吐く息は白く、頬に当たる風は肌を切るように冷たい。  
街路樹は葉を落とし、落ちた葉は風にさらわれ何処かへ舞っていく。  
 
師走の、どこか寂寥とした風景。  
 
けれど街には暖かい光が満ち溢れ、イルミネーションが美しく彩っている。  
今日は、クリスマス・イヴ。  
 
初音島唯一の商店街には様々な人々がいる。  
はしゃぎまわる子供、それをなんとか宥めようとしている母親。  
どこか寂しそうに肩を落として歩いている男性。  
これからの予定を楽しそうに話し合っている女学生の団体。  
あまり縁のなさそうなお年寄りの夫婦。  
 
しかし、やはり一番目に付くのは肩を寄せ合い歩く恋人たちだろう。  
年に一度の特別な日を記憶に刻み付けるかのように,恋人たちは手を繋ぎながらゆっくりと歩いてゆく。  
 
「クリスマス・・・・・ですね・・・・」  
私は並んで歩いている恋人にふと、話しかけました。  
「ああ・・・・そうだな・・・・・」  
恋人、純一さんはゆっくりとうなずく。  
時刻は5時を過ぎたところ・・・・でしょうか。  
闇は段々と濃くなり、徐々に明かりが灯っていく時間帯です。  
学校を終えた私たちは、前日から約束していたようにデートをしました。  
デートといっても、いつもと変わらない商店街を当てもなくブラブラと  
歩くようなものです。  
そんなに代わり映えしない毎日。  
けど、私にとっては純一さんと一緒に居る事のできる大切な時間です。  
「純一さん・・・・・」  
 
ふと思いついた私は、  
「ん?なに?」  
「あの・・・・寒くないですか?」  
そう言いながら右手を純一さんに向けて差し出しました。  
「え?・・・あ、ああ・・・・そうだな」  
少し驚いたように、それでもキュッと私の手を握ってくれました。  
 
「珍しいな」  
「え?なにがですか?」  
少し不思議そうな顔をして純一さんは言います。  
「美咲から手を繋いでくるなんて。いつもは俺からなのに」  
「そうですね・・・」  
 
やっぱり、今日が特別な日だからでしょうか?  
いつもなら切り出しにくいことも、自然に言葉にできました。  
 
「あの・・・・・・」  
「どうした?」  
「これから行きたいところがあるんですけど、いいですか?」  
 
「ここは・・・・」  
私たちの眼下には色とりどりの光を放つ街並みが広がっていました。  
桜公園の高台。周りには照明なども無く、かなり薄暗い所です。  
すこし遠くに目を向けると、本島の街の明かりも見えます。  
 
「去年・・・頼子に連れてこられた場所です」  
手すりに体を預けながら呟きます。  
「でも・・・・なんでここに?」  
 
「ただ、なんとなくです。でも・・・強いて上げるなら、とても綺麗で、誰もいないからですね。」  
ふぅっ、と吐息をつく。  
吐き出された白い呼気は闇に染まった空に吸い込まれていきます。  
「純一さん・・・・・」  
「どうした?」  
何か言いたいことがあるんじゃないのか?  
彼の目はそう言っている様でした。  
 
「私・・・・・・・・・変われたでしょうか?」  
「去年、ここで頼子に言われたように。外の世界に出て、いろんな物を見て、いろんな人と出会って、いろんなことに挑戦して・・・・」  
 
純一さんは何も答えず、そっと私の肩に手をまわし、自分の方に引き寄せました。  
ピッタリと寄り添うことで、少しだけ寒さが和らぎました。  
 
「変われたよ・・・・」  
静かに、私に呟きました。  
「少なくとも、俺はそう思ってる。」  
「そう・・・ですか?」  
不安げに見つめる私に優しく微笑みながら続けます。  
「あんまり人前でおどおどしなくなったし、できるだけ積極的に物事に関わってるし。  
充分変われたと思うよ。」  
俺と違ってね。と笑いながら付け足します。  
「そう・・・ですか?純一さんも変わったと思いますけど」  
「そうかな?」  
「はい。なんだか頼もしくなったと思いますよ。」  
「んー、そうかな?」  
あまり信用してなさそうな顔。  
「やっぱり自分じゃわからないなぁ」  
「そういうものかもしれませんね。」  
ふふっと笑いあう。  
 
