
けほけほとむせながら散葉は懸命に耐える。  
村の男たちは楽しそうにそんな散葉を見つめ、さらに拳を振り下ろす。  
小さな彼女の体は簡単に跳ね飛ばされ、床に体を打ち付けられる。  
けれど散葉は知っていた。  
それはすぐに治るということ。  
だから男たちは散葉を好き勝手に遊ぶのだ。  
 
散葉が化け物だから。  
 
すでにぼろぼろな体を一人の男が持ち上げる。  
痛くてうっと声を零すと、男たちは容赦なく散葉を殴った。  
そしてまた傷が増える。  
・・・ごめんなさい。私は何も言っちゃいけなかった。  
ごめんなさいと謝ると、男の一人はまた楽しそうに笑って散葉を殴る。  
頬を殴られて口の中が切れる。  
散葉は殴った男をぼんやりと見つめて思った。  
私を殴ってこの人は楽しいんだ。  
怒りも悲しみも浮かばない。  
何しろ彼女が小さかった頃からそれはそうだったのだから。  
男は散葉の着物を破り、散葉の白い体を見つめた。  
最初は恥ずかしいと抵抗したらその度に散葉を殴るので、散葉はもう抵抗はしない。  
そして男もそれを知っているので散葉の体を仰向けに変えした。  
白い体に青い内傷が残っている。  
彼女の肌が白いからこそのものだが、それは彼女の小さな体に無残に咲いていた。  
華奢な手に黒い髪、顔は意図的に殴るのを避けている。  
男達は興奮したようにはぁはぁと鼻息を荒く散葉の体に触れる。  
まだ膨らみもしない胸に触れ、きつく揉みしだく。  
幼い彼女にはそれが何を意味すのかは分からないが黙って男を見ていた。  
やがて周りの男達も何かを取り出す散葉の体に押し付ける。  
妙に細長くて、温かいもの。  
それは散葉の経験から何を意味するかは分かっていた。  
散葉は一人が押し付けたそれを口に含み、必死に舐める。  
この前、歯を立てそうになったら殴られたので、今度はそんな失敗はしないでおこうと思いながら彼女は必死に舐める。  
男は黙ってそんな散葉を見つめる。  
胸を触っていた男は胸から離れ、散葉の一番怖い場所に手を触れた。  
その瞬間びくっと反応した散葉に舐めさせている男が怖い声で言う。  
 
「・・・歯をたてたら殺すぞ。」  
 
コクコクと頷きながらも散葉は脅えていた。  
その場所は怖いところ。  
一番痛い・・・怖いところ。  
やがて舐めていた男が、うっと唸ったのを見て散葉ははっと気付く。  
アレが出る。  
思ったとおり口いっぱいに生臭く苦い液体があるのを感じ、顔をしかめて飲み干す。  
男達は飲み干さなければまた暴力を奮う。  
飲み干すが少し口から零れ、地面に落ちた。  
それを見ていた男はそれに目に止め、にやつきながら言った。  
 
「ほら、どうするんだった?」  
 
どうやらその様子に気付いたらしく後ろで触っていた男も離れるのを感じた。  
散葉は震えながらも頷き、その白い水溜りに顔を寄せ、舐める。  
ぺろぺろと、犬のようにミルクを飲む姿を、周りで散葉の舐めていたものを手で扱いていた男達もにやつきながら見る。  
必死に舐める散葉に一人の男が笑っていった。  
 
「ほら、舐めろよ。化け物。」  
 
そういい床にそれをぶちまける男に散葉は頷いて、舐める。  
男達は楽しそうにそれを見ているとやがて辛抱を切らしたのか散葉にのしかかってきた。  
それを見て散葉は恐怖を覚えて叫ぶ。  
 
「やめてぇ!!痛いのは・・・痛いのはやめてぇ!!」  
 
けれどそんな散葉に男は無理やり体を開かせる。  
痛い、嫌だ、怖い、そんなの・・・そんなの・・・。  
しかし、彼女に次に感じたのは彼女が恐れた痛みだった。  
またあれだ。  
そうすでに抗う気力をなくした散葉に、男は腰を振り出す。  
ゆさゆさと揺らされながら、何度やってもなれない痛みに、軽い彼女の体はゆらゆら揺れる。  
痛いけど泣いたらまた叩かれる。  
懸命に抑える彼女に、男の一人はまたあの棒状のものを押し付ける。  
 
「ほら、舐めろよ」  
 
それを必死に舐めながらも散葉はあることに脅えていた。  
痛いけど・・・一番怖いことがある。  
男の腰の動きはだんだん増し、やがて苦しそうに唸った。  
その声を聞き散葉は脅えながらも体の奥に当たる何かを感じる。  
やがて男がそこから出ると溢れる白い液体に散葉は恐怖した。  
怖い、何故か分からないけど怖い。  
それは彼女の性への恐れであり、恐怖だった。  
快楽もなく、痛みしか伴わない行為ではあったが、それが酷くいやらしい行為だとは彼女は気付いていたのだ。  
その恐怖は1つに向けられていた。  
きーちゃんに嫌われる。  
そんな彼女の内面を知らず、脅える彼女に男がまた口に白い苦い液を吐き出す。  
それを必死に飲み込みながら、散葉はまた男がのしかかってきたのを感じた。  
 
 
狂乱が終わり、一人残された散葉はぼんやりと上を見上げていた  
動けない、白い液が体中に撒き散らされて、  
痛む体、そして何よりもいたいのは自分の心だ。  
散葉は思った。  
 
私が人間じゃないから痛いことされるのかな?  
人間じゃないから苛められるのかな?  
なら・・・どうして神様は私を人間にしてくれんかったんかなぁ?  
生まれてから一人ぼっちで、いつも苛められて。  
神様も私を嫌いなんかなあ?  
ぽつりと涙を浮かべた彼女に優しい声が聞こえた。  
 
「ちるはーーー」  
 
その声に散葉は慌てて体を起こす。  
痛いけれど大変だ。きーちゃんが来ちゃった。  
体は白い液が乾きかけてるし、着物もどろどろだ。  
どうしようと迷った彼女は居留守を使うことにする。  
 
「ちるはー、ちるは?どうしたんだろう・・・」  
 
その声に気付かないでと懸命に祈りながら散葉は祈る。  
 
「今日は・・・いないのか・・・」  
 
はぁとため息が聞こえても散葉は我慢する。  
こんな姿きーちゃんにみせられないよ。  
やがて足音が遠ざかるのを聞きながら散葉はほっと息を落とし、声を殺して泣いた。  
汚い私、汚い私の心。  
だからこそ私は嫌われる。  
こんなに汚いのにきーちゃんを助けようなんて、傍にいようなんて。  
私は・・・本当に汚い。  
少女は涙を流して手を合わせる。  
 
どうか・・・神様。もしも貴方がいるのだとしたら。  
 
誰にも嫌われない私をください。  
 
誰にも恐れられない私をください。  
 
そして、ほんの少しでいいから誰を助けて上げれる力をください。  
 
そのためなら・・・私は何を捨ててもかまいません。  
 
その願いは神に届いたかは分からないが、叶うことになる。  
小さな彼女が願ったこと。  
小さな、小さな願い事。  
 
 

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