「でも」  
 
「え?」  
 
「やっぱり、私があの頃の私から変われたのは純一さんのお陰だと思います。」  
「そっか・・・どういたしまして。」  
 
「だから・・・・」  
なに?と聞こうとした純一さんに顔を近づけ、そのまま唇を重ねました。  
「!?」  
「んぅっ・・・・」  
私の突然の行動に目を見開いている純一さんの首に手をまわすと、ギュッと抱きつきます。  
そのまま、しばらくの間お互いの唇の感触を確かめあっていました。  
「んふぅ・・・」  
「美咲・・・・・・」  
戸惑ったような、けれどどこか嬉しそうな顔。  
「純一さん・・・・・」  
自分から誘うのはすごく恥ずかしかったけど、  
「これから・・・・・・家に行っていいですか?」  
大切な人とこの夜を過ごしたいから・・・・  
純一さんは何も言わず、優しく私の手を握ってくれました。  
 
 
「・・・・ぁっ」  
純一さんは私をベッドに横たえると、覆いかぶさるようにして  
唇を重ねました。  
 
「んふぅ・・・」  
純一さんの舌が私の唇を割って口内に侵入してきます。  
「んんっ、んぅ、ちゅっ、んっ、ちゅぅっ」  
ゆっくりとお互いの舌を絡めあうと、それだけで私の頭の中は真っ白に  
なっていきます。  
 
「んぅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅくっ、んちゅっ」  
「はむっ、んんっ、ちゅっ、ちゅっ、ぴちゃっ」  
舌を絡めながら純一さんの右手が私の胸を包み込み、ゆっくりと形を確かめるかのように  
揉みしだいてきました。  
「はぅっ、んんぅっ、はぁっ、・・・・・ちゅっ、ぴちゃっ」  
「美咲・・・・かわいいよ・・・」  
「んんっ、んっ・・・ありがとう・・・・ございます・・・」  
「んんぅ・・・はぁっ、んぁぁっ」  
「だんだん・・・乳首が勃ってきたよ」  
「そ・・・そんなっ、んぅっ!あぁっ!」  
だんだん・・・・ショーツが湿ってきているような気がします。  
「それじゃ・・・脱がすよ」  
 
「は・・はい」  
そのまま服をすべて脱がすのかと思っていると、純一さんは制服ははだけさせたまま、  
ショーツだけを抜き取りました。  
「なっ、なんで全部脱がさないんですか!?」  
少し、じゃなくてかなり驚いて言うと純一さんは  
「このほうが美咲の恥ずかしそうな顔がよく見れるから」  
意地悪そうな顔で言いました。  
 
「いっ、嫌ですっ、こんなのっ!」  
私は顔を真っ赤にして顔を覆ってしまいました。  
「だからいいんだよ・・・じゃ、続けるから」  
そう言うと、ブラを上にずらし、直に胸をもみしだき始めます。  
開いている左手は秘所に伸ばし、ゆっくりと割れ目をなぞっています。  
 
「あぅ!んはぁっ、んんっ、はあぁっ、ああぁっ」  
「んぅぁぁ、ふぁっ、はぁっ、あぁっ、ああぁっ」  
「ふぁぁぁ、んぁぁあっ、ああぁっ、はあぁぁっ」  
嫌がっていた私も、与えられる快感に喉から自然に喘ぎ声が飛び出します。  
 
「やっぱりエッチな子だな、美咲は」  
「ちっ、ちがっ・・・」  
必死で否定しようと首を振るけど、力が入りません。  
「もっと素直にしてやるよ」  
そう言うと、キュッと轟を摘み、擦り潰すようにクリトリスを擦り上げます。  
「んああああぁぁっ!」  
一瞬頭の中が真っ白になり、とてつもない快感と共に、喉から絶叫が迸りました。  
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁぁ」  
「軽くイッちゃったみたいだな」  
「はぁ、はぁぁ、はいぃ」  
軽くじゃありません・・・・。  
満足そうな表情を浮かべた純一さんはベルトを緩めると、固く充血したモノを取り出し、私に聞きました。  
「それじゃ美咲、そろそろ・・・いいか?」  
「は、はい・・・・」  
私の両足を大きく広げさせ、モノを秘所にあてがうと、ゆっくりと腰を押し出してきます。  
「んんぅっ・・・」  
「相変わらずきついな・・・・」  
柔肉を押し広げるように侵入してくる異物を、私の体は排除しようとするかのようにきつく締め上げます。  
「くぅっ・・・」  
モノの先端がようやく奥に当たりました。  
「はぁ、はぁぁ・・・入りましたか?」  
「ああ・・・・」  
無意識の内に腰がピクッと震えてしまいます。  
「あの・・・純一さん・・・・動いて・・・・・・いいですよ」  
「大丈夫か?ちょっと苦しそうだったけど」  
「はい・・・・というよりもう・・・・・・・・・ガマンできません・・・・・・・・・  
純一さんを感じさせてください・・・・・・・」  
「ああ、わかった・・・」  
 
ゆっくりとしたピストン運動が始まります。  
私を労わるかのように、優しく、できるだけ負担をかけないように。  
「んんぅ・・・はぁ、ふぁぁ」  
純一さんはゆっくりと私を揺り動かしながら、そっと胸に手を伸ばし、  
頭頂部を中心に撫でまわしたり、形を楽しむように揉んだりしています。  
「はぅっ、あぁっ、ふあぁっ、はぁんぅ・・・」  
「ふぁぅっ、はあぁっ、んんぁっ、あぁぁぁっ」  
今度は結合部の上のほうにある突起を人差し指で弾いたり、擦ったりし始めました。  
「んんぁっ!あぁっ、はぁぁっ、ふぁぁっ、あああぁぅっ!」  
その間に腰の動きもだんだんと激しくなっていきます。  
「ふあぁぁぁぁ、はああぁんっ、きゃぁっ、ああぁぁっ!」  
二箇所から与えられる快感にだんだんと声のトーンも高くなり、  
体の奥がどんどん熱くなっていきます。  
「んぁっっ!純一さぁんっ!」  
「美咲っ・・・ちょっと、体勢変えるぞっ」  
そう言うと、純一さんは仰向けになり、私をその上に馬乗りにさせました。  
 
「は、恥ずかしいですよっ、こんなのっ」  
「これなら美咲がコントロールできるだろ?」  
「は、はい・・・・・」  
慎重に足を踏ん張って体を持ち上げると、モノが抜ける寸前でまた腰を沈める。  
最初はゆっくりと、それからだんだんスピードを上げていく。  
「んはっ、はあっっ、んぁっ、あぁっ」  
「すごく気持ちいいよ、美咲」  
「あっ、ありがっ、ああぁっ、はうぁあっ、んんぁぅぁっ」  
徐々に速度が上がっていく上下運動によって、私の大きめの胸が、リズミカルに揺れます。  
「もっと、もっと下さいっ、ああぁっ、はぁっ、ふぁっっ、ああんぅっ」  
「んんぁっ、ああああぁっ、ふぁああああああっ!」  
「くぅっ、も、もうっ、イきそうだっ」  
純一さんが限界を訴えると共に、下から突き始めました。  
「わっ、私もイきそうですぅっ、あんぅぅっ、ああぁぁっ!」  
「はぁぁぁぁぁっ!ああんっ、ふぁぁぅっ、ああぁぁっ」  
「で、出るっ!」  
「んはぁっっ、ああぁっぁぅっ、あっ、あっ、ああぁっ、あああぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」  
 
ドクッ、ドプッ、ドクッ、ドクッ!  
 
「んぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・」  
絶頂、開放感の後、私は純一さんの上に倒れこみ、その逞しい胸板に体を預けました。  
 
 
「ほんとに送らなくていいのか?」  
朝倉家の前。外は当たり前のように深い闇に包まれ、電灯無くしてはまともに歩くこともできないでしょう。  
「はい、大丈夫です」  
「でも、何かあったら困るし・・・・」  
心配そうな顔の純一さん。  
「本当に大丈夫ですよ。防犯ブザーだって持ってますし」  
私は安心させるように微笑みます。  
「そこまで言うのならいいけど・・・・」  
やっぱりどこか心配そうです。  
「それより、今日はありがとうございました。」  
「え?なにが?」  
「いろいろな事を・・・・・・です」  
「うーん・・・・まぁ、なんていうか・・・どういたしまして」  
頭をぽりぽり掻きながら照れているように答えてくれる。  
「それじゃ」  
「ああ」  
そっ、と。  
自然な動きでさよならの挨拶を交わした私たちは、お互いに微笑みながら手を振りあう。  
 
今日が終わったとしても、明日がある。  
突然には変わらないけれど、少しずつでもいいから変わっていこうと思える。  
私は闇に染まった空へ向けて、感謝の言葉を呟いた。  
私の大切な人と、また等しく大切な頼子へ。  
どこかで、楽しげなクリスマスソングが流れているのが、微かに、聞こえた。  
 
fin  
 

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